名探偵コナン616-621「ホームズの黙示録」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File616-621 ホームズの黙示録
英題
Holmes' Revelation: Holmes' Disciple
Holmes' Revelation: Love is 0
Holmes' Revelation: Satan
Holmes' Revelation: Code Break
Holmes' Revelation: Grass Court Queen
Holmes' Revelation: 0 is Start
放映日
2011/5/21・5/28・6/4・6/11・6/18・6/25(名探偵(ホームズ)の弟子・LOVE is 0・サタン・Code break・芝の女王(グラス コート クイーン)・0 is Start)
原題
第71巻
File3「名探偵の弟子」
File4「黙示録」
File5「ラブは0(ゼロ)」
File6「ホームズに聞け」
File7「ホームズの暗号」
File8「もう1つのA」
File9「女王からのメッセージ」
File10「真の標的」
File11「女王の真価」
第72巻
File1「厄介な難事件」
ジャンル
サスペンス
事件現場
イギリス ロンドン(ヒースロー空港~シャーロック・ホームズ博物館~スコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)~ビッグ・ベン~シティ・ホール(ロンドン市庁舎)~ガーキン~聖ブライド教会~エレファント&キャッスル駅~ウォルトン通り~ウインブルドン・センターコート)
管轄
スコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)
登場人物
江戸川コナン
工藤新一
毛利蘭
毛利小五郎
阿笠博士
灰原哀
榎本梓
ダイアナ・キングストン(58)
ミネルバ・グラス(22)
アポロ・グラス(8)
アレス・アシュレイ(30)
ジュノ・グラス(45)
ハーデス・サバラ
ヘスティア
王海麗
デメテル・バウアー
ビーナス
門番
通行人
通行人
母親
子供
刑事
審判

警備員
解説者
工藤優作
工藤有希子

本編の主人公、正体は工藤新一
本編の主人公、高校生探偵
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
蘭の父親で私立探偵
新一の家の近所に住む自称天才科学者
黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保
毛利探偵事務所下の喫茶店《ポアロ》の店員
大金持ち
テニスプレーヤー、世界ランク1位で芝の女王
ミネルバ・グラスの弟
ミネルバ・グラスの元コーチ
ミネルバ・グラスの母親
逃亡中の連続殺人犯
ハーデスの仲間、軍隊崩れの爆弾のプロ
テニスプレーヤー、ミネルバの準決勝の対戦相手
テニスプレーヤー、ミネルバの決勝の対戦相手
ダイアナの愛猫
シャーロック・ホームズ博物館の門番
ロンドン市内を歩いていた通行人
ロンドン市内を歩いていた通行人
電話ボックスのそばを歩いていた女性
「マザリンの宝石」の人形を拾った子供
スコットランド・ヤードの刑事
ウインブルドン決勝戦の審判
ウインブルドン決勝戦の観客
ウインブルドン・センターコートの警備員
ウインブルドン決勝戦中継の解説者
新一の父親で世界的に有名な推理小説家
新一の母親で元人気女優藤峰有希子

高山みなみ
山口勝平
山崎和佳奈
小山力也
緒方賢一
林原めぐみ
原作のみ
レイチェル ワルザー
ルミコ バーンズ
くまいもとこ
細井治
マーク チネリー
菅原正志
???
声の出演なし
まるたまり
???
マーク チネリー
マーク チネリー
鳥海勝美
クリステル チアリ
クリステル チアリ
マーク チネリー
レイチェル ワルザー
中田隼人
マーク チネリー
中田隼人
田中秀幸
島本須美

イギリス英語指導 マイケル リース
(注)ネタバレになるため一部伏字になっています
あらすじ
「ロンドン警視庁に伝えろ…それは私の黙示録…どうしても解けなかったら、ホームズにでも泣きつけと…」

 そう…きっかけはイチゴ…蘭が毛利探偵事務所下の喫茶ポアロで食べていたフルーツパフェのイチゴを小五郎がつまみ食いしようとしたことからはじまったのです。

 最後にイチゴを食べようと思っていた蘭は小五郎からイチゴを取り返そうとしますが、揉み合ううちにイチゴはテーブルの下へ…するとそこには見慣れない猫がいて、イチゴを転がして遊んでいたのです。

 その猫をつまみ出そうと小五郎は手で持ち上げようとしますが、すると猫はフギャーと鳴いたかと思うと小五郎の顔をひっかき回したのです。これにはさすがにキレる小五郎でしたが、そこへ品の良さそうな小太りの金髪婦人が入ってきて…

 小五郎は聞き取れませんでしたが、彼女は英語で猫を見つけてくれたことに感謝しているようでした。そして蘭が父は探偵だからと言うと、彼女はミステリーの大ファンで探偵である小五郎の話を色々と聞きたいが帰りの飛行機の時間が迫っているらしく、よければと今度自分の住むイギリスの首都ロンドンに招待したいと言い出したのです!

