(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 阿笠博士 目暮警部 高木刑事 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 千葉刑事 村松昭雄(62) 古橋稔(39) 友里百合子(23) 井出敏行(21) 張田政次(43) 女 捜査員A 捜査員B ゴメラ 妖精エメラ セリザワ博士 人食いグモラス |
本編の主人公、正体は工藤新一 新一の家の近所に住む自称天才科学者 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 捜査一課刑事、目暮の部下 映画館主 映写技師 売店係 大学生 不動産屋 映画館の客 捜査一課捜査員 捜査一課捜査員 大怪獣 ゴメラのパートナー、指輪の妖精 〈大怪獣ゴメラ〉に登場する科学者 〈大怪獣ゴメラ〉に登場する敵怪獣 |
高山みなみ 緒方賢一 茶風林 高木渉 林原めぐみ 岩井由希子 高木渉 大谷育江 千葉一伸 丸山詠二 屋良有作 甲斐田ゆき 陶山章夫 益富信孝 高森奈緒 小林友治 村越周司 ??? 小林愛 中博史 ??? |
帝丹小学校の創立記念日である水曜日に阿笠博士が福引で当てたというチケットで映画を観に行くことになった少年探偵団たち。
ところが親睦を深めようという目的のはずが、これから観る映画のことで足並みは揃いませんでした。
歩美、元太、光彦の三人がゴメラを主張するのに対し、コナンはカミナリ座でやっている推理ものの「鬼丸伝説殺人事件」を、灰原哀はゲイブン座でやっている「アインシュタインの栄光と苦悩の日々」を観たいと言って譲らなかったのです…。
結局公平に決めようと、ジャンケンで雌雄を決することになったのですが…
三人のうち誰が勝利したかは定かではありませんでしたが、60%の確率がモノをいい、結局5人は〈キネカ7〉という映画館でゴメラを観ることになったのです。
映画が始まるともちろん少年探偵団の三人は大喜びでしたが、意外なことに灰原哀も科学を溺愛した愚かな人間の末路というテーマがいたく気に入ったらしく、彼女なりに楽しんでいる様子でいたのです。
一方コナンはというと…その映画は昔の作品のリバイバルであったため小さい頃に嫌というほど観ていたらしく、今更観ても仕方ないという気持ちでいたのです…。
そしてそんなコナンに追い打ちをかけるように、その日のゴメラは「大怪獣ゴメラ」「ゴメラの逆襲」「ゴメラ対メカゴメラ」の三本立てだったのです。
しかも全部がリバイバル作品のため、当然のように残りの二作品も以前観たことがあるらしく…
一本目の「大怪獣ゴメラ」が終了すると、探偵団たちは腹ごなしにジュースをポップコーンを買うために売店へ向かいます。
ところがそこで五人は、この映画館〈キネカ7〉が開業記念日でもあるその日を最後に閉館してしまうことを知らされたのです。そして探偵団たちは映画館にとっては最後の客ということになるらしく…
映画館が閉館に追い込まれた理由は実に単純なものでした。張田政次という不動産屋が、スーパーのオーナーの依頼を受けて映画館の敷地を買収するためにチンピラを雇い、館内でケンカや騒動を起こさせるという嫌がらせを続けたため、映画館の評判が落ちて客足も遠のいてしまったからでした…。
すっかり古くなってしまったとはいえ、30年も続いた映画館をそのような形で閉めなくてはならないということはどんなに辛いことか…
その日最後を見届けるために映画館を訪れた館主の村松昭雄も、映写技師の古橋稔も、それに売店係の友里百合子や映画館の常連だった特撮ファンの井出敏行も、皆一様に寂しい気持ちで一杯だったのです。
ところが感情というものを持ち合わせていないのか、不動産屋の張田にとってはそんな映画館の最後を締めくくる記念の一日すら興味のないことのようでした。
彼はその日も映画館を訪れ、村松や古橋らに皮肉めいた言葉を吐きかけた後、2本目の映画「ゴメラの逆襲」が始まると館内が禁煙にもかかわらずタバコを吸い始め、その煙を観客たちに吐きかけるなどの嫌がらせを公然と始めたのです…。そんな張田にコナンも呆れるばかりだったのですが…
そんな中でも映画は中盤まで差しかかり、映画の見所の一つであるゴメラの高ぶった精神を鎮めるパートナー役の妖精エメラが登場する場面を迎えます。
ところがそのエメラのアップが映し出されると同時に、スクリーンには左右にゆらゆらと揺れる大きな黒い影が、エメラのアップに割り込むようにして映し出されたのです…。
一体これはどういうことか…!? 観客たちが戸惑った表情を見せている中、やがて照明がつけられ闇に包まれていた館内を明るく照らし出したのですが…
すると映写室からスクリーンに向けられている映像を遮るようにして、映写室の前の窓のすぐそばで、不動産屋の張田政次がロープを使って首を吊った状態で亡くなっているのが発見されたのです…!!
この作品で千葉刑事が初登場を果たしています。ところが当時の千葉刑事は今とは全然違う容貌、まったく別人です。小五郎と同じグレーのスーツを着用していて、今のジーパン刑事という面影はまったく見られません。
登場したのは原作では高木刑事の台詞となっている「目暮警部!チケット売場のおばさんの話だと、犯行時刻に館内にいたのは子供達を除けばその四人だけのようです!」それから「ええ!問題の上映が始まってから…」という二箇所でした。
今回も冒頭にオリジナルシーンが追加されています。今回は帝丹小学校にて灰原哀が阿笠博士からもらってきたチケットを探偵団たちに渡して映画に一緒に行くかどうかで議論するシーン。親睦を深めるために一緒に行こうということにはなったのですが…そして原作の冒頭のシーンへと続いていきます。