名探偵コナン497-500「赤と黒のクラッシュ 覚醒・攪乱・偽装・遺言」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File497-500 赤と黒のクラッシュ 覚醒・攪乱・偽装・遺言
英題
Clash of Red and Black ! : Awakening
Clash of Red and Black ! : Disturbance
Clash of Red and Black ! : Disguise
Clash of Red and Black ! : Testament
放映日
2008/2/25・3/3・3/10・3/17
原題
第58巻
File1「追跡、そして…」の後半部分から
File2「赤井の過去」
File3「イチかバチか…」
File4「擬装」
File5「最終手段」
File6「任務(ミッション)」
File7「姉弟」
ジャンル
サスペンス
事件現場
杯戸中央病院
ファミリーレストランHAIDO・東都環状線 杯戸駅・杯戸シネマ
杯戸公園~米花町内
管轄
-
登場人物
江戸川コナン
工藤新一
毛利小五郎
灰原哀
沖野ヨーコ
本堂瑛祐
アンドレ・キャメル
ビル
ジェフ
マイヤー
ホッジス
ティム
捜査官
捜査官
看護師(村田)
看護師
看護師
アナウンス
駅員
患者

ウェイトレス
男の子
母親

楠田陸道
中道
会沢栄介
本堂瑛海
イーサン・本堂
バーニィ
水無怜奈1234
宮野明美12
ジン
ウオッカ
ベルモット
キャンティ
コルン
ジョディ
赤井秀一(諸星大)
ジェイムズ
本編の主人公、正体は工藤新一
本編の主人公、高校生探偵
蘭の父親で私立探偵
黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保
人気アイドル
蘭のクラスに来た水無怜奈似の転校生
FBI捜査官
FBI捜査官
FBI捜査官
FBI捜査官、正面玄関担当
FBI捜査官
FBI捜査官
FBI捜査官
FBI女性捜査官
杯戸中央病院 女性看護師
杯戸中央病院 女性看護師
杯戸中央病院 女性看護師
杯戸シネマ 場内アナウンス
東都環状線・杯戸駅 駅員
杯戸中央病院 患者
事故に巻き込まれた客
ファミリーレストランHAIDOのウェイトレス
杯戸中央病院 患者
男の子の母親
自動車事故の目撃者
入院患者、頚椎捻挫、19日に入院
帝丹高校生徒、サッカー部所属
帝丹高校生徒、サッカー部所属
瑛祐の姉
瑛祐の父親
新しいつなぎ役の諜報員
日売テレビ アナウンサー、コードネームはキール
灰原哀の姉
黒の組織の男、新一に毒薬を飲ませた人物
黒の組織の男、ジンの手下
黒の組織の女、映画女優クリス・ヴィンヤード
黒の組織の女、スナイパー
黒の組織の男、スナイパー
FBI捜査官
FBI捜査官
FBI捜査官、ジョディと赤井の上司
高山みなみ
声の出演なし
声の出演なし
声の出演なし
長沢美樹
野田順子
梁田清之
長嶝高士
佐藤美一
古澤徹
鳥海勝美
大川透
柳沢栄治
増田ゆき
久保田民絵
大谷恭代
梅田貴公美
池本小百合
柳沢栄治
陶山章央
渋谷茂
増田ゆき
鉄砲塚葉子
百々麻子
三戸耕三
声の出演なし
坪井智浩
声の出演なし
???
小山力也
声の出演なし
三石琴乃
玉川紗己子
堀之紀
立木文彦
小山茉美
井上喜久子
木下浩之
一城みゆ希
池田秀一
家弓家正
あらすじ
「こうなればここに長居は無用! これより、今朝話した最終手段を取る!!」

 水無怜奈の入院する杯戸中央病院に患者として病院に潜伏している黒の組織の仲間を突き止めることに成功したコナンとFBI。ところが焦って捕まえようとしたために逃走を許し、追跡の末拳銃自殺を図られてしまいます。

 そして組織に連絡される前に食い止めることに成功したものの、何らかの方法で組織と毎日連絡を取っていたとすれば当然組織は不審に思うはず…つまり明日にでも組織は杯戸中央病院にやって来るかもしれない……事態はよりいっそう緊迫の度合いを増してきたのでした。

 そこでジョディはすぐに水無怜奈を他の病院へ移動するように主張しますが、ジェイムズや赤井秀一は今下手に動けば途中で蜂の巣にされかねないとその意見には賛成しませんでした。そしてそれを裏付けるように病院裏のエリアを警戒していたFBIの捜査官が隣のビルの屋上に蠢く不審な人影を確認したという連絡がすでに赤井の下にも報告されていたのです。

