(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 沖野ヨーコ 車谷整司(28) 速水準 道田巡子(38) 店長 警官 仮面ヤイバー |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 人気アイドル 自動車整備士、緑色の4WD車の男 フリーター、赤色の外車の男 奥穂警察署交通課巡査長 コンビニRANSUNの店長 事件を担当する警察官 子供たちに大人気の特撮ヒーロー |
高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 声の出演なし 古澤徹 私市淳 西川宏美 村松康雄 三戸耕三 声の出演なし |
危険! この先交差点交通事故多発! 警視庁─そのような看板が表示されているにも関わらずあくびをしながら運転する小五郎。実は徹夜の麻雀明け…しかも人気アイドル沖野ヨーコのお宝写真を賭けて…小五郎にとっては一世一代の大勝負だったかもしれませんが、蘭やコナンにはその価値が分かる訳もなく温泉に行ってまですることでもないであろうとただ呆れるばかりだったのです。
ところが前方に見えてきた虹に蘭が期限を直しかけ小五郎が缶コーヒーを口にしようとしたその刹那、その虹を覆い隠すかのように前方から黒い煙がもくもくと上がります。慌てて現場に駆けつけてみると、橋のすぐそばの道路脇には緑色の車が立っていた看板の鉄柱に前方から激突した状態で停まっていて、すぐその先の用水路の中には赤い車が原形を止めないぐらいに大破して転落していたのです。赤い車はほどなく激しい炎を上げ、中に乗っていた運転手を助けることはもはや不可能な状況でした。
幸い緑色の車の運転手の方は頭から血を流してはいるものの意識もあり車の外に出ようとしますが、小五郎たちから相手の赤い車の様子を聞かれると愕然として膝から崩れ落ちたのです。
すぐに警察と救急車が呼ばれ、赤い車が用水路から引き上げられると同時に緑の車の運転手は現場を仕切っていた奥穂警察署の道田巡子巡査長から事情を聴かれます。それによると緑色の車の運転手は名前を車谷整司といい自動車整備士で、交差点に入る時なぜか相手の車が来るのに全然気づかなかったというのでした。そのまま直進したら突然視界に赤い車が現れて急ブレーキをかけてハンドルを切ったものの避け切れなかったというのです。
交差点での一時停止も怠っていたらしいのですが、現場は田んぼのど真ん中にある見晴らしの良い十字路で、小五郎は突然相手の車が視界に入ってきたという車谷の供述に不審を抱きます。本当は居眠りかよそ見をしていたのではないかと問い詰めますが、車谷は頑としてそれを否定し普通に前を見て走っていたのに相手の車に全然気づかなかったと訴えたのです。
すると道田巡査長はあれかもしれないといって次のように話し始めたのです。その交差点は事故が多いことで有名で、地元の人から「恐怖の交差点」と呼ばれているらしく、その原因と考えられているのは「コリジョンコース現象」だというのでした。
2台の車が直角に同じスピードで交差点に近づくと互いの車が常に45度に位置する、つまり相手の車が常に視野の外よりの同じ場所に位置することになるのですが、人間の視野は大きく周辺視野と中心視野に分けられ、周辺視野では動きの小さいものは認識し辛いため相手の車の発見が遅れてしまうというのです。
相手の赤い車にもブレーキを踏んだ形跡もなかったことから、今回の事故はますますコリジョンコース現象が原因で起きたものだと考えるのが妥当なようにも思えました。
ところが事故を起こした2台の車はいずれも小五郎たちが缶コーヒーを買うために立ち寄ったコンビニで目撃されていて、しかもほぼ同じ時刻に店を出ていたことが分かります。そして別々の道を走ってきて数分後に事故現場で衝突した…あまりにも出来過ぎではと小五郎は偶然の事故という結論に疑問を投げかけ……
小五郎と蘭、それにコナンの三人んは温泉に行った帰り道、奥穂町の辻水田のバス停付近にある交差点付近に差しかかった所で二台の車の衝突事故の現場に遭遇します。
緑色の車は道路脇の看板の鉄柱に激突していたものの運転手は一命を取りとめましたが、赤い外車の方は用水路に転落して大破炎上し運転手は命を落としたのでした。
事故が起きた交差点は田んぼに囲まれた見晴らしのよい交差点ではあるものの、「コリジョンコース現象」が起き易く事故が多発することから「恐怖の交差点」と呼ばれていて、今回も交通事故は緑色の車の運転手・車谷の一時停止違反はあったものの不運な事故で片付けられようとします。
ところが緑色の車と赤い車は事故の直前に同じコンビニにいて同じ時刻に店を出ていた事が判明。本当に偶然による不幸な事故だったのでしょうか?
緑色の車がぶつかった看板に書かれていた広告で、「スカイフード自然の恵み村栽培。青山さんが愛情込めたササニシキ」と紹介されていました。
フロントフェイスをガードして障害物にぶつかってもラジエターなどの重要な箇所へのダメージを防ぐために特に4WD系の車でつけられていたそうですが、事故の際に相手の車や歩行者に大きなダメージを与えるため現在は使われていないそうです。
見晴らしの良い交差点で昼間なのに時々事故が起きる場合に考えられる現象。
2台の車が直角に同じスピードで交差点に近づくと互いの車が常に45度に位置する、つまり相手の車が常に視野の外よりの同じ場所に位置することになるのですが、人間の視野は大きく周辺視野と中心視野に分けられ、周辺視野では動きの小さいものは認識し辛いため相手の車の発見が遅れてしまうそうです。
小五郎が缶コーヒーを買うために立ち寄ったコンビニエンスストア。事故を起こした2台の車が目撃されたのもこの店です。
店のカラーや姿形はどう見てもローソンですね。553「ザ・取調室」でも登場しました。
事故が起きた交差点のすぐそばにはこのバス会社のバス停がありました。バス停の名前は「辻水田」でした。
今回登場したタバコの銘柄
今回は30分ものの短編作品でしたが、出来栄えはまあ中の下といった所でしょうか。虹の伏線などは良かったと思いますが全体としては面白味に欠けたかと。
まず見ていて一番しっくり来なかったのが犯行の動機ですかね。半年前に整備に入ってきた赤い外車を見て整備士が気づくぐらいだったらひき逃げでの立件は充分立証可能だと思いますが、それがなぜ自分で敵討ちをすることになるのかその飛躍がちょっと理解できませんでした。ひき逃げの検挙率というのは最近は特に高いですからね。
あとはやはり犯行の手口がかなり無理があるような気がします。グリルガードを付けていたとしてもそれなりのスピードが出ている車同士がぶつかったらどう跳ね返ってどこにぶつかるかなんてF1ドライバーでも予測できないと思いますが。下手をすれば自分の命に関わりますし確実に相手だけを殺すやり方としては上手いやり方ではない気がして何か不自然さと違和感を感じていました。
そしてやはり小五郎ですかね、まだまだバカになり切れておらず何か声が上品過ぎて下劣さを感じないんですよ。今回の作品を見ていてもう二度と沖野ヨーコの話で興奮する小五郎を見て大笑いすることがなくなるのかなあと思うと、一抹の寂しさを感じざるを得ませんでした。