(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 目暮警部 小嶋元太 円谷光彦 吉田歩美 主人 山崎 黒服の男A 黒服の男B 社長 ひとみ 愛子 礼子 岸田 |
??? 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 警視庁捜査一課警部 帝丹小学校1年 帝丹小学校1年 帝丹小学校1年 物語冒頭に登場する館の主 物語冒頭の事件の被害者、八菱銀行頭取 ジェットコースターの客 ジェットコースターの客 黒服の男達の取引相手 ジェットコースターの客 ジェットコースターの客、岸田の恋人 ジェットコースターの客 ジェットコースターの客 |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 神谷明 緒方賢一 茶風林 高木渉 大谷育江 岩井由希子 渡部猛 声の出演なし 堀之紀 立木文彦 辻親八 引田有美 まるたまり 長沢直美 千葉一伸 |
〈日本警察の救世主〉と囁かれ、数々の難事件を解決してきた〈平成のホームズ〉こと高校生探偵・工藤新一は、幼馴染みの同級生・毛利蘭が空手の都大会で優勝したお祝いに二人で人気の遊園地トロピカル・ランドに行くことになります。
翌朝10時に待ち合わせてトロピカル・ランドにやってきた二人は、しばらくするとジェットコースターに乗るため行列の最後尾に並びます。順番を待っている間新一は自身が目標とし、敬愛してやまないイギリスの名探偵シャーロック・ホームズの話ばかりして蘭を少し呆れさせはしますが、それでも何となくいいムード…。そして前列に並んでいた熱々のカップルを見て新一は何となく蘭を意識してしまいますが…そうしているうちにあっという間に順番はやってきて二人はジェットコースターに身を沈めます。
静かに動き出したコースターは徐々に速度を速め、蘭をはじめ客たちの悲鳴がこだまする中最大地点まで駆け上り、そこから一気に下って、急カーブを曲ってトンネルの中へと飲み込まれていきます。
その時でした、暗闇の中で新一は何か冷たいものが顔に当たるのを感じます。水かと思ったその瞬間、突然男の呻くような声がして今度は何か生暖かいものが顔に当たるのを感じます。
暗闇で何も見えない中、妙な感じを受けながらもコースターは速度を保ったままようやく長いトンネルを抜けていき、眩しい日差しの照りつける外界へと吐き出されます。そこでコースターの乗客たちが見たものは…元々頭があったはずの部分にはそれはなく、切断された首の部分から大量に血の噴き出した首のない男の亡骸でした。
すぐに警察が駆けつけ、この凄惨な事件を調査し始めます。担当するのは警視庁捜査一課の目暮警部。新一とは顔見知りでいつも捜査に協力している間柄でした。目暮警部の要請を受けて今回も事件捜査に協力することになった新一は、最後部に乗っていた黒ずくめの二人組の男たちの怪しげな様子に不審を抱きつつも鮮やかに事件を解決に導きます。
事件を解決した新一は殺人現場を目撃してショックを受けている蘭をなだめながら帰宅の途につこうとします。とその時でした…例の黒ずくめの男の一人が辺りをキョロキョロと振り返りながら、怪しげな行動をしているのを目撃したのは…。
蘭を先に帰しその怪しげな男の後をつけていった新一は、その黒ずくめの男が拳銃密輸の証拠フィルムを盾に会社社長から1億円を超す大金を脅し取ろうとしているのを知り、密かに監視を続けますが……
高校生探偵として日本警察の救世主と呼ばれた工藤新一が、幼なじみの毛利蘭と都内の遊園地トロピカルランドへやって来て、ミステリーコースターに乗り込んだ際に殺人事件に遭遇します。
物語は冒頭の洋館での事件と、その数日後トロピカルランドで発生したジェットコースターでの事件。それにジェットコースターの事件を見事に解決した後の第3の事件の計三部で構成。
そしてこの第3の事件こそが、その後の新一と蘭の二人の運命を大きく決定づけることになるのでした…。
記念すべき名探偵コナンの第1回作品で、やはりそれだけでも絶対見ておかなければならない作品ですが、今こうやって振り返ってみても最初から何かファンを惹きつけるものを持っていたんだなという印象は強いですね。
今でもラストのコナン初登場のシーンは、鮮烈なイメージとして頭の中に残っています。
原作ではこの回には小五郎、少年探偵団、阿笠博士は登場しないのですが、アニメではしっかりと登場シーンが用意されています
他にも最初の洋館の事件の被害者が八菱銀行の山崎頭取であり、彼が銃殺されるシーンなどが追加されており、こういった原作とアニメの違いをいろいろ探してみるのも面白いと思います
ちなみに主要キャラは目暮、新一、阿笠、小五郎、蘭、少年探偵団、黒の組織の二人の順に登場しました。そしてOP直後、記念すべきアニメでの第一声を放ったのは…新一でも目暮でもなく、何と館の主人でした(苦笑)
米花市内にあるアミューズメント施設。モデルは映画第4弾「瞳の中の暗殺者」の際に三重県・伊勢の志摩スペイン村だと明かされています
蘭の空手の都大会優勝を祝うために新一が蘭を連れて行った場所であり、そして新一がコナンになってしまった因縁の場所でもあります
ちなみに新一と蘭の二人が乗ったジェット・コースターの名前は”ミステリー・コースター”でした
お話としては新一がコナンになってしまう経緯が分かり易く、そしてサスペンス感たっぷりに描かれていて、充分ファンを惹きつけるものがあると思いますが、ミステリとしてトリックを詳細に検討したりすると確かに違和感のある部分は多いでしょう。
File110-111「料理教室殺人事件」で問題になった通り、明るい所から突然暗い所に移った場合、暗闇の中で相手の位置が正確に分かるものなのかは問題ですし、あのワイヤーとコースターの力だけであのように綺麗に首が切断できるものなのかや、犯人の他人に容疑をかぶせるやり方があまりにも杜撰(ずさん)ではないかなど、いろいろ問題点はあると思います。
しかしそれでも充分新一の推理は堪能できると思います。あまり犯人・トリックあてにはこだわらず、今回はお話を楽しむべきだと思います。点数としてはつけるのはちょっと難しいですが、ストーリーとしては充分惹き付けられるものがあり星3つといった所でしょうか