(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 小林澄子先生 内藤司 大崎ヒロミ アライミホ 武藤コージ 司の父 司の母 女の子 女の子 |
本編の主人公、正体は工藤新一 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校1年B組担任 帝丹小学校1年A組生徒 帝丹小学校1年C組生徒 帝丹小学校2年A組生徒 帝丹小学校?年B組生徒 司の父親、〈焼鳥内藤〉店主 司の母親 帝丹小学校生徒 帝丹小学校生徒 |
高山みなみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 加藤優子 鉄砲塚葉子 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 高田裕司 声の出演なし 倉田雅世 佐藤ゆうこ |
その日コナンは帝丹小学校の図書室で、大好きなはずのミステリーを読んでいました。ところがどうもその表情は冴えないものでした。
それもそのはず…今回の読書の目的は何と何年かぶりに読書感想文を書くことらしく、そのせいかあくびは出るわやる気は沸いてこないわで、終いにはそのだらけぶりを光彦に注意される始末だったのです…。
ところがそんなコナンがふと我に戻って周りを見てみると、何と歩美と元太が真剣に本を読む姿が視界に飛び込んできたのです。
歩美はともかくあの元太が…コナンは驚きを隠せないでいましたが、すぐに元太を意欲的に感想文に取り組ませていた理由が判明します。
元太はそのページに掲載されていた「DHAが豊富」で「夏バテに効果」のあるという”それ”が非常に気に入ったらしく、「これに決めた!」と叫んで突然席を立ったかと思うと、読んでいた本を手に走り出し、あっという間に図書室から姿を消してしまったのでした。そして読書感想文の意味が分かっているのか…と、慌ててその元太を追いかける光彦…。
そんな二人の姿を見て苦笑いするコナンでしたが、すると今度はただ一人真面目に読書感想文に取り組んでいたと思われた歩美までが奇妙な声を上げたのです。「ちょっとおかしいの…」 そう歩美に言われてコナンがその本を見てみると…
何と歩美が読んでいた「アレックの冒険」という本、その本の最終ページが誰かによって破り取られていたのです…!
それを見たコナンは別の本を読むことを歩美に勧めますが、歩美はその本が絶対いいといって譲らず…結局コナンは成り行きからその本の最後の1ページを破り取った犯人を歩美と一緒に探すことになってしまったのです。
一方喜び勇んで図書室を出て行った元太を追いかけていった光彦は、やっとのことで元太に追いつき、読書感想文の意味を分からせようと廊下を一緒に歩きながら一生懸命説明している所でした。
ところがそこへ、廊下の角の反対側から突然ものすごい勢いで男が走り込んできて、出会い頭に元太と衝突、男に体当たりを食らわされた格好の元太は勢いよく吹き飛ばされてしまったのです。ところが男は人にぶつかっておいて一言の謝罪もなく現場から逃げ出し…
男の身勝手な行動に憤慨する元太と光彦でしたが、とその時でした。二人が男の走ってきた方向を見ると、と理科室の前に人だかりができていたのです。何事が起きたのかと気になった二人は様子を見に行ってみたのですが…
その頃コナンと歩美は、手始めに「アレックの冒険」の本の貸出カードの最後の欄に名前の書かれていた内藤司という少年から事情を聞くことにし、少年の所属する1年A組を訪れます。ところが残念なことに司少年はその日学校を欠席しており、代わりにA組の女子生徒から話を聞くこととなったのでした。そして女子生徒の話によると、その日司少年はだまって学校を休んだらしく、何となく元気がない感じだったというのです。
更にそれだけではありませんでした。その女子生徒はつい最近司少年が放課後一人で「アレックの冒険」を読んでいるのを見て、司少年から本について詳しく話を聞いたというのです。
アレックはある日大切にしていたハーモニカを失くしてしまい、物知りだという亀に相談に行く。すると亀は”再びの石”という石を見つけることができれば、失くしたものを取り戻せるとアレックに教えてくれたのです。
そしてそれを聞いたアレックは、石を見つけるために必要だという優しい心と勇気を持つ努力を始める。そしてついにその石を見つけ出したアレックがその石を空に掲げると、何と失くしたはずのハーモニカが空から降りてきて……
そんな石があったらいいのにね…司少年とその女子生徒はそう話して会話を終えたらしいのですが、その話を聞いて興味を惹かれた歩美とコナンは、司少年のことをもっと詳しく調べようと彼の自宅を訪れてみることにしたのです。
一方人だかりが気になり理科室まで様子を見に来た元太と光彦は、そこで重大な事件が発生していたことを知ります。何でも教室の中にあった大事な石が何者かによって盗まれてしまったというのですが、それを聞いた元太はすぐに閃いたのです。
ついさっき廊下で出会い頭にぶつかり、そのまま慌てて逃げていったあの男…きっとあの男が石泥棒の犯人に違いない…そう確信して二人は男の後を追いかけることにしたのです。
そして同じ頃、コナンと歩美は職員室で司少年の住所を調べてもらっていたのですが、その直後に理科室の前を通り、元太と光彦と同じように校内で盗難事件が発生していたことを知ります。
ところが二人はその場で更に驚くべき事実を知ります。その盗まれた石というのは学校が米花博物館から1週間の期限で借りた石の標本らしいのですが、何と「再び来る石」と書いて”再来石”と呼ばれていたのです…!
