名探偵コナン4「大都会暗号マップ事件」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File4 大都会暗号マップ事件
英題
The Coded Map of the City Case (CC: Fish Marks the Spot)
放映日
1996/1/29
2009/6/6(デジタルリマスター)
原題
第4巻
File7「暗号表入手!!」
File8「暗号解読のABC」
File9「答えともうひとつの答」
File10「光る魚の正体」
ジャンル
冒険・シュヴナイル
事件現場
東都美術館~東都タワー周辺
管轄
東京警視庁捜査一課(目暮警部)
登場人物
江戸川コナン
毛利蘭
毛利小五郎
目暮警部
小嶋元太
円谷光彦
吉田歩美
川奈
店の主人
リポーターA
リポーターB
ディノ・カパネ
仮面ヤイバー
本編の主人公、正体は工藤新一
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
蘭の父親で私立探偵
警視庁捜査一課警部
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
イタリアの強盗団の一味
洋服店の主人
TVリポーター
TVリポーター
イタリア強盗団のボス、日本で逮捕
子供達に大人気の特撮ヒーロー
高山みなみ
山崎和佳奈
神谷明
声の出演なし
高木渉
大谷育江
岩井由希子
佐藤正治
吉田古奈美
千葉一伸
巻島直樹
声の出演なし
原作のみ登場
あらすじ
「よぉし!! オレ、その宝で世界中のうな重食べまくるぞォー!!」

 その日歩美、元太、光彦、そしてコナンの四人は、「世界の秘宝展」の見学のため東都美術館を訪れ、館内でまばゆい光を放つツタンカーメンの黄金の仮面や古びた埋蔵金の地図などの古美術品の数々に思わず心を奪わたのでした。

 歴史を感じさせる美術品の数々にただただ感心するばかりの歩美、元太、光彦の三人でしたが、コナンはというと、世界にはまだ発見されずどこかに眠っている秘密の宝がたくさんあるに違いないと三人に得意気に解説。
 そしてその話を聞いた元太は、自分も宝捜しをしてみたいとトレジャー・ハンティングに強い憧れの気持ちを抱くのでした。ところがそこへ…

 そんな元太の下に突如舞い降りてきた一枚の紙切れ。拾ってみるとそこには妙な図形がいくつも並べて書いてありました。そしてそれを見た歩美は、これが宝の地図ではないかと子供らしい夢のある言葉を口にします。

 すると探偵団たちは、そんな上手い話はそうあるものではないと頭から信じないコナンをよそに、さっそく宝捜しをしようと探偵団を結成! そう、その名も少年探偵団─。
 小嶋元太を団長に、探偵団の一行は意気軒昂と宝捜しの旅に出たのですが…

 そしてそんな子供たちを影でずっと監視していた怪しい三人組の男…彼らは何者で、そして一体何が目的でコナンたちを監視していたのでしょうか?

 一方コナンたちが宝捜しを始めた頃─警察署の前では女性レポーターがニュース中継の真っ最中でした。

 中継によると東都タワー近くのマンションで昨晩、イタリア強盗団のボスであるディノ・カパネが逮捕されたのですが、彼らの仲間は未だに逃走中だというのです。そして彼らがイタリアのパスタ銀行から奪ったという6億円相当のメイプル・リーフ金貨1万5千枚も行方知れずとなっているというのでした。

 そしてそのニュースを探偵事務所のテレビでビール片手に見ていた小五郎は、「6億円」もの大金をまんまとせしめた強盗団のことを羨ましがっていたのですが、そこへ蘭が現われて……

今回の見どころ
少年探偵団結成&うな重語録その1

 アニメでは少年探偵団が初めて活躍らしい活躍を見せた最初の事件であり、この事件で初めて少年探偵団が結成されました。今回の事件は小学生である探偵団たちにふさわしい、暗号解読をメインとした冒険ミステリに仕上がっています。

 また探偵団団長を自称する元太が「うな重」という言葉を最初に口にした事件でもあり(笑)、「世界中のうな重食べまくるぞ!」という元太の名言が誕生したのもこのお話でした(笑)

 さらに歩美に好意を寄せられるコナンに対し、元太と光彦が強烈なライヴァル意識を芽生えさせた事件でもあります。

 ちなみに原作では「少年探偵団」という言葉が初めて出てきたのは、6巻所収の「消えた死体殺人事件」のお話からですが、アニメでは今回のお話で早々と「少年探偵団」という言葉が使われています。

原作との相違点

 今回のこのお話はコミックスでは第4巻に収録されていますが、話の筋には変更はないものの、物語冒頭の部分がかなり変更またはカットされています

 コミックスにあったうち、まず「たぬき」のエピソードは丸々カット。これは残念ながら完全にお蔵入りになってしまったようです

 次に東都タワーでの新一がコーラの缶を背後から蘭の頬に当てるエピソードも丸々カットされてしまっています
 しかしこちらの方は映画第4弾「瞳の中の暗殺者」の冒頭で、代わりと言っては変ですが、舞台をトロピカル・ランドに移して似たような感じで使用されています

