(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 妃英理 目暮警部 高木刑事 千葉刑事 伴場頼太(37) 加門初音(37) 春岡参治(48) 安室透(29) 友人 友人 友人 友人 鑑識 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 蘭の母親、腕利きの弁護士 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 捜査一課刑事、目暮の部下 新郎、小五郎の高校時代の悪友 新婦 客 探偵 パーティーの出席者 パーティーの出席者 パーティーの出席者 パーティーの出席者 鑑識員 |
高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 声の出演なし 茶風林 高木渉 千葉一伸 加瀬康之 山本百合子 沢木郁也 古谷徹 志賀麻登佳 まつだ志緒理 内山夕実 冨樫かずみ 松本健太 |
高校時代の悪友・伴場頼太が結婚することとなり、その前夜祭会場であるRistorante Sundayrinoに蘭とコナンとともにやって来た小五郎。
式が終わればすぐハネムーンでパリに飛ぶことから、仲間内で祝えるのは今夜だけということで新郎新婦の新たな門出を祝ってまずは盛大にクラッカーが鳴らされます。
その後小五郎たちは伴場と彼と結婚する新婦の加門初音の挨拶を受けますが、二人は出会った瞬間から運命を感じたというまさに一目惚れらしく、誕生日も血液型も境遇も同じでたまに黙っていてもお互いの考えていることが分かったりするとのろけるのでした。
とそこで今日が初めてのバイトだという新人ウェイターがケーキを伴場たちのテーブルでひっくり返すミスを犯し、初音が彼に優しい言葉をかけたことから伴場が嫉妬するというアクシデントが発生します。ところが初音は殿方たちの独占欲には付き合ってられないと席を立つと、蘭たちにラブラブな雰囲気を見せつけつつこれからネイルサロンに行くと言い残して店を後にしたのです。
それから伴場は酔っ払ったのかハメを外して会場にいる女性たちを捕まえて大騒ぎしていましたが、初音から来たメールを受信したのとは別の携帯を取り出すと何やら怖い顔で誰かと話をしていました。
その後伴場は電話をすぐに切りトイレに入りますが、入れ替わるようにトイレからはサングラスをかけた怪しい男が出てきて席に座り先ほどの新人ウェイターにバーボンをロックで注文します。コナンは現場の空気にそぐわない怪しい男の姿に不信を抱くのでしたが…
その頃初音はすでに店に戻ってきていて、駐車場に停めた車から外に出た所でした。ところがその直後携帯の着信が鳴り、彼女が電話に出ようとした途端……
一方店内では伴場が飲み過ぎのせいなのか突然新人ウェイターに殴りかかる騒ぎが起きていました。周囲の人たちも心配して彼に声をかけますが、伴場は大丈夫と答えると自分が用があるのは初音だけだと彼女に携帯で電話をかけます。
ところが伴場が今どこかと聞くと「サヨナラ」という声が聞こえたらしく、更に何を言っているんだと彼が問いかけると…突然外から「ボン」という大きな爆発音が鳴ったかと思うと初音の車が燃え上がり…。
すぐに警察が駆けつけて目暮警部たちによる捜査が開始されます。遺体は黒コゲになっており身元はすぐに確認できなかったものの、初音による直前の自殺をほのめかす電話から自殺という線が濃厚と思われたのでした。ところが現場の車のすぐそばの地面に落ちていた付け爪を見たコナンは、まだ自殺とは断定しない方がいいと感じたらしく……
コナンが指摘したのは現場に落ちていた付け爪から別の何者かの皮膚が検出され、被害者が何者かと争った時に付着し爪がはがれ落ちたのではないかという点でした。
そして鑑定の結果、新郎の伴場頼太の使っていたヘアブラシから採取した毛髪のDNAが付け爪に残った皮膚のDNAとほぼ一緒であることが分かり…
それを聞き動揺する伴場でしたが、そこで彼も反撃に出ます。何と伴場は突然、例の新人ウェイターのことを初音と密会していた愛人だと言い出したのです。それに対し新人ウェイターの答えはというと……
高校時代の悪友である伴場頼太が結婚することになり、小五郎は結婚式の前夜祭に蘭とコナンと3人で出席することになります。
ところがそのパーティーの途中にネイルサロンに行くといって外出した新婦の加門初音に悲劇が発生、彼女の乗っていた車が突然爆発し燃え上がり、現場からは黒コゲの遺体が発見されたのです。
初音が爆発の直前に伴場に自殺をほのめかす電話をしていたことから、マリッジブルーであるかは分からないものの彼女の自殺で決まりと思われたのですが、コナンが現場に落ちているのを発見した付け爪から他人の皮膚が検出されると、一転して何者かが初音と争っていたのではという疑惑が生じたのです。
そして問題の皮膚が新郎の伴場のものと分かると、伴場は突然店内にいた新人ウェイターが初音と密会していた事実を告白し…
今回の前編(第667話)から監督が山本泰一郎氏(第5代目)に交代していました。前監督の於地紘仁氏の作品も結構気に入っていたので残念ではありますが、山本氏も2代目の監督(119話~332話)としてすでに実績ありますし、映画も第8弾から監督を務め15弾では総監督も務めている方ですからね。個人的にも好きな監督なので、またこれからも面白い作品になるものと期待しています。
