(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 山村刑事 遠田芳郎(58) 浦川詠二(37) 神保雅夫(34) 森達夫 電話の声 鑑識 従業員 仲居 女の子A 女の子B 越後光衛門 遠山金五郎 赤城丸 赤いジャケットの男 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 群馬県警のヘッポコ刑事 葵屋旅館 主人 葵屋旅館 従業員、死体発見者 葵屋旅館 従業員 毛利小五郎のニセ者 森達夫の友人 鑑識員 葵屋旅館 従業員 葵屋旅館 仲居 ミーハーな女 ミーハーな女 ただのしがない男 ケチな遊び人 関取、四年前に怪我で引退 5年前旅館にアタッシュケースを預けた男 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 古川登志夫 村松康雄 塩屋浩三 加賀谷純一 徳丸完 辻親八 千葉一伸 巻島直樹 宮下富三子 千葉紗子 小林晃子 ??? ??? 声の出演なし ??? |
ある夏の日、目的地の葵屋旅館目指して空気の美味しい森の中を蘭は颯爽と歩いていました。一方その連れの小五郎はというと、途中でタクシーを降りたことを大いに不満に感じながら蘭の後をダラダラと歩いていたのです…。
右目の瞼を蚊に刺されてサングラス姿、あげくの果てに馬鹿な妄想の末に石につまずいて顔から豪快に転倒…そんな体たらくの小五郎に蘭は散々小言を並べますが、その姿はいつにも増して活動的で元気一杯だったのです。
そう、その森が「あること」で名所として知られていることを耳にするまでは……
小五郎がつまずいた石の塊が地蔵だと気付いた蘭はそれを起こそうとしますが、そこへ偶然群馬県警のあのヘッポコ刑事が車で通りかかり、この森が〈頭神の森〉という自殺の名所であること、小五郎がつまずいた地蔵が疫病神として恐れられる頭神の霊を鎮めるための〈前倒れ地蔵〉であり、起こすと霊も起きてしまい災いを招くということを丁寧に説明してくれたのです。
そして山村刑事は小五郎たちの目指す目的地が自分と同じ葵屋旅館だと知ると、車で送ると申し出ますが、小五郎は「空気が美味しい森の中を歩きたい」と言っていた蘭のため、その申し出を丁重に断ろうとしたのです。ところが肝心の蘭はというと…
そもそも小五郎と山村刑事の二人がその日葵屋旅館を訪問することになったのは、ともに赤いジャケットを着た男について調べるためでした。
赤いジャケットの男というのは5年前の10月頃、突然葵屋旅館を訪れ、主人に対し10万円の報酬と引き替えにアタッシュケースと封筒を預け、もし自分が1年後に現われた場合はアタッシュケースを、自分以外の人間が取りに現われた場合は封筒を渡すようにと言い残して旅館を後にしたというのです。
しかし結局男はそのまま旅館を訪れることはなく、5年が経過した最近になってその男の当時の風貌と同じ赤いジャケットに長髪姿の身元不明の遺体が、自殺の名所として知られる頭神の森で発見されたというのでした。
そしてその遺体は車のキー所持していたいるのに免許証を所持しておらず、タバコを所持しているのにライターもマッチも所持しておらず、夏に自殺したと考えられるにもかかわらずセーターを着用しているという、数多い謎を残して山村刑事たち捜査陣の頭を悩ませていたのです。
また遺体がしょっていたリュックの中に入っていたミルクとあんパンの品質保持期限が4年前の7月12日になっていたことから、もし5年前旅館を訪問した男と遺体の男が同一人物であるなら、赤いジャケットの男はアタッシュケースを預け、1年後の夏に再び旅館を訪れようとした際、途中何らかの事情で自殺してしまったことになるはずでした。
しかしなぜアタッシュケースを受け取ることもなく自殺してしまったのかと考え出すと…それは理解できる心情ではなく更に大きな謎として小五郎や山村刑事たちを悩ますのでした。
そしてもう一つ、小五郎によると実は赤いジャケットの男が旅館を訪れた翌日に、実は帽子にサングラスにヒゲ面の男が赤いジャケットの男の代理人を名乗ってやって来たことも分かっているというのです。
旅館の主人はその際、赤いジャケットの男の言葉通りに封筒の方を渡しますが、男はそれをその場で開封して読むやいなや烈火のごとく怒り出し、手紙をビリビリに破り捨てて旅館を立ち去り二度と姿を見せなかったというのです…。
一体この男は何者で、赤いジャケットの男とはどういう関係にあるのか…謎はますます深まるばかりでした。
ところが更に追い打ちをかけるように、葵屋旅館に到着した小五郎たちをもう一つの謎が襲いかかります。
小五郎たちが旅館に登場すると、何と毛利小五郎を名乗る人物が3時間前に既に投宿しており、アタッシュケースを旅館の主人から受け取って部屋の中で調べているというのでした…!!!
毛利小五郎のニセ者…!? それを聞いた蘭は文句を言いに行くべきだと主張しますが、小五郎は時代劇によくある設定のようにしばらく自分の身分を隠してニセ者の動向を調べ、ニセ者が推理ショーでも始めた時になって初めて自分の正体を明かして本物の推理ショーを披露し、皆を驚かせようと呑気な調子で言い出したのです…
そしてそんな小五郎の幼稚な発想を聞いた山村刑事はというと…
それから旅館では、ニセ者が推理ショーを始めるのを今かと待ちわびながら、小五郎と山村刑事のどんちゃん騒ぎが繰り広げられます。しかしいつになってもニセ者は姿を現わさず…
結局正体を隠すことに我慢ができなくなった小五郎は、ニセ者に文句を言わんと直接男の投宿する209号室に怒鳴りこんでいったのですが…