名探偵コナン 劇場用映画第1弾「時計じかけの摩天楼」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

名探偵コナン 時計じかけの摩天楼

タイトル
Movie1 時計じかけの摩天楼
英題
The Timed-Bomb Skyscraper
公開日
1997/4/19 (大阪 1997/4/26)
TV放映
1998/3/30
2003/3/24
2006/3/13
2016/4/8
原題
劇場用オリジナル
ジャンル
サスペンス
事件現場
黒川大造邸~森谷教授邸~堤向津川緑地公園~米花駅前広場~東都環状線
~米花シティービル内 米花シネマ1(映画「赤い糸の伝説」上映中)
管轄
東京警視庁捜査一課(目暮警部)
登場人物
江戸川コナン
工藤新一
毛利蘭
毛利小五郎
阿笠博士(52)
目暮警部
小嶋元太
円谷光彦
吉田歩美
鈴木園子
黒川大造(62)
黒川大介(36)
黒川三奈(32)
中沢真那美(27)
白鳥刑事
森谷帝二(47)
岡本市長(52)
岡本浩平(21)
坂口運行部長(52)
楠指令長(45)
横山さとし
変声機の声
医師
吉岡
櫻井
警察官
少年
おばあさん
バイクの運転手
店員
電車の乗客A
電車の乗客B
新内壱成
加納俊三
高山三七三
山崎稚内
本編の主人公、正体は工藤新一
本編の主人公、高校生探偵
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
蘭の父親で私立探偵
新一の家の近所に住む自称天才科学者
警視庁捜査一課警部
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
帝丹小学校に通うコナンのクラスメート
鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友
黒川病院 院長
黒川大造の長男、内科医
黒川大造の後妻
黒川家 家政婦
新たに配属された警視庁捜査一課刑事
東都大学建築学科教授、有数の建築家
元西多摩市市長
岡本元市長の息子、電子工学科の学生
東都鉄道総合司令室勤務、現場責任者
東都鉄道総合司令室勤務
ニュースキャスター
変声機の声
緑台警察病院医師
東都鉄道 運転士
東都鉄道 運転士(10号車)
警察官
少年
おばあさん
バイクの運転手
ハンバーガーショップ店員
列車に閉じ込められた男性客
列車に閉じ込められた男性客
映画「赤い糸の伝説」の原作者
映画「赤い糸の伝説」の監督
映画「赤い糸の伝説」の主演
映画「赤い糸の伝説」の主演
高山みなみ
山口勝平
山崎和佳奈
神谷明
緒方賢一
茶風林
高木渉
大谷育江
岩井由希子
松井菜桜子
声の出演なし
山路和弘
宮寺智子
藤井佳代子
塩沢兼人
石田太郎
平尾仁彰
谷川俊
藤本譲
藤城裕士
野村明大(YTV)
山路和弘
山路和弘
声の出演なし
山崎たくみ
千葉一伸
水原リン
水原リン
一条和矢
百々麻子
川谷修士(2丁拳銃)
小堀裕之(2丁拳銃)
声の出演なし
声の出演なし
声の出演なし
声の出演なし
あらすじ
「ねえ…新一は赤と青のどっちが好き?」

 とある日の夜のこと、黒川邸では屋敷の主・黒川大造氏殺害事件の捜査が目暮警部の指揮の下行なわれている所でした。黒川氏は酒を飲みながらワープロへ向かった所を後ろから何者かに殴られて殺害され、凶器はそばに落ちていたブロンズ像と思われたのですが、分からなかったのは黒川氏のパソコンに残された「JUN」という文字でした。ダイイングメッセージなのか、それとも…

 とその時何か閃いた小五郎が自分の推理を自信満々に披露しますが、ダジャレで犯人にするのかと詰め寄られピンチに…。見かねたコナンは仕方なく時計型麻酔銃を使い、「眠りの小五郎」として自らの推理を披露、結果黒川氏殺害事件は無事解決したのです。

 そして4月26日土曜日、阿笠博士の家にいたコナンは、工藤邸に届けられた手紙を整理していました。ほとんどが新一の父親でナイトバロン・シリーズで世界的ベストセラー作家となった工藤優作へのファンレター。自分への手紙は見当たらず高校生探偵・工藤新一はもうすっかり世間から忘れ去られてしまったのかと落胆するコナン。ところがふと手にした一通の手紙の宛て先を見ると工藤新一の名前が…

