名探偵コナン219「集められた名探偵! 工藤新一vs怪盗キッド」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File219 集められた名探偵! 工藤新一vs怪盗キッド
英題
Shinichi Kudo vs. Kid and The Gathered Detectives !
放映日
2001/1/8(2時間スペシャル)
2003/10/6(再放映2時間スペシャル)
原題
まじっく快斗第4巻
File3「ブラック・スターの巻(前編)」
File4「ブラック・スターの巻(後編)」
第30巻
File4「糾合」
File5「惨劇」
File6「密殺」
File7「誑欺」
ジャンル
【前半】 怪盗
【後半】 サスペンス、本格
事件現場
【前半】 江古田高校2年B組~駅前の古い時計台
【後半】黄昏の館
管轄
【前半】 警視庁捜査二課(中森警部)
【後半】 -
登場人物
江戸川コナン
工藤新一(17)
毛利蘭
毛利小五郎
目暮警部
鈴木園子
茂木遥史(39)
千間降代(63)
槍田郁美(29)
大上祝善(51)
白馬探(17)
石原亜紀(23)
覆面の男
堀内
ワトソン
烏丸蓮耶(99)
黒羽快斗(17)
中森青子(17)
小泉紅子(17)
桃井恵子(17)
中森銀三(41)
宝田太(53)
細川筋男(32)
泉水陽一(27)
中村
川田
刑事A
刑事B
刑事C
刑事D
警官
寺井黄之助(61)
黒羽盗一
怪盗キッド
本編の主人公、正体は工藤新一
本編の主人公、高校生探偵
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
蘭の父親で私立探偵
警視庁捜査一課警部
鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友
探偵
探偵
探偵、元検視官
探偵
探偵、白馬警視総監の息子
メイド
黄昏の館の主
TMSレンタカーの係員
白馬探の愛鷹
半世紀前に黄昏の館を建てた大富豪
江古田高校2年B組、怪盗キッドの正体
快斗の同級生、快斗の幼なじみ
快斗の同級生、魔女
快斗の同級生
東京警視庁 捜査二課警部
時計台オーナー
宝田の部下
巡査、江古田在住
D班の警察官
D班の警察官
警視庁捜査二課刑事、中森の部下
警視庁捜査二課刑事、中森の部下
警視庁捜査二課刑事、中森の部下
警視庁捜査二課刑事、中森の部下
現場警備中の警察官
快斗の相談役で黒羽盗一の元付き人
黒羽快斗の父親、初代怪盗キッド
神出鬼没の大怪盗、通称怪盗1412号
高山みなみ
山口勝平
山崎和佳奈
神谷明
茶風林
松井菜桜子
堀内賢雄
野沢雅子
篠原恵美
土師孝也
石田彰
平松晶子
大木民夫
声の出演なし
???
声の出演なし
山口勝平
高山みなみ
林原めぐみ
岩居由希子
石塚運昇
青森伸
鈴木勝美
室園丈裕
小西克幸
声の出演なし
中村大樹
菅原淳一
山野井仁
小上裕通
長嶝高士
肝付兼太
声の出演なし
山口勝平
あらすじ
「忘れるかよ… バーロ…」

 ─「怪盗キッドまたまた華麗にお宝GET!! 警察を手玉に」「キッドに魅了された女性ファン急増中!」

 その日江古田高校2年B組の教室では、怪盗キッドこと黒羽快斗が自分の活躍の記事が踊る米売新聞を満足そうに広げていましたが、突然目の前に現われた幼なじみの同級生・中森青子によってその新聞はズタズタに切り裂かれてしまいます。

 彼女はキッドの宿敵で警視庁捜査二課の中森警部の娘であることからキッドの活躍を快く思わないのですが、しかし、快斗は中森警部の腕ではたとえスターウォーズが完結しても逮捕は無理だと得意そうにしながら青子にやり返したのです。

 それを聞いた青子の方は、今度は盗んだ物を捨てたり後でこっそりと返しているとしてもキッドはただの犯罪者だとバッサリ切り捨てたのです。更にキッドが今度駅前の古い時計台を盗むと予告したことを聞き、さらに激しくキッドを非難し始め…。

 そう話す青子の表情はどこか寂しげな様子でした…。どうやら彼女にとってその時計台には何か特別な思い入れがあるようで……

 もっともキッドが今回時計台を盗むと決めたのにはそれなりの訳があったのです。なぜなら皆の共有財産として長い間親しまれてきたその時計台が、オーナーの宝田太の独断でどこかのテーマパークのシンボルにするために移転が決まっていたからでした。
 しかもその時計台にはもう一つ、オーナーの宝田にとっては人には決して話せない秘密が隠されており……

 「月が満ちる土曜の夜、零時の鐘と共に天高き時計を頂きに参上する」─キッドが予告したその土曜の夜、時計台では青子の父の中森銀三警部の指揮の下、警視庁の厳重な警備体制が敷かれていました。

