名探偵コナン42「カラオケボックス事件」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File42 カラオケボックス事件
英題
Karaoke Box Murder Case (CC: Karaoke Killing)
放映日
1996/12/16
原題
第5巻
File6「カラオケ殺人!」
File7「自殺か他殺か?」
File8「歌に秘められた謎」
File9「すれちがい…」
ジャンル
本格
事件現場
駅前のカラオケボックス(人気ロックバンド「レックス」のライヴの打ち上げ会場)
管轄
東京警視庁捜査一課(目暮警部)
登場人物
江戸川コナン
工藤新一
毛利蘭
阿笠博士
目暮警部
高木刑事
鈴木園子
木村達也(21)
山田克己(21)
芝崎美江子(20)
隅井豪(28)
寺原麻理(23)
小泉裕美子
本編の主人公、正体は工藤新一
本編の主人公、高校生探偵
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
新一の家の近所に住む自称天才科学者
警視庁捜査一課警部
巡査部長、目暮の部下
鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友
人気ロックバンド「レックス」のボーカル
人気ロックバンド「レックス」のドラム
人気ロックバンド「レックス」のギター
カラオケボックス店長、元バンドリーダー
人気ロックバンド「レックス」のマネージャー
女優
高山みなみ
山口勝平
山崎和佳奈
緒方賢一
茶風林
高木渉
松井菜桜子
井上智之
小林正寛
松熊明子
松尾銀三
高乃麗
原作のみ登場
あらすじ
「戻ってきたんだ彼が…蘭君のよく知っている名探偵がな…」

 あるクリスマスの日曜の晩、鈴木財閥の会長である園子の父親のコネで今売り出し中の人気ロックバンド〈レックス〉のカラオケボックスでのライブの打ち上げパーティに参加した園子、蘭、コナンの3人。

 大人気のヴォーカル・木村達也を目の前にしてはしゃぐ園子とミーハーな蘭でしたが、どうも達也は機嫌が悪く、酔いのせいもあってか他のメンバーにあたり散らします。
 これからトーク番組があるからと言って飲み過ぎを諌めるマネージャーの寺原麻理をどブス呼ばわりし、演奏が下手だと言って他のメンバーの演奏をボロクソになじります。
 しかも話を聞いているとどうも達也はレックスを脱退してソロ活動を始めるということらしく、パーティの雰囲気は暗くなるばかりでした。

 重苦しい雰囲気の中、カラオケの歌声は続いていき、しばらくすると誰がリクエストしたものなのか、室内には達也の代表曲「血塗れの女神(ブラッディ・ヴィーナス)」が流れ始めます。そして達也はいつもの上着をカッコよく脱ぐポーズを決め、マイクを手に取り熱唱したのですが…まさかそれが最後の歌声になるとは…

 歌が終ると達也は満足げな表情に変わり、ギターの山田克己から受け取ったおにぎりを食べ始めます。ところがそれから間もなく、達也は突然血を吐いて倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまったのでした……。

 すぐに目暮警部が到着し捜査が開始されます。死因は青酸カリによるものでパーティーに出席していた何者かが達也に毒を盛ったのは明らかでした。

 コナンは自分の目の前で殺人を行った犯人に対し、激しく闘争心をかき立てられます。それにしても犯人は一体どうやって達也に毒を盛ったのでしょうか?

 警察の懸命の捜査にもかかわらず事件は行き詰まりを見せ、達也は自殺したとしか考えられない状況になってきます。そんな中警視庁に戻っていた目暮に一本の電話がかかってきて…

 直ちに目暮警部は事件現場のカラオケボックスへと立ち戻ります。その途中のパトカーの中で、同行していた蘭と園子に対し目暮が嬉しそうに語った事というのが……

NEXTコナンズヒント
ナイトバロン
コント
コナン「メリークリスマス! そしてよいお年を!」
元太「来年も面白いぞ! ウッシッシッシッシ」
OP
Feel Your Heart」(Velvet Garden)
ED
迷宮のラヴァーズ」(heath)
監督
こだま兼嗣
脚本
井上敏樹
絵コンテ
佐藤真人
演出
佐藤真人
作画監督
河村明夫
ビデオ
PART2-5
DVD
PART2-4
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★★

  カラオケボックスを舞台にした毒殺事件ですが、出来としてはまずまず面白かったというところです。今回はコナンの純粋な論理的推理が発揮されていて見ごたえありましたね。

 それに新一も声だけですが登場して、ファンにはたまらなかったのではないでしょうか。他にも蘭のミーハーぶりが発揮されていて苦笑してしまいました(笑)。園子は相変わらずですが(笑)。

 更に高木刑事が何と声だけですが登場し、初めて声の出演のテロップに名前が載っています。原作にはない設定ですが、高木刑事ファンにとっては非常に記念すべき作品といえますね(笑)

 まずトリックについてですが、被害者の歌うときの癖を利用した実に上手い方法だと思います。またそれについての伏線というのが後から見るとたくさん張られていることがよく分かります。今回は外部犯ということはあり得ない事件だけに、よほど用意周到に計画しなければ成功しないトリックですが、これなら成功してもおかしくないかもしれませんね。
 またもう一つの焦点である犯人当てとその動機ですが、こちらも意外な動機が隠されていて興味深かったですね。ただ私には犯人の心理がちょっと理解できなかったですが(苦笑)。でも思いつめた精神状態の中ではあり得ないことではないと思います。すれ違いが生んだ悲劇ということで悲しいお話でした。最後の蘭が新一の帰りを待っているシーンも思わず胸が熱くなりました。

 満点ではない理由ですが、この事件には唯一の欠点というか、ここさえ何とかなれば・・・という部分がありました。それは犯人であるという決定的証拠というものが、達也のライターが犯人のジャンパーの中にあったこととされている点です。
 確かに達也の指紋つきのライターが出てくれば容疑はぐっと濃くなるとは思います。しかし、だからといって決定的とはいえないのではないでしょうか。後から真犯人が容疑を着せるために入れたとも言えなくはないからです。そう考えるともう少しジャンパーのすり替えが行われたという決定的な証拠(ジャンパーにある種のシミがついていたとかもっと直接的なものです)が欲しかったような気がしてならないですね。

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