(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 戸矢先生 谷 誘拐犯 黒服の男A 谷晶子(10) 麻生 お手伝いさん ジャンボ 警官A 警官B |
??? 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 1年B組担任、(アニメでは戸谷) 本事件の依頼主、会社社長 ??? 謎の組織の男 谷社長の一人娘、本事件の被害者 谷邸の執事 谷邸の給仕 谷邸の番犬 警官 警官 |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 神谷明 緒方賢一 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 藤本譲 大塚芳忠 堀之紀 荒木香恵 中博史 岡本嘉子 ??? 千葉一伸 高木渉 |
幼なじみの毛利蘭とトロピカル・ランドに遊びに行っていた新一は、そこで起こったジェットコースターでの殺人事件を見事解決し、蘭とともに帰宅の途につきます。しかしその途中、ジェットコースターで出会った黒ずくめの怪しげな男の一人を再び目撃し、その取引現場を見張っていたのですが…背後からやってきたもう一人の黒ずくめの男に気づかず、後ろから殴られ、黒ずくめの男たちの組織が開発したという毒薬を飲ませれて、気がつくと…体が縮んでいたのでした。
突然の出来事にひどく動揺する新一でしたが、何とか自分の家に辿り着き、隣りに住む友人の風変わりな発明家・阿笠博士の力も借りて家の中に入ることができたのでした。そして博士は新一が生きていることが分かればまた黒の組織から命を狙われ、周りの人間にも危害が及ぶかもしれない、だから誰にも自分の正体を知られてはいけない、と新一にアドバイスします。
とその時でした。新一の帰りが遅いことを心配した蘭が新一の家に様子を伺いにやって来て、その場に居合わせた阿笠博士に新一はどこかと尋ねます。咄嗟に身を隠した新一でしたがすぐに蘭に見つかってしまい、体が縮んだことを知る由もない蘭に名前を聞かれます。それに対する答えに窮した新一が周りを見渡して答えた名前は…。
その後阿笠博士の助言で蘭が住んでいる毛利小五郎探偵事務所に居候することになった新一は、蘭と世間話をしながら事務所の前までやってきますが、とそこへ2階から物凄い音を立てて駆け下りてくる男とばったり遭遇します。
その男こそ蘭の父親・毛利小五郎で、一応米花町で探偵事務所を開いている私立探偵ではあるものの、酒好きでだらしがない上に推理はまるで見当違いなため依頼も少ないという蘭にとってはまったく困った父親なのでした。
ところがこのヘッポコ探偵の下に久しぶりに事件の依頼が届いたというのです。弥生町に住む谷という金持ちの、10歳になる娘・晶子が誘拐され、その事件の捜査をして欲しいということでした。
事件を目撃したのはこの屋敷で執事をしている麻生という男でした。彼の話によれば、何と晶子嬢を誘拐したのは全身黒ずくめの大男だったというのです。それを聞いた新一は、小さくなってしまった自分の体のことも忘れ、何とかして自分を小さくした黒ずくめの男たちの手がかりを手に入れようと必死に捜査を開始したのですが…。
薬で体が縮んでしまったコナンが最初に遭遇した事件であり、「迷」探偵だった毛利小五郎が、「名」探偵になるきっかけとなった事件でもあります。
個人的には今回は小五郎が初めて華々しい活躍をした回だけに個人的にとても思い入れの強い作品です。
まずは勢い良く事務所の階段を降りてきて、顔面を道路に打ち付けますが、スローで見るととても痛々しい場面でした(苦笑)
それから左のシーン(笑) これはこの回の小五郎がモデルになっているアイコンです。
事件後「今日は最高の一日だった」と語る小五郎ですが、小五郎ファンの私にとっても最高の回でした。
原作では草村(B地点)で発見された新一はいったんトロピカルランドの医務室に保護されて、そこにあった鏡で体が縮んでいることに気づきますが、アニメでは草村で本部と連絡を取る警官の目を盗んで現場から逃げ出し、街中のとある店の窓ガラスに映っている自分の姿を見て体が縮んでいることに気づきます。
また原作では2巻の冒頭で帝丹小学校に転校してきたコナンですが、アニメではこの回の最後にそのシーンが挿入されています(それに伴って探偵団たちの三人も最後にちょっとだけ登場しています)
それから細かいですが、探偵事務所に帰った蘭が小五郎に会った時に飲んでいた酒は原作では水割りですが、アニメでは缶ビールです(笑)
米花町内にある洋食レストラン。阿笠博士の行きつけのレストランらしく、特製のミートソースが自慢のようです
名前の由来はもちろん日本でも大人気の海外ミステリ刑事コロンボシリーズからと思われます
本作品の主人公である江戸川コナンの名前の由来となった二人の作家
コナン・ドイルはイギリスの作家で、名探偵の代名詞として知られるシャーロック・ホームズの生みの親として有名。
一方江戸川乱歩は日本が生んだ推理作家で、明智小五郎というシリーズ探偵がいます。また〈少年探偵団〉シリーズという子供向けのミステリも発表しています
今回の事件の舞台となった谷邸のある町の名前。ちなみに東京都内には中野区に弥生町という地名が実在します
事件被害者の父親である谷が、自分の会社が閉鎖した場合に得をする会社として挙がった名前
ちなみに角紅商事はこのすぐ次の回、3「アイドル密室殺人事件」の被害者の勤務先として、四井物産はこの後の39-40「資産家令嬢殺人事件」に四井グループのグループ企業として名前が再登場します
コナンが谷晶子が誘拐・監禁されている場所として探し回った学校の一つ
まだ体が小さくなったばかりで、この当時は後にコナンを助ける発明品の数々は登場しておらず、そのため事件捜査に苦労するコナンがそれでも負けないで奮闘している姿は感動的です。
また蘭にも小五郎にもちゃんと見せ場が用意されていて、三人が協力し合って事件が解決していくというスタイルが確立されたのもこの話が最初でした。
それにしてもジェットコースターの事件からまだ一日と経っておらず(ちなみに蘭が探偵事務所に戻って来たのは夜の6時55分)、同じ日に(というより二日にまたがって)二つの事件に遭遇し、なおかつどちらの事件も解決に導いている訳ですから大したものです。
ミステリとしては誘拐犯人の特定から被害者の監禁場所の特定と二つの要素が加味され、またその間にどんでん返しも用意されています。
内容的には初歩的でオーソドックスなプロットではありますが、それなりに楽しめる初期作品の中では佳作の部類に入る作品だと思います。
谷晶子が誘拐・監禁されていた場所。ここの体育倉庫の中に彼女は犯人とともにいました