名探偵コナン384「標的は毛利小五郎」

(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)

タイトル
File384 標的は毛利小五郎
英題
The Target Is Mouri Kogoro !
放映日
2005/1/17
原題
TVオリジナル
ジャンル
サスペンス
事件現場
Barレモン~毛利探偵事務所~クリーニング小川~矢野総合病院屋上~米花湖
管轄
東京警視庁捜査一課(目暮警部)
登場人物
江戸川コナン
毛利蘭
毛利小五郎
目暮警部
佐藤刑事
高木刑事
浮田博司
井上
木村
吉田
田中
木村の妻
クリーニング店店主
北田
本編の主人公、正体は工藤新一
本編のヒロイン、新一の幼なじみ
蘭の父親で私立探偵
警視庁捜査一課警部
警部補、目暮の部下
巡査部長、目暮の部下
窃盗犯
バー〈レモン〉のバーテン
バー〈レモン〉の客、コートと携帯の持主
バー〈レモン〉の客
バー〈レモン〉の客
木村の妻
〈クリーニング小川〉の店主
蘭の隣りのクラスの男子
高山みなみ
山崎和佳奈
神谷明
茶風林
湯屋敦子
高木渉
千葉一伸
川津泰彦
???
???
???
???

宮田浩徳
声の出演なし
(注)ネタバレになるため一部伏字になっています
あらすじ
「隠れていたんじゃ、奴を止めることはできねーんだよ…!」

 ある夜のこと、小五郎は最近見つけたというバー〈レモン〉で、マスター特製の激辛チーズを肴にしこたま酒を飲み明かし、上機嫌な様子で帰り道をフラフラと歩いていました。バーの店員の井上が心配してタクシーを呼ぶことを勧めたほどのひどい泥酔ぶりでしたが、小五郎は「大丈夫」だからとその申し出を断って帰路に着きます。

 ところが小五郎が暗闇の中、工事中を知らせるライトの光だけが淋しく灯る人気の少ない通りへと差し掛かった時…頭上から何か大きな金属音がしたかと思うと、突然横にそびえ立つ工事中のビルから鉄パイプが小五郎の目がけて落下してきて、大地は激しい音と地響きに見舞われたのでした!

 突然の災難に酔いも一気に吹き飛ぶほど驚いた小五郎でしたが、探偵として日頃から培ってきた持ち前のフットワークを活かして、地面を転がった際に多少の擦り傷は負ったものの何とか間一髪の所で鉄パイプを避け事なきを得たのです…

 探偵事務所に戻った小五郎は、蘭から傷の手当てを受けながら工事責任者の不注意に憤りを隠せない様子でいました。ところが、程なく小五郎のスーツの中の携帯電話が鳴り始め、驚くべき事実が発覚したのです。

 ─「次は失敗しない…。今度こそお前を殺す…」

 受信した携帯メールにはそのように書かれており、何と鉄材の落下は偶然の事故ではなく、何者かが故意に小五郎殺害を狙って引き起こしたものだと判明したのです…!!

 それを知り蘭はひどく驚きますが、小五郎の方はというと意外と冷静な様子。探偵として数々の事件を解決してきた小五郎であれば、恨みを買うようなことを自分はしていないとしても、逆恨みをされることは充分に考えられるため、その線から犯人を探し出せばよい…犯罪には必ず動機があるものだと、得意そうに話し始めたのです。

 しかし、事態は更に複雑な様相を呈し始めます。実は小五郎がバー〈レモン〉から着て帰った上着が実は「木村」という名前の人間のもの、まったく見ず知らずの他人のものであることが分かったからでした。

 とすれば、当然スーツの中にあった携帯電話もその「木村」氏のもの…そしてメールも当然「木村」氏に向けられたものであり、つまり小五郎はバーからの帰り道、上着を間違って着て帰ってしまったために「木村」氏と間違われて襲われただけだったのです…

 その翌日、小五郎たちは上着を間違えたと思われるバー〈レモン〉へと向かい、コートと携帯の持主である「木村」氏についてバーテンの井上から話を聞きます。
 しかし井上の話によると、「木村」というのはここ1ヶ月ほど前から来るようになった客らしく、ボトルキープの札に書かれた名前ではじめて名前を知ったぐらいで、詳しいことは全然分からないというのでした…

 その一方で小五郎の上着と携帯を持っているはずの「木村」氏からも未だに連絡も来ず、また高木刑事の調べでは、「木村」という名前で事故や事件に巻き込まれたという事実もなく…

 そんな膠着状態の中、犯人が小五郎を「木村」と勘違いしたまま再度犯行を繰り返すことを怖れて、蘭は警察にガードしてもらうように高木刑事に依頼しますが、小五郎は子供の言う事を真に受けるなと、全く取り合おうとしませんでした。

 そうこうしているうちに今度は佐藤刑事が探偵事務所を訪れて、昨晩の鉄パイプの落下事件に目撃情報があったことを伝えに来たのです。

 その情報はというと…それは近くに住む学生の証言で、その学生は昨晩鉄パイプの落下直後に現場を走り去る男を目撃したらしいのですが、顔は残念ながら暗闇の中でよくは見えなかったものの、右ひじに火傷の跡のような傷があったことを記憶していたというのでした。

 それから小五郎の事を心配する蘭に背中を押されるようにして、小五郎は自らの手で「木村」氏の消息を辿り始めます。

 ところがそんな矢先、クリーニング店の店先で聞き込みをしていた小五郎たちの目の前に、大型トラックが突っ込んできて…しかもその運転手の右ひじには、昨晩目撃されたという火傷の跡が……!!!

