(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 花岡兼人(48) 蝶野いずみ(25) 男A 田中 バイク便の男 鑑識 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 画家、花岡デザイン事務所社長 イラストレーター 花岡デザイン事務所の従業員 花岡デザイン事務所の従業員 バイク便GAKEの配達員 鑑識員 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 筈見純 野口早苗 簗瀬哲 矢部雅史 高木渉 千葉一伸 |
殺すつもりはなかったのに…ある日の夕方、「蝶野」という表札の掲げられた米花第2マンションの302号室では、一人の男が洗面台を前にして部屋一面に飛び散った血痕を洗い流していました。そしてその傍らには頭から血を流してすでに死んでいる若い女の姿が…この男は一体…!?
その男の名前は花岡兼人といい、花岡デザイン事務所を開設する人気デザイナーでした。その日も夕方5時から名探偵の毛利小五郎氏を招いて、殺人現場の画集を発表するための打ち合わせをする予定になっているなど仕事の方も順調。
そんな地位も名声もあるはずの彼がこのような事態に巻き込まれてしまったのも、全ては部屋の片隅で冷たくなりかかっている赤いマニキュアのよく似合う魔性の女が原因だったのです。
その女の名前は蝶野いずみといい、花岡の力添えもあって最近名前も売れてきたイラストレーターの卵でしたが、実は彼女はその花岡とはただならぬ関係にあったのです。そしてそれはプライベートだけではなく仕事の上でも同じでした。今現在花岡が世間に向けて発表しているイラストの6割は実は彼女が描いたものだったからです。
そして彼女はそのことを盾にして花岡に離婚を迫り、応じなければ世間に公表すると強気な姿勢を崩さなかったのですが…
それが結局彼女にとっては命取りになったのでした。そして一方花岡の方も、衝動的とはいえ彼女の後頭部目がけて灰皿で殴りつけてしまったのは取り返しようのない事実。しかし今の地位と名声を守るためにも、何とかしてこの危機を乗り越えなくてはならない。そう考えた花岡は……
一方、米花第2マンションを見渡すこともできるほどの近い距離にある花岡デザイン事務所では、夕方5時からの約束のために事務所を訪れた小五郎が花岡の到着を待ちわびていました。
自分をモデルにした画集が出ると意気込んで来てみれば、巻末に掲載する対談のためだけに呼び出されたと知り、ただでさえやる気を喪失気味でしたが、それに加えて6時を過ぎても一向に姿を見せない花岡に、小五郎はついに我慢の限界に達して事務所を後にしようとします。
ところが丁度その時ようやくその花岡が姿を見せ、アトリエでつい寝入ってしまったと申し訳なさそうにしながら部屋の中に入ってきたのです。そして間もなく今回の対談の打ち合わせを始めようということになったのですが…
そこへ一本の電話がかかってきて事務所の事務員が出てみると、その電話はイラストレーターの蝶野いずみからのものでした。そして仕事の件で彼女に話がある言っていた花岡が受話器を受け取り話し始めると…
挨拶を交わし、しばらく話をしていた花岡は突然驚いた様子に変わります。何と電話の中で蝶野いずみがベランダから飛び降りて死ぬと告げてきたというのです…!!!
それを聞いた花岡が、彼女の住む米花マンションの方を振り向くと…
電話で花岡に告げた通りに、蝶野いずみと思われる一人の女が3階のぺランダから転落。そのまますぐ下の道路に叩き付けられ、無残な姿を周囲にさらけ出すこととなったのです…!!!
すぐに警察が呼ばれて捜査が開始されます。小五郎や蘭だけでなく、コナン自身も事務所の窓から彼女が落下するのを見ていました。そしてその時彼女の部屋のベランダには人の姿はなく、とすれば彼女が自殺したとしか考えようもなかったのです。
自殺…そう思いかけた時、コナンは彼女の死体にある奇妙な矛盾点を発見して…