 上空には無数のヘリコプターが飛び交い、時計台の周辺の道路はすべてパトカーで固められ…

 蟻の出る隙間もないほどの万全の警備の中、一体どうやってキッドは時計台を盗もうというのか…!? 付近に集まった野次馬たちは誰もが期待と不安を胸にキッドの登場を待っていたのです。
 唯一時計台を盗むことに反対し、「キッド反対」と書かれたプラカードを掲げながら複雑な思いで時計台を見つめている青子を除いては…

 一方そのキッドの方はというと…彼は周囲を警戒していた警官の一人を眠らせ、奪った警官の服装を身にまとい、その警官に成りすますことで時計台に近づく計画を立ていたのでした。
 そしてその計画はあっさりと成功し、キッドはその警官の声色を使ってまんまと警察の内部に潜り込んだのですが…

 ところが潜入したのも束の間…警官に変装したキッドは思わぬ失言から自分がキッドであることを周囲の警官たちに悟られてしまい、慌てて逃げ出す羽目に陥ります。
 そしてその後もなぜかことごとく自分の現われた先に警官が待ち構えており…

 自分の行動を読まれている…!? そう悟ったキッドは、警察の中にとんでもない切れ者の助っ人がいると直感したのですが…


「それは君達、探偵諸君に再びあの惨劇を演じて欲しいからだ…この館の財宝を巡って奪い合い殺し合うあの醜態を…」

 その日毛利探偵事務所に届けられた手紙は何とも不気味なものでした。真っ黒な封筒にただ「毛利小五郎様」とだけあり、差出人もなければ切手も貼られていなかったのです。そして小五郎が封を切り中を確かめてみると…

 「貴殿の英知をたたえ我が晩餐にご招待申し上げます…」─封筒の中にはそのように書かれた手紙と、更に200万円の小切手が同封されていたのでした。

 ただの悪戯に200万円もの大金を出すはずもなく、あながち新手の勧誘とも思えないと考えた小五郎は、結局蘭とコナンを伴って手紙の指し示す「黄昏の館」を訪問することに決めたのです。

 一方コナンはというと、手紙の最後に書かれていた差出人とも思える「神が見捨し仔の幻影」という言葉を見て何かを感じ取ったらしく…

 それからいつもの如くレンタカーを借りた小五郎は、黄昏の館を目指して車を走らせていきますが、やはりいつもの如く途中でパンクに見舞われたものの、運良く目の前にガソリンスタンドがあったために事なきを得て、無事に目的地の黄昏の館に到着することができます。

 黄昏の館に着いた小五郎たちは、到着するなりそこに集まったメンバーを見て驚かされます。なぜなら小五郎が道の途中で車の故障のため困っている所を拾い上げた千間降代という老嬢をはじめ、何とそこには国内きっての腕利きの名探偵たちが集結していたからでした…!!!

 千間探偵の他にもハードボイルド風な出で立ちの茂木遥史、元検視官の美貌の女性探偵・槍田郁美、美食家探偵として有名な大上祝善、更には白馬警視総監を父に持つ高校生探偵・白馬探…

 招待されたものの行方知れずということになっている新一と、中間テストが近いという理由で来られない服部平次の姿はないものの、集められた誰もが名探偵と呼ぶにふさわしい推理力を持ち合わせていたのです。もっとも新一の方はご存知の如く…

 それにしても今回の晩餐会の招待主は、これだけの名探偵を集めて一体何をしようというのでしょうか…!?

 ところが肝心の晩餐会の主はというと、しばらく名探偵たちにリビングで待ちぼうけを食らわせた上、晩餐が始まる時刻になっても一向に名探偵たちの前に姿を現わそうとはしなかったのです…。
 しかも今回雇われたメイドの石原亜紀もパソコン画面を相手に面接を受けたらしく、雇い主の顔は全く見ておらず…

 つまり館に集まった誰一人として館の主の顔を知らないということになるのでした…。

 そしてそんな不在の館の主に代わって名探偵たちに語りかけるのは、顔の部分ににスピーカーが埋め込まれた人を模った不気味な人形でした。やがてその人形は、館の主が今回名探偵たちを集めた目的を次のように説明し始めたのです。

 館の主が長年かけて築き上げたという巨万の財宝、それがこの黄昏の館のどこかに眠っているらしく、それを探り当てる…。しかも自らの命を懸けてというのでした…

 館の主の用意周到な計画によって名探偵たちが乗ってきた車は爆破され、途中の橋も全て落とされており、全く脱出口を断たれた探偵たちが生き残る唯一つの方法は、その財宝を探り当てることしかないというのです…
 そしてそれを成し遂げた者だけが、財宝の半分とともに館からの脱出方法を教えられるというのですが…

 自らの命を懸けたサバイバルゲーム…人形の話を聞いた小五郎は、姿を見せない館の主に激しい憤りを見せます。
 ところがコナンを含め、他の探偵たちにはなぜか今回のこの悪巧みを仕掛けた人物に心当たりがある様子なのです。なぜなら招待状にあった「神が見捨し仔の幻影」というのは実は……

