(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 葛城健三(45) 仁地村沙希(35) 仁地村正平 CMの声 店員 車内アナウンス 捜査員 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 警視庁捜査一課特殊犯捜査係警部 ニジムラ副社長、仁地村の妻 ニジムラ社長、事件の被害者 ニジムラのCMの声 ニジムラ本店 店員 ブルースカイ号の車内アナウンス 葛城警部の部下 |
高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 茶風林 高木渉 佐々木敏 久川綾 島香裕 佐々木亜紀 浅川悠 日比愛子 白熊寛嗣 |
Anytime Anywhere いつでもどこでもバッグはNIJIMURA─その日の10時半過ぎのこと、小五郎と蘭、それにコナンの3人はRARCOのオーロラビジョンで最近大々的にコマーシャルを打つことができるほどの成長を見せているブランド・ニジムラの本店にやって来ていました。
ニジムラのバッグはトレードマークのレインボーカラーが大人気で、なおかつファスナーはスキューバダイビングのドライスーツに使われているものを使用するなどとても丈夫で防水性も高いことからセレブを中心に高い売り上げを記録しているブランドでした。
ただし値段もそれ相応に高く、蘭も手頃なポーチでもあればと思い見にきたもののそれは叶いそうにありませんでしたが、今回はそのニジムラの社長直々の依頼ということもあり成功すれば好きな物を買ってやると小五郎が大見得を切っていると…。
その時どこからかともなく人を呼ぶ大声が、何事かとコナンが走って声のした店の裏口に出てみると、覆面にサングラスの男が拳銃を手にニジムラの社長を脅しワゴンに押し込んでいる所だったのです!!
11時半、誘拐現場に一台の白いワゴン車が到着。中に乗っていたのは警視庁捜査一課特殊犯捜査係、通称SITの葛城健三警部とその部下たちでした。
SITは誘拐や籠城といった人質事件を専門に扱う捜査機関でしたが、葛城警部が事件5分後には緊急配備をしたものの容疑車両は見つからなかったというのでした。そしてほどなく誘拐された仁地村社長の妻・沙希に犯人から手紙が届いていたことが分かります。
仁地村社長は預かった 解放して欲しくば現金1億円を入れた御社製バッグを沙希夫人に持たせ本日14時東都池袋駅発特急ブルースカイに乗車、終点奥穂駅で下車させよ。ただし─ANYTIME ANYWHERE 我々はいつでもどこでも見ている。警察関係者がいれば人質の命はない。 BLACK RAINBOW
犯人の心あたりについてはと尋ねられた副社長の沙希は以前からニジムラの悪質なコピー商品が出回っており訴訟の準備を始めたばかりだったことを告白。そうした業者の逆恨みという線も考えられるのでしたが…。
午後2時、犯人の要求どおり副社長の沙希に現金の詰められたニジムラ製のバッグを持たせ、小五郎が蘭とコナンをカムフラージュとして同行させて彼女を監視しつつ列車が発車します。葛城警部はその列車に並走するように線路沿いの道を走っていました。
午後3時15分、列車は何事もなく終点の奥穂駅に到着。すると沙希は乗り換えろと犯人に言われたと言い残して小五郎たちを振り切って走って次の電車に向かいます。小五郎や葛城警部たちも間一髪の所で列車に乗車することができ、3時20分に列車が駅を出発したのでした。
列車が出発してしばらくするとコナンが沙希に近づき、犯人が沙希に手渡したメモの中身を確かめます。「東都奥穂線に乗り換え、中戸呂鉄橋の中央で身代金のバッグを落とせ!!」─メモにはそう書いてありました。
そして午後3時45分、列車は中戸呂鉄橋に差しかかります。すると突然大きなサイレンの音が鳴り、沙希が窓から落としたバッグはダムの放水によって増水した川の流れに乗って捜査陣の手の及ばない5キロ先の下流にまで流れていってしまい……。
トレードマークのレインボーカラーが大人気のファッションブランド「ニジムラ」社長・仁地村正平からの依頼でニジムラの本店を訪れた小五郎たちは、店の裏口で西村社長が誘拐される現場を目撃します。
ほどなく警視庁捜査一課特殊犯捜査係、通称SITの葛城健三警部による捜査が始まり、社長夫人で副社長の仁地村沙希が身代金1億円の入ったニジムラのカバンを持って犯人BLACK RAINBOWの指定してきた東都池袋駅発特急ブルースカイ号に乗り込み犯人の出方を窺う事となったのです。
ところが列車はそのまま終点の奥穂駅に到着。犯人の再度の指示により沙希は東都奥穂線に乗り換え、指示にあった中戸呂鉄橋で身代金の入ったバッグを窓から放り投げますが、折からのダムの放水によりバッグは増水した流れに乗って下流へ、現場から5キロ離れた河川敷で見つかったものの中身はすでになかったのです。そして事件は最悪の方向へ進んで…
トレードマークのレインボーカラーが大人気で、なおかつファスナーはスキューバダイビングのドライスーツに使われているものを使用するなどとても丈夫で防水性も高いことからセレブを中心に高い売り上げを記録しているブランド。今回の誘拐事件は同社の社長が被害者でした。
誘拐や籠城といった人質事件を専門に扱う捜査機関。葛城健三という名前の警部が今回その捜査指揮を執りましたが、犯人からの手紙をふんだくったり嫌な感じの警部でしたね。
今回の事件を起こした犯罪者はこのように名乗っていました。
さかんにニジムラのCMを流していたオーロラビジョンはこの百貨店のものでした。
犯人が指定してきた電車の名前。終点の奥穂駅からは甲州快速線と東都奥穂線に乗り換えることができます。
ブルースカイ号を追いながら走っていた車内で葛城警部が読んでいた新聞の名前。
東都奥穂線の通る橋。犯人はここで身代金のバッグを落とせと要求してきました。
中戸呂鉄橋の近くにある東都奥穂線の駅の一つ。
前週が63「大怪獣ゴメラ殺人事件」の再放映だったため、2010年のレギュラーシーズンの最初を飾ることになった事件ですが、穴もありませんでしたしまずまずの水準作といった感じでした。
展開的には登場人物も少なく何となく読めた気がしますが、犯人がいったいどうやって警察の監視がある中で身代金をせしめるかという観点からドキドキしながら事件の推移を見守ることができサスペンス部分はなかなかでしたし、実際に金を回収する方法も上手く考えられていて良かったと思います。
結末に関しても作品を見ていて何でコピー商品のバッグなんかを使ったんだとツッコミを入れかけた所へ、コナンもちゃんとそのあたりを指摘してくれて、犯人の自社のカバンへの愛着とプライドからできなかったという理由を聞くことができて納得でした。確かに犯罪が発覚するきっかけになってしまった訳ですが、デザイナーとしてのプロ意識とこだわりというのは分かる気がしますし、余韻の残るラストで良かったと思います。
あとは「Anytime Anywhere」というCMが何回か流れてインパクトありまして個人的にはかなり気に入ってしまいました。何かクセになりそうなフレーズですよね(苦笑)
ただギャグ自体が外し気味だったのか、それともやはり神谷明氏の降板の影響からか、おそらく本来笑うべきはずのシーンで個人的に一度も笑えなかったのが少し残念ですが、それでも2010年の最初を飾る事件としてはまずまずだったのではないでしょうか。