(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 小嶋元太 円谷光彦 吉田歩美 山部浩一 絵里 操縦士 男A 男B 男C |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 警官、元オリンピックのライフル射撃選手 山部の恋人 ヘリコプター「はやぶさ」の操縦士 謎の男 謎の男 謎の男 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 高木渉 大谷育江 岩井由希子 中田譲治 小野寺啓子 水内清光 藤原啓治 巻島直樹 千葉一伸 |
ゴールデン・ウイークが始まった4月27日土曜日の昼下がり、元太が穴場だと勧める川の川べりで魚とりに興じていたコナン、歩美、元太、光彦の四人は、丁度昼食を取ろうと準備をしていた時に赤い風船が付けられた小さなラジコン船が川を下っていくのを目撃します。
どこから操縦しているのだろうかと四人が不思議に思っていると…突如一発の銃声とともにラジコンに付けられた赤い風船が破裂したのです!
その音を耳にしたコナンは、思わず手に持っていた双眼鏡で銃声のした方向を調べてみたのですが…
銃声のした先のビルの屋上には、ライフルを構えている精悍な顔つきの若い男と、それを取り囲むようにして川岸を見つめるサングラスの三人の男が立っていました。
やがてライフルを撃った男はその三人の男たちに腕を捕まれ、まるで犯人として連行されるかのようにしてにビルの屋上から立ち去っていったのです。
どうやら若い男は捕われの身らしく、無理やりライフルで射撃のテストでもさせられている様子だったのでした。
すぐにコナンたちは先ほどまで男たちがいた廃ビルへと向かいますが、既にそこにはもう人影はありませんでした。
そしてちょうど男たちのいたビルの上から眼下の川を見下ろしてみると、川まではかなりの距離があり、そこからあのような小さな赤い風船を狙い撃ったとすれば、撃った人間はかなりの銃の腕前であることが窺い知れたのです。
一方連れ去られた若い男のことが気になって仕方のないコナンは、何か手がかりが残っていないかと屋上の周辺を捜索し始めます。
するとしばらく付近を調べていたコナンは、やがて階段の隅に一枚の電卓が捨てられているのを発見します。そしてその電卓を見てみると…何とそこには「3135134162」の数字が並んでいたのでした……。
一体この数字は…!? 不思議がる元太たち少年探偵団でしたが、コナンはそれが連れ去られた若い男が自分に向けて残したメッセージであると確信します。コナンが覗いていた双眼鏡が真昼の日光に照らされて反射し、その光に気づいた若い男が、手がかりとしてコナンたちに向けたメッセージとしてその電卓を残していった…コナンはそう推理したのでした。
とにかく一度警察に知らせておくべきと感じたコナンは、すぐさま目暮警部に連絡。やがて現場へと到着した目暮に遺留品の電卓を託して調べておくように言い残し、自分はいったん毛利探偵事務所へと帰ることにします。
そして毛利探偵事務所に戻ったコナンは、蘭と小五郎が見守る中で若い男が託した謎のメッセージを解読しようと一人知恵を絞り始めたのですが……
川遊びに興じていた少年探偵団たちの目の前を通り過ぎた風船付のモーターボートのラジコンから、誘拐事件の匂いをかぎつけたコナン。そして双眼鏡を覗くコナンに気づいた被害者が残した暗号と思われる数字の入力された電卓…
今回の事件はこの電卓の数字の暗号解読が焦点の謎解きミステリです。30分ものとしてはなかなか面白い作品だと思います。
もう一つ、この回で初めて小五郎がレンタカーを借りて運転しました。探偵団たちも一緒に連れていったために大きめの赤いワゴンでしたが、この際の探偵団たちとのやり取りはかなりユーモアたっぷりで必見です。
つまりコナンにおける小五郎のレンタカー人生の第一歩がこの回踏み出されたということになります(笑)
それから話とは無関係ですが、この回からNEXTコナンズヒントの後の「次回は…」という部分に、さすがに毎回という訳ではありませんが、高山みなみさんのコナンの台詞に高木渉氏の元太が横やり(笑)を入れるようになりました。
つまりこの回から最近ではすっかり恒例となっている、あの名物コントの歴史がスタートしたということになりますね。
今回レンタカーを借りた小五郎が使用していた地図で縮尺は2万分の1。この本の96年度版でした。
とある場所でチラッと登場した雑誌の名前。名前の由来は雑誌の〈週刊ポスト〉だと思います。ちなみに〈週刊ポスト〉は小学館の雑誌です。
またこの雑誌の裏にはビッドコミックオリジナルという雑誌が隠れていました。こちらはビッグコミック・オリジナルからでしょう(こちらも小学館の雑誌)
今回の事件捜査で大活躍した警視庁のヘリコプター。
今回の作品は6「バレンタイン殺人事件」以来の2度目のアニメオリジナルですが、前回とは打って変わってミステリとしても物語としてもとても面白い作品に仕上がっていると思います。
ミステリとしては焦点は暗号解読ただ一点のみではあるのですが、この暗号解読というのがなかなか良く出来ていると思います。
変に作者の独りよがりな暗号ではなくて、ちょっとしたことで気づいてくれる、実際にもあり得そうな暗号ですから、見ていてとても実感が湧きますし、本当に目からウロコですね
私事ですが、この話を見てからは、実生活でも電卓を見かける度にこの暗号を入力してよく遊んで(イタズラ?)いたりしていました(笑) それぐらいお気に入りの暗号です。
話としては小五郎と少年探偵団たちのやり取りが面白いです。探偵団たちが今回は小五郎の言うことを全然聞こうとしないんですね(苦笑)
そしてレンタカーに乗る小五郎に対し、元太のあの「探偵なのに何で、車を持っていないんだ?」発言に加え、歩美の「買うお金がないからよ…」、そしてトドメは光彦の「普段は運転していないようですからちゃんとシートベルトをつけておいた方がいいですね」発言…この三人、揃いも揃って完全にヘコむようなきついことを平気で言ってくれます(苦笑) でもそこが小学一年生の子供だから許せるんですけどね。
以上のような感じでキャラの扱い方というか、イジり方が上手いなと思ったら、今回の脚本を担当されたのはあの古内一成氏。ファンならご存じの通り、今は亡き野沢尚氏が担当された「ベイカー街の亡霊」以外の全部の映画脚本を担当されている方です。
この方の脚本というのはキャラの特性を本当に熟知していて、台詞の一つ一つが本当に生き生きとしているように感じられて個人的にとても好きなのですが、今回のこの作品もそんな脚本の良さが随所に見られて、そのためたとえ結末が分かっていても何度でも楽しく作品を見ることができます。
それから作画についても一点触れるとすると、ラストのヘリコプターに乗り込んだコナンが目暮警部からヘルメットを被らされるのですが、このヘルメットをちょっと照れた表情で被るコナンがとても可愛らしくてGOODでした。
最後に、この話のラストから、今ではすっかり恒例となっているNEXTコナンズヒントの後のコントが始まりました。といっても今回は「腰を抜かすなよ」というコナンの台詞を受けて高木渉氏の元太が「ゴキッ」と腰を抜かす音のような台詞を放つだけなのですが(苦笑)
今回の事件のクライマックスの舞台となった特急。「ゴールデンウィークは平成エクスプレスで夢とロマンの旅」という雑誌の宣伝のキャッチコピーは小五郎の言う通り確かに陳腐かもしれないです(苦笑)
平成エクスプレスが通っている鉄道の名前。
今回の事件の首謀者はこの暴力団の元組員たちでした。何でも昨年組長や幹部が大量に逮捕され、組織は壊滅的ダメージを受けて解散を余儀なくされていたとか。