(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 目暮警部 小嶋元太 円谷光彦 吉田歩美 鈴木園子 男A 男B ニュースキャスター 店主 店員 仮面ヤイバー |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 警視庁捜査一課警部 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 怪しげな二人組 怪しげな二人組 少女連続誘拐殺人事件を放送 店の前で散水していた男 ガソリンスタンド〈四菱石油〉の店員 子供達に大人気の特撮ヒーロー |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 緒方賢一 声の出演なし 高木渉 大谷育江 岩井由希子 原作のみ登場 広瀬正志 松尾銀三 吉田古奈美 山崎たくみ 島村薫 声の出演なし |
高校生にもなってかくれんぼなんて…と言いつつも、鬼になると大人気なく持ち前の推理力を働かせてすぐに三人を発見するコナン。本当は蘭と一緒に帝丹大学の学園祭に行っているはずでしたが、歩美、元太、光彦の誘いで米花公園でかくれんぼをするはめになっていたのでした。
このままアホになったらどうしよう…と思いつつも今度は元太が鬼となってかくれんぼは再開され、コナンは公園のベンチで新聞を開きながらうたた寝している老人の懐に隠れます。するとそこに見えた新聞には「美少女連続誘拐殺人事件」の文字が…もうすでに四人の少女がこの事件で犠牲になっているということのようでした。
そしていつの間にかベンチの上からそれを覗いていた歩美も、「自分が狙われたらどうしよう」とひどく心配な様子。そんな中で歩美の口から出た一言で、コナンは嬉しいような困惑してしまうような複雑な心境でいたのですが…
しかし油断大敵、その時新聞紙が取り上げられてしまい、コナンはなす術もなく鬼の元太に見つかってしまいます。そして一方歩美はというと…
何とか元太に見つからずにその場を上手く逃げおおせた歩美は、再び隠れる場所を探して公園の外に出ます。そしてそこにはトランクの開いている一台の白い乗用車が駐まっていました。これ幸いと、歩美はその車のトランクの中に隠れたのですが…
「科学的」には見つからない方法で隠れていた光彦も敢え無く元太に見つかってしまい、残るは歩美だけとなったかくれんぼ…しかし元太はいつになっても歩美を探し出せずにいました。そうしているうちに段々と日も暮れていって…
コナンと光彦も手伝い残る歩美を探しますが、まったく手がかりすらなく途方に暮れる三人。そして三人が捜索を諦めかけた頃、ふとコナンは探偵団バッジで連絡を取ることを思いつき、すぐにバッジで歩美に呼びかけます。
すると歩美はトランクの中でいつの間にか寝入ってしまっていたようでした。コナンの呼びかけで目覚めた歩美は、自分が公園の前に止まっていた車のトランクに隠れたことを思い出し、中から出してもらおうと大声で運転席に呼びかけようとします。
その時でした。歩美は自分のそばに紙袋に入った山のような札束と、何かがべっとりとついたのこぎり、それに何かの入ったポリ袋を発見します。中身が気になった歩美がポリ袋のを開けて中をのぞいて見ると……
今回はかくれんぼ(探偵ごっこ)のどさくさに紛れてとある車のトランクに侵入し、中に閉じ込められてしまった歩美を救おうと、コナン、元太、光彦の三人が必死になって歩美の乗った車を探し出す有り様を、サスペンスたっぷりに描いた好編です。
またアニメと原作では細かい点で異なる部分も多く、どちらも楽しさ満載。特にアニメでしか登場しない小五郎には大笑い必至です。
他にも阿笠博士の発明品も大活躍しますし、仮面ヤイバーグッズもチラッと登場するなど、ドキドキハラハラとともにコナンワールドが一層広がること間違いないの楽しい作品に仕上がっています。
冒頭に「完全犯罪などというものは絶対にあり得ない」という台詞が追加されている他、微妙に台詞回しが違う所が結構あります。また既に見つかってしまった光彦が「タイホされました」というプラカードを首から提げているのですが、これが何だか可笑しいですね(笑)
また原作ではただの「かくれんぼ」なのですが、アニメでは「探偵ごっこ」にグレードUPしていて、そのため原作ではジャンケンで鬼を決めているのですが、アニメでは元太が進んで探偵役に立候補しています。