 差出人の名前を見るとそこに書かれていたのは「森谷帝二」という名前。さっそく封を切って中を検めると、高校生探偵である新一の活躍を新聞・テレビで見てぜひ一度会って話がしたいという事、それから4月29日火曜日午後3時半に彼の家で開催されるというアフタヌーンティーのガーデンパーティーに新一を招待したいという内容の手紙と、同伴者歓迎と書かれた招待状が同封されていたのです。

 森谷帝二というのは東都大学建築学科の教授で、日本でも指折りの建築家として知られている人物でした。そんな偉い先生がなぜ自分に…と不思議がるコナンでしたが、電話ボックスから新一の声色を使って蘭に連絡を取り、小五郎、蘭、そしてコナンの三人でガーデンパーティーへと向かうように頼みます。

 ところが蘭はたまに電話をかけてきたかと思えば勝手なことばかり言う新一に不満をぶつけるものの、交換条件として来週の土曜日に蘭とオールナイトの映画を付き合ってくれるならパーティーに行ってもいいと言い出します。午後10時に米花シネマのロビーで待ち合わせと時間まで指定され、小さくなった姿では行くことなどとても無理な話のコナンは慌てて先延ばししようとしますが、絶対5月3日じゃなきゃダメだと跳ね付けられてしまいます。

 それから蘭に赤と青のどちらが好きかと唐突な質問をされた後一方的に電話を切られ、映画に行けるぐらいならパーティーに出てくれと頼まないとキレ気味のコナン。それにしてもいったいなぜ約束の日が5月3日じゃないとダメなのでしょうか?

 電話ボックスを出たコナンは偶然警察の前を通りかかりますが、そこで目暮警部と鉢合わせとなり、今度新たに捜査一課に配属されたと言って一人の人物を紹介されます。白鳥という名前の刑事らしいのですが、話をしてみると言葉の端々にトゲのある男で……

 毛利探偵事務所に戻ってくるとコナンは夕食の最中、蘭に5月3日が何の日か訊ねます。すると5月4日が新一の誕生日で、オールナイトの映画で0時を回ったと同時に赤いポロシャツをプレゼントして驚かす…それが蘭の計画だということが分かったのです。それから夕食の席ではコナンの思惑どおりに森谷帝二のガーデンパーティーの話となり、名探偵と名建築家の歴史的な出会いとおだてて小五郎も納得させ、三人でパーティーに出席することになったのでした。

 そして4月29日火曜日、タクシーで森谷の屋敷に到着したコナンたちは入口で招待状を見せ中に入りますが、目の前に広がる壮観な景色に目を奪われます。自称「歩く図書館」の小五郎によると森谷邸はイギリス17世紀、スチュワート朝時代の建築様式で建てられ、真ん中に立ってみると庭も建物も左右同じ、いわゆる左右対称のシンメトリーになっているというのでした。

 小五郎がそんな話を得意気にしているとそこへ屋敷の主・森谷帝二が姿を見せます。森谷教授は新一が用事で来られないと知ると残念がりますが、代わりに来たのが名探偵の毛利小五郎だと知ると握手を交わし、それから三人を裏庭のパーティー会場へと招待したのです。会場には音楽家にモデル、大企業の社長や評論家、そして芸能人など、テレビでよく知られている芸能人ばかりが出席していて、さすがに日本有数の建築家といった趣でした。

 ところが手作りの料理の話がいつの間にか建築の話になり、森谷帝二は突然熱く語り出します。美しくなければ建築として認めないというのが彼のモットーらしく、今の若い建築家の多くは美意識が欠けている、もっと自分の作品に責任を持たねばいけないと彼は言うのですが……

 それから森谷教授は名探偵の小五郎たちパーティー出席者にクイズを出題、見事に正解を導き出したコナンは蘭と二人で森谷教授のギャラリーに招待されます。ギャラリーには森谷の手がけた数多くの建築物の写真が飾られていましたが、その中にはこの前事件のあったあの黒川大造邸や今度蘭が新一と映画を見に行く約束をした米花シティービルも含まれていました。特に米花シティー1は森谷の自信作らしく、若いカップルがバースデーを迎えるにはこれ以上の所はないと森谷教授は得意そうに語るのでした。

 そして5月3日土曜日、ついに蘭と約束した夜の10時まであと10時間と迫りコナンは困り果てた様子で阿笠博士の家にいました。毎日楽しそうにカレンダーを見る蘭を見れいたらとても断れなかったというのですが、阿笠博士に新一の精巧なロボットを作ってくれと頼むものの無理だと断られ…

 そうこうしているとテレビのニュースキャスターが気になるニュースを伝えていました。東洋火薬の火薬庫からプラスチック爆弾の原料となるオクトーゲンを含む大量の爆薬が盗まれたというもので、100人を超す警察官を導入するもののまだ犯人は捕まっていないというのでした。さらに今度は火事のニュースが読み上げられますが、映像の中で燃え盛る炎に包まれていたのは…何とあの黒川大造邸だったのです!

