(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
(注) この作品は184「呪いの仮面は冷たく笑う」をご覧になってから観た方がより楽しめます
(「呪いの仮面」に出てきた登場人物が再登場しているため)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 沖野ヨーコ 那智真吾 有森光行(32) 子門しのぶ(27) 下笠美奈穂(21) 下笠穂奈美(21) 城元英彦(46) 備前千鶴(30) 宮部耕太(35) レイカ 水戸光一(33) 刑事A 検死医 鑑識員 警官 有森テルヒコ |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 人気アイドル、新曲「WATER LILY」発売 二枚目俳優 ホテル有森 支配人 ホテル有森 シェフ ホテル有森 従業員 ホテル有森 従業員 宿泊客、実業家 宿泊客、女優で城元の妻 宿泊客、千鶴の所属する芸能プロ社長 千鶴と同じ事務所に所属する若い女優 長野県警 刑事 長野県警 刑事 検死官 鑑識員 長野県警 警察官 有森光行の弟 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 声の出演なし 声の出演なし 鳥畑洋人 水谷優子 長沢美樹 飯島京子 福田信昭 沢海陽子 田中亮一 声の出演なし 田中正彦 千葉一伸 長嶝高士 小西克幸 井上隆之 声の出演なし |
美味いビールのためなら何処にでも飛んでいく─今回小五郎、蘭、コナンの三人が向かう〈ホテル有森〉のあるこの辺り一帯も、美味い地ビールを出すことで有名でしたが、ビールがあるかどうかに関係なく、緑豊かな美しい眺めは蘭とコナンの期待を高まらせるには充分でした。
〈ホテル有森〉に到着すると、フロントで三人を出迎えたのはホテルの支配人の有森光行。そしてあの呪いの仮面事件で知り合った双子の姉妹下笠美奈穂・穂奈美の二人も従業員として小五郎たちを出迎えたのです。
それからホテルにはレジャーランド開設の視察もかねて休暇を楽しみに来たという実業家の城元英彦と、その妻で有名な女優の備前千鶴もやって来ますが、この備前千鶴がやって来たことで、ホテルの中はそれまでの和やかな雰囲気は一変して急に重苦しい雰囲気になります…。
千鶴はホテルに到着するなり、ホテル一帯を「山奥」呼ばわりしたかと思うと、夫の城元とは別の部屋にするように要求。それからエレベーターのないことに不満を漏らしながらフロントを去り二階の部屋へと向かっていったのです。テレビや映画のイメージとはまるで違う彼女の傲慢な態度に蘭やコナンもガッカリさせられると同時に呆れるばかりでした…。
小五郎たちは、その後支配人の有森から気分転換に冷たいハーブティーでも飲んではどうかとレストランへ向かうことを勧められ、そこでホテルの専属シェフ・子門しのぶと出会います。
彼女はシェフとして活躍するだけではなく、このホテルのレイアウトから内装までをすべてデザインしたホテルになくてはならない人物で、ゆったりとした雰囲気の中でこの土地ならではの食材を使用した美味しい料理を存分に楽しんでいってもらえればと小五郎たちに挨拶。小五郎たちはいやが上にも夕食への期待が膨らんでいくのでした。
そしていよいよ夜になると小五郎は待ちに待った地ビールを、そして蘭とコナンも美味しいスープに大満足の様子でした。
ところがそんな楽しい晩餐も、再び備前千鶴の一言によって気まずい雰囲気に一変してしまいます。
千鶴はしのぶの作ったスープを「こんな不味いスープ初めてだわ」とけなすと作り直すように要求。一方ひどい侮辱を受けたしのぶも憤然としながら千鶴に食ってかかります。何とか支配人の有森が間に入りその場を収めますが、小五郎たちもそんな千鶴の気の強さにただ圧倒されるばかりだったのです…。
そしてそれをきっかけとしてレストランでは更にひと騒動持ち上がります。城元がレジャーランド開設の話を小五郎に切り出すと、ホテルの支配人の有森はこの一帯の高原に生息する珍しい蝶や高山植物の保護を訴え始め…環境保護についてはお金で解決すればいいという千鶴の一言から今度は城元と千鶴の離婚話が持ち上がり…更に今度は慌ててレストランに駆け込んできた千鶴の所属する芸能プロ社長の宮部耕太が、千鶴に映画の役を降りるように説得を始めたのです…
宮部が言うのには、今回千鶴に役を降りてもらいたいというのはスポンサーたっての意向らしく、昨年デビューしたばかりの同じ事務所に所属する若い女優のレイカの起用を希望しているというのでした。
そのことを知らされた千鶴は、ひどくプライドを傷つけられたらしく…「みんな自分がいなくなればいいと思っている。それなら死んでやるわ」と言い残し、レストランから去っていってしまったのです……。
そして次の日の朝9時、一同は朝食をとるため再びレストランに集まりますが、どうやらまだ千鶴の機嫌は直っていないらしく、レストランには姿を見せたものの皆の顔を見るなり不機嫌そうにしながらすぐに自分の部屋へ戻っていってしまったのでした。
結局彼女の頭が冷えるまで、夫の城元と芸能プロ社長の宮部は釣りに行くこととなり、一方蘭とコナンはコナンの学校の宿題の写生も兼ねて山頂の高原に行くこととなります。
