(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 横溝警部 横溝重悟 国友淳大(56) 国友安栄(42) 関口俊道(43) 赤塚賢造(50) 綿引勝史(28) 先崎茂子(52) 先崎波花(28) 防犯システムの声 刑事 綿引の弟(28) |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 静岡県警警部 神奈川県警警部、横溝警部の弟、貧乏性 国友家当主 国友家当主夫人 セキュリティ会社社長、安栄の友人 国友家執事、几帳面な完璧主義者 国友家運転手、潔癖症 国友家ハウスキーパー、先端恐怖症 国友家シェフ、高所恐怖症 セキュリティシステムの声 神奈川県警刑事、横溝重悟の部下 綿引勝史の弟 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 大塚明夫 大塚明夫 納谷六郎 幸田直子 内田直哉 富田耕生 石田彰 中西妙子 氷上恭子 きのしたゆうこ 千葉一伸 石田彰 |
悪霊の呪いを解いて欲しい─その日毛利小五郎のもとに舞い込んだ依頼は何とも奇妙なものでした。そのような依頼であれば神父か霊媒師にでも頼めばいいはずでしたが、それは先方も承知のこと。既に試してみたものの一向に効果がなかったらしく、そこで心霊現象を科学的に解明してもらおうと、名探偵の小五郎に白羽の矢が立てられたというのです。
事の発端は依頼人の資産家として有名な国友家の当主・国友淳大が見た悪夢からでした。約2年前のこと、淳大は「呪いだ…殺される」とまるでこの世のものとも思えない奇怪な声をあげ、執事が様子を見に行ってみるとまるで死人のように真っ青な顔をしていたというのです。
そしてその半年後には淳大を乗せた車のブレーキが利かなくなり、あわや大事故になる自動車事故が発生し、以来淳大は心臓を悪くし、目は窪み髪もまっ白になってしまったというのです。もっともそれだけならただの悪い夢と偶然の事故にすぎなかったのですが…
”我が目覚める前に罪を悔い改めよ 我は五人目の魂”─それからしばらく経った昨年の正月明け頃、そのように書かれたカードが国友家のポストに投函されていたというのです。
そしてそれを皮切りにその半年後の夜中に突然食器棚が倒れて皿やグラスが粉々になる事件が発生し、更に今年に入って4月のある日のこと、家の者が皆旅行に出かけ淳大と彼の妻しかいないはずの屋敷内から奇妙な音が聞こえてくるという事件が発生…。
まるでポルターガイスト現象のような奇妙な出来事が次々に発生し、さすがにこれ以上放置しておくことはできなくなったというのでした…。
そしてそれらの奇妙な現象、実はすべて曜日はまちまちなものの日にちは決まって”4日”の日に発生しているらしく…しかも明日は何とその10月4日。
そこでその日を前に小五郎は蘭とコナンをお供に連れて、迎えの車で静岡県にある国友淳大の屋敷へと向かうことになったのです。
邸に到着した小五郎たちは、国友家の執事・赤塚賢造の案内で依頼人で国友家当主の国友淳大の部屋のある3階へと向かいます。ところが3階に向かおうと階段を登っていくと目の前に妙な扉がそびえたち、小五郎たちの行く手を遮っていたのです。
その扉、何でも例の奇妙かカードが届けられたことを心配した淳大の妻・国友安栄が彼女の友人でセキュリティー会社社長の関口俊道に頼んで設置したものらしく、扉の出入りは付属の指紋認証機で全て管理され、暗証番号を押した上で右手の人差し指を置くとコンピュータが認証するシステムになっているというのでした。
そして出ることは指紋を登録した人間なら自由にできるものの、入る方はというと指を置くだけで開けられるという主人の淳大以外の者には不可能であり、淳大以外の者が中に入るためには指紋認証した上で呼び鈴を鳴らし、中にいる人間に開けてもらうしかないというのです。
しかももし部外者が指紋を置くと、屋敷中の警報が鳴ってセキュリティ会社の人間が来るようになっているという徹底ぶり…その物々しさに小五郎もコナンもただ呆れるばかりでした。
ところが…そんな厳重なセキュリティシステムを嘲笑うかのように、その夜屋敷では奇怪な事件が発生したのです。