 さすがにその言葉は蘭も聞き取れませんでしたが、コナンが後を受けて英語で話しその申し出を快諾……そんなこんなで小五郎が偶然猫を発見したことから、コナンたちは来週からイギリスへ行くこととなったのでした。

 幸い7月1日から4日まで帝丹小学校も帝丹高校も記念日と土日が重なり4連休、猫の飼い主のダイアナおばさんが旅費もホテル代もしてくれるらしく蘭もノリノリだというのです。

 一方のコナンも父優作から海外には色々と連れていってもらってはいたものの、実はロンドンはまだだったらしく、まずはホームズが住んでいたベイカー街、それからホームズとワトスンが散歩したハイドパーク、ホームズが調べ物をしに通った大英博物館、時間があれば「バスカヴィル家の犬」の舞台となったダートムアやホームズが宿敵モリアーティ教授と落ちたライヘン・バッハの滝にもと、期待は最大限に膨らむのでした。ところが…

 ここで一つ大きな問題があったのです。それは普通海外に得る日本人なら誰もが必要となるパスポート…江戸川コナンは工藤新一が薬で幼児化した姿で実際にはいてはならない人間…当然パスポートを作ることなどできるはずもなく……それを知りガックリ肩を落とすコナンだったのです。

 ところがその様子を見た灰原哀が、自分の言いつけをちゃんと守ると約束したらという条件で、海外に行く方法が一つだけあると言い出し……いったいどんな方法があるというのでしょうか!?

 そしてロンドン行きの当日、小五郎と蘭は急に絶対外せない用事ができ次の便で阿笠博士と行くというコナンを残して、ファーストクラスの飛行機の旅を満喫している所でした。
 ところが実はそのコナンはというと、蘭たちと同じ便のビジネスクラスに阿笠博士と一緒に乗り込んでいたのです。にもかかわらずなぜ別行動なのかといえば…

 それは灰原哀の名案でコナンが使った方法とは、薬で一時的に体を工藤新一の姿に戻して出国審査をパスし、その24時間の効果の後にコナンに戻りロンドンの旅を満喫。帰りも同じように薬で新一の姿に戻って入国審査を受けて日本に戻るという方法でした。

 ただ薬は行きと帰りの2錠で効果は約24時間しかないため、失敗して永遠に帰国できなくならないよう飲む時間にはくれぐれも注意するようにと釘を刺されていたのです。

 それからヒースロー空港に到着したコナンは、なかなか薬の効果が切れずに30分も外のトイレに籠ることになるアクシデントに見舞われたものの無事コナンの姿に戻り、小五郎と蘭の二人と合流を果たします。

 そして小五郎たちを招待してくれた金持ちのダイアナおばさんとは夜にホテルで落ち合うことになっていたため、まだ時間もあったことからロンドン観光をしていくこととなったのですが、熱狂的なホームズファンのコナンが向かった先は当然のごとく…

 それはホームズフリークの聖地ともいえるシャーロック・ホームズ博物館で、コナンは現地に着くとウキウキとした表情で部屋のソファに座り満面の笑みを浮かべていました。

 そしてそんなコナンのはしゃぎようを見た蘭は、新一に何としてもお土産を買って帰ろうと、一生懸命作ったお土産リストを手に新一に電話をかけようとします。

 するとその電話は当然のようにコナンが持つ新一用の携帯電話へと通じますが、そのことに気づいたコナンは慌てて蘭のそばから離れて変声機で新一の声を使い電話に出たのでした。

 ところが実際にその場に来ていることもあり、蘭との会話も当然薄いリアクションに…カメラで特に撮ってきて欲しい場所があるかという蘭の問いかけにも無反応で…バカ!! バカバカバカ!!!─電話を切ろうとした新一に蘭は激怒し一方的に電話を切ってしまったのでした…。

 ベイカー街221Bのホームズとワトスン博士の部屋を十分満喫したコナンは一人先に博物館を出ますが、ロンドンに来ても事件はコナンたちを待ってくれはしませんでした。

 突然英語でここにホームズがいるのは分かっているから早く会わせろと叫ぶイギリス人の少年が現われ、博物館の係員がホームズは仕事で出かけていていなと子供の夢を壊さないようにウソをついてごまかそうとしますが、すると少年は早く何とかしないと人が殺されてしまう…これはホームズじゃないと止められないと必死な様子で訴えかけていたのです。

