(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 目暮警部 小嶋元太 円谷光彦 吉田歩美 上田 下田 車掌 女 男A 男B 老人 ミヨ ジン ウォッカ |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 警視庁捜査一課警部 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 黒の組織の…!? 黒の組織の…!? 新幹線の車掌 新幹線の乗客 新幹線の乗客 新幹線の乗客 新幹線の乗客 新幹線の乗客 黒の組織の男、新一に毒薬を飲ませた人物 黒の組織の男、ジンの手下 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 緒方賢一 声の出演なし 高木渉 大谷育江 岩井由希子 梁田清之 巻島直樹 千葉一伸 紗ゆり 稲葉実 山崎たくみ 塚田正昭 原作のみ登場 声の出演なし 声の出演なし |
友人の結婚式に出席するため、新幹線で京都に向かった毛利小五郎。しかし昨晩は依頼者との打ち合わせ(?)が忙しく、車内でヒゲを剃らなくてはいけないほどの多忙(?)な一日となってしまった様子。そして京都と聞いてちゃっかり付いてきた蘭とコナン、更にはなぜか少年探偵団の三人まで…
しかしコナンはというと、心の中では黒ずくめの男たちのことで一杯でした。早く高校生探偵・工藤新一の姿に戻り、自分に妙な薬を飲ませた二人組を探し出して奴らの悪事をすべて暴く。そのためにはこんなことはしていられないはず…
そう思っているとそこに現われたのは何と黒服の二人組の男たち…千載一遇のチャンスとばかりコナンは彼らの座席に盗聴器を仕掛け、自分の席に戻って二人の話を密かに聞いていましたが…
会話によると二人はどうやら先ほどまで何者かと取引をしていたらしく、アタッシュケースを渡す代わりに1億円を受け取ったようでした。そしてアタッシュケースの中には金に関する情報が入っていて、使い方次第では1億など目ではないくらいの大金が手に入るのだといいます。
ところがそれとともに中には何と爆弾も入っているというのです。もう自分たちにとっては用済みの人間、生かしておく価値もない…3時10分、その人物は何も知らずに自分で時限爆弾のスイッチを押すことになる。そしてスイッチが入ったが最後、新幹線もその人物もろとも木っ端微塵に……
話を聞いたコナンはすぐさま名古屋駅で降りようとしている二人を追いかけますが、間一髪の所で蘭の邪魔が入り、二人を取り逃がしてしまいます…。
そして残された時間はあと約40分…その間にコナンは何とか二人組の男たちと取引したという人物と、その人物が持っているはずの時限爆弾入りのアタッシュケースを探し出そうと懸命の捜査を開始したのですが……
蒸留酒の一つで、色は無色透明。誕生したのは17世紀のオランダ。元々は薬として作られたものらしく、ライ麦やトウモロコシを発酵させ、これにジュニパー・ベリー、即ち杜松(ねず)の実の香味をつけて蒸留したものを指します。
やがてイギリスに渡り、産業革命とともに蒸留器が改良されて、以前よりもクリアなドライ・ジンが誕生したことで、広く飲まれるようになったといいます。
ストレートで飲む以外にカクテルのベースとしてもよく使われ、ジンベースのカクテルは無数にありますが、特に有名なものとしては、ジントニック(+トニック)、ジンバック(+ジンジャーエール)、ギムレット(+ライム)、オレンジブロッサム(+オレンジジュース)、ジンフィズ(+レモンジュース等)、マティーニ(+ベルモット)などがあります。
この話のラストは原作とアニメでは全く異なっているのですが(詳しくは次の原作との相違点の項参照)、原作では最後にコナンが毛利探偵事務所のビルの屋上にたたずむシーンとなっています。
現在の所、コナンが探偵事務所のビルの屋上に上がったのは、これっきりの珍しいシーンです。
このお話は原作では「ジン」と「ウォッカ」のコードネームが明らかになる重要なお話ですが、アニメではそもそもジンとウォッカが登場しない設定になっています。それもあってラストも微妙に違う展開になっています。
これはおそらく勧善懲悪(悪い者は必ず捕まるということ)というテレビ向けの物語の作り方が原因なのでしょう。これ以後もいくつかの作品が同じような理由で変更されています。しかし今見るとどうしても違和感を感じてしまいますね。ちなみに上のあらすじの見出しにあるコナンの台詞も原作オンリーのものです。
結局二人のコードネームは、このお話から1年近く経って放映された52「霧天狗伝説殺人事件」の冒頭に無理やり、これまでのあらすじという形で挿入されています。
この次の次の54「ゲーム会社殺人事件」でジンとウォッカが再登場するのに合わせてだと思いますが、1時間SPの冒頭を利用して何とか二人のコードネームを上手く紹介することができたようです。
