(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 服部平次 遠山和葉 大滝警部 江坂繭美(7) 大沢健太(7) 八木幹彦(7) 守口智(7) 守口洋介(38) 守口美子(35) 前島剛(26) 小宮かおる(21) 備前平四郎(34) |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 西の高校生探偵、新一のライヴァル 平次の幼なじみ 大阪府警警部 府内の公立小学一年生 府内の公立小学一年生 府内の公立小学一年生 繭美たちの親友、私立小学校一年生 智の父親、実業家 智の母親 銀行強盗犯 銀行強盗犯 寝屋川市にあるたこ焼き屋〈たこ平〉の主人 |
高山みなみ 山崎和佳奈 岩居由希子 高木渉 大谷育江 堀川りょう 宮村優子 若本規夫 岩居由希子 高木渉 大谷育江 野田順子 千葉一伸 速見圭 江川央生 荒川美奈子 ??? |
4月4日の金曜日、すっかり春爛漫という陽気になったその日、コナンと蘭は平次と和葉に誘われて何度目かの大阪見物にやってきていました。今回は純粋に観光目的ということで、まず大阪全体を見渡せるという梅田の空中庭園展望台へ連れて来られたのですが、今回もやはり平次と和葉のコンビは大阪の良い所を二人にいっぱい見せようと張り切り過ぎて…
さっそく平次と和葉の二人の似た者夫婦ぶりを見せつけられて呆れるコナンと蘭。それから次の目的地へ向かうために展望台の階段を駆け降りて行きますが、その途中で蘭が、小学一年生ぐらいの子供三人がベンチに座って待っているのを見て突然足を止めたのです。
蘭が言うには自分たちが展望台にやって来た時にも同じ場所に座っていたらしく、だとすると自分たちが展望台に来てから帰るまでずっとベンチに座って待っているということになり、少し気になったというのです。
そう言われてコナンが階段の上からベンチを見下ろしてみると、何とそこに座っていた小学生というのは、見た目があの歩美、元太、光彦の少年探偵団の三人組にそっくり…しかも名前も江坂繭美、大沢健太、八木幹彦とこれまたそっくりで、しかも同じ小学一年生だというのです…。
あまりの偶然の連続にこんなこともあるものかと一人苦笑いを浮かべるコナン。もっとも繭美は性格はきつい方で、歩美とは全然正反対でしたが…
人捜しを頼みたい…それから近くの喫茶店に一緒に向かい三人に詳しく話を聞いてみる平次でしたが、すると繭美、健太、幹彦の三人組は、平次が関西でも有名な高校生探偵だと気づいて人捜しを頼んできたのです。正確には人捜しというより、その人物のいるであろう場所を特定して欲しいということらしいのですが…
三人が捜しているのは同じ小学一年生の守口智という親友の少年で、昼の1時に三人が座って待っていた例のベンチで待ち合わせたらしいのですが、時間になってもやって来なかったというのです。
平次が時刻を確認してみるともうすでに2時を回っており、智少年の自宅にも電話してみたらしいのですが電話は留守電…それで三人組は智少年が自分たちとの約束をすっぽかして”秘密の場所”で遊んでいるに違いないと思っているらしいのです。
”秘密の場所”…!? 何でも智少年が出したヒントによれば、そこは「赤い電車が走っていて、ティラノの手の先で、楽しいけど涙が出てしまう所」だというのです。
智少年は今日もそこに昼までいると言っていたらしいのですが…少年が言うその場所とは一体どこなのでしょうか?
それから大阪で赤い電車といえば…と平次はいろいろと考えていきますが、どれも見当外れらしく、一方コナンも大阪のことはさっばりなため推理のしようがありませんでした。
そんな中、蘭の大阪といえばタコ、カニ、フグなどの大きな看板が目立つという言葉に一理あると考えた和葉に背中を押されて、平次たちは赤い電車の走っているJR大阪環状線に乗り込み、電車の中からティラノの看板を捜すことになったのです。
しかし意気込んで環状線に乗り込んではみたものの、やはり恐竜のティラノの看板というのは見つからず、徒らに時間だけが過ぎていくばかりでした。そしていくつかの駅を過ぎた所で、突如として事件は別な展開を見せ始めたのです。
ティラノを捜して電車の外をじっと見ていた平次は、川べりに白いセダンと警察の車が停まっているのを目撃。そして車の中から平次もよく知る大阪府警の大滝警部が出てくると、平次の考えは確信に近いものに変わっていったのでした。
それは今朝の11時半頃のこと、難波の信用金庫に拳銃強盗が入るという事件が発生したのですが、犯人は若い男女の二人組で、その犯人たちの乗った車というのが他でもない白いセダンだったのです。
そしてその事件を耳にしていた平次は、すぐに目の前のその白いセダンが銀行強盗犯の乗っていた車だと確信したという訳だったのでした。
そこで恐竜捜しは一時中断となり、平次たちは警察の車と白いセダンの停まっている川べりの現場に急いで向かうこととなるのですが…
全員サービスビデオ第3弾となった今回の作品、舞台は大阪で何といっても注目は歩美、元太、光彦にそっくりな繭美、健太、幹彦の小学生三人組でしょう。名前だけでなく声も風貌もどこか似ていて、少年探偵団を彷彿とさせます。
ストーリーは三人組と展望台のベンチで会う約束をしていた守口智少年が失踪してしまったことに端を発し、彼が言い残していた”秘密の場所”のヒントを頼りに、少年がいると思われる場所を探していくというもので、暗号モノともいえます。そしてこれとは別に府内で発生していた強盗事件との絡みも注目されます。
