(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 鈴木園子 沖野ヨーコ 小林澄子先生 沖矢昴 代田育雄 山川 大江(主婦) 金一 リポーター キャスター リポーター 警官 救急隊員 新名香保里 水無怜奈1 バーボン |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 人気アイドル 帝丹小学校1年B組担任 工藤邸に居候する謎の大学院生 誘拐事件の被害者、造船会社社長で元船乗り 小松生命社員 米花タワーマンションの住人、3706号室 蘭のクラスの推理好きの男の子? TVのニュース番組のリポーター TVのニュース番組のキャスター TVのニュース番組のリポーター 警察官 東京消防庁 救急隊員 ミステリー作家、「黄泉からの殺人者」の著者 元日売テレビ アナウンサー 黒の組織の新たなメンバー、探り屋 |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 神谷明 原作のみ登場 林原めぐみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 松井菜桜子 声の出演なし 加藤優子 置鮎龍太郎 水内清光 ??? 百々麻子 ??? 大本眞基子 増田ゆき 三戸耕三 長嶝高士 柳沢栄治 声の出演なし 原作のみ登場 ??? |
連続放火魔逮捕…
誘拐犯逃走中に自殺…
ひき逃げ今月9件目…
大迷惑! 紙飛行機野郎…
放火に誘拐に轢き逃げにイタズラ…事件あっての探偵とはいえ、よくもまあ毎日毎日こんなに色々事件が起きるものだと、帝丹小学校1年B組の教室で携帯のニュースチャンネルを見ながらため息混じりのコナン。ところがそんな物思いにふける名探偵目がけて紙飛行機が一つ飛んできて…
コナンのメガネに直撃したその紙飛行機、どうやら元太が飛ばしたものらしいのですが、その紙飛行機を見たコナンはその模様を見て訝しげな表情を見せます。なぜなら紙飛行機には、日の丸を思わせる丸印が何箇所にもわたって塗られていたのです。
そしてその模様、実は今巷で騒ぎになっている紙飛行機野郎…一昨日と昨日の2日間だけで100機近くが都内で回収されたという紙飛行機に描かれていた模様と同じだったのです。
子供のイタズラなのか、それとも夜しか飛ばさない事から仕事に疲れてストレスが溜まった大人の仕業なのか…はっきりはしませんでしたが、灰原や探偵団たちと話をしているうちにコナンはある重大な事を思い出したのです。
それはコナンも大好きなミステリー作家新名香保里の探偵左文字シリーズのドラマの再放送…本放送の方は小五郎が沖野ヨーコの特番を観ていたために見逃していたのですが、再放送の日時をチェックしていなかったコナンは慌てて誰かに録画を頼もうとします。
再放送は日売テレビで昼の2時から。博士は昨日から友人と旅行でしたが、蘭はテストで学校は午前中だけ…そこで蘭に頼もうと毛利探偵事務所に電話をしてみたのですが…
電話に出た小五郎によると、何と蘭は園子を伴って工藤邸の掃除に向かったというのでした。
余計なことを…と思いつつも仕方なく小五郎に録画を頼もうとしますが、その時コナンはある重大な事を思い出したのです。そう、今工藤邸には「クロシロ君」の事件で自分の住んでいたアパートが放火の被害に遭ったあの人物が……
そんなことは露知らぬ蘭は、工藤邸を掃除するのが毎月の恒例行事になりつつあることを嘆く園子をなだめながらちょうど工藤邸に到着した所でした。
ところが屋敷に入ってみると家の中が暖かく、ホコリも溜まっていなかったため、新一が帰ってきているものと誤解…そこに歯磨き中の見知らぬ若い男がいたため、泥棒だと勘違いした蘭は……
それからすぐにコナンが蘭に電話を入れて事情を説明し、その若い男が先月から工藤邸に居候している沖矢昴であり、怪しい人物ではないと分かると、蘭と園子は平謝り。
しかし沖矢昴は怒るそぶりも見せず紳士的な対応を見せ、更には得意の推理力で蘭と園子がウェルカムバーガーに立ち寄ってきたことを言い当てて二人を驚かせます。