 それから間もなく─晩餐を終えた名探偵たちは、今度は人形の口から今回この黄昏の館がサバイバルゲームの舞台に選ばれた理由を語って聞かされます。

 黄昏の館─それは元々は半世紀前に隆盛を極めた大富豪・烏丸蓮耶が特注して建てた別荘で、彼の栄華の象徴的な建築物でもありました。

 その烏丸蓮耶は間もなく99歳でこの世を去りますが、今から40年前、その大富豪の死を偲んで黄昏の館で「烏丸蓮耶を偲ぶ会」が開かれたというのです。

 偲ぶ会は財界から数多くの著名人が集まり盛大に開かれますが、会の中では烏丸蓮耶が生前にコレクションしていた300点を超えるという高価な美術品がオークションにかけられることになったというのです。

 ところが…二日目のこと、そのオークションは突如として惨劇の舞台へと変貌を遂げたというのです…。

 雨の降る中、突如現われたずぶ濡れの二人組の男がおもむろに差し出した葉を紙に巻き吸い始めると、それをきっかけとして館内には葉巻の煙が充満し始め、それらを吸った参加者たちはやがて精神に異常を来たし始めたのでした…

 やがて参加者たちはオークションに出品されていた美術品を奪い合い、名刀や宝剣を使って血なまぐさい殺し合いを始めたのでした…!!! そして館内は地獄絵図と化し血の海となり…
 そんな中で二人組の男はまんまと美術品を手中に収めて姿をくらましてしまい…事件の発覚を恐れた有力者たちの圧力もあってか、結局その血みどろの事件は未解決のまま、関係者の間だけの秘密として封印されてしまったというのです。

 そして…今回館の主は40年前の惨劇をこの黄昏の館で再現させてみせると宣言したのです…! 世間に名の知れ渡った名探偵たちが、館の財宝を巡って奪い合い殺し合うという血塗られた惨劇を……

 不気味な人形はそれから財宝を探り当てるためのヒントを名探偵たちに告げると、それから更に彼ら名探偵たちの中の誰かの悲鳴を合図に惨劇の幕が切って落とされると宣告。

 すると驚くことに、不気味な人形の予告どおり、一人の探偵が突如苦悶に満ちた表情で呻き声を上げ始め……

今回の見どころ
まじっく快斗

 前半部分は、「名探偵コナン」として連載されたものではなく、青山先生のもう一つの作品「まじっく快斗」の一作品として週刊少年サンデーにて連載されました。
 よって怪盗キッドが主役として、新一が敵役として登場することになります。

 なおまじっく快斗については、詳しくは当サイトの「まじっく快斗」のページを参照下さい。

原作との相違点
後半冒頭のオリジナルシーン

 後半の黄昏の館の開始部分には、SPではすっかりお馴染みとなった長いオリジナルシーンが挿入されています。

 まず蘭が事務所のポストに投函されている手紙を取り出す所から始まって、黒い封筒に入っている手紙を小五郎が取り出すシーン、それからOPテーマに合わせて小五郎がレンタカーを借り、地図を両手に真剣な表情の蘭を横に都内の道路を走り抜け、阿佐北商店という店の前で道を尋ね、やがて日もすっかり暮れかけた頃、恒例行事ともなった(?)タイヤのパンクに見舞われるシーンを経て、ガソリンスタンドに助けを求めに行く所までが詳細に描かれています。

 これだけ丁寧に描かれているとこの間の事情が良く分かり、黄昏の館での事件にすんなり入れますよね。

豆知識
名探偵たちの名前の由来

 後半の黄昏の館の話では数多くの名探偵たちが登場しますが、彼らの名前は世界でも屈指の名探偵たちにちなんで名付けられています。ただし白馬探だけは?です。

 ・茂木遥史→レイモンド・チャンドラーの生み出したフィリップ・マーロウの映画作品を数多く演じた俳優ハンフリー・ボガード(名探偵図鑑・9巻)
 ・千間降代→アガサ・クリスティーの生み出したミス・ジェーン・マープル(名探偵図鑑・20巻)
 ・槍田郁美→オースチン・フリーマンの生み出したソーンダイク博士(名探偵図鑑・30巻)
 ・大上祝善→レックス・スタウトの生み出したネロ・ウルフ(大上は「狼(ウルフ)」をもじったもの)(名探偵図鑑・17巻)

NEXTコナンズヒント
朝刊
コント
コナン「次回は謎のおばさん登場!」
新一「あー、この人何だか苦手なタイプ…」
OP
恋はスリル、ショック、サスペンス」(愛内里菜)
ED
Start in my life」(倉木麻衣)
監督
山本泰一郎/総監督 こだま兼嗣
構成
山本泰一郎、佐藤真人
絵コンテ
山本泰一郎、佐藤真人
演出
佐藤真人
作画監督
とみながまり、堀内博之
ビデオ
PART8-10
DVD
PART8-7
評価

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