(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 江戸川文代 ボーイ クローク係 客A 客B 正男 不気味な仮面の男 工藤有希子 工藤優作 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 コナンの母親を名乗る女性 米花ホテルのボーイ 米花ホテルのクローク係 米花ホテルの客 米花ホテルの客 米花ホテルの客 江戸川文代の仲間 新一の母親で元人気女優藤峰有希子 新一の父親で世界的に有名な推理小説家 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 緒方賢一 高畑淳子 高戸靖広 大谷育江 岩井由希子 千葉一伸 渡邊美香 ??? 島本須美 田中秀幸 |
新一が小さなコナンの姿になってから幾日も経ったある雪の日、いるはずもないコナンの両親のことを蘭に訊ねられ答えに窮していたコナンは、丁度その時毛利探偵事務所にやって来た女性客の話を聞いて驚きます。
何とその女性は自分はコナンの母親で〈江戸川文代〉といい、息子のコナンを引き取りにやってきたと言うのです。
そんな人間がいるはずもないことは充分分かっているコナンでしたが、半ば強引に車に乗せられてしまい…そのまま毛利探偵事務所を後にします。
合点がいかないコナンが車中でその女に問い正してみると……何とその女は自分の本当の母親がかつて美人女優として名を馳せた工藤有希子であり、父親が世界的に有名な推理小説家の工藤優作、そして自分の正体が工藤新一であることまで知っているのでした…!?
まさか例の黒ずくめの男たちの仲間なのでは…?? 驚きを隠せないコナンは何とかしなくてはと隙を見て逃走を試みますが、阿笠博士を頼って家の近くにまで来た所で、再び薬を嗅がされて囚われの身となってしまいます…。
─目を覚ましてみると、そこは見たこともないボロ屋の2階でした。後ろ手に縄で縛られ身動きのとれないコナンは、その時例の女が誰かと会話しているのを耳にします。
女はどうも誰かと口論しているらしく、様子が気になったコナンは壁の隙間にできた穴から女のいる部屋を覗いてみます。すると…
何とそこにはシルクハットにマントを羽織り、顔には不気味な仮面をつけた男がいるではありませんか…!!
二人の話によると、どうもコナンは自分を小さくした組織の毒薬の副作用の特例として連れ行かれ、調べられることになるというのです。
その一方で二人は明日コナンを連れ帰る前に何者かと取引を行い、その時にまた例の毒薬を使って相手を始末するというのでした…
二人の会話を耳にしたコナンは、二人の計画を阻止し、組織が新開発したという毒薬についての情報を得るべく、何とかしてこのボロ屋から脱出しようと必死に知恵を絞りますが……
この作品はサプライズ・エンディング(意外な結末)の傑作中の傑作です。32話「コーヒーショップ殺人事件」と並んで意外性という点では勝るとも劣らない作品ですね。また緊迫感に溢れたストーリー仕立てで、一級のサスペンス作品だと言っていいと思います。
とにかく冒頭から怪しげな人物が登場し、しかもどうも黒の組織の人間との関わりが疑われて、いやが上にも緊張した状態で物語は進行していきます。
何度も囚われてはまた知恵を絞って脱出し、再び逆襲しようと奮闘するコナンと、一枚も二枚も上手の仮面の男たちとのやりとりはサスペンス感に溢れ、テンポもよく、また最後まで一体どういった結末を迎えるのかと非常にハラハラしたのを思い出します。
このお話は以上の感想のとおりジャンルでいうと完全にサスペンスの部類に入る作品です。二人組の正体は伏線もなく正直なところ論理的に当てるのは無理ですが、誰か知った時の驚きは並大抵のものではなかったですね。記念すべきあの方々の初登場作品です。
またラストでコナンが仕返しするオチがついているのも面白かったです。