 それから探偵団の三人が蘭におごってもらえると聞き、元太がうな重(笑)、歩美がお寿司、光彦がフランス料理(のフルコース)を注文するシーンがありますが、これは次の「新幹線大爆破事件」の際に使われています

豆知識
東都美術館 (美術館)

 アニメのみ登場。コナンたちは「世界の秘宝展」の見学のため東都美術館を訪れ、ツタンカーメンの黄金の仮面や古びた埋蔵金の地図などを見学していきました

米花公園 (公園)

 原作のみ登場。宝捜しに出かけるためにコナンたち探偵団が集まった場所

東都タワー (観光施設)

 今回の話はこの塔の周辺が舞台となりました。モデルは間違いなく東京タワーでしょう。原作ではタワー内で仮面ヤイバーのイベントが開催されていました

仮面ヤイバー (TV番組)

 今回は原作のみの登場。少年探偵団たちも大好きな、子供達に大人気の特撮ヒーロー。

 仮面ライダーと青山先生の人気作品「YAIBA」を掛け合わせた名前だと思われます。これ以後何度となく登場しては大活躍を見せてくれます

メイプルリーフ金貨 (貨幣)

 カナダ政府の発行している金貨で、純度99.99%を誇り、世界で最も流通している金貨。金はインフレなどにも強く、自分の財産の価値を保存したい場合に最も利用されますが、その金を財産として購入する際に用いられるのがこの金貨です。

 表面にデザインされている「メイプルリーフ」とは楓の葉のことで、これはカナダ国旗にも用いられている、カナダのシンボルともいえるマークとして有名なあの葉のことです。ちなみに裏側はイギリスの女王エリザベス2世の横顔が刻印されています

 写真をご覧になりたい方はこちらのページを参照下さい

寺原洋服店 (洋服店)

 探偵団たちが、コナンの助言を受けて駆けつけた洋服店の名前。探偵団たちによって派手に荒らされました(笑)

朝倉書店、マイバーガー、レストラン〈ドニーズ〉、岸田薬局、PAPCO、ピッグカメラ、Butweiser、鬼桜… (店名)

 寺原洋服店に続いて事件で登場した店やデパート、商品名や企業の名前。それにしてもたくさん登場しました(苦笑)

パスタ銀行 (銀行)

 イタリアの強盗団が一年前にメイプルリーフ金貨を強奪したイタリアにある銀行

月見通り、山越街道 (地名)

 月見通りは南部水族館に向かって垂直に、山越街道は水族館に沿って通る道の名前です

南部水族館 (観光施設)

 コナンたちが宝捜しに夢中になっている過程で訪れた水族館。65「カニとクジラ誘拐事件」でも登場しました

NEXTコナンズヒント
携帯電話
コント
コナン「次回もすっごくハラハラドキドキ 絶対見てね!」
OP
胸がドキドキ」(ザ・ハイロウズ)
ED
Step by Step」(ZIGGY)
監督
こだま兼嗣
脚本
古内一成
絵コンテ
越智浩仁
演出
越智浩仁
作画監督
大河原晴男
ビデオ
PART1-2
DVD
PART1-1
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★★

 最初はお宝の存在を全く信じようとしなかったコナンでしたが、探偵団たちの熱意にもほだされ、いつしか真剣に暗号解読にのめり込んでいきます。そして子供っぽい推理や行動を見せる探偵団の三人に振り回されながらも、最後には何とか暗号を解読し事件を解決してみせます。

 ジャンル的にはジュヴナイル(児童向け)の暗号解読を中心とする本格作品で、まだ見ぬお宝を発見せんと知恵を振り絞って東都タワー周辺を駆け回る子供たちの姿が生き生きと描かれており、大人でもそれなりに楽しめると思います。

 ストーリーのテンポの良さ、ミステリとしての面白さ、そして登場人物たちの人物描写もなかなかのもので、良い出来栄えには違いないのですが、ただ一点残念なことがあるとすれば、それは原作の冒頭の部分がかなりカットされてしまっていることです。
 新一を思う蘭のせつない気持ちや仮面ヤイバーの登場シーンなどは丸々カットとなり、これはファンとしてはやはり残念な所です。

 もっともストーリーにはほとんど影響がないので、TVアニメだけと見ていると全くその影響は感じられません。ファンであればちょっぴり寂しいかなという程度ですね。

 個人的にはやはり何といっても「世界中のうな重食べまくるぞ!」という元太のセリフに尽きますね(笑) ここから元太のうな重語録はスタートしている訳で、その意味でも歴史的に重要な事件といえます(笑)

 またミステリとしても傑作とまではいきませんがそれなりに楽しめました。暗号解読ものというのは個人的にあまり好きなジャンルではないのですが、この話は暗号にも無理な所はなく、最後の図形に仕掛けられているトリックもジュヴナイルとして考えればなかなかのものです。

 とにかくストーリー展開がスムーズでテンポが良く、少年探偵団たちがお宝に心を躍らせながら宝捜しに奔走する姿がとても生き生きと描かれており、少年探偵団たちに振り回されながらも奮闘するコナンの姿も、ユーモアが利いていて見ていてとても楽しいですね。

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