(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 灰原哀 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 八木沢浩(34) 大賀則文(36) 大賀美佐子(34) 大賀智也(6) 江口珠恵(32) 藤木弘一(33) 藤木静子(61) 香月栄太郎 香月佐和子(35) 宇田山剛 武井刑事 刑事 鑑識員 クール(2) アネラ |
本編の主人公、正体は工藤新一 黒の組織から来た謎の少女、本名宮野志保 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート クールの飼い主 建築家、1軒目の家の主 大賀則文の妻 大賀則文の息子 イラストレーター、2軒目の家の主 サラリーマン、3軒目の家の主 藤木弘一の母 事件の被害者、4軒目の家の主 被害者の娘 アネラの飼い主 事件を担当する刑事 事件を担当する刑事 事件を担当する鑑識官 ゴールデン・レトリーバー(メス) クールの友達のメス犬 |
高山みなみ 林原めぐみ 岩居由希子 高木渉 大谷育江 坪井智浩 家中宏 荒木香衣 ??? 浅川悠 五十嵐明 野村須磨子 金子達 ??? 篠原剛 花田光 ??? ??? ??? ??? |
とある金曜日の夜いつものように飼い主の八木沢浩とともに散歩に出かけたクールは、宇田山家で飼われているアネラと仲良さそうに挨拶を交わすと、その後も夜の散歩を続けていました。
ところが米花中央地下横断歩道の入口の前まで来た時、突然クールが何かを察知したのか、地下横断歩道の方へと駆けていきます。そしてうなり声を上げるクールを追いかけていた八木沢が地下通路の階段の下を見てみると……何と階段の下には頭から血を流して倒れている男性の姿が…!!
翌日土曜日、探偵団たちは図書館に向かい歩いていた途中、公園横の路上で一枚の紙を拾います。紙はサカエヤクリーニングというお店のセールを告知するチラシでしたが、裏返してみると手書きの地図が描かれていました。
宝の地図か…と思いきや、4つあるバツ印はどれも民家を指していたことから、光彦はひょっとして空き巣が狙っている家を記したものではと閃きます。確かに最近、米花町内で空き巣被害が続いているらしいのですが、そんなの普通はチラシの裏に書かないとコナンは光彦の考えを一蹴します。
ところが想像力は「誰かさん」以上の探偵団たちはコナンの言うことなどまったく聞かず、4件の家に向かい空き巣に注意するように呼びかけることとなり…。
まず1軒目、最初に訪れたのは「大賀」という名前の家でした。建築家をしているという大賀則文とその妻の大賀美佐子、そして二人の間に生まれた大賀智也の三人暮らしで、三人に話を聞いてみると空き巣には入られていないということでとりあえずホッとする探偵団たち。
ところがどこにでもいそうな普通の家庭かと思いきや、妻の美佐子というのが極度のヒステリーで、芝生に入るなとか、タバコを吸うななどと怒鳴り散らした挙句、光彦が見せた地図も変なものを持ってこないでと突き返したのです。
2軒目は玄関前にバラの庭園を持つ「江口」という名前の家でイラストレーターをしているという江口珠恵が一人暮らしをしていました。
珠恵はタバコを吹かしながら探偵団たちの質問に答えたものの、こちらも変わった出来事も特になければ怪しい人も見てないという返事で、コナンが尚も質問しようとすると忙しいからと言ってタバコをポイ捨てし家の中へと去っていってしまいます。
そして3軒目は「藤木」という名前の民家で藤木静子という年配の女性が応対しますが、こちらも怪しい人やおかしな出来事どちらも心当たりがまったくないようでした。
探偵団たちが話を聞いている途中、サラリーマンをしているという藤木弘一が帰ってきますが、彼も同様の返事で更に3軒のうち知っている家はないかという質問にもまったく知らないという答えが返ってきたのです。
それから4軒目の「香月」という名前の家を目指す探偵団たちでしたが、目的の家に到着してみると何と家の前にはパトカーが停まっていて、周囲には中の様子を伺う野次馬たちもたくさんいました。
もう既に空き巣に入られてしまったのかと悔しがる探偵団たちでしたが、コナンが家の周りに集まっていた野次馬の一人に何かあったのかとたずねてみると、何とこの家の主の香月栄太郎は昨晩亡くなっていたというのです…!! 夕べの10時頃、この先の米花街道の地下横断歩道の階段の下で頭から血を流して倒れていたらしいのですが……
そうこうしていると香月家の玄関から事情聴取を終えたと思われる刑事が二人、被害者の一人娘だという香月佐和子に見送られて出てきますが、
