(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 黒木次郎(28) 早河静山(70) 山本典子(35) 山本健一 大松巡査長 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 静山の弟子 日本画家 早河家 家政婦 典子の息子 駐在署勤務の警察官 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 田中一成 依田英助 神代知衣 嶋方淳子 岡和男 |
創作のイメージが湧かずその焦りからか指先が震えるようになり、食事もあまり食べず情緒も不安定で急に怒り出したり、逆に押し黙ったり…ついには自殺を図ったことも…そんなひどいスランプに悩むという日本画家・早河静山を少しでも励ましてもらおうと静山の弟子・黒木次郎の招きで本湯駅付近に住む早河静山の邸宅を訪れた小五郎、蘭、コナンの三人。
旅の途中、本湯駅の駅名を見て旧友・静山のことを思い出して電話をしてきた小五郎がそんなこと依頼されたのも、小五郎が静山がまだ東京にいた頃の飲み仲間で、昔は酔った勢いで座興で絵を描いてもらっていたほどの親しい間柄だったからでした。
早河静山邸の近くまで来ると、邸宅の周りは霊験あらたかで青々と生い茂った竹林に取り囲まれ、ウグイスの鳴き声もする情緒豊かな風景が広がっていました。
そして蘭が鳴き声のした方に視線を移してみると、そこには竹林の中で一人竹林のスケッチに勤しむ静山の姿が。
─「友あり、遠方より来る、また楽しからずや」─突然の旧友の来訪を論語を引用して喜ぶ静山。老いてますます盛んと、聞いていたよりは元気そうな様子。
しかし情けない姿を見せまいと必死に芝居しているのだと、黒木は悲しい表情で小五郎たちにも気を遣うように悟らせます。
皆が戸惑いを隠せない中、また先ほどのウグイスなのか、今度は「ウグイスの谷渡り」を鳴きながら竹林の中を飛んでいきます。警戒している時の鳴き声だという静山。そして「この竹林はウグイスにとって犯してはならない神聖な場所」だからと早く立ち去るよう皆を諭し、一堂は静山の邸宅へと向かいます。
家の門の前まで来ると、そこには通いの家政婦の山本典子が箒を手に掃き掃除をしている所でした。静山はお客さんに何か上手いものをもてなすように命じますが、子供嫌いなのか仕事場を荒らされたくないのか、典子の息子・健一が家にいるのを見て怒りを露わにします。
典子の母親が急病のため仕方なくという典子の言い訳にも、子供は連れてきてはいけないと言ってあるはずだと、厳しい口調で咎めるのでした。
夜になると辺りは雨模様に変わり、邸宅の中には小五郎たちと静山が和やかに酒を嗜みながら談笑する姿がありました。
部屋の中には富士山を描いた静山の美しい風景画が飾られ、小五郎たちは自然と絵の話で盛り上っていきます。静山の弟子・黒木の絵も静山の水墨画とは違ったカラフルな色使いが素晴らしくぜひコンクールにでも応募すればと小五郎は褒めますが、師である自分が笑われる、まだまだ未熟であると、師としての厳しい言葉が返ってきたのでした。
やがて楽しかった宴もお開きということになり、翌日は皆で海釣りに出かけようという約束をして小五郎たちも床に就きます。
その翌日雨も上がって暑くなり絶好の釣り日和となりますが、家政婦の典子は母親の看病に忙しく、静山は黒木に家でのんびりすると伝えてきたらしく、結局小五郎たち三人と黒木がこれに参加することになります。タコや魚などを釣り上げ楽しい一時を過ごしていたのですが…
しばらくすると黒木の下に一本の電話が。家政婦の山本典子からで、どうやら静山が書置きを残して姿を消したのだといいます。「もう描けなくなった。世話になった。ありがとう…」─静山のことを心配した黒木と小五郎はすぐに引き返し、心当たりの場所を捜しますが、昨日出会った竹林の中にいるのではと中に入っていくと……
「友あり遠方より来る、また楽しからずや」それから「人知らずしてうらみず、また君子ならずや」と続く「論語」第1巻の冒頭の有名な一節。昔から久しぶりにやって来た友人を歓迎する時によく引用される言葉です。
鶯(ウグイス)はスズメ目ウグイス科の小鳥。主に山地帯の低木林に生息。雄は全長16センチメートルほど、雌はやや小形。背部は緑褐色、腹は白色。アジア大陸東部、日本・台湾などに分布。日本では留鳥または漂鳥。鳴く声が美しく、古くから飼い鳥として珍重されたが、現在は許可が必要。春を告げる鳥として有名
そして「鶯の谷渡り」とは、鶯が谷を飛んで渡ること。また、そのときの鳴き声。枝から枝へと飛び移ることをいい、春の季語でもあるそうです。鳴き声は「ケキュケキョ」という感じ。ちなみに「ホーホケキョ」はメスに求愛したり雄同士が縄張りを主張する時に鳴く声だそうです(gooの国語辞典検索─三省堂提供「大辞林 第二版」より)
フランス語で超現実主義(surréalisme)。理性の支配をしりぞけ、夢や幻想など非合理な潜在意識の世界を表現することによって、人間の全的解放をめざす二〇世紀の芸術運動。ダダイスムを継承しつつ、フロイトの精神分析の影響下に1924年発刊されたブルトンの「シュールレアリスム宣言」に始まる。画家のダリ・キリコ・エルンスト、詩人のアラゴン・エリュアール・滝口修造らが有名(gooの国語辞典検索─三省堂提供「大辞林 第二版」より)