蘭と園子は沖矢昴のまるで新一を思わせる推理力に驚かされますが、イケメン好きの園子は沖矢昴の肩を持とうと探偵としての能力は新一より彼の方が上だと持ち上げます。
ところがそれを聞いた蘭は当然反論しようとしますが、園子はそれなら二人を勝負させてみようと、カバンの中からあるものを取り出して沖矢昴に見せたのです。すると沖矢昴は直ぐに紙飛行機に込められたメッセージを読み取り……
一方同じ頃、帝丹小学校で授業中の新一ことコナンの携帯にも、園子がカバンから取り出したのと同じ物の写真が送られていました。それは蘭からのメールで、
「今世間で騒ぎになってる事件、新一なら解けるよね? とりあえず現物が手に入ったので画像送るね」
と書かれていました。そして画像をチェックしてみると、それは先ほど元太がコナンに当てた紙飛行機と同じもので……
もっともよくよく見るとその写真画像にある紙飛行機は元太のものとは少し柄が違ったのですが、紙飛行機の裏の画像を見たコナンは、沖矢昴同様に直ぐに紙飛行機に込められたメッセージを読み取り……
ここ2、3日世間を騒がせている紙飛行機騒動が帝丹小学校の中でも話題になる中、コナンは事件が絶えない携帯ニュースの画面を見てため息をついていました。ところが大ファンである探偵左文字シリーズの再放送の録画を忘れたことから毛利探偵事務所に電話をかけて蘭に頼もうとすると、蘭は園子を伴って毎月の恒例行事と化している工藤邸の掃除に出かけたという小五郎からの返事が返ってきたのです。
ところが工藤邸には今、最近起きた「クロシロ君」事件で住む場所を失った沖矢昴が居候していることを思い出し、慌てるコナン。しかしコナンが電話するよりも前に蘭と園子は工藤邸に到着してしまい…
その後コナンからの連絡で事情を知った蘭と園子でしたが、沖矢昴がまるで新一のように名推理を披露したことから、イケメン好きの園子は彼の推理力は新一以上だと蘭を挑発。
そこでそれならばと例の紙飛行機野郎の事件の真相を二人に解かせてみることにしたのですが……
今回はアニメ3話分のシリーズとなっていますが、原作では連続していない「クロシロ君」の事件と紙飛行機の事件の2つの話で構成され、クロシロ君が2話目の「W暗号ミステリー」の前半までで、紙飛行機の話が「W暗号ミステリー」の後半からとなっています。
理由は原作では連続していませんが、明らかに2つの話は続きになっているからで、新たなる黒の組織の一員バーボンの正体を軸に話がこれから進んでいくものと思われます。
まず1話目(W暗号ミステリー・後半)では冒頭コナンが携帯ニュースを眺めるシーンと紙飛行機がコナンのメガネに当たるシーンの間に原作では黒の組織とバーボンについてコナンが思案するのですが、アニメでは灰原哀との会話になっていて、新一の家に居候することになった沖矢昴を信じて大丈夫かというやりとりになっています(そのため水無怜奈の登場部分もアニメではなくなっています)。
またそもそも最初のコマの小学校の校舎についても原作では時計がないのですが、アニメでは時計が9時20分過ぎを表示している他、紙飛行機の当たる場所が原作ではメガネですが、アニメでは額に当たっています。
それからコナンが探偵左文字シリーズのストレス殺人事件の昼2時からの再放送の録画を頼むのを忘れたと気づくシーンの中で、原作では阿笠博士は昨日から友人と旅行にいっていると触れられているのですが、アニメではこの部分がカットされていて、阿笠博士の紙飛行機事件での登場シーンがなくなってしまっています。逆に沖野ヨーコは原作では名前だけですが、アニメではTVに映るシーンで姿を見ることができます。
次に場面が工藤邸に切り替わり、原作ではすぐ蘭と園子は工藤邸の前にいるのですが、アニメでは工藤邸に向かう途中の二人の会話シーンが追加されていて、アメリカに渡った本堂瑛祐についての話と、新一についても話題が出て園子が蘭の真似をして二人の仲をからかうオリジナルシーンを見ることができます。
そして工藤邸の中に入った二人ですが、中が原作ではいやに暖かいとなっている部分が、アニメでは涼しくなっていると変更されていますが、これはクロシロ君事件同様に原作では10月という設定だったものが、アニメでは放映日に合わせて7月に変わっているためと思われます。