 結局赤井はこのまま神経を尖らせ続けていても仕方がないと、交代で休んで黒の組織に備え、彼らを迎え撃つ最善の策を考えることにすると言い残して部屋を後にしたのです。

 そんな赤井の様子をジョディは訝ります。まるで組織が乗り込んでくるかもしれないこの状況を、何か喜んででもいるかのように見えたからでした。

 ところがジョディの上司のジェイムズはあえてそれを否定しなかったのです。そして知られざる赤井秀一の過去についてジョディやコナンに語り始めたのですが、その内容というのはコナンにとっても何とも衝撃的なものであり……

 ジェイムズの話を聞き終わるとコナンは赤井が一人携帯電話を手に物思いにふける屋上へと向かい彼に声をかけます。そして自分が考えている黒の組織を迎え撃つための策が赤井の考えている策と同じではないかと尋ねるのですが、どうやら二人の考えている策、それはイチかバチかの大勝負であり…

 それから間もなくしてFBIは作戦会議を始めます。彼らが考えたのは水無怜奈を運ぶストレッチャーを乗せられる車を3台用意し、最悪の場合それを使って組織を撹乱しつつ水無怜奈を連れて病院から脱出するというものでした。

 しかしそれはあくまでも最終手段であり、自分たちの方から動くことはせずに警戒。何かあれば各ブロックごとに決めたリーダーに口頭で伝え、リーダーは屋外に出て駐車場で待機しているジェイムズに無線で連絡し指示を仰ぐということにしたのです。

 ところがその作戦に対し、一人の捜査官が異議を唱えたのです。名前をアンドレ・キャメルといい、今回増員された捜査官らしいのですが、そのようなまどろっこしいことなどせず、病院からの脱出方法が用意できているのであれば今すぐに水無怜奈を移動させてはどうかと主張します。

 結局その主張はジェイムズによって却下されることとなりますが、その様子を見ていたジョディは、アンドレ・キャメルを以前どこかで見たことがあるのではないかという感覚に襲われたのです。そして彼を見ていると何か危うい感じがするらしく……

 ほどなくして遂に黒の組織が動きを見せます。まず拳銃自殺をした組織の仲間の名前でジェイムズの下に宅配の荷物が届けられたのですが、FBIが中身を改めるとそれはコロンバインという花を活けた鉢でした。どうやらその花は黒の組織からの宣戦布告を意味するものらしいのですが、それは一体何を意味しているのでしょうか…!?

 そしてまるでその宣戦布告に合わせるかのように、今度は杯戸中央病院にケガ人や病人らしき人々が殺到してきたのです。正面玄関の警戒にあたっていたマイヤー捜査官によれば、この近辺で同時刻に集団食中毒・異臭騒ぎ・火事と3つの事故が発生、現場は一種のパニック状態になっているらしく……

今回の見どころ
水無怜奈の居所を知った黒の組織が、杯戸中央病院を急襲!!!

 水無怜奈を杯戸中央病院に匿っていることを黒の組織に感づかれてしまったFBI。ジョディが彼女をすぐにでも別の場所に移動するよう主張する中、赤井秀一はこれをチャンスと捉え、黒の組織を迎え撃つ策を講じるべきと主張。そしてコナンもまた、赤井と同じことを考えているらしく……。

 そしてしばらくの後、黒の組織がついに動き出します。コロンバインの鉢が届けられたのと皮切りに、病院の玄関口にケガ人や病人が殺到。病院近辺で3つの事故が同時に発生したらしく、現場は大混乱に。更にコロンバインの鉢に時限爆弾が仕掛けられていることが分かって…。

 ついに正面衝突となった黒の組織とFBI。果たしてこの神経が擦り減るような頭脳戦の勝負の行方、一体どちらに軍配が上がるのでしょうか?

原作との相違点

 第1話目についてはほぼ原作どおりで、ただ赤井秀一の回想シーンの部分に、彼が宮野明美と知り合うきっかけとなった出会いのシーンが追加されています。

 第2話目についてもほぼ原作どおりですが、「赤井君とコナン君が組織がやろうとしている事の糸口を見つけてくれたよ…」というジェイムズのセリフの直後から赤井が病室のドアをノックする手前まで半ページくらいがカットされています。
 ちなみにこのカットされた部分は3話目「偽装」の冒頭部分でコナンとFBIが作戦会議をしている中に少し構成を変えた上で挿入されていますね。

 第3話目についてはほぼ原作どおりで、上記の追加の他、病院からの脱出時のバン3台が準備完了となりジェイムズに報告が上がるまでのシーンが少し長めに描かれているぐらいの違いしかありません。