 少年はその後ほどなくして「姉の試合」が始まるからと急にその場を立ち去ろうとしたのですが、そこへコナンが少年の前に出てよければ今話していた事件のことを自分にも聞かせて欲しいと声をかけたのです。

 しかし少年はなぜお前なんかに話さなければいけないんだと当然のように怪訝な表情…それでもコナンはひるむことなく「それは、ボクがホームズの弟子だからさ…グラス君?」とシャーロック・ホームズばりに少年の名前をズバリ当ててみせ……。

 鮮やかな推理で少年の名前が分かった理由を説明された少年はコナンの実力に驚嘆し、事情を説明しはじめます。

 彼はその日ウインブルドンのセンターコートで開催されるテニスの全英オープン女子準決勝に出場する目下4連覇中で世界ランク1位の芝の女王ミネルバ・グラスの弟のアポロ・グラスという名前でした。

 そのアポロ少年が昼過ぎにイチゴを食べながら勝ち残っている選手の練習を15番コートで見物していた所、後ろにいたおじさんが急に話しかけてきて奇妙なことを言い出したというのです。

 「テニスは好きか」と聞かれたアポロ少年は、ワクワクするから好きだと子供らしい返事を返しますが、するとその男は「じゃあ君はとってもラッキーだ…それ以上の興奮を味わうことができるのだから」と言って、更に次のような言葉を口にしたというのです。

 「死ぬんだよ…人が……このロンドンのどこかで…そう…君の目の前でな…」

 その男の顔は帽子を深く被っていて分からなかったものの、男は変な紙をアポロ少年に渡して、更に次のような言葉を残してその場を立ち去ったというのです。

 「ロンドン警視庁に伝えろ…それは私の黙示録…どうしても解けなかったら、ホームズにでも泣きつけと…」

 コナンが問題の手紙を開くとそれは英語で書かれた文章で、何かの詩のような感じでしたが、それが何を意味しているかは即座に読み取ることができませんでした。

 その後ほどなくしてアポロ少年は彼を探していた姉の元コーチだというアレス・アシュレイに連れられてウインブルドン会場に戻ることとなりますが、問題の手紙は少年の代わりにコナンが警察に持っていくことにし、何かあればお互い携帯電話で連絡することを約束して二人は別れます。

 それからコナンの方も博物館からちょうど出てきた小五郎たちと合流しますが、すぐに殺人を予告した人物から謎の暗号文をもらったことを報告。小五郎はイカれた野郎のタチの悪いイタズラだから放っておけと言いますが、アポロ少年と約束した以上コナンは責任を持ってロンドン警視庁へ手紙を届けることにしたのです。

 すると…何と問題の手紙をもらった人物はアポロ少年の他にもたくさんいて、しかも皆子供たちばかりだということが判明……色黒でドレッドヘアーの男が道端や公園や色々な所でもうすぐロンドンで人が死ぬと耳元で囁きながら手紙を渡していたらしいのですが、とすれば子供たち全員の目の前でかなり大勢の人がいっぺんに殺されるかもしれないということになり…

 しかし今の段階ではいつ、どこで、何を起こすつもりなのかがサッパリな状態であることから、手分けして情報収集をするのが得策と判断したコナンは、小五郎と蘭の二人と離れて阿笠博士と二人で地図を買い事件が起きると予想される場所捜しからはじめることにしたのです。

 一方小五郎と蘭も大英博物館やバッキンガム宮殿、ハイド・パークと、人が集まりそうな場所を中心に市内を回りますが怪しい所はなく、気分的にも観光どころではなくなっていたのでした。

 気分を切り替えようと小五郎は蘭のそばを離れて飲み物を買いに向かいますが、蘭はその時間を利用して写メで撮った脅迫の手紙を見返します。

 しかし当然のことながら暗号はチンプンカンプン…新一に相談しようにも先ほど怒鳴って電話を切った手前かけづらく悩んでいたのですが、とそんな蘭の前に現れたのは何とあの芝の女王ミネルバ・グラスだったのです!

