(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
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江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 佐藤刑事 北村勝五郎(47) 南田優一(47) 従業員 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 警部補、目暮の部下 巡査部長、目暮の部下 町工場の社長、事件の被害者 洋食店オーナーシェフ、事件の被疑者 町工場の従業員 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 高木渉 湯屋敦子 渡部猛 牛山茂 谷山紀章 |
一杯買わなければいけないものがあるからという蘭の買い物に付き合うことになったコナンは、川沿いにあるとある町工場の庭先で高木刑事が一人の男から事情を聞いている姿を目撃します。その様子から事件の匂いを感じ取ったコナンは、蘭を置いて一目散に現場へと向かったのですが…
高木刑事の話によれば、事件が起きたのは昨日の朝8時。始業前の朝礼に社長が姿を見せないため従業員の一人が呼びに向かった所、別棟の事務室の奥にある社長室で社長の北村勝五郎が床の上に倒れ、胸を刃物で刺されて亡くなっているのを発見したというのでした。
遺体発見後すぐに警察により非常線が敷かれて、あっさりと一人の男が逮捕されます。ところが取り調べを進めていくうちに、とんでもない事実が判明し…現在の所捜査陣は頭を抱えているというのです……。
被疑者の男は南田優一という小さな洋食店のオーナーシェフで、被害者の北村とは高校時代の同級生でした。南田はその北村に300万円の借金があり、返済期限が間近に迫ったらしく、そんな中で金の工面がつかなかった南田が切羽詰って北村を刺した…警察はそう考えているのでした。
しかも借金の理由というのが、更に南田の容疑を色濃いものにしていたのです。何と北村は南田の店と土地に狙いをつけ、衛生管理に関するあらぬ噂をこっそり流して南田の店を傾けさせ、自ら南田に300万円を貸付けてその担保に彼の店を乗っ取ろうとしていたからです。
後日北村のその企みを知った南田は憤慨し、日頃から北村に対する恨みを周囲にも漏らしていたらしく…動機としては充分過ぎるものがあったのです。
ところが南田は、一昨日北村に会いに工場を訪れたことは認めたものの、殺害に関しては完全否定。その日の夕方6時頃まで返済期限を延ばすように粘ったものの結局追い出され、その後のことは全く知らない。そしてそのことを証明できる人間もいないというのです。
しかもその南田の様子がやけに自信たっぷりなのが警察としても気になるらしく…
被害者の死亡推定時刻は一昨日の午後4時から10時の間で、南田には動機も機会は充分ではあったものの、その一方で凶器のナイフからは指紋が拭い取られていて、これといった物証はありませんでした。
しかし何よりも南田の犯行を証明するにあたって、警察の目の前にはとんでもなく厄介な一つの事実が立ち塞がっていたのです…。
それは、被疑者南田と被害者の北村との身長差…被害者の北村の身長は166cmで、被疑者南田の身長が186cm。
つまり南田の方が20cmも高く、とすれば通常背の高い南田が背の低い北村を刃物刺した場合、その刺し傷は斜め上から下に向かって生じるはずでした。
ところが鑑識からの報告によると、被害者の胸の刺し傷は何と斜め下から上に向かって刺されたものであり…20cmも背の高い南田が刺した傷としては無理があるというのです。しかも刺し傷の角度から割り出された容疑者の身長というのが何と…
現場は平屋で階段のようなものはなく、被疑者の北村は柔道の有段者で脅してどこかに登らせて下から刺したとも考えられない…南田は事件当時足を捻挫しており、咄嗟にしゃがんで刺したとも考えにくく…
どうやら南田の自信はこの身長差が素になっているようでした…南田は一体どうやって北村を下から突き上げるようにして刺すことができのか…!? それが警察が抱えているとんでもない事実の正体だったのです…
今回の事件はまさしく本格推理もの。争点はタイトルの通り、被害者と容疑者の身長差が20cmもあるにも関わらずどうやって犯行を可能にしたかという点に尽きます。
即ちミステリでは頻繁にトリックの題材として使われる「角度の問題」です。もっともよく出てくるのは拳銃や矢などの飛び道具の場合ですが…
主役を務めるのはちょっと頼りなさげな高木刑事。果たして見事事件を解決に導くことができるのでしょうか?
今回の事件の被疑者の南田の経営する洋食店。
今回の事件の被疑者の南田がとある事件で10年前に世話になった法律事務所。
蘭がコナンを連れて買い物に訪れたスーパー。コナンが呆れるほど大量に買い込んでいました。
はじめにお断りしておきますが、結構厳しい評価(苦笑)になっておりますので、ご了承の上お読み下さい。
今回の事件はミステリではよく使われる「角度の問題」が題材として使われています。これは私が読んだ海外の本格黄金時代のミステリでも何度か目にしました。一人二役と並んで案外気づかないものなんです、このトリックは。
もっとも今回の話は容疑者がはじめから分かっていますし、はじめから角度の問題だと断言されているので、あとは考えるだけですから、そんなに難しくはないかなと思います。
しかし、このトリックがよく使われるのは飛び道具のケース(銃や矢)で、刃物ではかなり無理がある気もしますね。
倒れた被害者を下の方から刺すこともできそうですし…とはいえ被害者が柔道の有段者であるとかいろいろな条件をつけているので、それを素直に受け入れて考えていけばそんなに不満はないかなと思います。
ただ被疑者の南田はこのトリック一点で容疑を免れようとしているのに、脚立をあのまま現場に残しておいたのはお粗末な気もします。30分作品とはいえ、もう少しさりげなく伏線のようなものを張っておくと楽しかったと思いますね。
次にキャラの考察ですが、今回メインの高木刑事は恋物語に事件にと最近活躍の場面が多いですが、活躍はいいとして目暮警部からお目玉を頂戴しなかったのはちょっと不満ですね(笑) 昔はこのキャラで売っていたはずですし、私はそうやっていじられるキャラとしての高木刑事が好きでしたしね。
今回は目暮警部にあんなに「失礼なこと」をしてそのまま何もお咎めがないのは、期待外れでしたし消化不良な感じがしました。
といった感じで結構不満の残る作品ではありますが、やはり蘭と小五郎が登場すると、コナンを見ている気がして昔ながらのファンとしてはホッとします。
豪快な(買い物をする)蘭と、お調子者の小五郎。やはり名探偵コナンの原点はここにあると思います。
採点すると辛くならざるを得ませんが、あえてするというのなら40点。主役を張った高木刑事ファンはもちろん、佐藤刑事ファンは貴重な登場回ですから必見ですが、それ以外、特に本格ファンは無理をして見る必要はないかなと思います。
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