(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 目暮警部 高木刑事 千葉刑事 トメさん 鈴木園子 本堂瑛祐(17) 水無怜奈12 茂庭巽(46) 本間恭太(32) 有元墾治(34) 玉井邦男(63) 有元の連れ 店員 携帯の声 本間恭太の息子 新名香保里 ジン ウオッカ 赤井秀一 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 鑑識員 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 3号室の客、蘭のクラスに来た水無怜奈似の転校生 日売テレビ アナウンサー 事件の被害者、尾行男 2号室の客、面長の会社員 4号室の客、ジム帰りの色黒男 1号室の客、釣りの帰り 有元の連れ カラオケボックス店員 携帯電話の声 1年前の奥穂町の誘拐事件の被害者 〈探偵左文字〉シリーズを書く女流推理作家 黒の組織の男、新一に毒薬を飲ませた人物 黒の組織の男、ジンの手下 FBI捜査官 |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 声の出演なし 林原めぐみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 茶風林 高木渉 千葉一伸 中嶋聡彦 松井菜桜子 野田順子 声の出演なし 佐藤正治 鈴木清信 廣田行生 北川米彦 渡辺明乃 鳥海勝美 本井えみ ??? 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし |
学校からの帰り道、探偵団たちがマンガ本の立ち読みに興じる中、新名香保里の新作ミステリー「真夜中の首実検」を買いに本屋に入ったコナンは 同じくその本を買うため、蘭と園子と一緒に本屋を訪れることになった本堂瑛祐と鉢合わせになり、残り一冊となった新作本を間一髪の差でさらわれてしまいます。
蘭の話では瑛祐は長らく病気で学校を休んでいたもののそれも何とか無事に回復、今日から復帰したということになっていたようですが、黒の組織の一件の事を知っているコナンはそれを真に受けることはなかったものの、それでもその後の瑛祐の消息までは掴んでいませんでした。
ところが証人保護プログラムでFBIに匿われていてもおかしくないはずの瑛祐が自由に街を歩いているということは、それと断ったという証拠…。
本が上下巻の上巻だけと知り何からも縛られたくない性格だという瑛祐から本を譲ってもらったコナンは、そんな瑛祐の身を案じつつ、帰る方向の違う少年探偵団の三人と別れ、灰原哀とともに蘭と園子、そして瑛祐の一行たちと帰路につこうとします。ところが…。
後方50メートル、コンビニ前の自販機の陰…書店を出た直後から、コナンと灰原哀の二人は何者かに後をつけられていることを察知していたのでした。 その目立つ尾行方法からして黒の組織の人間とは考えられなかったものの、ひょっとしたら本堂瑛祐を監視するFBIの人間… 尾行などつかない穏やかな生活をするには、早く奴ら黒の組織の連中を潰すしかないと、改めて思わされずにはいられなかったのです。
一方そのまま家に帰るかと思われた蘭と園子の二人は、蘭の突然の思いつきから急遽瑛祐の復帰祝いをすることになります。 駅前に出来たケーキ屋…4丁目のハンバーガーショップで激辛チキンを…といくつか候補が出ますが、瑛祐の反応が鈍かったため、 結局園子の提案でみんなでパーッと盛り上がれる場所に行くことになったのです。その場所とは……
蘭と園子たちが向かったのは、カラオケボックス。そのため灰原哀は当然のようにパスとなりますが、なぜかコナンはついていくことに…。 ところが一行が歌で盛り上がっているのと同時刻、何とカラオケボックスの受付には先ほどコナンたちの後をつけていた例の帽子にメガネと口髭の男が姿を見せていたのです。
蘭たち一行が歌っている部屋に以前来た際忘れ物をしてしまったので、蘭たちが部屋を出たら他の部屋で歌って待っている自分の所に知らせて欲しい…男は受付の店員にそういい残して受付を後にします。
一方そんな事は何一つ知らない蘭たちの部屋では、コナンが相変わらずのド音痴ぶりを発揮して蘭と園子を呆れさせている所でした。 そしてコナンが歌い終えると次は瑛祐が入れた曲が流れ始めますが、瑛祐はつい先ほどトイレに行くと言って部屋を出たっきりまだ戻ってこなかったのです。
