(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 妃英理 榎本梓 長部満(5) 中洗の女将 久更津の番頭 枯前崎の主人 釣り人A 釣り人B 満の父 満の母 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 蘭の母親、腕利きの弁護士 毛利探偵事務所下 喫茶店《ポアロ》店員 ポアロの常連客の子 旅館〈中洗釣人館〉の女将 旅館〈釣り宿釣花館〉の番頭 旅館〈釣宿枯釣館〉の主人 釣り人 釣り人 長部満の父親、ポアロの常連客 長部満の母親 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 声の出演なし 榎本充希子 鉄砲塚葉子 真山亜子 田口昂 天田益男 後藤史彦 三戸耕三 河口博 伊藤美紀 |
津波による水難事故に、異常乾燥による山火事に、頻繁に起こる地震…いかに名探偵といえど自然災害までは止めることはできないと、ここの所の異常な災害の数々に心を痛める小五郎。
ゴールデンウィーク明け最初の土曜日、小五郎は毛利探偵事務所の下にある喫茶店〈ポアロ〉で蘭とコナンをお供に連れ、新聞を広げて午後のひと時をのんびりと過ごしていました。
ところが〈ポアロ〉の看板娘の榎本梓がいかにも悩みを抱えているような素振りを盛んに見せていたため、小五郎たちは彼女の相談を聞いてあげることになったのです。
彼女の悩みというのは以前の事件同様に携帯電話に関することでした。何でも彼女はここ2、3か月ぐらい前からよく来るようになった〈ポアロ〉の常連客の子供とメールをするようになったらしいのですが、今日届いた4通のメールの内容が非常に気になるものだったというのです。
その子供は名前を長部満という5歳になる男の子で、彼の母親が実家に帰ってしまったためその寂しさを紛らわす意味もあってか、父親の携帯電話を借りてたわいもないような内容のメールを毎日のように梓に送っていたのです。ところが今日届いたメールというのは何とも奇妙なものだったらしく…
まず1通目は、「お姉ちゃん元気? ボク今日はパパとお出かけしてるんだよ。イスと帽子買ってもらったよ! みんあもかぶってるからボクもかぶっちゃお!」というごく普通の内容でした。
そして2通目は、「汗でヌルヌルして気持ち悪いから靴ぬいじゃった。レストランの看板が見えるよ…お姉ちゃんのお店のハンバーグ食べたいな!」という内容。
更に3通目になると、「黒い眼鏡のおじさんや青い服のおばさんがこっち見てるけど怖くないよ。ボクなかないもん」…と何かは分かりませんが泣きそうな目に遭っていることを告白したのです…。
そして最後の4通目が、「ボクもお魚さんみたいに…網にかかって死んじゃうのかなあ…」と、死んでしまうかもとしれないいう何とも穏やかではない内容のメールで…
この点満足少年は、メールを送る際には以前に梓から来たメールに返信するやり方で送るように教わったらしいのですが、受け取る方、つまりメールの開け方については妙なメールを開けないようにとの理由からか親からは教わっていないというのです。
そして今回梓は彼女のもとに届けられた満少年からのメールに対してちゃんと返事は出したらしいのですが、梓から送ったメール対する満少年からの返答はなく、少年からのメールはすべて一方的に梓のもとに送られてきていたのです。
そのことからすると、どうやら現在満少年のそばにはメールを開けることのできる父親はおらず、何らかの事情で満少年は一人でいることが窺い知れたのです…。一体満少年は今どこにいて、彼の身に何が起きているのでしょうか?
その手掛かりになりそうなのは、やはり満少年から送られてきた4通のメールのみ。そこでコナンたちはそれらのメールを詳細に検討し始めます。
そしてその結果、満少年は父親と一緒に車で釣りに出かけ、そして何らかの理由で父親が車のそばを離れて戻ってこず、待たされることとなった満少年が車内から携帯でメールを送っていたのだという推理に達したのです。
更にコナンたちは長部親子が向かった釣り場がいったいどこなのかを考え始めたのですが、そこで梓は長部親子が以前〈ポアロ〉を訪れた際に店に置いてあるレジャー雑誌を見ながら折り目をつけていたことを思い出したのです。そこで梓が慌ててその雑誌を取りに行ってみると…
ところが肝心のレジャー雑誌は見つかったものの、他のお客も読む雑誌であることから折り目は3つもつけられていたのです。そしてその折られたページにあった釣り場というのが、中洗、久更津、枯前崎と、どれもまったくバラバラな場所だったのでした。
仕方なく小五郎は、その雑誌に書かれていたそれぞれの釣り場のお勧めとして特集されていた旅館に電話をして、長部親子が滞在していないかを確かめることになったのですが…
一体満少年と父親はどの釣り場に行っているのでしょうか? それとももっとどこか別の場所に…!?
350-351「忘れられた携帯電話」では、毛利探偵事務所下の喫茶〈ポアロ〉の客の忘れた携帯電話からとんでもない事件に巻き込まれることになった小五郎とコナンでしたが、今回はこれに蘭も加えて3人でまたしても〈ポアロ〉で梓さんから携帯電話の相談を受けることになります。
とはいえ今回の携帯は梓さんのもので、彼女が最近メールをやり取りするようになった店の常連客の5歳の子供から送られてきた、気になる内容のメールについての相談でした。
果たして今回は一体どんな事件がコナンたちの前に待っているのでしょうか?
今回はほぼ原作に忠実でした。カットされていたのはレジャー雑誌を長部親子が見ていたことに気づいた梓さんが雑誌を取りに行っている間に原作では満少年が車の中で涙を流しながら携帯を観ているシーンがあるのですが、アニメではこれが丸々1ページないこと、そしてその満少年の髪の毛がアニメでは黒かったことぐらいです。
あとは釣り場の3つの地名のうち最後の地名が原作では”桔前崎”なのですが、アニメでは”枯前崎”になっていました。一応「こまえざき」と読むので後者の方が正しいのでしょうか?
それからアニメ後半は原作の2話目とほぼ同じ内容ですが、原作で2話目の最初の半ページぐらいが前話の説明のようなもののためアニメでは省略されています。その代わりにアニメ前半でカットされていたのとよく似た満少年が車の中で両親に思いを馳せるシーンが追加されています。
そして一番最後の最後、エンディングの後にオリジナルシーンとコナンのセリフが追加されているのですが、これは見てのお楽しみということで。それにしてもこのシーン結構可笑しいです(笑)
小五郎が喫茶〈ポアロ〉で読んでいた新聞の名前。アニメのみですが一面には「泳田町」という文言が見られます。おそらく「永田町」のもじりで政治のニュースでしょう。
コナンが「首が痛くなっちゃうよね」と言った直後に展開した推理の中で登場したレストランの名前。アニメのみで原作ではレストランと文字だけでした。
長部親子がいるのではと推測された3つの釣り場の名前。それぞれ「なかあらい」「くさらず」「こまえざき」と読みます。
管理人の推測ですが、おそらく順番に茨城県の大洗、千葉県の木更津、静岡県の御前崎という関東地方の3つの有名な釣り場をもじったものだと思われます。
ちなみに最後の地名は原作では「桔」ですがアニメでは「枯」となっています。一応ここ以外はすべて「枯」の方で統一してありますのでご了承下さい。そしてここには枯前崎展望台という展望台もありました。
上記3つの釣り場の代表的な旅館として雑誌に紹介されていました。ちなみに3つ目のカッコ内にある〈旅の宿〉以外はアニメのみ名前がつけられていました。