(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事? 井本龍介(39) 井本貴子(37) 土橋哲夫(55) 寺沢紀夫(43) 辻 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 不動産会社NEEDの社長 井本龍介の妻 輸入雑貨会社経営、井本の元上司で仲人 元・釣具店店主、マンション502号室の住人 マンションの管理人 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 声の出演なし 田中正彦 寺内よりえ 上田敏也 仲野裕 中嶋聡彦 |
ある日のこと、たまには三人でぶらぶらと散歩するのもいいものと、小五郎、蘭、コナンの三人が夕闇の中をのんびりと歩いていると、道の真ん中に小鳥が一羽身動き一つせずに横たわっているのを発見します。
コナンが駆け寄って優しく小鳥を拾い上げてみると、まだ小鳥は生きており大した怪我もしていない様子。しばらくすると小鳥は目を覚まし、夕闇の空へと元気よく飛び去っていきます。
貧血でも起こしたのかと不思議そうにその鳥の飛び去っていった方を眺めていた小五郎でしたが、とその時でした。
突然三人の背後から女性の悲鳴が響き渡ります。驚いた三人は急いで声の聞こえたマンションへと向かいます。そして珍しく俊敏な動きを見せる小五郎は、マンションのエレベータ目指して勢い込んで駆けていったのですが……
強化ガラスの洗礼を受け、仕方なく小五郎は入り口で呑気に新聞を広げていたマンションの管理人の辻に事情を説明します。
話を聞いた辻が驚いていると、外から釣り具を抱えた中年の男が入ってきて何かあったのかと二人に尋ねます。そして辻がその男─マンションの住人の寺沢紀夫に事情を説明しようとすると…
その時マンションのオートロックが開いて、中から先ほどの悲鳴の主と思われる女性が倒れこみながら助けを求めてきたのです。そして彼女の話によると、何と自分の夫が部屋のベランダで殺されているというのでした……!!!
すぐに小五郎は自分が探偵であることを明かし、管理人の辻と寺沢、それに悲鳴の女性─井本貴子とともにエレベーターで701号室の彼女の部屋へと向かいます。
玄関を慎重に開き、部屋の中へと進んでいった小五郎は、部屋の奥の方に備え付けられた広々としたベランダへとやって来ます。
そしてベランダの床の上で、部屋の主で不動産会社NEED社長の井本龍介の遺体を発見。ところがその傍に一人の中年男性が茫然と立ち尽くしていて……
それからしばらくして警察が到着し目暮警部の指揮の下で捜査が開始されます。調べを進めていくと井本龍介の死因は後頭部を殴打されたことによる脳挫傷で、凶器は遺体の傍で砕け破片が散乱している植木鉢のようなものと考えられました。そして井本はどうやらその植木鉢を使って背後から殴打されたという線が濃厚でした。
一方そのマンションは今月一杯で取り壊しが決まっており、現在入居しているのはオーナーの井本夫妻と、先ほどの釣り具の男性・寺沢紀夫だけ。そしてオートロックで厳重に管理されたそのマンションは、正面の入り口からしか出入りは不可能であり、しかも入り口には管理人の辻がいて常時出入りをチェックしていました。
その結果、その日マンションに出入りしていたのは三人だけということが判明。しかもその三人それぞれが、井本龍介を殺してやりたいほど恨んでいると思える立派な動機を持っていたのです…!!
まず一人目は彼の死体を最初に発見した妻の井本貴子。彼女は井本とは夫婦仲も悪く離婚訴訟の真っ最中で、慰謝料のことで揉めていたといいます。
次に小五郎たちの後から入ってきた釣り具を抱えたマンションの502号室の住人の寺沢紀夫。彼は経営していた釣り具店を井本に乗っ取られたことをひどく恨んでいたらしいのです。
そして最後が小五郎たちが到着した際に遺体の前で茫然と立ち尽くしていた、輸入雑貨会社を経営する土橋哲夫という男性。彼は井本とは元上司と部下の関係で仲人も務めたという親しい間柄だったのですが、倒産寸前の自分の会社を立て直すための資金援助を何度も頭を下げて頼んだものの、その度に断られ続けていたというのです。
動機と機会─この二つの要素から事件を担当する目暮警部は三人の中に犯人がいると確信し、三人から詳しい事情を聞き始めたのですが…