それから蘭の連れが原作とアニメ両者で違います。原作では園子なのですが、アニメでは小五郎になっていて、アニメでは園子は出てきません。逆に小五郎は原作では出てきませんが、アニメではチラッと登場シーンが用意されていますこれが大笑い(笑) 詳しくはネタバレ感想を作品をご覧になった後で見て頂ければ幸いです。
更に歩美が車のトランクの中にあったポリ袋に気がついた時に元太が発した台詞は、原作ではただ「中身は何だ?」ですが、アニメでは「中身は何だ? うな重か?」とうな重が追加されています(笑)
他に原作では犯人追跡メガネも登場するのですがアニメでは登場しない点や、目暮警部に台詞はないのですが登場シーンが用意されているなど、今回は良い意味でも悪い意味でも相当両者で違いがあります。見比べて見ると面白いですし、その価値は充分ある作品だと個人的に思いますね。
蘭と小五郎(原作では園子)が向かった先。小五郎はかくれんぼのために学園祭に行けなくなったコナンに「心配すんな! お前の分まで女子大生と楽しんできてやるからな…」と言い残して事務所を後にしました。
アニメではこの作品で初登場。「DB」とは"Detective Boys(少年探偵団)"の略。小型のトランシーバーのようなもので、半径20キロ以内なら交信可能な優れモノです。
ちなみに原作では6巻所収の15「消えた死体殺人事件」で初登場を果たしています。それに伴って今回の作品では阿笠博士は原作では未登場のはずがアニメでは登場シーンが用意され、逆に「消えた死体殺人事件」では原作では阿笠博士は本来登場しているのですが、アニメでは出番はなく未登場になっています。
高性能ターボエンジン搭載の優れモノですが、この頃はまだバッテリーはなく動力源はソーラーパワー(太陽光)のみでした。原作でも同様にこの話所収の9巻で初登場しています。
高速道路入口手前にある橋。
米花町内にあるトンネル。四菱石油はこのトンネルを抜けた直後にあったガソリンスタンドです。
仮面ヤイバーグッズのプレゼントキャンペーンを開催していたガソリンスタンド。名前の由来は三菱石油だと思われます。
四菱石油のキャンペーンで配られていた仮面ヤイバーのグッズ。ヤイバーファンなら垂涎のアイテムですね。
「心配すんな! お前の分まで女子大生と楽しんできてやるからな…」
今回の作品はこの小五郎の台詞をはじめとして、数多くのアニメオリジナルシーンが追加されてます。
しかしこうやって改めて見返してみると、コナンって台詞の一つ一つが本当に面白いですよね。
コナンの「このままアホになったらどうしよう…」「オレは逃げ隠れが嫌いなの」とか、光彦の「変ですね、科学的には見つからないはずなのに…」とか。また元太の台詞に「うな重」が追加されているのもファンには嬉しい所です。
他にも歩美に泣かないように何か楽しいことを考えているようにとコナンが言い、それを受けて元太のタンコブが熊さんみたいだったと笑い出した際のコナン、元太、光彦の表情も可笑しいですし、その後ろの背景に「こんな時でも女の子って…」という字幕が出るのがかなり受けます(笑)
トドメは学園祭で推理劇が演じられている際に小五郎が隣りの女性(おそらく女子大生)を口説いている頭上から、蘭がヒジ鉄を喰らわせるシーン…
原作では小五郎は登場しないため、アニメでしか見られないオリジナルシーンなのですが、大笑いすること間違いなしのシーンです。映像を止めてみると、小五郎がペチャンコにされています(笑)
「心配すんな! お前の分まで女子大生と楽しんできてやるからな…」
この小五郎の野望は、蘭の手によって見事に粉砕されることになったのでした…
さて(笑)、ミステリとしては、今回はコナンが思いっきり推理を外してしまう訳ですが、真相は殺人事件とは何の関係もなくただの勘違いということで笑って済ませられるだけに、これはこれでいいですよね。
蘭が学園祭に行くシーンなど、伏線もちゃんとありますし、あまりにコナンたちが真剣になって必死に事件を追いかけるシーンに迫力があるため、ダマされた方も多いと思います。
ミスディレクションの典型といっていい作品ですが、今回はダマされるのが楽しい、正直「上手いな」と関心してしまう技巧派ミステリですね。
各キャラクターも持ち味をしっかり出していますし、密かにお気に入りに入れている好きな作品の一つです。
帝丹大学で演じられていた推理モノの劇。今回誘拐殺人犯と目されていた二人組が演じるはずだったのですが、コナンのキック力増強シューズでの一撃で一人が見事に撃沈してしまいました。そのおかげでコナンたちは…
ちなみにこの作品のタイトルはアメリカで1967年に公開された映画「俺たちに明日はない」という作品をもじったものだと思われます。