 もしかして恋の悩みでは…そう問いかける帽子にサングラス姿のミネルバを見て蘭は驚きますが、逆になぜ自分が恋に悩んでいることが分かったのかとミネルバに質問すると……

 一方コナンは阿笠博士と二人でロンドン市内の地図を手に手が見にある場所を探し回っている所でしたが、成果はなく時刻はもう夜の8時を回っていたのでした。

 夜の8時からは金持ちのダイアナおばさんとホテルのレストランで食事の約束だったことから蘭から電話がかかってきますが、それどころではないコナンは食事をパスしたのみならず、暗号解読を邪魔されたくないよう場所についてもビッグベンのそばにいるにもかかわらず大きな観覧車のあるロンドン・アイのそばにいるとウソをつき電話を切ってしまい…

 しかしヤバい暗号解読を続けるコナンを心配した蘭は、連れを呼んでくるからと小五郎を残してホテルを出て、コナンが電話で話していたロンドン・アイへと向いますす。

 そしてその途中のことでした。急に新一のことが頭に浮かんだ蘭は、再び電話で相談するかどうかで悩みますが、かなり大勢の人たちが一度に殺されるかもしれないというコナンの言葉を思い出し、意を決して新一に電話をかけたのです。

 その頃コナンは暗号解読の真っ最中でしたが、蘭からの電話で仕方なく変声機で新一の声色を使い電話に出ます。

 ところがそこへ日本にいるはずの新一のそばでは鳴るはずのないビッグベンの鐘の音がゴーンゴーンと鳴り響き、その音が携帯電話を通して蘭の耳にも聞こえてしまって……

今回の見どころ
ホームズの聖地ロンドンで大量殺人を予告する暗号文の解読に挑戦することになったコナンたち

 喫茶ポアロでイギリス人女性ダイアナ・キングストンの飼い猫を見つけたお礼にとロンドンへ招待されることとなった小五郎たち。その中にはもちろんコナンも含まれていましたが、架空の人物でありパスポートを持てないことから、灰原哀の協力で空港のチェック時のみ薬を飲んで新一の姿に戻る作戦で何とか無事ロンドンの土を踏むことに成功します。

 ロンドンに到着したコナンはさっそく長年の夢だったベイカー街221Bにあるシャーロック・ホームズ博物館を訪れ大興奮でホームズゆかりの地を満喫しますが、建物を出たところでホームズに会いたがっている地元の少年に遭遇。早くしないと人が殺されるかもしれないと必死で訴えていたのです。

 少年の名前はアポロ・グラスでウインブルドン女子テニスで4年連続優勝を成し遂げた芝の女王ミネルバ・グラスの弟でした。そのアポロが姉の練習を見ていた時に見知らぬ男から声をかけられ何かの詩のような謎めいた暗号文の書かれた紙を渡されたというのです。

 その後少年と別れたコナンは小五郎と蘭とは別行動を取り阿笠博士と二人で暗号文を解読しようと20時からのダイアナとの会食のことも忘れてロンドン市内を駆け回っていました。

 一方蘭はダイアナとの会食の最中でしたが後を小五郎に任せてコナンたちを迎えにロンドン・アイへと向かいます。ところがその途中暗号文の事が気になりだし新一に相談してみようと携帯電話で連絡を取ろうとしたのですが、ちょうどその時新一の携帯を持つコナンの後ろでビッグベンの鐘が鳴り響いて……

映画名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)公開記念スペシャルプレゼント!

 「この電話番号に電話して、スペシャルメッセージを聞くと応募したことになるよ!」というメッセージとともに

 名探偵の弟子では「劇場版名探偵コナン第1~14弾のDVD14枚をセットにして5名様」に、
 LOVE is 0では「15周年記念番組オリジナルQUOカード(500円分)(非売品)を150名様」に

 プレゼントのキャンペーンが2話目まで開催されていました。昨年の映画公開時同様にエンディングテーマの際にはエンディングテーマの画面が少し小さくなって空いたスペースにキャンペーンの応募方法などが明記されていました。

原作との相違点
名探偵の弟子

 まず前半について、冒頭の喫茶ポアロでコナンたちがダイアナおばさんと初対面するシーンですが、内容的には原作どおりですが、ダイアナとコナンのセリフが若干変わっていて、何時が都合がいいかと聞かれ次の週末と答える部分が追加されています。そしてポアロの梓さんも原作では登場するのですが、残念ながらこちらは小五郎のセリフに変更されてしまっています。

 それ以外は英語のセリフを中心に若干セリフの変更などがあるものの、ほぼ原作に忠実な作りで原作第1話の最後まで進んでいきます。

 後半に入るとまず冒頭でコナンとアポロ少年が携帯電話の番号を交換して名前も名乗るのですが、アニメではアポロ少年がコナンの名前を聞いてビックリし「ホームズの弟子にピッタリの名前だな」と言うセリフが追加されています。

 それ以外についてはほぼ原作どおりにストーリーが進みセリフの細かい変更などはありますが、コナンと阿笠博士が暗号文と解読するために地図を買ってロンドン市内の捜査を始めようとする所まで進んでいきます。