もう一点、このお話では歩美、元太、光彦の少年探偵団も原作には登場していませんが、アニメでは登場があります。そしてアニメでは、三人の登場に伴ってラストのオチも変更されています。一度見比べてみてはいかがでしょうか。
ちなみに4巻所収の「大都会暗号マップ事件」の冒頭で元太たちが蘭に食事を注文するシーンがありますが(元太はうな重、歩美がお寿司、光彦がフランス料理)、これはこの回のとある箇所に挿入されています。
細かい所では「ドラえもん→アンパンマン」、アタッシュケースの中身が「4億円→1億円」という変更があります。原作が「ドラえもん」なのは同じ小学館刊行作品だからでしょうが、アニメが「アンパンマン」なのは日本テレビ系列(ちなみに「ドラえもん」はテレビ朝日系列)だからでしょうね(笑)
蒸留酒の一つで、色は無色透明。誕生したのは17世紀のオランダ。元々は薬として作られたものらしく、ライ麦やトウモロコシを発酵させ、これにジュニパー・ベリー、即ち杜松(ねず)の実の香味をつけて蒸留したものを指します。
やがてイギリスに渡り、産業革命とともに蒸留器が改良されて、以前よりもクリアなドライ・ジンが誕生したことで、広く飲まれるようになったといいます。
ストレートで飲む以外にカクテルのベースとしてもよく使われ、ジンベースのカクテルは無数にありますが、特に有名なものとしては、ジントニック(+トニック)、ジンバック(+ジンジャーエール)、ギムレット(+ライム)、オレンジブロッサム(+オレンジジュース)、ジンフィズ(+レモンジュース等)、マティーニ(+ベルモット)などがあります。
ロシアを代表する蒸留酒で、色は無色透明。アルコール度は何と40%強。12世紀頃から作られ始めたらしく、20世紀初頭のロシア革命を機に世界的に広まるようになったそうです。また名前の由来は水を意味する「ヴァダー」が愛称形に変わったものだといわれています。
原材料は当初は蜂蜜やライ麦などが使われていたそうですが、現在では大麦や小麦、じゃがいもやとうもろこしなどの穀物が中心で、これらを醸造・蒸留してグレーンスピリッツを作り、それを水で40~50程度に薄めたのち、白樺や椰子などで作った活性炭を用いてろ過して完成させます。
こちらもストレートで飲む場合もありますが、ジン同様にカクテルのベースとしても広く使われ、ウォッカベースのカクテルとして有名なものとしては、モスコミュール(+ジンジャーエール等)、ウォッカトニック(+トニック)、スクリュードライバー(+オレンジジュース)、ソルティードッグ(+グレープフルーツジュース&塩)、ブラッディマリー(+トマトジュース)などがあります。
二人組の男たちと取引をする中で爆弾の仕掛けられたアタッシュケースを手渡されてしまった乗客を特定して、爆弾が爆発するのを阻止するために懸命の捜査活動を繰り広げるコナンの姿を、サスペンス色たっぷりに描く好編で、テンポもよく謎解きの要素もふんだんに盛り込まれており非常に良い出来の作品です。
ただ、アニメ版に限って言えば、黒の組織の二人組(ジンとウォッカ)の登場が見送られて彼らと良く似た人物が登場していること、それからコナンと小五郎と蘭以外に少年探偵団の三人を登場させていることにより、本来この作品が持っているはずの緊張感やスリラー的な要素がある意味で台無しになってしまっているのが残念な所です。
もっとも原作を読まずにこの作品を見ただけだとすれば、それなりに面白くかなり楽しめる作品だと思います。
それから今回の作品、作画監督としては人気の高い青野厚司氏の初作画監督作品でもあります。当時からやはりお上手でした。
個人的には小さくなってしまったために自分の言っていることが大人たちに信じてもらえず、そのため一人で捜査活動をせざるを得ないという制約の中で孤軍奮闘するコナンの姿が本当に上手く描かれていて、とてもハラハラドキドキする作品だと思います。
やはりこうやって子供になってしまったハンデの中で捜査活動をしているコナンというのは、目に見えない緊張感が感じられて、見ている側も思わず引き込まれてしまいますよね。
初期作品はこの小学生化してしまったという負の設定がフルに活かされていてとても面白い作品が多いと思います。そしてその中でも会心の出来栄えの作品といえると思います。
ただウォッカ(みたいな人物)は仕方ないとしても、ジン(みたいな人物)もちょっと鈍すぎかなと…。ガムもそうですが、「木っ端…」という言葉が聞えれば、いくら上手くごまかしたとしても盗み聞きされていると誰だって感じると思いますが(苦笑)
ミステリーとしては関係者の数少ない発言をヒントに鮮やかに推理が展開され、どんどんと捜査範囲が狭まり目標の人物に近づいていく過程が克明に描かれていて、サスペンスとしてはなかなかの秀作だと思います。
本来なら爆弾が仕掛けられていると乗務員に伝えれば、直ちに避難手続きが取られそれで終わりである所を、小学生化してしまったという設定を上手く使って不可能にし、見事に緊張感のある舞台設定を作り上げています。
こういう舞台設定の上手さというのは、小説や漫画を書きたいと思っていらっしゃる方はぜひ見習いたい所です。