すると光彦は地図は空き巣ではなく殺人のターゲットを記したものだとまたしても閃き、帰ろうとする刑事に声をかけ地図を見せようとします。
ところが刑事たちは今忙しい、道なら交番で聞きなさいと光彦をまったく相手にせず……
一方コナンはというと、事件と地図は無関係と言いたい所だが断言できないらしく、とにかく一度見ておこうと元太たちには図書館の公園で待っているように言いつけ自分は事件現場へ向かいますが、その時探偵団たちの背後には、彼らの様子を密かにうかがう黒い影が……。
その後元太たちはコナンが事件現場となった米花中央地下横断歩道の入口を捜索している最中、コナンの言いつけ通り図書館の公園で待機していました。
しかし暑さもあり灰原以外の3人は冷たいものを買おうと館内の自販機に向かいます。するとそれからほどなくしてあの名犬クールが飼い主の八木沢と一緒に姿を見せ…。
クールの愛くるしい素振りに興味を惹かれた灰原は、水を飲むクールに近づいていきます。ところがその一瞬の隙を突き、またしてもあの黒い影がテーブルに置いてあった地図に手を伸ばして……
とある金曜日の夜、散歩に出かけていた八木沢浩とその飼い犬のクールは、米花中央地下横断歩道の階段の下で頭から血を流して倒れている男性を発見します。
そして次の土曜日、探偵団たちは図書館に向かう道の途中で一枚のチラシを拾います。チラシには手書きの地図が書いてあり、4軒の民家にバツ印が書かれていたため、探偵団たちは空き巣のターゲットになっているのではとそれぞれの家に注意を呼びかけることに。
最初の3軒はひとクセもふたクセもある住人たちでしたが、いずれも怪しい人物を見たりおかしな出来事が起きたりはしていないという返事。ところが4軒目の「香月」という家だけは様子が違っており…何と昨晩クールたちが発見した遺体というのが、この4軒目の家の主だったことが分かったのです。
衝撃の事実に驚く探偵団たちでしたが、コナンが現場を見に行っている間は図書館の公園でおとなしく待機することとなります。ところがその休憩中、一瞬の隙を突いて地図を奪おうとする黒い影が現れて…いったいこの地図は誰が何のために書いたものなのでしょうか? そして犯人の正体とは…!?
2006年4月以来、約6年ぶりに第2弾が制作されましたね。前の作品はとても素晴らしかったので、今回も期待大です。基本的には前作と今回の作品は関連はないので、初めての方も問題なく楽しめますよ。
光彦が拾ったチラシはこのお店のものでした。本日から7月31日(火)までクリーニング全品30%OFFのセールをしているようです。
事件の容疑者たちが吸っていたタバコの銘柄。
事件現場近くにかかる橋。地図にも記載されていますが、物語の終盤に実物も登場します。
今回の作品は2006年4月10日に放送されたTVオリジナルの「名犬クールのお手柄」の続編といった位置づけの作品でしたね。もう6年以上前の作品ということであまり覚えていない、知らないという方も多いかもしれませんが、作品自体2つに関連性は特にないので、今回の作品だけ見ても存分に楽しめると思います。
前作は個人的にかなりいい作品だったと感じていただけに今回も期待大でしたが、なかなかにいい出来栄えの本格ミステリーだったと思います。最後のタバコの吸い殻を間違えて捨てるというあたりのプロットは良かったです。口紅と血を間違えるというのも暗闇ならあり得るでしょうからね。そしてその手前に地図を書いた人物とどういう理由でそれを書いたのかを推理させるのも、真犯人当てとの二段構えの推理で楽しめました。
ただ少し残念だったのは、大賀と藤木のキャラクターが結構似ていて、最後どっちがどっちか分かりにくかったことですかね。2回目見直してなるほどと思いましたけどもう少し見た目が違うとパッと分かったのではないでしょうか。
そして何といってもよかったのは、夕暮れの中で探偵団たちが調べてきたことについて発表しつつ議論していたシーンです。ここで元太は容疑者の一人が「(水商売の)クラブ」に勤めていると聞いて「クラブってサッカー部か?」とたずねるのですが、歩美は完全に無視(苦笑)、次の野球部の所もコナンが完全無視で話を続けるのが妙に笑えました。
ところがその直後に元太が放った「もうちょっとで(アメ玉を)なめ終わる所だったのに」というセリフが実は大きなヒントになりコナンが真相に気づく訳ですから、相変わらず「元太あなどり難し」ということで(苦笑)、このやり取りがすごくいい味出していて楽しかったですね。この点も含めて30分モノとしてはなかなかない本格推理だったと思います。