 険しい表情でテレビを見ていたコナンにさらに追い打ちをかけるかのように電話が。それは工藤邸からの転送電話で工藤新一に向けたもので、いかにも変声機を使っているような声の主は東洋火薬から爆薬を盗んだのは自分だと言い、さらに新一の携帯電話の番号を教えろと要求します。

 唯一の連絡手段を断ち切る訳にはいかないコナンが番号を教えると、電話の主は今すぐ携帯電話を持って堤向津川緑地公園へ来いと要求。面白いものを見せてやる、急がないと子供たちが死ぬぞと言い、一方的に電話を切ったのです。阿笠博士に目暮警部に連絡するように伝えるとコナンはスケートボードで急ぎ犯人の指定した場所へ向かったのですが…

 公園に到着すると歩美、元太、光彦の少年探偵団たちがラジコン飛行機で遊んでいる所でした。コナンがそれをどうしたのかと聞くと、光彦はヒゲを生やした人からもらったというのです。これは「爆撃機」だとヒゲの人物は言っていたらしく……

 寸でのところでコナンはラジコン飛行機による被害を食い止めますが、するとそれを見計らっていたかのように携帯電話が鳴り、電話の主は1時ちょうどにもう一つの爆弾が爆発すると予告、場所は米花駅前広場で「木の下」にあるというのですが、果たして「木の下」とは一体!?

 その後かろうじて爆弾の被害を食い止めたコナンは、爆発の余波でケガを負い警察病院に搬送されていました。もっとも大事には至らずほどなくして目暮警部が白鳥刑事を伴って病院に現れ、2件の爆発事件で使われたのはともにプラスチック爆弾だと明かされます。青味を帯びたオレンジ色の閃光をコナンも見ており、どちらも東洋火薬から盗まれたものが使われた可能性が濃厚でした。

 それから犯人についての検討が始まりますが、わざわざ新一に電話してきていることから、探偵としての評判を知って挑戦してきたか個人的に恨みを持つ可能性が高そうでしたが、白鳥の調査によると新一が解決した事件の犯人は現在すべてが服役中とのことでした。それから新一が解決した事件の中で一番注目を集めた事件は何だったかという話になり、西多摩市の岡本市長の事件の名前が挙がったのですが…。

 その後少年探偵団たちがコナンの病室を後にしたちょうどその頃、再び新一の携帯電話に犯人から連絡が。何と犯人は東都環状線に5つの爆弾を仕掛けたらしく、その爆弾は午後4時を過ぎてから時速60キロ未満で走行した場合か、日没までに取り除かなかった場合に爆発する仕掛けになっているといいうのです。

 話を聞き驚く目暮たちに犯人は一つだけといってヒントを提示します。爆弾を仕掛けたのは「東都環状線の××の×」─×には漢字が1字ずつ入るというのですが、果たして爆弾の仕掛けられている場所とは一体!? そして犯人の目的は? 一体なぜこんな事をするのでしょうか!?

今回の見どころ
工藤新一をつけ狙う爆弾犯の真の目的とは!?

 日本有数の建築家として知られる森谷帝二から工藤新一に届けられたガーデンパーティーへの招待状。小さくなって行くことができないコナンは蘭に頼み自分と小五郎の三人で一緒に行くように頼みますが、交換条件として提示されたのが5月3日に米花シネマ1でオールナイトの映画に一緒に行くことでした。

 5月4日の自分の誕生日を祝ってくれるというその申し出をコナンが断れないで迎えた5月3日当日、大量の爆薬が盗まれる事件が発生し、それと合わせるかのように新一のもとに一本の電話がかかってきます。爆薬を盗んだのは自分だと明かしたその犯人は都内の各所に爆弾を仕掛けて新一を挑発。ついには東都環状線にも5つの爆弾を仕掛け……

 犯人の目的とは一体!? そして工藤新一を狙う理由とは!? そしてコナンは新一として蘭との約束を無事守ることができるのでしょうか?

