(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 服部平次 遠山和葉 ロバート・テイラー(26) 武田信一(45) 武田絹代 武田美沙 武田龍二(38) 武田陽子(33) 武田紗栄(9) 武田絵未(9) 武田勇三(35) 武田智恵(71) 塩谷深雪(26) 根岸 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 西の高校生探偵、新一のライヴァル 平次の幼なじみ カメラマン 武田家長男、武田家当主、人形師 武田信一の妻、三年前に自殺 信一と絹代の娘、三年前に自殺 武田家次男、東京在住 武田龍二の妻、東京在住 龍二と陽子の娘、東京在住 龍二と陽子の娘、東京在住 武田家三男 武田三兄弟の母 家政婦 武田信一の仕事仲間、数日前に自殺 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 堀川亮 宮村優子 中原茂 秋元羊介 声の出演なし 声の出演なし 古田信幸 堀越真己 吉田小百合 小島幸子 宝亀克寿 鈴木れい子 雪乃五月 中嶋聡彦 |
蘭の方向音痴が伝染ったのか、バイクに二人乗りしてはるばるやってきた鳥取県の林の中で、平次と和葉は道に迷ってしまったようでした。しかもバイクはガス欠、携帯も忘れてきてしまい、人や車の通る気配もなく途方にくれる二人…
その日の夜までに依頼人の武田という名前の家へ到着しなければいけないにもかかわらず陽はすでに暮れかけ…仕方なく野宿を覚悟し始めたその時でした。
突然背後から妙にテンションの高い男の声が。振り向いてみるとそこにいたのはカメラを首からぶら下げた金髪の外国人。彼の自己紹介によるとロバート・テイラーという名前のアメリカ人で、日本の風景をこよなく愛し写真に収めるカメラマンだというのです。
そして奇遇にも彼の目指す目的地も平次たち同様武田邸らしいのですが、彼は以前にも武田家に世話になったことがあるらしく、今回は3年ぶりにまたやって来たということでした。ところが辺りの風景に夢中になっている間にいつの間にか迷子になってしまい…。
また振り出しに戻ってしまった…と二人が嘆いていると、今度こそ天の助けか、こちらに向かって走ってくるトラックの姿が。ところがそのトラックは平次たちに気づかなかったのか三人の前を素通りしていってしまいます。
慌てて平次がヘルメットを投げつけると…車は急停止してそれからバックして平次の前に止まります。そして怒鳴りつけながら中から現われたのは……
ようやくトラックに拾われて一息ついた平次は、そこで今回の依頼について同じような依頼を受けたという小五郎と話し合います。
連絡先の電話番号も書かず妙な依頼書と依頼料だけを送りつけてきた平次への依頼に対し、小五郎の下に来たものが武田家当主・武田信一からの正式なもののようで、前金で50万が振り込まれ、その日も三男の武田勇三がわざわざ出迎えに来たというのです。
では平次の下に届けられた依頼書は何なのか? そして一体誰が…?─「次の土曜、日が傾く前に絡繰峠の武田家に来られたし さもなくば生きた人形が蜘蛛の餌食になるであろう」─文言からして不気味なその依頼書に合点がいかない平次と小五郎でした。
武田家に到着すると、早速家の者の出迎えを受けますが、家の者の話を聞いてみると、どうやらこの武田家にはここの所不吉な出来事ばかりが続いているらしいのです。
3年前、ロバートが屋敷を後にしてから2、3日後にまず長男・信一の娘・美沙が人形倉の二階で首を吊って自殺し、その数日後には同じ場所で今度は美沙の母親・絹代が後を追うようにして首吊り自殺。更には最近になって信一の人形作りの仕事仲間であった根岸という男が納屋で首を吊って亡くなり……そのため最近では祟りを怖れる近所の住人から「絡繰峠の蜘蛛屋敷」と呼ばれて怖れられているということでした。
今回当主の信一が依頼をしたのは最後の根岸の自殺に関する調査で、信一が小五郎に密かに話した所によれば、根岸はどうも家の者の誰かに殺されたのだと疑っているというのです。
そして3年ぶりにやってきたロバートを「人殺し」呼ばわりする次男・龍二の双子の娘・紗栄と絵未…そしてその光景を障子の影からこっそりと覗く三兄弟の母・智恵の姿……村人の噂どおり、武田家の屋敷の中は不可解で不気味な空気で覆い尽くされているかのようでした。
晩餐の時間になるとそんな暗い雰囲気を吹き飛ばすかのように小五郎は信一や勇三たちと楽しく日本酒を酌み交わします。しかし楽しい時もほんの束の間…
祟りを怖れてまったく部屋から出なくなったという三兄弟の母・智恵はもちろんのこと、人形の仕上げをすると言い残して長男・信一が部屋を後にしたのを皮切りに、次男の龍二夫妻と双子の娘は風呂へ、そして三男・勇三はしばらく酒を楽しんだ後、人形作りを手伝いに信一の部屋に向かい、蘭と和葉は勇三のトラックで美沙の墓参りに行くというロバートとともに山間から見える夜空の月と星を見に出かけ……楽しい宴の後はそれぞれが違った場所で思い思いの行動を取っていました。
そしてしばらく時間が経ち…屋敷の中には大声で長男・信一を探している男の姿がありました。声の主は信一の人形作りの手伝いに向かった三男・勇三のもので、仕事場に向かったものの信一の姿がなく、それから方々を探してみたがどこにもいないというのです。
勇三の声を聞きつけた平次とコナン、それに次男・龍二は勇三を手伝って屋敷の中を探し回りますが…しばらく辺りを探し回ったコナンはふと人形倉の2階の窓が開いていることに気がつきます。
信一の妻・絹代と娘の美沙の二人が首を吊って以来、その倉の2階には誰も近づかなくなったという龍二の話を聞き、窓が開いていることを不審に思った平次とコナンは慌てて倉の2階へと駆け上がっていきます。
すると部屋の入り口の扉は内側から鍵がかけられていて…平次が斧で扉を壊してようやく中に入ることができました。そして開かれたドアの先に現われたのは……
まるで平次の下に届けられた依頼書に書かれていた「蜘蛛の餌食」にでもなったかのように、部屋の中に無数に張り巡らされた糸のようなものに手足を絡み取られた状態で、梁に縛りつけられた縄で首を吊っている長男・信一の無残な姿だったのです……!!