(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 鈴木園子 大田勝(24) 角谷弘樹(25) 高橋良一(25) 鈴木綾子(24) 池田知佳子(24) 徳本敦子 謎の包帯男 |
本編の主人公 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 外車ブローカー、元主演俳優 映画雑誌編集者、元カメラマン担当 食品会社勤務、元大道具担当 園子の姉、大学院生、元メイク・衣装担当 脚本家、元監督・脚本担当、サークル部長 映研仲間の一人、二年前に自殺 ??? |
高山みなみ 山崎和佳奈 松井菜桜子 井上倫宏 後藤哲夫 加藤満 元井須美子 唐沢潤 声の出演なし ??? |
「ちょっと寄り道しているだけ」…嘘か誠かはたまた偶然の産物か、迷いに迷った末、蘭はコナンを引き連れて無事に園子の待つ鈴木財閥所有の別荘へと辿り着きました。
別荘の前には下の川まで数十メートルはあるであろうという険しい崖が聳え立ち、そこに架かる架け橋を渡った奥に広がる森林の中にポツンと一件建っているのが二人の目指す別荘だったのです。高所恐怖症の小五郎がいたとすれば間違いなく引き返したであろう…そんな高い場所にその別荘はありました。
方向音痴の蘭がようやく辿り着いた嬉しさを満面に湛えながら吊り橋の方に目をやると、今回の招待客の一人なのか一人の人間が吊り橋を渡っている姿が認められました。挨拶をしようかと蘭とコナンが迷っていると、その人物は突然こちらの方に振り向いたのです。そして…
黒いコートとチューリップハットを身に纏ったその人物は何と顔を包帯でぐるぐる巻きにしており、殺気立った表情で蘭たちを睨みつけ、橋を渡って森の方へと走り去っていったのでした……
橋を渡り切って別荘へと到着した蘭とコナンは、玄関で園子の応対を受けます。相変わらずの能天気ぶりで、今回の集まりでも大自然に囲まれて夢のようなロマンスをしようと密かに一人の男に目をつけているというのでした。それを聞いてコナンはいつものことながら呆れていたのですが…
園子から2階の部屋を使うように言われた蘭とコナンは早速2階に上がります。するとそこにはたくさんのドアが…。これでは何処を使ったらいいか分からないと蘭は手当たり次第にドアを開けていきますが…開ける度にその部屋は人が使用しており、しかも着替え中…顔を赤らめながら慌ててドアを閉める蘭に、ノックぐらいしろとまたもや呆れるコナンなのでした…。
園子の計画は別として、今回この別荘に集まったのは園子の姉で大学院生の綾子の呼びかけで集まった、大学時代の映研仲間のうち特に親しかったというメンバーでした。
主役をはっていたという太田勝、カメラマンの角谷弘樹、大道具の高橋良一、監督・脚本と部長も務めていたという池田知佳子、そして衣装とメイク担当の綾子の5人が集まった今回の同窓会。
特に部長の池田知佳子は大学在学中に書いた「青の王国」の脚本が高い評価を受けて映画化され、今はミーハーな蘭もよく知っているほどの人気脚本家でした。
そして他のメンバーもキザな色男の太田は外車ブローカーとして、ノッポの角谷は映画雑誌編集記者として、小太りの高橋は食品会社に勤務してそれぞれが活躍しているようでした。しかし…
そんな中で綾子は大学時代のことを思い返し、「敦子」という名前を口に出して悲しそうな表情に変わります。そして「敦子」という名前を耳にした他のメンバーも一斉に顔色を変えて……メンバーの話ではどうやらその敦子という女性は2年前に亡くなっているらしく、せっかくの楽しい集まりを台無しにしないようにとその話はそこで打ち止めとなります。
一方今回園子が標的としているのは言うまでもなく外車ブローカーの太田勝でした。長髪にクールな表情でタバコを吹かす感じがとてもいいと園子は絶賛するのですが…そんな太田から突然の散歩の誘いが…思わず舞い上がる園子でしたが、実は太田の誘おうとした相手は蘭だったのです。それを見て怒りの炎が燃え上がる園子とコナンは密かに二人を尾行していきます……
夕方から降り出した雨の中太田の手で外に連れ出された蘭は、太田の強引なやり方に困惑を隠せない様子。そんな中蘭は突然の雷に驚いてその場から逃げ出してしまったのです…
同じように雷の音に驚いて目を離してしまった園子とコナンからも遠く離れ、一人森の中に迷い込んでしまった蘭。辺りをキョロキョロと見回しながらはぐれてしまった太田の名前を呼んでいたのですが…
そこへ不気味な呼吸音を立てて近づく不気味な影が…それは蘭たちが行きがけに出会ったあの包帯男のものでした。そして包帯男は蘭の背後からその手に持っていた斧を振りかざして……
蘭の悲鳴を聞いて慌ててかけつけたコナン。幸いなことにどうやら蘭は何とか間一髪の所で包帯男の攻撃をかわしたようでした。しかし蘭は恐怖のあまりその場にへたり込んでしまっていました。それから蘭の悲鳴を聞きつけて人がやって来るのを聞いた包帯男は森の中へと走り去っていったのです。
別荘に戻り事のあらましをメンバーに話した蘭たち。するとそこにいたメンバーの数名が同じような謎の包帯男を見かけたというのです。しかし綾子の話ではこの近辺には鈴木財閥の別荘以外は山を一つ越えないと家はないらしく、人気があるはずがないというのです。
そこでとりあえず警察に連絡して相談してみようという話になったのですが…何と別荘の中にある電話は線が切られて通じず、別荘へと通じる吊り橋も何者かの手によって切り落とされていたのです…一体誰が何の目的で…!?
皆が怯える中で知佳子だけは、誰かのたちの悪い悪戯で相手にしない方がいいと気の強い所を見せます。しかしそんな知佳子が自分の部屋のドアの下に挟まれていた手紙を読んだ途端に表情が一変して…先に休むと言い残して部屋の中へと消えていったのです。
結局知佳子は夕食になっても姿を見せず、残りのメンバーで先に楽しむことになります。そして…
皆がテーブルへと着こうとしたまさにその時でした。突然食堂の窓の前を何者かが横切って行くのを何人もの人間が目撃したのです。そしてそれは何と2階で休んでいるはずの知佳子を両手に抱え不気味な表情を湛えたあの包帯男だったというのです…!!
既に外は闇に包まれ夕方から降り出した雨も強くなってきていました。しかし、探偵の血が騒ぐコナンは、真っ先に懐中電灯を手に包帯男の逃げた方向へと走り出します。そして知佳子を助け出そうと懸命の追跡を続けたのですが……