(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 鈴木園子 山村刑事 京極真 明石寛人(32) 明石巌夫(65) 明石寛人の妻 警官A 警官B |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 群馬県警のヘッポコ刑事 杯戸高校空手部主将 テニスインストラクター 寛人の父、屋敷の主 明石寛人の妻、3年前他界 群馬県警の警察官 群馬県警の警察官 |
高山みなみ 声の出演なし 山崎和佳奈 神谷明 松井菜桜子 古川登志夫 声の出演なし 檀臣幸 飯塚昭三 声の出演なし 千葉一伸 大西健晴 |
見たいけど見せたくない複雑な心境のコナン(新一)と、ムチムチの女子大生と聞いて浮かれる小五郎─。そして園子の極秘計画─。それぞれがそれぞれ違う思惑を胸に秘め、蘭も含めた四人が向かった先は、鈴木財閥のご令嬢・園子の実家が所有するという軽井沢の別荘。
そして四人が乗る車を運転するのは相変わらずのレンタカー生活から今も抜け出せないでいるご存知名探偵毛利小五郎…。
またまたありふれたパターンかと思いきや、今回はどうも違った様子…まずコナンは風邪気味で喉をやられて起きているのも辛い状態でした。
そのような状態のコナンでしたが、園子のことだからまたどうせロクでもない計画を企てているのでは…という疑いがついに頭から消えず、病身を押して蘭たちについて来てしまったという訳です。
そして園子の極秘計画─今回もまた自らが男ゲットを目指す作戦かと思いきや…何と今回は蘭に生パンをはかせ、テニスコートにいる男たちとのツーショットを撮り、それを携帯メールで新一に見せて焼きもちを焼かせるという、コナン(新一)にとっては見たいけど見せたくない…、複雑で微妙な計画なのでした。
今回は珍しく車の故障もなく、「何事もなかった」かのように無事に現地に到着した四人。
しかしその四人を待っていたのは、雨に濡れて人気のない無人のテニスコート…。ムチムチの女子大生も、蘭の生パン計画も、全ては雨にきれいさっぱりと流されてしまい…残されたのは愕然とする小五郎と園子の落ち込む姿のみ。そして嬉しいような、悲しいような…またしても複雑な心理状態のコナン(新一)…
人っ子一人いないかと思いきや、雨に濡れたコートの中には傘を差し、一人で遠くを物悲しげに見つめる30代前半の若い男が佇んでいました。
話を聞いてみるとその男は近くに住むテニスのインストラクターで、このテニスコートで自分の妻と初めて出会ったことを告白します。そしてそのことを思い出していたというのですが…
その男と別れた四人は、なぜか雨も激しくなってきた川岸で魚釣りをすることに。そしてそこで彼らを待ち受けていたものは……
陽が暮れ夜がやっ来ると付近一帯は人家もまばらで文字通り真っ暗闇の状態。そしてなぜかその暗闇の山間を彷徨う小五郎たち四人…。道も分らず途方に暮れる四人でしたが、捨てる神があれば拾う神もあるものです。しばらくすると闇夜の中に一筋の光が……どうやら山奥にポツリと一軒だけ建っている民家のようでした。
これでようやく落ち着ける…疲れの色を隠せない表情の小五郎がその家のドアをノックすると、ドアはゆっくりと開いていき、そして中から姿を現わしたのは…
小五郎たちが家の中に入ると、偶然とは恐ろしいもので、何と昼間にテニスコートで出会ったあの若い男が再び四人の目の前に姿を現わします。男の名前は明石寛人といい、年老いた父親とともにその家に住んでいるということでした。
家の中でとりあえず落ち着くことができた小五郎は安心して気持ちに余裕ができたからか、ふといい匂いが部屋の中を充たしていることに気がつきます。胃袋を刺激するようなあの香ばしいカレーの匂い─小五郎その言葉を聞いた明石寛人は、夕べ作ったものだが、もしよければぜひ食べていって欲しいと四人にそのカレーを振舞います。
ピリ辛具合がたまらない、レストラン並の味付けだ、と大絶賛の小五郎。他の三人にもどうやら好評のようでした。そして満足している様子の四人の客人を残し、明石寛人は二階で休んでいるという父親にもカレーを運んでくると言い残してその場を立ち去りますが……