その直後一人の男が部屋を間違えて蘭たちの3号室の部屋に入ろうとし、慌てて出ようとして今度は蘭たちの隣りの部屋で歌っているらしい 日に焼けた大男にぶつかって平謝り…そしてそのアクシデントが発生したのをきっかけに、三人は部屋を出て外の様子を伺いますが、 釣りの帰りに一人でカラオケに来たらしい老人の姿以外は特に目立ったこともなく、まもなく瑛祐が部屋を後にしてから30分ほどが経過します。
病み上がりだから体調が悪いのかも…ちょうど蘭がそう心配し始めた頃、瑛祐はようやく部屋に戻ってきたのですが、 顔中に脂汗をかき顔は真っ青で息も絶え絶えといった尋常ではない表情…体の具合が悪いのならもう帰ろうかという園子の言葉に反応して、 一刻も早く部屋を出たがるのでした。
ちょうど時刻が退室時刻の5分前だったため、これ幸いと一行は帰り支度を始めますが、とその時でした。 突然受付にいた店員の男性の大きな叫び声が……コナンが廊下に出てみると、その店員はとある部屋から後ずさりするようにしながら外へ。 そこでコナンはすぐにその部屋へと向かいますが、部屋の中では男性が頭から大量の血を流しうつ伏せの状態で床の上に倒れていたのです。
警察と救急車を呼ぶように店員にうながしたものの、男性は既に息はなく死後30分以内といった所のようでした。 男性が発見された部屋は廊下を曲った先にあり、レジからは死角になっていて、曲った先にタバコの自販機とトイレ…
そういえば瑛祐はたった今までトイレに行っていたはず……そのことが急に気になったコナンが被害者の男性の下に駆け寄り、遺体の上にかけられていた背広をめくって顔をよく見てみると……
まさか、本堂瑛祐が…!? すぐに警察が駆けつけ、目暮警部の指揮の下捜査が開始されますが、コナンはトイレから帰ってきてからの瑛祐の様子がおかしいことにひっかかりを感じており……
病気と偽って学校を休んでいた本堂瑛祐の復帰を祝うため、蘭と園子はコナンと瑛祐を連れて近くのカラオケボックスへ……ところがその道の途中、何者かに尾行されていることに気づき、FBIが瑛祐を監視しているのかと警戒しつつも店内でカラオケを始めます。
ところが店に入ってしばらく経ち、退室時刻が迫った頃、突然廊下の奥の方から店員の悲鳴が……コナンが駆けつけてみると、部屋の中には血まみれになって倒れている、尾行男の姿が……。
ほどなく警察の捜査が開始されますが、コナンはカラオケを始めてからトイレに向かったきりなかなか戻ってこなかった瑛祐の表情がおかしいことに気づき、FBIの監視から逃れようと彼が尾行男を手にかけたのではないかと疑い出し……本堂瑛祐の運命は!?
前編の警察の捜査が開始してすぐの所で、高木刑事がこの名前を呼びました。もちろん原作ではこの時点では一度も登場していないアニメオリジナルのキャラクターなので、当然出てくるかどうかはアニメを見ないと分からないキャラクターですが、私が確認している範囲では、2005年公開の映画第9弾「水平線上の陰謀」で姿を見て以来、TVアニメでは更に遡って2003年に放映された328「バースデー・ワインの謎」以来登場がなかったはず。それもあってものすごい感慨深いものがありました。「友、遠方より来る、また楽しからずや 」の心境です。
前編ではまず冒頭に瑛祐がコケそうになりつつも学校に登校してくるシーンが追加され、その後本屋のシーンで瑛祐とコナンが鉢合せになる所で園子が少年探偵団に学校帰りにマンガ本を立ち読みってかと嫌味を言うシーンがありますが、アニメではここで探偵団たちが園子に試験が近くなって慌てて参考書を買いに来たって感じ、付け焼刃というやつですね…とやり返すシーンが追加されています。
次にコナンが灰原と噂の瑛祐について話し合っている時、原作では出てくるのは水無怜奈とジンとウォッカですが、アニメではここでチラッと赤井秀一の姿が見えます。そしてその後コナンが少年探偵団たちと別れるシーンが続きますが、ここで元太のセリフだけ「学校で会おうぜ」から「宿題忘れんなよ」に、その後のコナンのセリフも「オウ」から「オメーもな」に変わっています。
それからCMを挟んで後半ですが、まず最初に警察の捜査が始まって冒頭、見どころの所にも書きましたが、高木刑事のセリフの一部を鑑識課のトメさんが久しぶりの登場で担当しています。そしてその後もトメさんのセリフが結構続き、「警部、被害者の背広にこんなものが」と小型カメラを目暮に手渡し、さらに目暮がそれを千葉に渡しフィルムを現像して調べるように命令します。このカメラにどんな写真が写っていたかは後編で分かります。