その後蘭からコナン(新一)に携帯で紙飛行機の写真画像が送られ沖矢昴との推理対決が始まりますが、その際帝丹小学校に切り替わる際にまた校舎が出てきて時間は10時半を指しているのと、小林先生が黒板に書いた文字が原作の「あいうえ」ではなく花の名前の勉強と題して「ばら すみれ あじさい さくら ひまわり ゆり」とアニメで変更されている他、小林先生のセリフも若干追加されています。
次に2話目(推理対決!新一vs沖矢昴)に関してはほぼ原作どおりなものの、クロシロ君事件同様に原作6話分をアニメ3話(本来4話分)に凝縮しているためか、若干セリフのカットや省略が目立ちます。とはいえアニメだけで観ても違和感があるほどではありませんが。
その中で気になった部分を挙げると、1話目に続き解決編の後半に入ってすぐコナンが折り紙を始めた際にも小学校の校舎のシーンが追加されていて、時刻が11時半だと判る点と、もう一つは小松生命の山川という人物がどこかに出てきます。どこに出てくるかは観てのお楽しみということにしたいですが、大したシーンではないのですが結構笑ってしまいました(笑)
ウェルカムバーガーで最近新発売された商品で、ニンニクの効いた夏バテ解消にもなりそうな食べ物。
最近よく名前が出てくる新名香保里の探偵左文字シリーズの作品の一つで、今回はテレビの本放送を沖野ヨーコの特番のために観られなかったコナンが、この日2時からの再放送の録画も忘れていたことから小五郎に電話をしたことから話が展開していくことになります。
沖矢昴はこの大学の大学院に通っています。園子の話ではエリート大学のようで、阿笠博士も同大学同学部の出身者である他、100-101「初恋の人想い出事件」に登場した内田麻美や、46「雪山山荘殺人事件」、143「疑惑の天体観測」、119「仮面ヤイバー殺人事件」、92-93「恐怖のトラヴァース殺人事件」や映画「時計じかけの摩天楼」「瞳の中の暗殺者」の登場人物たちの中にも同大学関係者がいて、かなり頻繁に名前の出てくる大学です。
蘭と園子が工藤邸に行く前に立ち寄ったハンバーガーショップで、マクドナルドのMを逆にしたWのマークが印象的です。491「赤と黒のクラッシュ 発端」など最近よく登場します。
ともに米花町にある建物でお互い近くにあります。ニュー米花ホテルの方は501-504「赤と黒のクラッシュ 嫌疑・潔白・決死・殉職」の事件の舞台にもなりましたよね。
他にも実は「ホテルニュー米花」というホテルが307-308「残された声なき証言」と454-455「ひっくり返った結末」で登場しているのですが、この2つは同じホテルなんでしょうかね。
新一の家に居候することになった沖矢昴が再登場して新一(コナン)と推理対決を繰り広げるということで、今回の事件だけ見ると推理力はお互い五分五分という感じですが、これからもこの沖矢昴はバーボンの影とともに話のキーパーソンになってくることは間違いないでしょう。
ミステリ的な話となると今回は暗号解読モノということで、暗号なんて本来は作中でも語られている通り伝えたい人にだけ伝えることができて、伝えたくない人に伝わらなければいいというか、そうしなくてはいけないものですから、その手段や内容というのはいろいろあって当然ですし、中には子供じみたものやダジャレもあるのでしょう。
要はミステリとして読んでいる読者になるほどとか面白いと思わせれば勝ちという点からすると、今回の暗号解読はなかなか面白かったと思います。以前暗号解読ものはあまり好きではないと書いたと思いますが、最近は暗号解読モノの楽しみ方も分かってきたような気がする今日この頃です。
それから沖矢昴については、何かいいキャラクターですよね。こういう物腰柔らかで紳士、けれども推理をさせたら鋭い切れ味の頭脳が光るキャラクターというのは何だか憧れてしまいます。ラストのバーボンのウイスキーを傾けるシーンが意味深ですが、果たしてどんな展開でどういう人物なのか、これからが楽しみですね。
最後にラストの新一と蘭のやり取りはいつもながら二人の真っ直ぐな性格がよく出ていて、なかなかこんな勇気ある行動には出られないものでしょうけど、やはり読んでいてこちらも気持ちよくさせられます。