LOVE is 0

 まず前半は小五郎と蘭が大英博物館、バッキンガム宮殿、ハイド・パークと回る所からスタートしてコナンが蘭からの電話を新一の声で受けている時に後ろでビッグ・ベンの鐘の音が鳴る所まで進みますが、ほぼ原作に忠実な作りで大きなセリフの変更・追加・削除もありませんでした。

 後半に入るとまず新一がロンドンにいることを知った蘭が激怒する所に怒りで周囲の観光客たちがビビるシーンがわずかですが追加されています。

 その後原作3話目の最後の怪しい女が登場するシーンの所までストーリーは進みますが、細かいセリフの追加・変更などはあるものの、全体としては原作に忠実な作りとなっています。

サタン

 前半は原作4話目からスタート。蘭がホテルに戻り小五郎と一緒に食事をしている最中にボーッとして紅茶を溢れさせるシーンがまず冒頭にありますが、この部分の小五郎のダイアナおばさんに袈裟固めまで披露したという辺りが若干カットされています。

 オープニング後はコナンの部屋を蘭と小五郎が訪れるシーンからスタートし原作4話目のラストまでストーリーが進みますが、全体的にセリフの変更とカットが目立つもののほぼ原作どおりに話は進んでいきます。

 後半に入ると怪しい女が蘭たちに教会のまわりに落ちていた手紙を渡すシーンがあるのですが、そこの女のセリフが丸々カットされています。

 それ以外は細かいセリフのカットや変更はあるもののほぼ原作に忠実な作りで、原作5話目のコナンの「サタン」というセリフの所まで進んでいきます。

Code break

 前半はコナンの「サタン」のセリフの直後からはじまり、原作5話目の最後まで進みますが、大きな変更点はなく全体的にほぼ原作どおりの作りとなっています。

 原作6話目の最初から始まる後半については犯人の独り言とアレスとアポロとアポロの母親の会話の部分が原作では英語なのですが、なぜかこのだけ日本語になっているぐらいで、それ以外は若干セリフのカットが目立つものの全体的に大きな変更もなく原作6話目の最後まで進んでいきます。

芝の女王

 まず前半は原作7話目の最初から最後までですが、全体的に大きな変更もなくストーリーは進んでいきます。ただここでもアレスとアポロとその母親の会話、犯人の独り言、ミネルバの独り言などが英語ではなく日本語のセリフになっています。

 後半は原作8話目の最初から最後までですが、こちらも全体的に大きな変更点はなく、アレスとアポロの母親の会話やバウアーとミネルバ、そして犯人の独り言など一部分が英語ではなく日本語のセリフとなっています。

0 is Start

 まず前半は原作9話目の最初から最後までですが、全体的に大きな変更もなくストーリーは進んでいきます。ここでも犯人の独り言、ミネルバの独り言などが英語ではなく日本語のセリフになっています。

 後半は原作10話目の最初から最後までですが、こちらも全体的に大きな変更点はなく、犯人の独り言など一部分が英語ではなく日本語のセリフとなっています。

豆知識

 シャーロック・ホームズとワトスン博士が一緒に住んでいた下宿先の住所。ワトスンが結婚後はホームズが独りで住んでいました。ホームズたちの居所となったのは建物の2階部分で1階は下宿の女主人ハドスン夫人の自宅となっています。

 現在ベイカー街221Bのホームズたちの居所があったとされる付近には作中にも登場するシャーロック・ホームズ博物館があり、ロンドンでも有数の観光地となっています。

 ちなみに名探偵コナンでコナンたちの住む「米花町」はこのベイカー街に由来しています。

 イギリスのロンドン中心部であるウェストミンスター地区からケンジントン地区にかけて存在する、ロンドンに8つ存在するという王立公園の一つで、ベイカー街から見ると南西側にある公園です。

 ホームズとワトスン博士が散歩した公園としても知られており、コナンたちと別行動となった小五郎と蘭が3番目に行った場所でもあります。地図を見ると分かりますが、確かにベイカー街からだと結構近いですよね。またコナンに出てくる「杯戸町」という地名はこのハイド・パークに由来しています。

 イギリスのロンドンにある博物館。世界最大の博物館のひとつで、古今東西・世界各地の美術品や書籍などが約700万点も保管されているのだそうです。

 ホームズが調べ物をしに通った博物館でもあり、作中ではコナンたちと別行動となった小五郎と蘭が1番目に行った場所でもあります。

 ダートムアとも表記。イギリス南西部デヴォンシャーにある台地。「ムーア」とは荒れ地という意味でダートムーアはヨークシャー・ムーアと並んでイギリスにあるムーアの中でも最も広大なものだそうです。