今回の見どころ
小五郎イヤー開幕

 最近発見したバーでしこたま酒を飲み、すっかりゴキゲンの小五郎を突如襲った工事中のビルからの鉄パイプの落下という事件。どうやら小五郎がバーで”木村”という客のコートを間違って着て帰ったために誤って狙われてしまったということのようでした。

 かろうじて難は逃れたものの、その後も小五郎を”木村”と勘違いしたと思われる犯人の魔手が忍び寄り…

 小五郎の身を案じる目暮警部たち警察をも巻き込み、小五郎と卑劣な犯行を繰り返す犯人との対決をサスペンス豊かに描いた小五郎メインのTVオリジナル・ストーリー。

豆知識
Barレモン (飲食店)

 小五郎が最近開拓したというバー。井上というマスターの作る激辛チーズは絶品らしく、最近辛いものがマイブームだったという小五郎は、チーズを肴に酒を飲みすぎて前後不覚に陥ってしまったほどでした。

週刊ヨンデー (本・雑誌)

 小五郎が鉄材落下をかろうじて避けた後、事務所に戻り蘭から手当てを受けていた際にコナンが読んでいた雑誌の名前。

 元ネタは説明するまでもないかと思いますが、コナンも連載されている小学館の漫画雑誌「週刊少年サンデー」でしょう。

Special Reverb、山侍 (酒)

 小五郎が飲んでいたバー・レモンにあった酒の名前。山侍は田中という名前の客の、Special Reverbの方は木村という名前の客がキープしていたボトルの名前でした。

 ”Reverb”の方は名前とラベルからして、サントリーのReserveが、”山侍”の方は同じくサントリーの山崎が由来かなと想像されます。

クリーニング小川 (サービス業)

 携帯電話で脅迫を受けた小五郎が再び襲撃を受けた場所。結果この店はとんでもないことに…

矢野総合病院 (病院)

 二度の襲撃を受けた小五郎は、この病院の屋上で目暮警部たち警察を前にして、姿を見せない犯人に堂々と立ち向かうことを宣言。久々にハードボイルドな小五郎を見ることができました。

米花湖 (自然)

 今回の「標的は毛利小五郎」のクライマックスのシーンとなった舞台。緑も豊かで米花市内にはこんな美しい湖まであるとは驚きですよね。

NEXTコナンズヒント
レクイエム
コント
コナン「コナンは突入10年目!」
蘭「今年は何か起きるわよ!」
コナン&蘭「みんなで応援してね!」
OP
START」(愛内里菜)
ED
忘れ咲き」(GARNET CROW)
監督
佐藤真人
脚本
大野武雄
絵コンテ
三家本泰美
演出
三家本泰美
作画監督
村中ひろび/サブキャラクターデザイン 佐々木恵子
ビデオ
PART13-10
DVD
PART13-10
評価

■以下ネタバレつき感想■
(未見の方はご注意下さい)

感想
評価 ★★★

 この年2005年に公開される映画第9弾「水平線上の陰謀」が小五郎メインということもあって、新年第1回目はそれに合わせるかのように小五郎がメインの作品でスタートしました。
 今回はアニメオリジナルで30分の単発ものでしたが、細かい所をつつけば?な部分もありましたが、それなりに楽しめる作品だったかと思います。

 今回は人違いで小五郎が狙われていると思わせて、実は小五郎が真の標的だったという訳ですが、それだけ手の込んだことをした理由というのが、人違いと思わせることにより、犯人と被害者を結びつける接点を見つけることを困難にさせ、より自らの犯罪をカムフラージュしやすくさせるというものでした。

 どうでしょう、これはこれでなかなか面白い手法だとは思いますが、それだけに念入りに犯罪を計画した割には、小五郎(実際は人形)を狙撃したライフルを自分の車のトランクに積んだままで現場に舞い戻ってきたりしているのは、ちょっとお粗末なような気もしますね。

 とはいえメインの小五郎はカッコいいシーンもあればいつものようにドジばかりという面も見せてくれて、キャラクターとしての魅力が前面に出ていましたし、またゴキブリを追いかけ、それに向かって話しかけているのを、ロッカーの中に隠れて聞いていた犯人が”見つかった”と思って出てきたシーンはとても可笑しかったですし、今回は脇役気味だったコナンも小五郎への突っ込みは冴えていたと思います。

 やはり小五郎とコナンが協力(?)して事件を解決するというのが一番無理がない気がしますし、見ていて楽しいですし、ホッとします。

 ストーリーの展開もスムーズでテンポもよく、見ていてイライラしたりもしなかったですし、犯人の間抜けぶりはちょっと気にはなりましたが、オリジナルとしては及第点をあげてもいい出来栄えだったと思います。

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