豆知識
ナイトバロンシリーズ

 新一の父親・工藤優作の書いた探偵小説シリーズ。新たに発表された新作はアメリカで大ベストセラーになったとか。ちなみに優作はこの作品の時はスイスに滞在しているとコナンは言っていました。

阿笠博士の新発明

 今回登場したのはカマキリを模したグレーの発明品。人類は空を飛ぶ鳥を研究して飛行機を作り上げましたが、未だかつて昆虫の羽ばたきメカニズムを完成させた者はいない。だからワシがその第一号になりオモチャとして完成させてガッポリ儲け億万長者になるのだと息巻いていました。しかし新一がガキの頃からずっと聞かされている話だそうで、今回も見るも無残な姿に(苦笑)

新一は赤と青のどちらが好き?

 コナンの答えは蘭が好きな色だったのですが、いったいどちらでしょう?

5月4日

 新一の誕生日。毎年新一は誕生日を忘れているらしく、蘭が祝うことで思い出させてあげるのが恒例行事なのだとか。

赤い糸の伝説

 蘭が5月3日に新一と一緒に見に行くと計画していた映画のタイトル。結ばれる男性と女性は生まれた時から小指と小指が赤い糸でつながっているという話、それを題材にしたラブロマンスの映画なのだそうです。

週刊TMS

 蘭が見せた雑誌の名前で「TV MOVE SPORTS」の頭文字を取った名前です。

 蘭はこの雑誌の占いページの牡牛座(おうしざ 4月20日から5月20日生まれの人の星座)のページを開いてコナンに見せました。

 そこにはライフが「今週はなにかとツキに見離されているアナタ。じっと耐えることです。」、ラブは「あんがい近くに、あなたのことを思っている人がいます。」、キーは「No.5☆レッド☆デパート」となっていました。

森谷帝二(もりやていじ)

 東都大学建築学科教授で、日本有数の建築家。本名は森谷貞治。15年前に別荘の火事で亡くなった父親も世界的に有名な建築家で、自身も高校まで父親の活動拠点だったイギリスで暮らしていました。その影響からか英国風の建築に心酔していて、特に古典形式の左右対称のシンメトリーへのこだわりは自分の名前をシンメトリーに変えてしまうなど並大抵のものではないようです。

 その他独身で料理も得意らしく、今回のガーデンパーティーで出されたスコーンもサンドイッチもクッキーも全部彼の手作りだったそうです。何でも自分でやらないと気が済まない性分らしいですね。

森谷帝二のクイズ

 三人の男が経営する会社のパソコンのキーワードを推理するというもので、三人に共通する言葉でひらがな5文字。制限時間は3分でパーティー出席者全員に問題の用紙が配られます。名探偵の毛利小五郎ならすぐに分かるというのですが…。