豆知識

 日本ではオダマキ(苧環)と呼ばれている植物。日本では山野草として知られていますが、外国産のものは品種改良がなされ園芸用として広く親しまれているのだそうです。コロラド州の州花でもあり、花言葉は「断固として勝つ」。

 赤井秀一が黒の組織に潜入していた際に組織から与えられたコードネーム。ライはライ麦を主原料とするウイスキーの一種で、アメリカ北東部を中心に生産されています。

Kiss Note

 沖野ヨーコ主演の映画。杯戸シネマで上映されていましたが、名前の由来はダークファンタジー漫画としてアニメ・実写映画化され一大ブームを巻き起こした「Death Note(デスノート)」(集英社刊)でしょうね。

杯戸湾

 アニメのみ登場。組織に潜入したイーサン本堂と連絡を取るための前のつなぎ役の遺体が上がったのがこの湾でした。ちなみに杯戸港は472-473「工藤新一少年の冒険」で登場していますが、杯戸湾というのは今回初めて見た気がします。

NEXTコナンズヒント
File497 植木鉢
File498 ドライブテクニック
File499 キール
File500 外国人タレント
コント
File497
ジョディ「来週も目が離せない展開! みんな、このチャンネルを…」
コナン「あ、ポチッとな」(ヤッターマンのボヤッキーの真似だと思われる)

File498
コナン「3月3日は耳の日」
ジョディ「ひなまつりね」
赤井「金魚の日だな」
コナン&ジョディ「そうなの?」

File499
ジョディ「次回、キールの秘密が明らかに…って何なの?」
コナン「それは…」
赤井「来週だな」

File500
ジョディ「放送500回!」
コナン「皆さんありがとー!」
赤井「まあ通過点に過ぎんがな…」
OP
愛は暗闇の中で」(ZARD)
ED
雪どけのあの川の流れのように」(三枝夕夏 IN db)
監督
佐藤真人
脚本
古内一成
絵コンテ
File497 松本佳久
File498 芹沢剛史、佐藤真人
File499 於地紘仁、佐藤真人
File500 青木雄三
演出
File497 細田雅弘
File498 山崎茂
File499 黒田晃一郎、内田祐司
File500 戸澤稔
作画監督
File497 山崎展義/サブキャラクターデザイン・総作画監督 佐々木恵子
File498 斎藤新明、岩井伸之/サブキャラクターデザイン・総作画監督 佐々木恵子
File499 朴昊烈、李成鎭/サブキャラクターデザイン・総作画監督 佐々木恵子
File500 増永麗/サブキャラクターデザイン・総作画監督 佐々木恵子
ビデオ
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DVD
PART17-2
PART17-3
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★★

 いよいよ黒の組織とFBIが正面衝突する回となりましたが、正直言ってFBIの防戦一方でやりたいように黒の組織にやられてしまった感があります。しかし実はそれはコナンと赤井秀一の計算どおりであって、CIAの工作員ということが判明した水無怜奈をまんまと黒の組織に潜り込ませることに成功した訳でした。

 今回一番の見どころはやはり水無怜奈の正体が判明する点だと思いますが、今回は本堂瑛祐の姉ではないといったん読者・視聴者に思いこませておいて、実はやっぱり瑛祐の姉だったという、ミステリーのオチとしてはよくあるパターンですが、どうしても水無怜奈が悪い人間ではないと思えなかったこともあって、個人的には驚きというよりは、やっぱりという受け止め方でした。衝撃という点では345「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」にはちょっと負けてしまうかもしれないですね。

 ただ今回のお話にはもう一つ見どころがあって、それがアンドレ・キャメル捜査官の正体。一件黒の組織のスパイと思わせるような感じでストーリーが展開していきますが、実は赤井の命を受けて秘密裏に行動していたことが判明し、ジョディからはゴリラ呼ばわりされますが(苦笑)、持ち前のドライブテクニックを活かして大活躍でした。この辺りの追跡劇は緊迫感があって非常に楽しめましたね。

 ちなみに原作コミックス58巻の青山先生の冒頭の挨拶でこのキャラクターは機動戦士ガンダムの中でキャメル艦隊を指揮していたドレン大尉が名前の由来だと書いており、それが分かっているとこの人物は名前だけで黒の組織とは関係ないと判断できた訳ですね。なぜならドレン大尉は”赤い彗星”ことシャア・アズナブルの副官で、そのシャアを名前の由来に持つのが赤井秀一(赤井は「赤い彗星」から、秀一はシャアの声を担当する池田秀一氏から)だから…という訳です。

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