(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 目暮警部 高木刑事 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 鵜飼恒夫(47) 大鷹和洋(29) 天野つぐみ(27) 立川千鶴(29) 鷺沼昇(30) エドワード・クロウ(51) ディクソン 乗客A 乗客B スチュワーデスA スチュワーデスB |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 会社員、通路を挟んだ大鷹の左隣の席 日売新聞報道写真大賞受賞カメラマン カメラマン、大鷹の恋人で右隣の席 カメラマン、天野つぐみの右隣の席 カメラマン、大鷹の後部座席 フリージャーナリスト、大鷹の前の席 アメリカ上院議員 飛行機の乗客 飛行機の乗客 客室乗務員 客室乗務員 |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 神谷明 声の出演なし 茶風林 高木渉 声の出演なし 岩居由希子 高木渉 大谷育江 堀部隆一 天田益男 伊藤美紀 藤貴子 中田譲治 アンディ・ホリフィールド 声の出演なし 長嶝高士 千葉一伸 麻丘夏未 小池亜希子 |
浜辺の天使が待っている─そんな淡い期待もお子様連れではどうしようもなく、ひどく不機嫌な様子で羽田空港のロビーにたたずんでいた小五郎。
その小五郎と蘭、コナン、それに歩美、元太、光彦の少年探偵団たちは、阿笠博士がインターネットの懸賞で当てたという50万円分の旅行券を使って沖縄旅行に向かう途中でした。
しかし当の博士は風邪でダウン、その博士を看病するため灰原哀も旅行をキャンセルし、結局残った6人で浜辺の天使の待つ沖縄へ向かう飛行機に乗り込むことになったのでした。
そして全長70.7メートルのボーイング747型ジャンボジェット機は、羽田の空を煌々と照らす夕陽で翼を真っ赤に染めながら沖縄へと旅立っていきます。
離陸して間もなく、昨夜遅くまで本を読んでいたというコナンは、いつの間にか深い眠りに落ちていました。それを横で嬉しそうに微笑みながら眺めている蘭…。
どうやら眠っているコナンを見て、昨年新一と二人で行ったというロサンゼルスへの旅のことを思い出しているようでした。
そう、あの時は新一の両親から送られてきたチケットで、二人の住むロスの家に遊びにいくために新一と二人で飛行機に乗り込んだのですが、確かその時は……
毛布に身を包み、いつの間にか深い眠りに落ちていた蘭は、遠くから聞えた誰かを注意しているような声で眠りを妨げられます。
その声の主は鵜飼恒夫という中年の会社員で、どうやら禁煙席にもかかわらずタバコの煙をふかしている隣りの席の男に喫煙席に行って吸うようにと注意しているようでした。
ところが注意されたニット帽の若いカメラマンの男・大鷹和洋は、すまなそうな口ぶりとは裏腹に鵜飼の顔に煙を吹きかける始末。慌てて隣りの席の彼の恋人・天野つぐみにやめるようにと諭されます。しかしこれから大金持ちになる自分に対しもっと丁寧な口の聞き方をするようにと、傲慢な態度はますますひどくなるばかりでした。
「これから大金持ちになる」─そんなことを平然と言ってのける彼の切り札というのは、彼が手にしている一枚の写真のネガでした。アメリカの有力な上院議員のスキャンダルに関係があるというそのネガを新聞社に高く売りつけられれば、アメリカに永住するのも夢ではないくらいの大金が手に入るというのです。
そしてそんな大鷹と彼の恋人つぐみ、そしてつぐみの隣りに座り二人と話をしていたカメラマン仲間の立川千鶴、更に大鷹の後ろの席で深い眠りに落ちている同じくカメラマン仲間の鷺沼昇たちの様子を、すぐ前の席から怪しい眼鏡の外国人の男が本を手に密かに窺っていることなど、彼らはまだ知る由もありませんでした…。
その後大鷹は自分もひと眠りすると言い残して座席で眠りにつき、辺りが静寂に包まれる中、ジェット機はロスに向かってその速度を増していっているようでした。
しかしそれも束の間のこと、大鷹の右隣の席の天野つぐみが気分が悪くなったと言ってスチュワーデスに薬を頼んだのを皮切りにして、大鷹の左隣の席の鵜飼は飛行機に乗ると落ち着かないと言って客室をうろつきまわり、天野つぐみの右隣の立川千鶴もつぐみの嗚咽の声で眠りを妨げられます。そして大鷹もいつの間にか姿が見えなくなっていて、席には毛布だけが残されていました。
そんな中変わらずに眠りこけている鷺沼昇と、その様子をまたもやすぐ前の席から本を手に密かに窺う眼鏡の外国人の姿…不気味な静寂が漂う中、ジェット機は更にその速度を増してロスへと近づきつつありました。
それからどれくらいの時間が経ったのか……客室の後方にあるトイレの前で一人の男がトイレのドアを何度も叩きながら叫んでいました。スチュワーデスが男の話を聞いてみると、どうやらトイレの中にいる人物が先ほどから何度呼びかけても全く反応がないというのです。
不審に思ったスチュワーデスがトイレの鍵を開けて中に入ってみると…そこにはいつの間にか姿が見えなくなっていたニット帽の大鷹和洋が、口から泡を吹き、崩れ落ちるようにしてトイレの壁に仰向けに凭れかかっていたのでした。
慌ててスチュワーデスが医者を探すために機内にアナウンスをしますが、その時急な騒ぎを不審に思った乗客の一人が警察手帳を見せながらスチュワーデスに事情を聞いてきたのです。
恰幅のいい体格に相変わらず頭にはトレードマークの帽子を被った警視庁の鬼警部・目暮十三は、スチュワーデスの話を聞き直ちに大鷹の発見されたトイレへと向かいますが、その警部よりひと足先にそこにいたのは……
青い部分が禁煙席・オレンジ部分が喫煙席
事件当時喫煙席は無人で、トイレに行ったのは
立川、天野、鵜飼、エドワードの四人だけ(新一が確認)
【ジェット機前部】
通 路 |
通 路 |
||||||||||
エド | |||||||||||
鵜飼 | 大鷹 | 天野 | 立川 | ||||||||
鷺沼 | |||||||||||
一般 | 一般 | 一般 | 一般 | 一般 | |||||||
新一 | 蘭 | ||||||||||
喫 | 煙 | 席 | 喫 | 煙 | 席 | ||||||
通 路 | |||||||||||
トイレ | トイレ | ||||||||||
トイレ | トイレ |
【ジェット機後部】