 小山田力(おやまだちから A型)昭和31年10月生まれ。趣味・温泉めぐり

 空飛佐助(そらとびさすけ B型)昭和32年6月生まれ。趣味・ハンググライダー

 此堀二(ここほりふたつ O型)昭和33年1月生まれ。趣味・散歩

米花シティービル内 米花シネマ1

 米花シティービルは森谷教授の自信作とのことで、このビル内にある映画館で蘭は新一の5月4日の誕生日を祝う予定でいました。

東洋火薬

 この会社の火薬庫からプラスチック爆弾の材料となるオクトーゲンを含む大量の爆薬が盗まれたとニュースで報道されていました。

新一の携帯の電話番号

 080-432-0…であとはプライバシーの都合もあるためか手で隠れていました。

警視庁 緑台警察病院

 米花駅前広場に仕掛けられた爆弾の爆発の影響でケガをしたコナンが入院した病院。

西多摩中央警察

 西多摩の岡本市長が絡む交通事故の捜査の際に登場した警察署。新一がここで推理を披露しました。

Panter

 岡本市長の息子が吸っていたというタバコの銘柄。

堤向津川緑地公園・米花駅前広場・東都環状線

 それぞれ順番に爆弾が仕掛けられていきました。

東都鉄道(TR)東都環状線 緑台駅

 コナンを見舞った探偵団たちが帰りに電車に乗り込んだのはこの駅の東口からでした。作中では他におなじみの米花駅や芝浜駅、沢袋、間白などの駅の名前が出てきています。

東都鉄道総合指令室

 東都鉄道ターミナル駅内にあり、爆弾騒動への対応はここにいた指令長の楠と運行部長の坂口が責任者として取り仕切っていました。

日本建築協会新人賞

 森谷帝二が受賞した賞。昭和58年(1983年)に完成した隅田運河にかかり東都環状線が通る英国風の石造の橋の設計が評判となり受賞を果たしました。

東都レジデンス

 米花駅前広場の事件でコナンがスケボーで通った児童公園のすぐ横にあるマンション。ここに来た時に爆弾の時計が一度止まりました。

黒川邸、水島邸、安田邸、阿久津邸

 いずれも森谷帝二が30代の時に設計した建物です。

主題歌
Happy Birthday」(杏子)
監督
こだま兼嗣
脚本
古内一成
企画
諏訪道彦
原案協力
奥山豊彦、浅井認
絵コンテ
こだま兼嗣、佐藤真人
演出
佐藤真人
プロデューサー
諏訪道彦、吉岡昌仁
音楽
大野克夫(「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼 オリジナル・サウンドトラック/ポリグラム)
作画監督
須藤昌朋(キャラクターデザイン・総作画監督)
河村明夫、高谷浩利、宍戸久美子、佐々木恵子、清水義浩、兵頭敬、牟田清司
美術監督
渋谷幸弘
音楽プロデューサー
堀尾裕樹
録音監督
小林克良
音響効果
横山正和
編集
岡田輝満
ストーリー・エディター
飯岡順一
アニメーション製作
キョクイチ東京ムービー
タイトルロゴデザイン
ベイブリッジ・スタジオ
製作
株式会社小学館、読売テレビ、ポリグラム、小学館プロダクション、東宝、キョクイチ
配給
東宝
©1997 青山剛昌、小学館、読売テレビ、ポリグラム、小学館プロダクション、キョクイチ
ビデオ
1998/4/8
DVD
2001/3/28
オリジナルグッズ
パンフレットに記載なく詳細不明です
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★★★

 記念すべき名探偵コナンの映画第1弾となった本作品ですが、個人的にはかなりお気に入りの作品です。これまで何度か見ているのですが、何回見ても感動するのですから名作なんでしょうね。

 この作品のすごい所はとにかく事件が立て続けに起きて視聴者を飽きさせない点だと思います。爆弾事件がまず3つ立て続けに起き、それぞれがサスペンス感たっぷりに描かれていきます。更に犯人当てのパートがあり、最後にもう一度米花シネマ1を舞台にクライマックスのサスペンスが待っています。

 そして他にも冒頭の黒川邸の事件と岡本市長の事件での推理の披露もあって、これらだけでも充分した内容なのですが、何の関係もないハズレの線と思われていた西多摩市の事件が実は別の意味(森谷教授の計画が頓挫したという)新一を狙った理由だったことや、児童公園前でタイマーが止まった理由が愛着のある作品を守るためだった点などがそれぞれラストに繋がる伏線になっている所が見事としかいいようがないですね。ほとんど無駄なく前半に散りばめた伏線を使い切っているのが脚本として素晴らしいと感じました。

 また今回は爆弾犯の事件とは別に赤い糸の伝説をモチーフに蘭が新一の誕生日を祝うことができるのかという関心もストーリーと平行して続いていく訳ですが、こちらもクライマックスにリンクしているんですよね。ここも実に見ごたえがあって、蘭を真剣に心配する小五郎の姿もあって最後は涙ものの感動的なシーンとなりました。

 犯人についてはいわれて見ればシャーロック・ホームズの宿敵モリアーティ教授の名前を模した人物ということですぐに分かってもおかしくないのですが、これは後になって知りました。動機については私も少しは芸術をかじっているので、昔の作品が出来が悪くて見たくないと思うことはない訳ではないのでその気持ちは理解できるのですが、ただやる事が派手過ぎますよね。それに成長記録だと思うと昔の作品にもちょっと愛着を持てるような気がしますが、皆さんはいかがお感じになったでしょうか。そして人の命を何とも思わない点についてはまったく共感できませんでした。

 その他にも笑い所として新一に無視される小五郎とか、コナンのツッコミとか、味わいがあり、退屈することのない中身のいっぱい詰まった1時間半だったと思います。

TOPへ

名探偵コナンカレンダー

×