(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 千葉刑事 トメさん 砂川七恵(27) 東山俊男(38) 高幡不二彦 作業員 作業員 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 仮面ヤイバー |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 鑑識員 オリオン企画 イベント企画部社員 オリオン企画 出版企画部社員、小五郎の依頼主 オリオン企画 イベントプランナー エレベーターの点検作業員 エレベーターの点検作業員 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 子供達に大人気の特撮ヒーロー |
高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 茶風林 高木渉 千葉一伸 声の出演なし 金月真美 村山明 声の出演なし 高桑満 中田隼人 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし |
ちょうど降っていた雨が止んだ20時過ぎ、小五郎と蘭、それにコナンの三人は東都メトロの米花3丁目駅のすぐ近くにあるオリオン企画という会社を目指して歩いていました。
オリオン企画はCMやイベント、テレビ番組などの企画や制作をしている会社でお子様の好きな仮面ヤイバーショーなども手がけているらしいのですが、当然コナンはそれを聞いても嬉しいなどということはなく、先週も元太たち少年探偵団に付き合わされて見に行ったらしくうんざりした様子…。
そんなオリオン企画を訪れることになったのは、小五郎がこの会社の出版企画部の東山俊男という人物から新しく出すミステリー仕立てのクイズ本の企画でいろいろと小五郎に話を聞きたいという依頼を受けたからだというのですが…
オリオン企画の本館2階に到着した小五郎はさっそく出版企画部を訪れオフィス内にいた砂川七恵という女性に声をかけてから、前もって東山に指示されていた通りオフィスの電話で内線423番をプッシュします。
すると3コールぐらいしてから相手の東山が電話に出て、こんな時間にわざわざ申し訳ありませんと丁寧な挨拶からはじまり、今すぐ迎えに行きます、自分のオフィスはそのビルの裏の別館にあります…東山がそう小五郎に話をしていたその時…
窓から外を眺めながら通話をしていた小五郎の目の前に突如現れたのは上から下へまっ逆さまに転落していく人の姿だったのです。すぐに小五郎と同じく転落を目撃したコナンが窓を開けて下を覗いてみると、スーツ姿の人物が身動き一つせずうつ伏せに倒れていたのです!
すぐに目暮警部をはじめとする警視庁捜査一課の面々が現場を訪れさっそく捜査が開始されます。亡くなったのはオリオン企画でイベントプランナーとして活躍する高幡不二彦という男性で、現場の真上のビルの6階にオフィスを構えていたことから、6階の窓から誤って転落したものと考えられたのでした。
高幡以外にその晩オフィスに残っていたのは砂川七恵と東山俊男の二人だけ、それを確認すると目暮たちはまず6階にあるという高幡のオフィスを調べに向かいます。ちょうどエレベータが点検が終わった所で、係員にしばらく待機するように促すと一同はエレベータで6階に向かい、一番奥へと進んでいったのですが…。
ところが高幡のオフィスに到着すると入口の扉は鍵がかけられており、その鍵は高幡が所持…とすれば自殺の可能性も考えられたのですが、それを聞いた砂川七恵は即座にそれを否定します。どうやら高幡という男は自殺するなど考えられない、傲慢で自信過剰な人物だったのです。
それからオフィスの中に入った目暮たちはさっそく電気をつけると転落したと思われる窓が開いているのと、デスクに置かれたパソコンに残されたメッセージを発見します。そこには「もう才能の限界だ。これ以上、恥を晒したくない。自ら命を断つ。」という遺書のような文章が残されていたのです。
ところがそこへコナンがオフィス内にある奇妙な点を指摘します。それは開いている窓のすぐ下の床が濡れている点で、雨は19時半から20時ぐらいまで降っていて、小五郎たちがオリオン企画に到着したのが20時20分…とすると転落する20分以上前からその窓は開いていたことになるのですが、これは一体!?
