(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 籏本夏江(22) 籏本武(24) 籏本北郎(47) 籏本豪蔵(72) 籏本祥二(41) 籏本一郎(21) 籏本麻理子(43) 籏本秋江(26) 籏本竜男(26) 鈴木賢治(64) 籏本将一 籏本みゆき 財城勇夫 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 籏本家長男・将一の次女 夏江の新夫、籏本物産勤務 籏本家長女・麻理子の夫、籏本建設副社長 籏本家当主、籏本グループ総帥 籏本家次男、フランス料理シェフ 籏本北郎の一人息子、美大生 籏本家長女、北郎の妻 籏本家長男・将一の長女、夏江の姉 秋江の夫、ミュージシャン 籏本家執事 籏本家長男、一年前事故で他界 将一の妻、一年前事故で他界 財城産業社長、10年前会社を乗取られ自殺 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 麻生侑里 中原茂 北川米彦 村松康雄 石田彰 有本欽隆 片岡富枝 津田真澄 高木渉 八木光生 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし |
怪我の功名とはまさにこのこと、小五郎が籏本島から東京へ向かう帰りの定期船の時間を間違えたために小五郎、蘭、コナンの三人は籏本家の貸切という豪華客船に乗せてもらうことになります。
籏本家というのは小五郎たちが滞在していた籏本島を所有する有数の財閥であり、その日は「一族の結婚式は島で行う」という一族のしきたりに従って行われた籏本家の長男・将一の娘夏江と籏本物産に勤務する武の結婚式からの帰りの船旅ということのようでした。
甲板に上がり、その豪華客船から夕陽で真っ赤に染まった見渡す限りの大海原をうっとりと眺めていた蘭とコナンは、そこでその日結婚式を終えたばかりの夏江と知り合います。
そして蘭は一年前に交通事故で他界した両親のことに思いを馳せて涙ぐんでいたという夏江を一目見て、彼女の人柄に惹かれた様子でした。
もっともその後出会った籏本家の一族といえば、誰も彼も一癖も二癖もある傑物ばかり。籏本グループ総帥である当主の豪蔵はグループの隆盛を築き上げてきたやり手でしたが、長女・麻理子の娘婿・北郎の決断力に欠けるふがいない性格や次男でシェフの祥二の作った自分の口には合わないフランス料理、そして絵描きの真似事ばかりしている北郎の息子・一郎にはひどく不満気な様子で、怒鳴り散らしてばかりでした。
他方、地位や権力のことしか頭になさそうな長女・麻理子や借金で頭が回らないという長男・将一の長女・秋江とその夫・竜男……そんな一族にうんざりしているからか、豪蔵は豪華客船の旅が終わるとすぐに籏本グループの行く末を長男・将一の次女・夏江に託すことを公表するという専らの噂でした。そしてそれを快く思わない長女・麻理子や将一の長女・秋江は複雑な思いを胸に秘め、豪華客船の旅を続けるのでした。
同じ頃─豪蔵の自室に呼び出された夏江の夫・武はそこで豪蔵から思いもよらない言葉を投げかけられます。武が豪蔵に10年前に会社を乗っ取られて自殺した財城勇夫の息子であり、自分はそのことを前から知っていたというのです。金か?それとも復讐が目的なのか? 豪蔵は激しい口調で武を問い詰めますが…
日もすっかり落ち夜の闇が辺りを覆い尽くした頃、一族の人々は晩餐のために食堂へと集まってきます。しかしそこには当主・豪蔵の姿がありませんでした。そこで執事の鈴木賢治が豪蔵の部屋へと呼びに遣られたのですが……
執事の鈴木が部屋の前まで来ると、扉の前には花が一輪転がっていました。不思議そうにそれを手にした鈴木は扉の鍵を開けて中へと入っていきますが…何とそこでは当主の豪蔵が、全身を血まみれにして仰向けの状態で床に倒れていたのです…!!
鈴木の叫び声を聞きすぐに皆が駆けつけますが、小五郎は皆を部屋の前で待たせておき、探偵として豪蔵の遺体や部屋の様子を念入りに調べていきます。
そして他殺の疑いが濃いと判断されると、真っ先に疑われたのは会社を乗っ取られて自殺に追い込まれた財城勇夫の息子であるという武でした。
やがて武は本土に到着するまでの間、施錠された倉庫の中に独り監禁されることになります。そして事件はそれで全て一件落着したように思えたのですが……