(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 鈴木園子 京極真 美濃宗之(62) 宗之の娘 美濃素夫(31) 笠間菊代(29) 菊右衛門 未亡人 監察医 鑑識 警官 主婦A 主婦B |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 杯戸高校空手部主将 美濃宗之の娘、素夫の妻 陶芸家 会社員、美濃宗之の婿養子 美濃宗之の助手 本名土屋万吉、人間国宝の陶芸家 蘭の想像シーンで新一と一緒だった未亡人 監察医 鑑識員 警察官 陶芸教室の生徒 陶芸教室の生徒 |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 声の出演なし 茶風林 高木渉 松井菜桜子 声の出演なし 青野武 黒崎彩子 星野充昭 佐久間レイ 声の出演なし 百々麻子 山野井仁 千葉一伸 菅原淳一 園田恵子 橘U子 |
ある日の日曜日、園子が通う陶芸教室に一緒に行くことになった蘭は、授業が始まると真剣な表情で茶碗と向き合っていました。
しかしそもそも蘭がその陶芸教室に参加することになったのにはある理由があったからでした。
三週間前─学校へ向かう途中、園子から彼女が京極真にプレゼントする予定の湯飲みを見せられた蘭は、園子の京極が「優しいのをいいことに変な女につけこまれやしないか心配」しているという言葉を耳にして、思わず新一が事件解決の際に夫を亡くした未亡人から言い寄られる場面を想像して絶句してしまいます…。
湯呑みなら毎日使うこともあり、プレゼントすればその湯呑みで自分のことを思い出してくれる…そう考える園子の気持ちが理解できた蘭は、自分も新一にプレゼントする湯飲みを作ろうと、その日園子にくっついて陶芸教室にやって来ていたのでした。
蘭が真剣な面持ちで湯飲み茶碗と向き合っていると、そこへ教室の先生である美濃宗之がやって来て、蘭の作った湯飲みの出来栄えを褒めてくれます。もっとも蘭がその後に湯飲みに書いた文字を見た宗之は、「その意味」が分からずに戸惑っているようでしたが…。
そしてそのことを聞きつけた園子は、新一に対するメッセージでも書いたのかと、興味津々な様子で湯飲みを覗き込もうとしますが、蘭は照れながらそれを隠してしまったのです。そして園子に絶対に見ないようにと釘を刺すのでした…。
一方コナンはというと、今回に限っては二人にくっついて行くことはできませんでしたが、しかし陶芸教室に向かった蘭のことが余程気になったらしく、隠れてこっそりと様子を覗いていたのです。しかし運悪く関係者に見つかってしまい…
それから陶芸教室は和やかな雰囲気で楽しく進んで行きますが、一人の人物の出現によって俄かに雲行きが怪しくなってきます。
その人物とは美濃宗之の娘婿・美濃素夫で、彼は家に戻るなり宗之の教室の手伝う準備をすると言って物置部屋に向かうと、そこで何と宗之の助手の笠間菊代と仲良く話し始めたのでした。
どうやら二人は素夫の妻、即ち宗之の娘が事故死してこの世を去る以前から不倫の関係にあったらしく、宗之に対しても早く死んでくれれば財産が自分に入るのにと、とても義理の父親に対する言葉とは思えない悪口を次々と並べ始めたのです。背後でその様子を殺気走った表情を浮かべて宗之が見ているとも知らずに……
しばらくして─教室では、まだ園子が蘭を相手に蘭の湯飲みに書かれた文字を見ようと必死に食い下がっている所でした。しかしそこへ遠くの方から陶器の割れるようなガシャンという音が聞えてきて、二人のバトルはいったん休戦となります。
そして菊代や蘭たちは、慌てて音の聞えた物置部屋へと様子を窺いに行きます。すると物置部屋では、宗之がしゃがみ込んで床に落とした皿の破片を拾い集めている所でした。
滑って落としてしまったというその茶碗の処理を蘭や菊代に任せてそれが無事に済むと、その時は何事もなくそのまま一同は教室へと戻っていきます。
それから教室に戻った一同は再び茶碗作りに精を出し始め、その途中誤って指を傷つけてしまった宗之の手当てをするために菊代が物置部屋に救急箱を取りに行った以外は、別段何事もなく授業は進んでいきます。
ところが気がついてみると、先ほどから素夫の姿が全然見当たらないことに一同は気づきます。そこで部屋という部屋中を捜し始めますが、彼の姿は結局どこにも見当たりませんでした。
そんな中で最後に残ったのは、先ほど宗之が皿を落とした物置部屋でした。先ほど菊代が救急箱を取りに行った時には誰もおらず、隠れられそうな所も部屋の中にある戸棚くらいで、この部屋もどうやら望みが薄い…と誰もが思ったその時でした。
戸棚の下の床との境目付近から、先ほどは見られなかった黄色いエプロンの端が覗いていたのです。頭隠して尻隠さずとはまさにこのこと、そう思いながら宗之が戸棚の扉を開けてみると……