「アレックの冒険」に登場する”再びの石”と、何者かによって盗まれた”再来石”の標本…この両者には一体どんな関係があるのでしょうか?
読書感想文のため図書室で本を読んでいた歩美は、自分が読もうとした「アレックの冒険」という本の最後の1ページが破り取られているのに憤慨。犯人を探そうとコナンを連れて貸出カードの最後に名前のあった内藤司という少年に会いに1年A組を訪れます。
ところがその司少年はその日学校をだまって欠席していることを知り、更に同じクラスの女子生徒から司少年の話を詳しく聞いた歩美とコナンは司の自宅を訪れることにしたのです。
そしてその途中、学校の理科室で米花博物館から借りた大事な石の標本が何者かによって盗まれてしまったという事件が発生していたことを知る二人でしたが、何とその盗まれた石の名前、「アレックの冒険」に登場する石の名前とよく似ており…
少年探偵団がコナンと歩美、そして元太と光彦の二手に分かれて捜査し事件が交錯していく、一風変わった構成のサスペンス型ミステリーです。
冒頭コナンが帝丹小学校の図書室で読んでいた本の名前。ルパンか怪人二十面相を思わせる怪しい人物が表紙を飾っているのが印象的でした。
歩美が図書室で読書感想文を書くために読んでいた本。この本の切り取られた1ページが事件の発端になりました。
今回窃盗被害にあった石の標本を帝丹小学校に貸していた博物館
その米花博物館が1週間の期限つきで帝丹小学校に貸したのがこの石でした。
廊下でぶつかった怪しい男を追いかけた元太と光彦が男を見失いかけた時に目の前にあった定食屋。
内藤司の父親が経営する焼鳥屋。
今回は前週に引き続き少年探偵団シリーズでしたが、最後は交通機関を使った暗号解読となり、この点全員サービスビデオの3作目の「コナンと平次と消えた少年」を彷彿させるものがありましたね。
冒頭は「アレックの冒険」という小説の1ページが切り取られていた事件と理科室での「再来石」の盗難事件という二つの事件を軸に物語を展開させていく構成も良かったと思いますし、探偵団たちを歩美とコナン、元太と光彦の二手に分けさせて両者を交互に登場させてサスペンスを盛り上げていく手法もミステリの世界ではよく使われている手法ですが、コナンでは新鮮でとても良かったと思います。
しかも二手に分かれる原因となったのが「元太のうな重好き」だったというのが、最高じゃないですか(笑) よくやってくれたと拍手喝采を送りたいですね。その後の焼き鳥を美味しそうに食べる元太もとても良かったですし、美味そうに食べるシーンをやらせたら、名探偵コナンの中で元太に勝てるキャラクターはいません。元太はやっぱりこうでなくてはいけませんよね。
それと今回は元太という奴は本当に裏表のないいい奴だなあと思えて、より一層このキャラクターが好きになりました。
またラストもとても母親を想って石を盗んでしまった司少年がとても健気で涙を誘いましたし、一方でただ感動的なだけでなく悪い事をした点についてはきちんと自分で謝らせた点もすごく評価できる終わり方でしたし、この脚本家の方の作品は私の記憶している範囲では初めてだったと思いますが、素直に感動できるとても良い作品だったと個人的には高く評価しています。
そして何といっても探偵団が探偵団らしい姿を見せてくれたのがとても嬉しいですね。どうも小学一年生の子供に見えない作品が多いとここ最近苦言を呈してきましたが、この年に入ってからのこの2作品はどちらも非常に子供らしさが出ていて、こちらも元気になってきます。
司少年と亡くなった母親の秘密の場所を記した暗号「かにさん チョキチョキ みかんはパー グーの いも虫 パーチョキ」を解読して出てきた電車の名前。以下は米花駅を中心としたTR東都線の路線図です。
TR 境町線 |
佐々塚 | |||||||||
八畑山 | 波田ヶ谷 | |||||||||
駅 | よろぎ | 空宿 | 小久保 | 緑台 | 米花 | 下田馬場 | 東沢袋 | 沢袋 | 小塚 | 西巣亀 |
下高戸 | TR | 東都線 | 大田橋 | |||||||
椿上水 | 明大前 | TR港線 | ||||||||
上南沢 |
港南駅まで辿り着いた探偵団たちが次に乗ったのが、このバスでした。駅前にはサンデーマート (Sunday Mart) と思われるコンビニもちらっとですが見えましたね。