それから目暮の元に千葉刑事から証拠物件が届けられます。それは高幡の背広にひっかかっていたもので仮面ヤイバーショーで使う怪人の着ぐるみのウロコだったのです。
それを見たコナンは何かを閃いたらしくつい先日見てきた仮面ヤイバーショーの事を突然話し始めます。それはヤイバーの仲間のレーザーポリスがレーザーガンを撃つと怪人がプシューッとしぼんでしまうというシーンで、どういう仕組みになっているかコナンは興味津々のようなのですが…。
するとコナンの疑問に砂川七恵が丁寧に答えてくれますが、更にそれを聞いた小五郎は突然この一件が自殺に見せかけた殺人だと主張し始め自分が組み立てた推理を披露し…
リモコン銃と怪人の着ぐるみは1階の倉庫に置いてありオリオン企画の社員なら誰でも入れることから転落事件の犯人は社員の誰かである可能性が高く、更にリモコン銃の射程距離はせいぜい5~6メートルで、鍵を持っていなくても更に自由に出入りできたのは6階の高幡のオフィス隣の6階会議室とその6階会議室真下の4・5階の会議室の3部屋のみ。犯人はそのどこかからレーザー銃を撃った可能性が極めて高くなります。
ところが目暮が6階会議室の様子を確認してから目暮は高木刑事に警備員室に行って今晩の人の出入りを調べてくるように指示すると、高幡が帰社したのは19時10分で以後は小五郎たちがやって来た以外誰も出入りしていなかったことが確認され、更に19時からエレベータの点検をしていた作業員の証言で、雨が降り出すちょっと前から本館2階のオフィスでクライアントと電話していたという砂川七恵と、本館と2階の渡り廊下で繋がっている別館の自分のオフィスで小五郎からの内線を受けたという東山俊男のどちらの姿も見ていないということが判明し……
オリオン企画の出版企画部の東山俊男からミステリー仕立てのクイズ本の企画で相談に乗って欲しいと依頼され同社を訪れた小五郎たち三人。本館2階に到着するとさっそく指示されていた通り内線で東山を呼び出します。
ところが小五郎が東山と話をしている途中、突然窓の外に上から下へまっ逆さまに転落していく人の姿が…それはイベントプランナーとして活躍する高幡不二彦という男性でした。
6階の彼のオフィスの窓が開いており当初は不幸な転落事故と思われますが、千葉刑事が発見した仮面ヤイバーの怪人のウロコをきっかけにそれが転落事故を装った殺人事件であることをコナンが見抜きます。
事件が起きた20時20分に館内にいたのは東山と小五郎たちが本館2階で出会った砂川七恵だけ、ところが警備員とエレベーターの点検作業員の証言からそのどちらにも犯行が不可能なように思われて…
「この電話番号に電話してスペシャルメッセージを聞くと応募したことになるよ!」というメッセージとともに「声優さんのサイン入り2011年オリジナルカレンダーを5名様」にプレゼントのキャンペーンが開催されていました。昨年の映画公開時同様にエンディングテーマの際にはエンディングテーマの画面が少し小さくなって空いたスペースにキャンペーンの応募方法などが明記されていました。
東山俊男のオフィスにあった弓道の弓が飾ってあった額にはこのように書かれていました(ただし「弓」という文字が「汚」の右部分にしか見えなかったのですが)
「一如」とは仏教用語で絶対的に同一である真実の姿、一つの如しという意味なのだそうで宮本武蔵や柳生宗矩の「剣禅一如」のほか、「拳禅一如」、「画禅一如」、「弓禅一如」などいろいろと転用されているようです。
今回は小五郎と蘭とコナンがメインのオーソドックスな本格謎解き作品で個人的には一番好きなパターンですが、皆さんの評価はかなりバラけているようですね。
ただ現場の状況や犯行手段などがかなり細部まで綿密・丁寧に検討されていて本格ミステリーに相当親しんでいないと書けない脚本というのが率直な印象でして、確かにサスペンスやアクションはまったくありませんが、純粋な本格ファンの方なら結構楽しめたはずだと思っています。
30分の短編ですが前半で怪人の風船のトリックの謎解きがされ、後半に入ると容疑者2人のアリバイが焦点という感じで全体的にバランスよく謎解きが楽しめましたし、トリックも内線のケーブルを得意の弓道を活かしてというのは荒唐無稽ではなく現実味もあったと思います。
ただ内線のケーブルにしろ怪人の風船にしろ外からもし誰か一人でも見ていたらトリックがバレバレという危険があるのは確かで、どれぐらい人通りがあるかにもよりますが、自分が犯人の立場だったら完全に人通りがないことが担保されていない限りちょっと危険過ぎてとてもできません(苦笑)
他にも小五郎の高所恐怖症を上手く活かして風船のトリックが分かった時に1度、更にエンディングでもう1回と2度笑わせてくれたあたりは脚本の上手さを感じました。名前を見た限り脚本家は今回初めての方だと思いますがなかなかいい感じだったと個人的には思っています。
そして今回も何気に鑑識員のトメさんが1シーンのみですが登場していて、そのあたりコアなファンには嬉しい演出ですね。目暮と高木が現場を訪れた最初のシーンの左端にいるので気づかなかった方は是非チェックしてみて下さい。