それは小五郎たちが夕食を済ませて部屋に戻ってからしばらく経った後のことでした。部屋に戻ったコナンは、小五郎と蘭を横目に国友邸で起きた5つの奇妙な事件の日付について考えていたのですが、するとそれらの日付の間に”4日”という以外にも奇妙な共通点があることを発見したのです。
何と5つの事件が起きた日、”4日”というだけでなくすべてが”仏滅”という共通点があったのです。
結婚式も旅行も引っ越しも普通は大安を選ぶものであり、その一方で仏滅といえば縁起のよくない日として有名…。しかもよく考えてみると今日は…時刻はいつの間にか0時を回っており、日付は10月4日に変わっていたのでした。そしてその日は偶然にも仏滅で…
再び何かが起きるのか…そう小五郎と蘭が思ったその時でした。小五郎たちの今いる2階の部屋のベランダから大きな物音がし、気になった小五郎とコナンは窓を開けて外の様子を窺います。するとベランダには男物の靴が転がっていたのです。
すぐ上の3階は入り口の扉がセキュリティシステムで厳重に管理されているこの家の主人、淳大の部屋。まさか上の階で何かが…ハッとした二人がベランダの上の方を見上げてみると…
屋敷の中で起きている心霊現象のような奇妙な謎を科学的に解明して欲しい、そう依頼されて静岡県まで出向いた小五郎たち。
屋敷の主の住む3階の部屋は入り口には扉が取り付けられ、指紋認証機で出入りが管理されており、中にいれば安全なはずだったのですが、そのセキュリティシステムを嘲笑うかのように、部屋の中で殺人が起きたのです。
一体犯人はどうやって中に入り、どうやって出ることができたのか? 密室の謎を扱った本格ミステリーですが、それに加えて今回は久々に静岡県警の横溝警部も元気よく登場します(笑)
今回は事件編と疑惑編についてはほぼ原作に忠実に作られており、細かい点でセリフの変更や追加、若干の省略はあっても大きな変更はありません。
目立った所で違う点といえば、国友邸に到着した際に運転手の綿引のボールペンのインクが切れるシーンがあるのですが、その際自分のペンを貸すのが原作では蘭ですが、アニメではコナンになっている点(その後蘭が登場して「コナン君、置いてっちゃうぞ」、そして小五郎が「置いてけ×2」というセリフが追加)、そして先崎茂子の職業がメイド頭ではなくてアニメではハウスキーパーになっている点、第二の被害者が原作では救急車に運ばれて病院で亡くなるのですが、アニメでは屋敷の中ですでに亡くなっていた点が原作とアニメでは異なっています。
それから解決編に入ると若干カットされているシーンがあり、まず48巻のFile7の冒頭の横溝警部がこれまでのことを整理するシーンから国友安栄が自分は知らない、関係ないと取り乱すシーンまでの2ページちょっとがカットされ、更に神奈川県警に電話をかけた後、コナンが恐怖症の4人について一人で考えをめぐらすシーンが1ページほどですがカット、更にFile8から始まる眠りの小五郎の推理ショーですが、これもいきなり始まりコナンが麻酔銃を打ち込むシーンまでの1ページ半ほどがカットされています。
他にも原作の話のうち解決編に該当する部分に関しては、アニメではカットされているセリフも多くあり、かなり圧縮されている感じがします。
暦注の一つで、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種類があります。カレンダーにもよく記載されていますが、特に冠婚葬祭の際には気をつけなくてはいけない暦です。
今回の話では事件の起きた4日がすべて仏滅だったということで登場しましたが、他に今回の登場人物の名前も、この6種類から名字と名前にそれぞれ一文字ずつ使われていることが分かります。
なおこれらの日の意味や順番などについてもっと詳しく知りたい方は、フリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを参照下さい。
今回の事件では六曜に加え、登場人物のそれぞれに恐怖症・不安症などのクセや症状がありました。
几帳面な完璧主義者、潔癖症、先端恐怖症、高所恐怖症、それに貧乏性(笑)、でしたが、他にも対人恐怖症や男性、女性恐怖症、閉所恐怖症、水恐怖症などの恐怖症がよく知られているかと思います。
これらの恐怖症については詳しくはフリー百科事典ウィキペディアのこちらのページを参照下さい。
横浜市西区梅木町にある関口俊道が社長を務めるセキュリティー会社。