(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事? 沖野ヨーコ(21) 那智真吾(23) 権藤武敏(57) 豆垣妙子(24) 島崎裕二(26) 安西守男(25) 豆垣久作(75) 山岸栄一 萩山律子 鑑識員 仲居のおばさん |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵、推理監修 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 人気アイドル 二枚目俳優 監督 スクリプター A・D、妙子の婚約者 撮影助手 妙子の祖父、米花神社の神主 沖野ヨーコのマネージャー 女優 鑑識員 米花旅館の仲居 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 高木渉? 天野由梨 子安武人 宮田光 弥生みつき 横掘悦夫 ニ又一成 丸山詠二 一条和矢 声の出演なし 高木渉 岩井由希子 |
ある日の夕方の米花神社─石で造られた二匹の狛犬たちが参拝に訪れる人々を静かに見守るその神社の境内で、その日は人気アイドルの沖野ヨーコが主演する日売TV系列のドラマ「闇に笑う脅迫者」の撮影が行われていました。包丁を片手に迫真の演技をするヨーコと、その彼女に刺される二枚目俳優の那智真吾。二人の素晴しい演技でその日の収録も無事に終わります。
そして傍らでその撮影を見守っていたのは、ドラマに推理監修として参加することになった小五郎と蘭、コナンの三人。華やかな世界に生きる名優たちの迫力ある演技の数々に三人はすっかり魅了されている様子でした。特に沖野ヨーコの大ファンである小五郎はいつにもまして暴走気味でヨーコや周囲の人々を呆れさせます…
そんな能天気な小五郎の傍らでコナンは退屈しのぎにと、その場にあった魚を形どったマッチ棒パズルで遊んでいました。どうやらそのマッチ棒パズルは二枚目俳優の那智真吾の趣味らしく、二枚目俳優の那智真吾はそれを知的な趣味だとひどく得意げに話します。そして調子に乗ってタオルを持ってきたスクリプターの豆垣妙子を食事に誘おうとしますが…どうやら妙子はADの島崎裕二と来月結婚が決まっているらしく、監督の権藤武敏からも祝福される中、二人は仲睦まじそうにお互い見つめ合っていました。
結婚なんてする前が華だよな…そんな二人のお祝いムードを瞬時にぶち壊しにするように、その場にはシニカルな目つきに青色のベストを身にまとい、オレンジ色のキャップをつばを後ろ向きにして被った男の皮肉たっぷりの甲高い声が響き渡ります。彼は撮影助手の安西守男で、日頃の嫌味な言動の数々から関係者の間ではひどく評判の悪い鼻つまみ的な存在でした。
そして彼は先月アメリカで買ったという髑髏のマークを形どったデザインに、不気味な笑い声がする腕時計のアラーム音を、まるで自分の代わりにそこにいる皆を嘲笑うかのように響かせながら神社を立ち去っていったのです…。
それから蘭とコナンは撮影現場・米花神社の神主で妙子の祖父でもある豆垣久作と妙子を交えてしばらく話をしていましたが、ふと蘭は友人から二枚目俳優那智真吾のサインをもらってくるように頼まれていたのを思い出し、現場から帰ってしまった二枚目俳優の後をコナンとともに追いかけようとします。すると…
森の中を通るとそこでは先ほどの感じの悪い撮影助手の安西が写真をちらつかせながら二枚目俳優那智真吾に何やら話をしている様子。どうやら安西は彼の弱味を握っていて恐喝しようとしている様子でした。それを驚きながら見ていた蘭たちでしたが、そこへ急にADの島崎が現われたため慌ててその現場から立ち去ります。
その後小五郎と蘭、コナンは皆が宿泊する米花旅館へと到着し、撮影関係者の晩餐に同席することになります。しかし皆が盛り上がりを見せている中でただ一人、二枚目俳優の那智真吾は旅館のセンスの悪さが大いに不満らしく、自分は帝丹ホテルに一人で泊まると言い残してその場から立ち去ってしまったのです。
宿に入ると撮影関係者たちは、カメラの手入れをすると言い残して途中で去っていった安西と、実家に用事があると言って退席した妙子以外は、皆ビールや食事を存分に楽しみ、宴はあっという間にお開きの時間となります。
その後蘭とコナンはヨーコと楽しそうに話をしていたのですが、そのヨーコからコンビニに買物に行かないかと誘われます。アイドルだとバレはしまいかと心配するコナンでしたが、ふと窓の外を見るとADの島崎が宿を出てどこかに向かう様子。同じくそれを見ていた監督の権藤からタバコを頼まれた島崎はそそくさとその場を去っていきます。
髪型を代えて帽子でも被れば案外分からないもの─二人は浴衣から着替えて早速コンビニに向かおうと部屋を出ますが、とその時廊下の向こうから例の安西の腕時計の不気味な笑い声が響いてきます。どうやら蘭たちと同じようにこれから出かけるつもりらしく、オレンジ色のキャップに青いベストのいつもの出で立ちで階段を降り、旅館を出て左に折れていきました。
蘭たちが旅館の入り口まで来ると、そこには豆垣妙子が戻っていて、入れ替わるように蘭たちは旅館を後にしてコンビニへと向かいます。
そしてコンビニからの帰り道……ソフトクリームを頬張りながら帰り道を急いでいたコナンでしたが、丁度米花神社の前を通った時に何かが米花神社の階段の上の方から転げ落ちてくる音を耳にします。気になって階段の上の方を見上げると、そこには怪しい人影が…そして人影は蘭たちの存在に気づいたのか、すぐさまその場から姿を消してしまいます。賽銭泥棒かと蘭たちが急ぎ境内へ向かう階段を駆け上がってみると……
境内に転がっていたのは、腕時計の不気味な笑い声の音を響かせながら先ほど旅館から出て行った、撮影助手の安西の血まみれになった無残な亡骸でした。そしてその傍には撮影用の刃物と、被害者がいまわの際に自ら残したダイイング・メッセージと思われる、血で書かれた「コマイヌ」の文字が……
今回は何と高木刑事の原型を思われる人物が初登場しています。声は聞いている限りでは高木渉氏ですし顔も髪型もそっくり。ただ一点スーツの色が茶色っぽく、グレーではありません。かなりコマ数も多くファンの方は必見です。