 岩山と荒野が広がる荒涼とした地形の続くこのダートムーアですが、ホームズのファンにとっては第3長編「バスカヴィル家の犬」で舞台となった場所としてよく知られています。

 ホームズが第2短編集「回想のシャーロック・ホームズ」巻末の「最後の事件」で宿敵モリアーティ教授と落ちたことで知られる場所です。高さおよそ250m、幅90mの大きさでスイスのアルプス山脈にあります。

 シャーロック・ホームズは第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険」に収録されている短編がストランド誌で連載されるやたちまに絶大な人気となりましたが、原作者のコナン・ドイルは当初から文学性の高い歴史小説の分野に関心があり、ホームズ物の連載を終わらせるために「最後の事件」を書きましたが、ホームズの復活を求めるファンの声は止むことはありませんでした。

 結局その声に押される形でドイルはホームズものの執筆を再開し、まず最後の事件より前の話として長編「バスカヴィル家の犬」を書き、更には第3短編集「シャーロック・ホームズの生還」に収録されている「空家事件」での完全復活へと繋がっていくのです。

 作中でコナンがロンドン行きが決まった時に訪問したい場所として挙げているのですが、スイスにあるのでこれはロンドン行きに思わず興奮したコナンの勘違いということにしておきましょう。

LUNA航空

 アニメのみですが小五郎と蘭、それに阿笠博士が乗っていた飛行機に名前が付いていました。

 ちなみにコナンでは何度か登場していて、162「空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件」、419-420「八岐大蛇の剣」、539「愚か者への遺産」でも名前が出てきます。

 コナンたちがイギリスに着いて最初に行った場所。ホームズとワトスン博士が住んでいたとされるロンドンのベイカー街221Bがあったとされる場所に建ってます。

 シャーロック・ホームズ博物館の前でコナンが出会ったアポロ・グラス少年が飲んでいた飲み物の名前で、1840年に誕生以来「ピムス ナンバーワン カップ ((Pimm's No.1))」と呼ばれたこの飲み物はロンドンの紳士達の間で最も洗練された飲み物として人気を博してきました。

 リキュールでジンをベースに柑橘系のフルーツとハーブが程よくミックスされ、このリキュールに3倍のレモネードを加え、レモンやキュウリ、オレンジのスライスとミントの葉を浮かべて飲むのが本場の飲み方なのだそうです。

 甘くほろ苦い中にさっぱりとした清涼感のある爽やかな味わいは暑い季節におすすめで、テニスのウインブルドン全英選手権大会やロイヤル・アスコット競馬、ヘンリー・ロイヤル・レガッタなどのイギリスを代表するイベント会場でも愛飲されています。

 全豪(1月後半・メルボルン)・全仏(5月末~6月初・パリ郊外スタッド・ローラン・ギャロス)・全米(8月末・ニューヨーク)とともにテニスの4大大会の一つ。毎年6月末から7月の頭にかけてロンドンで開催され、日本では全英オープンともウインブルドン選手権とも呼ばれます。

 全豪と全米が合成樹脂のハードコート、全仏が土のクレイコートなのに対し、全英は芝のグラスコートであることから、ウインブルドンの女子大会を制した選手は「芝の女王」と称えられます。

 イギリスの首都警察(MPS)の本部でロンドン警視庁とも訳されます。ホームズに限らずイギリスを舞台にした警察もののドラマや推理小説になるとほぼ確実に名前が出てくるので皆さんお馴染みかと思います。

 7月の頭から約1カ月(23日間)かけてフランスで開催される自転車のロードレース。その歴史は古く1903年から開催されています。

 優勝賞金もなかなかのものですが、総合成績1位の選手には黄色のジャージ「マイヨ・ジョーヌ」が与えられ、その他にもスプリントポイント賞には緑のマイヨ・ヴェール、山岳賞として白地に赤い水玉のマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ、新人賞には白地のマイヨ・ブランといった風に特別なジャージを授けられるのが選手にとっての一番の名誉といえます。

 世界的人気のあるレースですが、そのレース中継とウインブルドンの中継はほとんど被ることから、2つ同時には見られないそうです。

 イギリスのロンドンにある宮殿。宮殿の屋上に王室旗が掲げられている時は王が在宅、イギリス国旗なら不在を示しているのだとか。

 バッキンガム宮殿で有名なのは何といっても衛兵交代式で重要な観光イベントにもなっていますが、黒いふわふわした帽子と赤い制服姿の衛兵たちが歩く姿は大変絵になりますよね。