それから今回の作品から全員サービスは映画公開直前にその年の映画でメインとなるキャラが準主役として登場することになり、今回は「迷宮の十字路」公開直前ということで大阪コンビが登場しました。そしてラストでは映画に関係したシーンがちらっと登場していて、こちらもチェックしておくと映画がより一層楽しめることになるかと思います。
大阪の梅田スカイビルにある展望台。地上173メートルで360度のパノラマで大阪が一面に見渡せる構造になっています。
ここから平次と和葉に案内されてコナンと蘭が見たのが、順番に
・六甲山などの観光名所でした。
なお空中庭園展望台については公式サイトを、それ以外の場所については上記の各リンクを参照下さい。
大阪市内をぐるっと一周できるJR西日本の路線。1周約21.7km、所要時間は19駅を約40分ぐらい、赤というよりはオレンジに近い車体をしています。
詳しくはフリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを参照下さい。
そのJR大阪環状線から直通運転されている路線の名前。
作中にも平次の推理の中でちらっと名前が登場し、繭美にあっさりと否定されてしまったUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)へはこの路線から行くことができます。
白亜紀(今から8500~6500万年前)に生存していた恐竜の代名詞ともいえる肉食獣。今回は智少年のこの”ティラノの手”というヒントが最大のポイントとなりました。
詳しくはフリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを参照下さい。
迷宮の十字路公開間近ということで平次と和葉が登場し、大阪が舞台となった今回の全員サービスの事件。今回は殺人事件は発生せず、少年が残したヒントを元に少年の言う”秘密の場所”を探し当てるというミステリーになっています。
従って犯人当てやトリックなどもなく、少年の考えた暗号のようなものを大阪の地図や路線図を片手に考えていくという趣向になっていますので、これが楽しめたかどうかで評価も大きく変わってくることでしょう。
結局少年のヒントというのは地下鉄の路線図が恐竜のティラノサウルスに見えることから作られたものだった訳ですが、これは何とも子供らしい楽しいヒントだったと思います。もしこれが大人が出した暗号だったらちょっと引きますけどね(苦笑) 7歳の子供らしくていいのではないでしょうか。
それから今回は大阪の地名がほとんどすべて実名で出てくるので、地理を知っているのと知っていないのとでは全然面白さが違う気がします。私も大阪には住んだことは残念ながらないのですが、今回の作品で少し勉強させて頂きました。たくさんの観光名所が登場しているので、ミステリーツアー並に大阪に行って見たくなること請け合いの楽しめる作品だったと思います。
ラストはとても感動的でしたし、なにわ少年探偵団たちも個性が出ていていい感じだったのですが、その分複雑な謎もなく、物足りないと言われるとそうなってしまう感じも否めません。かといって減点するような理由もないので、これは水準作かなということで星3つが妥当かなと思います。作画も少し厳しかったですしね。
最後に作品のラストでは平次がたこ焼き屋で主人と話をするシーンがあるのですが、その後ろの棚には例の「義経記」の本が…映画「迷宮の十字路」ではこれを持つ人物たちに注目が集まりますので、この作品を見てから映画を見るとより楽しめるかと思います。
あとはいずれどこかで今回のなにわ少年探偵団三人組と少年探偵団の共演なども是非見てみたいですし、今回コナンのおみやげをなぜかうな重だ思った元太のように、健太がうな重が好きかどうかも是非知りたい所であります(笑)
大阪に残る路面電車を運行している鉄道の名前。東京では都電荒川線が有名な路面電車ですが、大阪では路面電車といえばこの鉄道なのだそうです。
ちなみに智少年の自宅の近辺にはこの路面電車が走っていたことに加え、近くに万代池があること、長居駅からそう遠くないこと、それから自宅を訪れた直後に平次たちが天王寺駅周辺を探索していることからして、天王寺駅周辺にあると想像されます。
なお阪堺電気軌道についてはこちらの公式ページを参照下さい。
住吉区にある公園。作中ではこの公園にある池が、なにわ少年探偵団の3人と守口智少年が初めて出会った場所として描かれています。
詳しくは「花と緑あふれるうるおいのまち・おおさか」というサイトのこちらのページを参照下さい。
関西のターミナル駅の一つとして有名な駅で、大阪から奈良や紀伊半島、それに関西国際空港へ向かう場合には通る駅です。作中でははっきりと明記されていませんが、守口智少年の自宅はこの近辺にあったようです。
天王寺駅については詳しくはフリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを参照下さい。
地下鉄御堂筋線の長居駅にある博物館。以前なにわ探偵団たちは智とここで恐竜を見たことがあったそうです。
ティラノサウルスの化石もありましたが、残念ながら手がなく、ここがヒントの場所ではないことがはっきりしました。
なお大阪市立自然史博物館について詳しくはこちらの公式ページを参照下さい。
それから最後に今回の事件で智少年の居場所を示す「赤い電車にティラノの手」というヒントを解くカギとなったのが、こちらの大阪市内の地下鉄路線図です。頭を左に傾けてみると恐竜に見えるそうですが、皆さんにはティラノサウルスに見えるでしょうか(笑)
これを見ればJR大阪環状線も含めて大阪の鉄道や地名などの位置関係がよくつかめると思いますので参照してみてください。