まず前編冒頭オープニング前ですが、今回は結構長くて原作第1話目の4ページ分、コナンの「大変だねぇ女の人って…」というセリフまで進みます。この間細かいセリフの変更が若干見られるものの、ほぼ原作どおりの構成になっていました。
オープニング後ですが、まず爆発が起きた後警察の捜査が始まるまでの間に伴場が初音に電話で呼びかけるも応答がなく叫んで膝から崩れ落ちるシーンが追加されている、現場を調べるコナンが付け爪を発見するシーンに小五郎が怒る場面など若干のセリフの追加があるなどの他に細かいセリフの追加やカット、変更はあるものの、ほぼ原作どおりの構成で原作第1話目のラストまでストーリーは進んでいきます。
後半についても細かいセリフの追加・変更・カットはあるものの、ほぼ原作通りの構成で原作第2話目の蘭の「じゃあ姿を変えてみんなをだましている人もすぐに分かっちゃうね!」というセリフのコマまで進んで、さらにコナンが事件について一度整理するシーンが多少追加されてからエンディングを迎えます。
通常は前編はこれで終わりですぐに次回予告なのですが、今回はここでまだ続きがあって安室のホテル火災の話のコマまで2ページ分さらに進んでから次回予告となります。
まず前半は前編最後にエンディング後に挿入された2ページ分、高木刑事が目暮警部に駐車場に出る方のドアが施錠されていたと報告する所から再開となります。
その後は小五郎が伴場とテーブルに座って話をしている所のテーブルの上が原作では何もないのですがアニメでは豪勢な料理が置いたままになっている点の他は、細かいセリフの変更などありますが、ほぼ原作どおりの構成で解決編の原作第3話目の5ページ目の最初のコマまで進んでいきます。
後半についてはほぼ原作どおりの構成で最後まで進んでいき、気になった点というとエンディング後のとあるシーンで小五郎がコーヒーを吹き出す演出が追加されている所ぐらいでしょうか(苦笑)
今回の二人の結婚式の前夜祭の会場となったお店の名前。
ガンダム世代には説明するまでもありませんが、1979年に放映され今や国民的人気アニメとなった「機動戦士ガンダム」シリーズのファーストガンダムで主人公を務めたガンダムのパイロット。その後Zガンダムや映画「逆襲のシャア」にも登場し、赤い彗星と呼ばれたシャア・アズナブルとのライバル対決に熱狂したファンも多いと思います。
ちなみに声を担当しているのは「巨人の星」や「聖闘士星矢」などでも主人公を務めた古谷徹氏。今回初登場となった「安室透(あむろ とおる)」の名前の由来は、もう考えるまでもなくお分かりかと思います。それにしても安室透の声をまさかその古谷徹氏が声を担当するとは(苦笑)
そしてコナンでは現在赤井秀一(赤い彗星のシャア・アズナブルで声の担当が池田秀一氏)、沖矢昴(シャアの本名のキャスバル・レム・ダイクン)、世良真純がシャアの妹のセイラ・マスとガンダムキャラの名前を由来に持つキャラクターが登場しており、どのように絡んでいくのか注目されますよね。ガンダムファンとしてはこの際だからクワトロ・バジーナ(Zガンダムの時シャアが使っていた偽名)も出して欲しいですね(笑)
染色体異常の一つ。通常女性の性染色体はXXの2本ですが、1本しかない場合にいろいろな症状が現れるそうで、低身長もその一つなのだとか。ターナーという名前はこの症候群を発表したアメリカの内分泌学者ヘンリー・ターナーに由来するのだそうです。
今回はまたしても新キャラクターとして安室透という探偵が登場しました。名前が名前だけにまさかと思ったら、何と古谷徹氏が声を担当ですからね、赤井秀一の時以上にビックリしました(笑)
ちなみに古谷徹氏はコナンは実は初めてではなく143「疑惑の天体観測」で一度登場しています。もう10年以上も前の作品で、この時は声だけ聞いているととにかくアムロにしか聞こえなくて苦笑いしていたのを思い出します。名前からすると当然赤井秀一、沖矢昴、世良真純なんかと絡んでくるように思われますが、いったいどうなるのか注目ですよね。
そして作品の感想はというととにかく悲しい事件でしたね。まあこういう状況に置かれた本人にしか分からない心の葛藤はあるかと思いますけど、命まで絶つことはないのにとも思ってしまいます。
ミステリーとしては今回は何となく双子=結婚できないと知る=自殺というのはピンときました。その上他殺で伴場以外の他の人物が犯人とミスリードさせるものもありませんからね。ただターナー症候群というのは知らなかったのでいい勉強になりました。
それから今回から監督が再び山本泰一郎氏に変更ということで、最近すごくいい感じで作品も完成度高いのが続いていると感じていたのでちょっとビックリしました。余談ですが、となると来年の映画の監督および総監督はどうなるんでしょうか、そこが少し気になっています。
もっとも見どころでも書きましたが、山本監督も個人的には気に入っている監督さんなので違和感はまったくありませんでしたし、何かが急に変わったということもなく本当に安心して見られました。やっぱり安定感があり安心して作品を楽しめるのが一番なんですよね。