 作中ではコナンたちと別行動となった小五郎と蘭が2番目に行った場所です。

83 BOOKS&BOOKS

 アニメのみ。コナンと阿笠博士が地図を買った本屋の名前。

 イギリスを代表する料理で、手軽に食べられるいわゆるファーストフードのひとつ。白身魚の切り身に衣をつけて油で揚げたフィッシュと、ジャガイモを細い棒状に切って油で揚げたチップスの組み合わせになります。

 ミレニアム記念事業により1999年末に開業したロンドンのテムズ川沿いにある観覧車。直径135m、カプセル1個当たり定員(25人)はオープン当初は世界一の規模だったとか。

 ロンドンの国会議事堂にあたるウェストミンスター宮殿に付属する時計台とその鐘の愛称。高さは96.3mあり、1859年に完成した時計台は2009年には150周年を迎えました。

 ロンドンというと観光パンフレットなどでもこの時計台がよく登場しますし、名探偵コナンでも映画第6弾「ベイカー街の亡霊」のポスターにも登場しているのでご存知の方も多いと思います。

 ちなみに毎日正午に奏でられるビッグベンの鐘のメロディーは「ウェストミンスターの鐘」といい、日本の学校ではすっかりお馴染みの「キーンコーンカーンコーン」というあのチャイムの音の基となっているのだそうです。

木下留三郎、木村理恵、草間さくら、工藤新一、小嶋元太、小林澄子

 蘭の携帯電話のアドレス帳に入っていた名前。たぶんか行の人だと思いますが、最初の三人は見たことがない名前ですね。「木下留三郎」がまさか鑑識のトメさんということはないと思いますが(苦笑)

 シャーロック・ホームズの第3短編集「シャーロック・ホームズの生還」収録の「空家事件」で登場する架空の武術の名前。

 「最後の事件」で宿敵モリアーティ教授とライヘンバッハの滝に転落したホームズでしたが、日本式の格闘技「バリツ」心得があったため無事生還することができたのだと、後でワトスン博士に語ります。

 「バリツ」という名前の格闘技は存在しないためいろいろな説があるそうですが、一般的には柔道のことだと考えられています。

 ホームズの4つある長編の最後を飾る作品。不可能犯罪の巨匠として知られるディクスン・カーがドイルのベストに推した作品で、個人的にもベストだと思っている傑作です。

マザリンの宝石 (Mazarin Stone)

 ホームズ譚の最後を飾る短編集「シャーロック・ホームズの事件簿」に収録されている短編。腹が空いている方が頭の回転が良くなるというホームズの言葉が出てくる話です。

踊る人形 (Dancing Men)

 シャーロック・ホームズの第3短編集「シャーロック・ホームズの生還」収録の作品。独特の暗号文で知られています。

 コナンでは163-164「月と星と太陽の秘密」でも一度登場しています。

ボヘミアの醜聞 (A Scandal in Bohemia)

 第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険」所収のホームズの56ある聖典の短編の中で最初に書かれた作品。

 ホームズが心を動かされた「唯一の女性」といわれるアイリーン・アドラーが登場する話として有名です。

花婿の正体(花婿失踪事件) (A Case of Identity)

 第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険」所収の短編。

 第1長編にしてコナン・ドイルがシャーロック・ホームズをこの世に生み出した最初の作品。ホームズとワトスン博士の出会いも描かれています。

 イギリスのロンドンを東西に流れる川の名前。全長346kmで途中にはタワーブリッジやロンドン橋などの有名な橋もかかっています。また夜にはロンドン・アイなどの建造物がライトアップされ夜景スポットとしても有名です。

 コナンではこの川の名前をもじった「堤無津川」という川がよく作中に登場しています。

マレーマウンド (Marray Mound)

 ウインブルドンのセンターコートは全て指定席のためなかなか観戦するのは難しく、そのためコート1の外に大スクリーンを設置して試合を見られるようにしているのですが、飲食をしながら試合を観戦できることもありここもまた大人気なのだそうです。

 この場所は本来はアオランギ・テラスというのですが、地元イギリス出身の人気選手ティム・ヘンマンにちなんで”ヘンマン・ヒル”と呼ばれていたそうです。

 ウインブルドンではフレッド・ペリーが1936年に優勝して以来のイギリス人の男子シングルス優勝者がなく長い間待望されていたこともあり、ヘンマンを応援する熱狂的なファンがウインブルドンに多数駆けつけたことからこの名前がついたそうですが、現在はヘンマンが一線を退いたため、その後を次ぐと期待されているスコットランド出身のアンディ・マレーにちなみ”マレー・マウンド”と呼ばれるようになってきているのだそうです。

