(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
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本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 鑑識員 目暮の部下 風景写真家 プロ野球選手、ホームラン王 タロット占い師 ロックシンガー 蘇防家 メイド、東の部屋担当 蘇防家 メイド、西の部屋担当 歌手・紅プロモーション社長 蘇防紅子の秘書 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 高木渉 中嶋聡彦 布目貞雄 野島昭生 石井康嗣 淺川悠 緑川光 飯島京子 長沢美樹 谷育子 松岡洋子 |
コナン史上類を見ないバリバリの本格ミステリーです。本格ものとしてはシリーズ全作品中でも5本の指に入るほど素晴しい作品でした。
かなりあらすじが長いですが(苦笑)、それもそのはずそれだけ今回は事件が起きる前にしっかりと伏線が仕掛けられています。怪しい動機も出揃っていて、犯人・トリック・動機と全てを当てる楽しみがあります。
その中でも何といっても密室トリックを当てるのが難しいですが、これは本当にすごいトリックでした。出来るかどうかということはあまり議論したくないのですが、とにかく面白いアイデアだと私は思います。
またこの作品は本当に話の構成が上手く、ストーリー展開・テンポも絶妙でした。オカルトじみているところは徹底してオカルトじみていますし、笑わせてくれる所は徹底して笑わせてくれます。事件発生時の様子もとても緊迫していてサスペンス感に溢れていました。
更に登場するキャラクターも怪しげな双子のメイドをはじめホームラン王、美人占い師など個性豊かで印象度も強く、彼らを見ているだけでも充分楽しいです。シリーズキャラクターも小五郎、蘭をはじめ、目暮&高木、トメさんが登場してそれぞが持ち味を出しています。
以上本格ものとしての出来、ストーリーの面白さ、キャラクターの魅力と全てが満点に近い作品です。難点を挙げるとするならばこういう怪奇・オカルトっぽい話が怖いという方には向かないというくらいでしょうか。それにしてもそれ程ひどく怖い話だとは思いませんが(笑)。作風が私の好きな本格ミステリー作家のジョン・ディクスン・カー先生に一番近い感じがします。本格ファンでも充分楽しめる作品ですね。
ここからはネタバレになりますが、上でも書いたように今回は犯人・トリック・動機といろいろ当てる楽しみがありますが、なんと言ってもメインは密室トリックでしょうね。これはかなり意外性があって面白かったです。
私はどちらかというと心理的・視覚的な盲点を突いたトリックが好きだということはいろいろな所で言っていますが、今回は物理的トリックではあるものの、その仕掛けの意外さとアイデアの面白さが相俟ってとても素晴しいトリックに仕上がっていると思います。物理的トリックも知恵を絞ればこういった素晴しいものもできるんだなと感心しました。また密室状態が二重になっているのも面白いですよね。非常に設定が上手かったです。
難点を挙げるとすれば二重密室(女史の部屋の扉の施錠と、唯一東西を行き来できる”仮面の間”の扉の施錠です。即ち東側の人間は犯行現場の西側3Fに行くためにはこの二つの施錠を何とかしなければならないということになります、念のため)だと分かると、当然東側の人間が犯人だと見当がつく訳ですが、その東側の人間というのが小五郎たちを除くと2人しかいないということですね。もう一人くらいいるともっと複雑で面白かったですが、そこまで要求するのは酷かもしれません。
というよりも今回は1時間SPだったので、前後編の場合のように途中で推理している時間がありませんでした。それも考えて、製作者側もあまり複雑にはしなかったとも思えます。
いずれにせよ完成度はかなり高い作品だと思います。