(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 関根光子 山田智子 田中 老刑事 客 おばさん おじいさん マスター |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 事件の被害者、田中医師の元恋人 関根光子の友人 医師 事件を担当した刑事 バーで田中医師を一緒に飲んでいた男性 商店を経営する女性 海のゴミ拾いをしていた老人 バーのマスター |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 声の出演なし 村井かずさ 大森章督 藤本譲 千葉一伸 岡本嘉子 丸山詠二 高木渉 |
やはり蘭の方向音痴は小五郎譲りだったのか…しかし転んでもタダでは起きないのが名探偵、小五郎が道を間違えたおかげで、蘭とコナンは夕陽で真っ赤に染まった美しい海を、人気もまばらな白い砂浜でゆっくりと眺めることができたのです。
一方道を間違えた張本人の小五郎はというと…海岸近くのバーのカウンターで、ジョッキを片手にすっかり酔っ払い、ご機嫌な様子でいたのでした。そして夜10時を過ぎた頃、蘭とコナンに名探偵がこのような所で酔いつぶれたらみっともないと上手く説得され、店を出ようとしたのですが…
蘭とコナンの説得も虚しく、コナンの口から出た「名探偵の毛利小五郎」という言葉を耳にした一人の男性客が、ぜひ一緒に酒を飲みながら事件の話を聞きたいと申し出てきたのです。それを聞いた小五郎は、上機嫌な様子でその申し出を受け入れようとしたのですが…
ところがその男性客の連れと思われる田中という名前の眼鏡の男は、酔いでも回っているのか「はっきり言って邪魔だ」と、非常に迷惑そうにしながら小五郎と一緒に飲むことを拒絶したのです。仕方なく小五郎は、蘭たちを引き連れてバーを後にしようと出口の前までやって来ます。
するとそこへ長い髪を後ろでまとめ緑色の服を着た若い女性がバーの中へと入ってきて、田中に「光子がどこへ行ったか知らないか」と尋ねたのです。彼女の話によると彼女の友人の光子が自分と会う約束をしていた店に1時間経っても現われず、家にもいないというのでした。ところが田中は素っ気ない表情で、光子の居所は分からず、それに自分と光子はもう何でもないと冷たく言い放ったのです…。
そして翌日、二日酔いで頭がガンガンする小五郎を残し、蘭とコナンは二人で仲良く海の中を潜っていましたが、数十メートル進んだ所で、二人はとんでもないものを発見したのです…
それは両脚を縄で縛られ大きな岩を重石にして海底に沈められていた、若い女性の変わり果てた姿だったのでした…!!!
すぐに警察が呼ばれ、地元の警察の手によって捜査が開始されます。小五郎も自分が名探偵の毛利小五郎であることを明かし、捜査に協力することになったのですが、そんな中、「光子!」と叫びながら海底から引き揚げられた遺体に駆け寄ってくる一人の女性がいました。
その女性は、山田智子といい、遺体の女性─関根光子の親友で、前日の夜に小五郎たちが出会った、あの長い髪を後ろでまとめた緑色の服を着た若い女性でした。
そして彼女は、しばらくして現場に現われた一人の男を恨めしそうに睨みつけて…
その男というのは何とも奇遇なことに、昨晩バーで小五郎の存在を迷惑だと言ったあの田中という眼鏡の男だったのです。そして田中というのはこの町一番の名医らしく、今回の事件でも当然のように検死を担当することになったのですが…
ところが、田中医師は病院でよく調べなければ分からないと言いながら、外傷もまったくなく抵抗した形跡もないことを根拠に単なる自殺と判断。そのあまりに不自然で無理やり自殺と根拠づけるやり口に、コナンは少なからず不快感を覚えたのです。
田中医師が現場から去っていくと、彼のことを恨めしそうに睨みつけていた山田智子は田中のことを「人殺し」と罵り、光子は自殺などではなく彼が殺したに違いないとはっきりと言い切ったのです。そして彼女の口から驚くべき事実が明らかにされ…
何と田中医師は被害者の関根光子と以前交際していたらしく、結婚の約束までしていたというのです。ところが大病院の院長の娘と婚約が決まったために光子との関係が邪魔になり、それで一方的に切り捨ててしまったというのでした。
もし田中が犯人だとすると、自分で殺害しておいて、自分で検死をするというのは何とも大胆な行動だと言わざるを得ませんでした。そんな不敵な田中に対し小五郎も闘志をむき出しにし、山田智子に田中が殺害したことを突き止めて、光子の無念を晴らしてみせると力強く宣言したのです。
ところが、被害者・関根光子の死亡推定時刻が夜の10時前後であると判明する一方で、田中には何と夜8時から夜中まで、小五郎もいた例のバーで仲間と一緒に酒を飲んでいたという鉄壁のアリバイがあることが判明したのです。
しかも10時頃というのは丁度蘭とコナンが小五郎を迎えにいった時刻…だとすると田中にはとても犯行は無理と言わざるを得ませんでした。
そこで小五郎は、田中自身の検死に疑問を抱き、田中自身ではなく別の医師に遺体を調べさせて死亡推定時刻を割り出してもらうように要求したのですが…