NEXTコナンズヒント
File616 ビッグ・ベン
File617 アルファベット
File618 土星
File619 熊のぬいぐるみ
File620 サングラスの女
File621 コンビニ弁当
コント
File616
小五郎「あ、ビッグな名探偵、ベンベン」
蘭「お父さん…」

File617
コナン「やべえ、蘭のやつ相当怒ってる」
阿笠「錨(いかり=怒り)だけに早く沈めんとな」

File618
蘭「新一、ホームズと私とどっちが大事なの?」
新一「えっ!? き、決まってるじゃないか…それは…」

File619
コナン「犯人の狙いが見えたぞ!」
新一「絶対止めてやる!」
コナン「これって独り言?」

File620
蘭「いよいよロンドン編の最終回」
コナン「まだ帰りたくない」
蘭「コレッ!」

File621
新一「ロンドンでは2つも緊急事態だったなー」
阿笠「次回もじゃぞ」
新一「マジ?」
OP
Don't Wanna Lie」(B'z)
ED
月夜の悪戯の魔法」(BREAKERZ)
監督
於地紘仁
構成
File616 金崎貴臣
File617 金崎貴臣
File618 影山楙倫
File619 影山楙倫
File620 大宙征基
File621 大宙征基
絵コンテ
File616 金崎貴臣
File617 金崎貴臣
File618 影山楙倫
File619 影山楙倫
File620 大宙征基
File621 大宙征基
演出
File616 戸澤稔
File617 山崎茂
File618 鎌仲史陽
File619 池田智美
File620 黒田晃一郎
File621 吉村あきら
作画監督
チーフアニメーター 牟田清司
File616 広中千恵美
File617 かわむらあきお
File618 岩井伸之
File619 石井ゆみこ、宮井加奈、熊田亜輝
File620 山本道隆
File621 大友健一、永野美春
ビデオ
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DVD
PART20-3
PART20-4
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★★★

 ロンドンを舞台に原作では10話分を使って描いた大長編となりましたが、実に面白かったですね。この作品はいろいろと理由があってコミックスが出揃ってから読むこととなったのですが、移動中の電車の中で久しぶりにむさぼるように一気に最後まで読んでしまったのをよく覚えています。

 7「月いちプレゼント脅迫事件」、10「プロサッカー選手脅迫事件」、188-193「命がけの復活」などを彷彿とさせる正体がバレそうになり慌てふためくコナン(新一)の姿が描かれていてハラハラドキドキする前半から、ホームズ作品やロンドンの観光地も絡めて繰り広げられていく暗号解読、後半は犯人の真のターゲットが誰なのかを女王ミネルバ・グラスのプレーから読み取るという趣向からはじまり犯人がウインブルドンのどこに潜んでいるかを推理する謎解きに失敗したら爆弾が爆発するというサスペンスを上手く絡めて描いていきます。まさしくハラハラドキドキでした。

 それ以外にもミネルバとアレスそして新一と蘭の恋の行方、そして43「江戸川コナン誘拐事件」を彷彿とさせるコナンの周囲をうろつく怪しい女と大金持ちダイアナの意外な正体、解毒剤を早々に使い切ってしまったコナンが無事日本に戻れるのかなど本当にたくさんの興味を持ちつつ作品を読むことができました。

 ストーリーのテンポもよく謎解きとサスペンスのバランスも絶妙でしたし読後感も心地良く、何かこれまでのコナンの良かった要素を全部詰め込んだような贅沢な内容で、改めてコナンに惚れ直した作品となりました。ここ最近では抜きん出た大傑作だと思います。

豆知識

 ともに作中の暗号文の鍵となった建築物。2002年建築のシティーホール(ロンドン市庁舎)は卵型の建物で、2004年建築のガーキン(30セント・メリー・アクス=スイス・リ本社)はピクルスの若いキュウリの形をした建物で有名なのだそうですが、これらの建物はともにイギリスの有名な建築家ノーマン・フォスターの手によるものだそうです。

 同じく作中で暗号文の鍵となった建築物。セントポール大聖堂を再建したクリストファー・レンの作品で、ウェディングケーキのような形をしているのが特徴ですが、ウェディングケーキというものがこの教会を模してデザインされるようになったそうですからそれも納得です。

 同じく作中で暗号文の鍵となったロンドンにある鉄道の駅。テムズ川の南側にあるエレファント&キャッスル地区にある駅で鉄道のほか地下鉄も2路線が乗り入れしている駅です。

 ドイツのマイセン地方で生産される白色の陶磁器(西洋白磁)で有名なメーカー。食器の裏には2本の剣が窯印されていて、アポロ少年の母親も大好きだとか。ちなみにアニメではRoissenとなっています。

ウォルトン通り (Walton Street)

 マイセンの店がある通り。

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