名探偵コナン7「月いちプレゼント脅迫事件」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File7 月いちプレゼント脅迫事件
英題
Once-A-Month Present Threat Case (CC: The Case of the Mysterious Gifts)
放映日
1996/2/19
原題
第3巻
File7「奇妙な贈り物」
File8「同一人物」
File9「8月3日の謎」
File10「眼前セーフ」
ジャンル
サスペンス
事件現場
毛利探偵事務所~米花総合病院~米花公園
管轄
-
登場人物
江戸川コナン
工藤新一
毛利蘭
毛利小五郎
阿笠博士
小嶋元太
円谷光彦
吉田歩美
小川
田中
荻野
小川勇太
小川の妻
岸田
荻野智也
本編の主人公、正体は工藤新一
本編の主人公、高校生探偵
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
蘭の父親で私立探偵
新一の家の近所に住む自称天才科学者
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
米花総合病院の外科医
お金とオモチャの贈り主
小川医師の患者の親族
小川医師の一人息子
小川医師の妻
帝丹高校体育教師
荻野の一人息子
高山みなみ
山口勝平
山崎和佳奈
神谷明
緒方賢一
高木渉
大谷育江
岩井由希子
青森伸
???
麦人
渡辺久美子
岡本嘉子
声の出演なし
声の出演なし
(注)ネタバレになるため一部伏字になっています
あらすじ
「今のはまるで… まるで…新一みたい…」

 イトーヤ・スーパーでの買い物の途中、少年探偵団たちに新一とのことを聞かれて照れる蘭。探偵事務所に戻ってくると思い出したように最近その新一から連絡がないことを不審がっていましたが、そばでそれを聞いていたコナン=新一は、何とかごまかそうと必死な様子。

 するとその時毛利探偵事務所のインターホンが鳴り、蘭が応対に出て扉を開けると、入ってきたのは大量のオモチャを抱えた親切そうなスーツ姿の中年男性でした。どうやら小五郎に依頼があるというのです。

 その男性─小川の話では、約2年ほど前から突如オモチャと一緒にお金が送られてくるようになり、それが毎月100万ずつ、そして現在でもうすでに2500万円にもなるというのです。 彼には勇太という5歳になる一人息子がいるらしく、オモチャは息子が喜ぶためいいものの、お金の方は何だか気味が悪く一切手をつけていないということでした。

 全く心当たりがないと小川が嘆いていると、突然コナンが小川の昔の患者の贈り物ではないのかと訊ねます。なぜ自分が医者だと分かったのか?、と驚く小川と小五郎でしたが、コナンは論理を組み立てて彼が外科医だと推理した理由を明解に説明するのでした。 そしてそれをそばで聞いていた蘭もひどく感心しますが、と同時に以前どこかで同じような経験をした記憶がまざまざと甦ってきたのです。そうまるでこれは……

 小川医師の話の続きでは、今日またそのお金が送られてきたのですが、今回に限って手紙が同封されていたというのです。そして手紙には「二千五百万円払い終わりました 引き替えにいただきに参ります」という文言が…一体これは何を意味しているのでしょうか?

 心当たりを必死に考える小川医師でしたが、しばらくすると自分の勤める病院に飾ってある祖父から譲られたという一枚の絵が同じくらいの価値があったことを思い出します。そこで小五郎たちはその絵を一度調べてみるべく、小川医師の勤める米花総合病院へと向かいます。

 病院につくと小五郎たちは小川医師の許可を得て保管庫で彼のカルテを調べ、該当する患者がいないかを探していきます。しかし思い当たるようなものはやはり無く、小五郎たちは一度例の絵を調べてみることにし、患者の待合所へと向かいます。

 そしてコナンは一人残って自分でカルテを調べ始めたのですが、部屋の外からはその様子を密かに覗き見る怪しい人影が……

今回の見どころ
コナンの正体が…

 小さくなった新一は「江戸川コナン」と名を変えて毛利探偵事務所に居候することになった訳ですが、その新一の正体が始めてバレそうになるお話。

 蘭に正体を疑われて何とかそれをごまかそうと必死になりながらも、一方で事件の真相に迫っていくコナンの姿がサスペンス感たっぷりに描かれている、非常にハラハラドキドキするお話です。

 個人的にはこの年のベスト3に入れたい、非常に面白い話ですね。

原作との相違点

 今回のお話も冒頭に変更点があります。原作ではこの前に収録されている22・23「豪華客船連続殺人事件」を受けたエピソードが挿入されているのですが、アニメではこの時点で未放映のため、スーパーでの少年探偵団との会話に変更されています。

 もっともこれはこれで結構面白かったです。特にキャベツをむしり取って照れる蘭はとても良い感じでしたね(笑)

 他にもアサガオの送られてくる日にちが原作では8月3日ですが、アニメでは放映日に合わせて2月19日に変更されています。

豆知識
イトーヤスーパー (スーパー)

 蘭が買い物に向かい、中で探偵団の3人と新一についていろいろと話をしたスーパーの名前。原作には未登場。イトーヨーカドーのもじりでしょうか?

米花総合病院 (病院)

 今回の事件の依頼人である小川医師が勤務する病院。田舎の小さな病院から3年前に移ってきた小川医師や病院にやってきた小五郎が驚くほどの、かなり規模の大きい病院。

ヤイバの大冒険 (ゲームソフト)

 蘭に正体がバレそうになったコナンが、その場を取り繕うために小川医師の家に送られてくるたくさんのゲームの中から手にとって遊び始めた携帯ゲーム機・ゲームマン用のゲームソフトの名前。もちろんヤイバは青山先生が以前連載していた剣術活劇漫画「YAIBA」からで、鬼丸というのは主人公の鉄刃(くろがねやいば)の宿敵の名前です。

 ちなみにYAIBAからはコナンでは他に仮面ヤイバーという特撮ヒーローが生まれているのはご存じの通りです。

米花公園 (公園)

 コナンや探偵団たちもよく集まって遊んでいるお馴染みの公園。

NEXTコナンズヒント
ボールペン
コント
コナン「次回も見ないと…遅れるぞ」
OP
胸がドキドキ」(ザ・ハイロウズ)
ED
Step by Step」(ZIGGY)
監督
こだま兼嗣
脚本
宮下隼一
絵コンテ
越智浩仁
演出
越智浩仁
作画監督
大河原晴男
ビデオ
PART1-3
DVD
PART1-2
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★★★

 コナンの正体がバレそうになった最初の事件。やはりコナンの正体というのはトップシークレット(のはず)ですから、これが他でもない蘭にバレそうになるというのは物語としてはいやが上にもハラハラドキドキさせられますよね

 コナンは謎解きも楽しいのですが、こうやって自分の正体がバレないようにと、必死になってコナン=新一という事実を隠そうと慌てふためくコナンの姿というのは見ていて手に汗握りますし、それだけで一つのサスペンスを形作ってくれるので自然と話に厚みが増します。

 初期作品ではこんな感じで蘭にバレそうになるということの繰り返しで、その度にA博士やY子さんなどの手を借りて何とか上手く(笑)ごまかしてきた訳ですが、「命がけの復活」を機にそれがまったく見られなくなってしまったのが、この手の話が好きな私としては残念です。

 近年のコナンは正体を知っている人間もどんどん増えてしまって、何かもう自分の正体について開き直ってしまった感があるのですが、やはり自分の正体を知られてはいけないというハンデを背負いながらも、小五郎や園子などを隠れ蓑して事件を解いていく…という所にコナンの一番の面白さがあると私は思います。

 そういう訳で、これからもこういう話はどんどんとやって欲しいものですね。

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