あと細かいですが、店に来た順番も面長の男の2号室と色黒の男たちの4号室の順番が逆になっていて、その後容疑者3人が自己紹介するシーンと現場と誰がどの部屋にいたかを整理した事件マップが追加され、更に容疑者各人の年齢も原作ではないのですがアニメでは設定されています。
それからビデオの録画映像を検証するシーンになりますが、ここでもトイレに行っていた2号室の客が戻ってきた所ですれ違うのが原作では4号室の客ですが、アニメではトイレの手前で瑛祐がすれ違うという違いがある他、瑛祐が戻ってきて4号室に間違って入ってしまう爆笑映像も追加されています。これを見た目暮、高木、コナンの表情が笑えますよね(苦笑)
最後には前回の妃弁護士の事件同様、容疑者や消えた凶器の行方など事件の要点を整理するシーンで〆られていて、非常に分かりやすく後編に突入できるように工夫されています。
後編ではまずヘビースモーカーだという本間恭太の買ったタバコが、原作では「Mird Seven Extra Lights」ですが、アニメでは「Mini Seven Extra Lights」になっています。ちなみに実際に本当にあるのは「Mild Seven Extra Lights(マイルドセブン・エクストラライト)」です。それ以外は容疑者たちの部屋を出た時間が微妙に異なっている他はほぼ原作どおりで、最後に前編同様に赤井秀一のシルエットが出てきます。
ミステリー作家新名香保里の新作で上下巻。下巻は来月発売予定。新名香保里については最近では492-494「赤と黒のクラッシュ 血縁・絶叫・冥土」でも「黄泉からの殺人者」という本の作者として名前のみですが登場していますので、そちらを参照のこと。
蘭と園子が本屋に来たのは試験が近づき参考書を買うためでしたが、そこで見つけたのがこの本。学校の教師が薦めていたらしく、値段も超安いらしいです。
コナンと灰原がつけられていると感じたあたりで謎の尾行者が隠れている自販機が出てくるのですが、アニメではその自販機は赤く側面にはこの文字が。伊藤から加藤になってもやはり主力商品は「お~いお茶」なのでしょうか(笑)、と思ったら自販機の中には「美味茶」というお茶が見えますね。
それとよく見ると自販機の向こうに「いとう」という看板も確認でき、制作側の遊び心が垣間見えます。監督が代わってから急にこういうのが増えた気がしますが、以前のコナンは非常にこういうのが多く探すのが好きだったので、個人的には楽しんで見ています。
カラオケBOXにやってきた蘭と園子が歌っていた曲。GARNET CROWの曲でコナンの第20代オープニングテーマ曲。
4号室の有元の部屋にあったペットボトル入り炭酸飲料の銘柄。オレンジと黄色と赤を基調に力こぶと炎をモチーフにしたデザインで、有元の連れが飲みたいと言ったので買ってきたものの、激マズだったので一口しか飲みませんでした。
名前の由来がおそらくサントリーの炭酸飲料「デカビタC」から来ているのではないかと思います。
本堂瑛祐最後の挨拶…とでも銘打つべき今回の事件ですが、最後にして容疑者として扱われはするものの、何ともなくて何よりでしたね。ある程度愛着のあるキャラクターが突然殺人犯になってしまうような作品もありますが、コナンではあまりそういうのは見たくない気がします。まあそうは言っても毎回そうだと緊張感は確かにないのですが。
そして今回はアニメ限定ですが、何といってもトメさんに久しぶりに出会えたのが何よりの喜びでした。ただこれは指摘しておかなければいけませんが、トメさんがアニメで最後に登場したのが328話目で山本泰一郎監督が映画監督に昇格する直前で、今回監督が交代してすぐで久しぶりに登場…ということを考えると、前の監督時代に何かあったのでしょうか。まあいずれにしてもこれからまたどんどんと登場してきて欲しいキャラクターです。
カラオケボックスが舞台といえば42「カラオケボックス殺人事件」が有名ですが、あちらも名作といっていい部類の作品ですが、ミステリ的にはこちらの方が高水準かもしれませんね。凶器となったブラックジャックについては他のミステリにもあったので驚きはありませんでしたが、その後使った硬貨の始末の仕方がなかなか見事だったと思います。目の前の自販機、そしてカートンの包み紙のあたりはなるほどと唸るような出来栄えでした。
今回の事件の犯人の息子は、1年前にこの町で発生した誘拐事件で幼い命を落とすことになり、それが今回の事件の動機となりました。
すでに何度か登場している町の名前ですが、名前の由来はおそらくイギリスの地名の一つであるオックスフォードからでしょうね。