そして小五郎はというと「大切な使命」があるらしく…小五郎の代わりに支配人の有森が蘭とコナンを車で送り迎えしてくれることに、そしてシェフのしのぶも休息をとることを小五郎から勧められて蘭たちに付き合うこととなったのです。
結局ホテルには二階の部屋に閉じこもってしまった千鶴を除くと、有森からマスターキーを預かり留守番を買って出た小五郎と美奈穂・穂奈美姉妹が残り、城元と宮部は釣りのため車で15分くらいの所にあるという湖に、蘭とコナン、有森としのぶの四人は山頂の高原に向かうことになったのでした。
午前10時に、しのぶの運転する白い乗用車で高原に向かったコナンは、10時50分に高原に到着。到着するなり蘭とコナンは、山頂から見下ろすことのできる美しい景色に心を奪われます。
山頂には色とりどりの高山植物が風に揺られながらきれいな花を咲かせ、蜜蜂やてんとう虫などの昆虫たちも元気に羽根を羽ばたかせていて、一方上空を見上げると青々とした空は今にも手が届きそうなくらい近くに感じられるのでした。
そして蘭のそんな言葉を耳にした有森は、ギリシャ神話のイカロスの話を思い出したらしく、その話─翼を持ったイカロスが、高く上がり過ぎてはいけないという父親の忠告を忘れて、太陽まで上がっていけると信じてどんどんと高く舞い上がり、最後にはイカロスの翼は太陽の熱さに耐え切れずに焼かれ…翼を失ったイカロスは天からまっ逆さまに墜落していってしまった…という悲しい物話を、蘭とコナンに話して聞かせてくれたのです。
一方ホテルのロビーでは、美奈穂・穂奈美姉妹が掃除をする中で小五郎が「大切な使命」を着実に実行に移している所でした。そして12時半過ぎに弁当を忘れたと言って城元がホテルに戻り1時半まで小五郎と一緒に昼食を食べた以外は目立った動きもなく、弁当を食べ終えた城元もやがて釣りに戻っていきます。
コナンたちの方もバトミントンなどを楽しみ夕陽に染まる山々の絶景を楽しんだ後、夕方6時過ぎ下山を開始。日もすっかり暮れた午後7時にホテル有森へと到着します。
蘭とコナンがロビーにやって来ると、何とロビーではまだ小五郎が「大切な使命」を実行している最中でした。それから程なくして城元と宮部の二人も大漁の魚の入ったクーラーボックスを抱えながら満足そうにホテルへと戻ってきます。
ところが城元が妻の千鶴について訊ねてみると…マスターキーを預かり留守番を引き受けつつも朝からずっとロビーで「大切な使命」を実行していた小五郎の話では、千鶴は何と朝の9時に部屋に閉じこもってしまって以来、夜の7時まで一度も一階には降りて来ていないということでした。それを不審がるコナンだったのですが…
夫の城元は千鶴の我がままに呆れながらも小五郎からマスターキーを預かり、千鶴の部屋に彼女を起こしに向かいます。
ところが城元が千鶴の部屋に向かってみると、中からはドアガードが下りているらしく、ドア越しにいくら呼びかけても返事がないというのでした。
そこで小五郎たちも彼女の部屋まで駆けつけ、ドアを打ち破り中に入っていったのですが……
例の双子キャラが再登場したことを受けてのコナンの発言。この二人、相変わらずステレオで台詞を聞かせてくれます。小五郎と一緒に沖野ヨーコのビデオを見ているシーンは微笑ましくて何か好きですね。
知り合いの紹介でホテル有森にやって来たらしいのですが、その知り合いというのは最後まで明かされませんでした。結構印象深いキャラでしたが、今後また再登場はあるのでしょうか?
これも「呪いの仮面」でもあったシーン。すごい鼾かいていますね(苦笑)
その一 その二 その三 |
沖野ヨーコの新曲プロモーションビデオを見て歌詞を完璧にマスターする |
何とあの伝説の二枚目俳優が今回再登場を果たしています。最初に登場したのは21「TVドラマロケ殺人事件」ですから4年の歳月を超えての再登場。彼の二枚目ぶりの密かなファンだった私としては正直もう感動モノですね(笑)
水戸光一刑事が登場しましたが、その推理力や冷静な判断力にはコナンも関心させられたたほど。かなり優秀な刑事です。
前編のNEXTコナンズヒントは「風」ですが、次回予告で「風」とコールされる時、今回は何かが起きます(笑) 詳しくは自分の目でお確かめ下さい。
イカロスとはギリシャ神話に登場する人物の名前。クレタ島の王の不興を買って幽閉されますが、蝋で固めた鳥の羽根を両手に持って飛び立ち、空を飛んで見事に脱出に成功します。
ところが調子に乗りすぎたイカロスは雲より高く飛びすぎ…、蝋で固めた翼が太陽の熱で解けてしまい、敢え無く墜落して命を落としてしまった…という神話のがこの神話の簡単なあらすじです。
これを元にして作られた「勇気一つを友にして(リンクは音が出るので注意!)」という歌はNHKの「みんなのうた」でよく流れていました。
詳しくはフリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを参照下さい。
沖野ヨーコの最新シングル。TMSレコードより発売中。
長野県から山梨県の本州中部の亜高山地帯に生息している白色半透明の蝶々で別荘やキャンプ場などの乱開発により生息数が減少の一途とたどり、天然記念物に指定されています。