名探偵コナン524-525「憎しみの青い火花」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File524-525 憎しみの青い火花
英題
Blue Spark of Hatred
放映日
2009/2/9・2/16(前編・後編)(「アニメ7」内放映)
原題
第63巻
File2「推理の答え」(ラスト3ページ)
File3「回る凶器」(最初の2ページ半)
第61巻
File5「燃える」
File6「火種」
File7「バチバチ」
ジャンル
本格、サスペンス
事件現場
周藤豪貴の所有する別荘のガレージ
管轄
東京警視庁捜査一課 火災犯捜査一係(弓長警部)
登場人物
江戸川コナン
工藤新一
毛利蘭
阿笠博士
灰原哀
吉田歩美
小嶋元太
円谷光彦
服部平次
弓長警部
沖矢昴
周藤豪貴(34)
銀林恵奈(31)
鑑識










本編の主人公、正体は工藤新一
本編の主人公、高校生探偵
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
新一の家の近所に住む自称天才科学者
黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
西の高校生探偵、新一のライヴァル
捜査一課火災犯警部、小五郎の元上司
工藤邸に居候する謎の大学院生
IT企業社長
周藤の婚約者
鑑識員
周藤と恵奈の知人の男
周藤と恵奈の知人の男
周藤と恵奈の知人の男
周藤と恵奈の知人の女
周藤と恵奈の知人の女
周藤と恵奈の知人の女
周藤と恵奈の知人の男
周藤と恵奈の知人の男
周藤と恵奈の知人の女
周藤と恵奈の知人の女
周藤と恵奈の知人の女
高山みなみ
山口勝平
山崎和佳奈
緒方賢一
林原めぐみ
岩居由希子
高木渉
大谷育江
堀川りょう
徳弘夏生
声の出演はなし
岩田光央
高田由美
川津泰彦
渋谷茂
柳沢栄治
三戸耕三
豊嶋真千子
大本眞基子
永島由子
川村拓央
石川ひろあき
麻見順子
大鐘則子
松本さち
あらすじ
「絶対何かあるはずさ! 火を着けさせるトリックが!」

 探偵団恒例のキャンプ─今回もとても景色のよい場所で、夕飯も色々作れるように食材はたんまり準備、バーベキューでもカレーでも何でも来いで俄然盛り上がる探偵団たち……ところが灰原哀はというと、朝からずっとイライラしている状態でコナンも手を焼いていたのでした。

 ところが楽しいはずのキャンプはまたしても暗転…食べ物の数のチェックは一生懸命の阿笠が車のチェックは完璧ではなかったらしく、今回はガソリン切れでエンスト……陽も暮れかけ携帯電話も圏外なことから、山の上に見える別荘まで歩き電話を借りることにしたのです。

 とその時、道を通り過ぎようとする車が一台、探偵団たちの目の前に現れます。天の助けと阿笠は事情を説明し、近くのガソリンスタンドまで乗せていって欲しいと頼んだのです。

 ところがクラシックカーに乗る金持ち風の男は、最初は構わないと言いながら事情を聞くと「一生ここで待ってなよ!! クソジジイ!!」と言い放ち、笑いながら現場を後にしたのでした。

 最低な奴と探偵団たちは憤慨しますが、コナンが今の男がこれから向かう別荘の持ち主ではないかと推理すると、探偵団たちは露骨に嫌な顔を見せます。しかし灰原哀は別人かもと冷静に判断し、行くだけ行ってみようと提案しますが、やはり光彦に命令するなど女王様気取りで不機嫌そう。見かねたコナンはキャンプ中ぐらいは機嫌を直せと諌めますが…。

 その時頭上から爆発音が聞こえ、そばに先ほど見たロールスロイスのエンブレムが落ちてきます。さっきの男がなぜ…と不思議に思い別荘へと走るコナンでしたが、爆発の現場へ到着するとガレージからは猛烈な炎が上がり、恵奈と呼ばれる女性が友人に止められながら泣き叫ぶ姿を目にしたのです。

 茶髪、あごひげ、白いウールのセーター、黒いフリースのジャケット…先ほど会った際に男が着ていた服装をコナンが思い返していると、ほどなく警視庁捜査一課火災犯捜査一係の弓長警部による捜査が開始されます。亡くなったのはIT企業社長の周藤豪貴で、出火の原因はくわえタバコ。ガレージ内に偶然倒れていたガソリンのポリタンクに引火したらしいのでした。

 吸殻も見つかっており間違いないと断言する弓長警部でしたが、先ほど泣き叫んでいた周藤の婚約者の恵奈は、彼は自分と結婚するためにタバコをやめたと言っていたと主張します。

 ところが車の灰皿には大量のタバコの吸殻が残り、近くには封も切っていないタバコの箱とライターもあり…結局婚約者との約束を破りタバコを止めていなかった周藤の自業自得の事故だと弓長警部は結論づけたのです。

 しかしコナンはその結論に異議を唱えるのでした。これはただの事故ではなく、仕組まれた事故、殺人だと…。

今回の見どころ
キャンプに向かう途中で起きた車の爆発炎上事件

 阿笠博士のビートルで恒例のキャンプに出かけた少年探偵団のメンバーでしたが、またしてもガス欠のトラブルが発生して立ち往生。そこへロールスロイスに乗ったIT企業社長の周藤豪貴が通りかかり、阿笠が助けを求めるも周藤は捨てゼリフを吐いて彼らの前から立ち去ります。

 仕方なく山の上に見えた別荘まで電話を借りに歩いて向かおうとしたその時、その別荘で爆発が起き、コナンがガレージに駆けつけてみると先ほどの周藤の車がガレージの中で炎と煙に包まれていたのでした。そしてそのそばには彼の名前を呼んで泣き叫ぶ婚約者・銀林恵奈の姿が…。

 すぐに警視庁捜査一課の弓長警部が到着して捜査を開始し、いったんはくわえタバコがガレージ内に偶然倒れていたガソリンのポリタンクに引火した不幸な事故と結論づけられようとしましたが、恵奈の言葉を不審に思ったコナンは彼女が故意に爆発を起こした殺人事件だと推理し…。

 現場からは発火装置らしきものは見つからなかったのですが、果たして恵奈はどんなトリックを使って火をつけ、ガレージを火の海に変えたのでしょうか?

原作との相違点
前編

 まず大きな変更といえば、冒頭に522-523「本当に聞きたいコト」のラスト、蘭と新一から戻ったコナンが阿笠博士のビートルの中で会話するシーンと「回転寿司ミステリー」の冒頭部分、コナンが博士のビートルの中で平次と携帯電話で会話するシーンが追加されています。

 本当は原作では「本当に聞きたいコト」→「回転寿司ミステリー」と続いて、回転寿司の冒頭に寿司屋へ向かう阿笠博士のビートルの中でコナンが平次と電話で話すのですが、その部分が今回のキャンプの話の冒頭に挿入されています。このためまだこの時点で放映されていない「回転寿司ミステリー」が放映される時にはこの影響で冒頭部分はカットされると思われます。

 上記の影響から、原作では本事件に登場しない新一と蘭、それに服部平次が今回のお話に登場しています。

 それからようやく本作品の本編に入って、まずビートルの中で不機嫌な灰原に睨まれたコナンが歩美に席を変わってくれないかと頼むのですが、アニメではそのセリフがカットされています。それからエンスト直後の阿笠や探偵団のセリフの一部もカットされています。

 そして今回の被害者の車が原作では「ロールスロイス・ファントムV1966」と車種まで記述されているのですが、アニメではスポンサーに気を使っているのか「クラシックカー」になっていて車種には触れられていません。

 それから周藤豪貴が本当に禁煙してたかどうかコナンが推理する部分で、コナンの推理が若干ですが省略されている。それ以外は細かいセリフの変更や若干のカットはありますが、大きな変更点はありません。

後編

 前半は細かい部分で若干のセリフのカットはあったもののほぼ原作どおりでした。ただやはり「新型のベンツ」という所が「新型の車」になっていました。

 後半に入ってからもやはり「フォルクスワーゲン タイプ1」という言葉がカットされていて、ビートルの愛称だけになっていました。他にも車関係の記述がブランド名を出さないようにとにかく気を使って変更されまくっています。おかげでちょっと分かりにくくなっている部分もありますが仕方ないですね。

豆知識

 イギリス原産の犬で、大型犬として元々は狩猟のために飼われていたのだとか。賢く温和な性格のため人気がありペットで飼う人も多いそうです。

 本作品では銀林恵奈が飼っていた犬として登場しました。父親が買ってくれたそうです。

 元々はイギリスの車のブランドでしたが、1998年からはドイツのBMWの傘下となっているそうです。超高級車として有名で政府専用車などにも使用されています。車以外に航空機のエンジンも製造しているそうですね。

 ちなみにロールス・ロイスのマスコットといえば本作にも登場する「フライング・レディ」ですがこれは通称で、正式名称は「スピリット・オブ・エクスタシー」(Spirit of ecstasy )といいます。羽根を広げた精霊の形をしていますが、これは1911年に画家チャールズ・サイクスによってデザインされたものなのだそうです。

NEXTコナンズヒント
File524 ウールのセーター
File525 小包のリボン
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光彦「あ、セーターに毛玉が」
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光彦「あ、セーターに値札が」
元太「セールだぜ」

File525
コナン「事務所の下は喫茶ポアロ」
元太「カランコローン、わたしポアロでーす」(名探偵ポワロのマネ)
コナン「違うだろ」
OP
Revive」(倉木麻衣)
ED
恋心 輝きながら」(Naifu)
監督
於地紘仁
構成
File524 影山楙倫、鈴木吉男
File525 影山楙倫
絵コンテ
File524 影山楙倫、鈴木吉男
File525 影山楙倫
演出
File524 戸澤稔、黒田晃一郎
File525 鎌仲史陽
作画監督
File524 増永麗、山本道隆
File525 岩井伸之、アベ正己
ビデオ
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DVD
PART18-1
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★

 今回は恒例の探偵団のキャンプから事件に巻き込まれていくというお約束の展開でしたが、その後は完全な倒叙ミステリーではないものの、犯人はほぼ明らかにされており、どうやって火をつけたかというハウダニット、すなわち「どうやってやったか」という部分に焦点のあたる謎解きになっています。

 こちらについては静電気を利用したもので、灰原哀も静電気に普段から悩まされているということが分かりましたが、ただ私は静電気で悩まされたことはまったくないのでその気持ちを本当には理解してあげられないのが残念ですし、そんな訳でトリックもサッパリでした。

 ただ最後の犯人に罠を仕掛けて追い詰めていくシーンは迫力と緊張感があって実に良かったと思います。ここだけでも見る価値のある作品ですね。

 そして今回は弓長警部も久しぶりに登場しました。元小五郎の上司で存在感のあるキャラクターですが、火災関連の事件だとこれからも登場が期待できるので、楽しみにしています。

豆知識

 今回の事件はまさしくこの静電気が問題となりました。いろいろと対策もネットで調べるとあるようですので、悩んでいらっしゃる方は参考にしてみてはいかがでしょうか。

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