(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 小嶋元太 円谷光彦 吉田歩美 鈴木園子 服部平次 辻村公江(50) 小池文雄(48) 辻村貴善(27) 桂木幸子(24) 辻村利光(78) 辻村勲(54) 山城健二 係員 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 西の高校生探偵 外交官・辻村勲の妻 辻村家執事 辻村勲の一人息子、司法修習生 辻村貴善の恋人、東都医大在学中 辻村勲の父、元大学教授 外交官 外交官 目暮の部下 |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 高木渉 大谷育江 岩井由希子 声の出演なし 堀川亮 有田麻里 田原アルノ 山田佳伸 松原ひろの 丸山詠二 亀井三郎 声の出演なし 高木渉 |
蘭の奴は電話しなければしないで心配するし、したらしたでケロッとして文句ばかり…まったく女というものはよく分からない…と電話ボックスを出たコナン(新一)は風邪でムズムズする鼻を気にしながらちょっぴり不機嫌そうにして毛利探偵事務所へと帰宅。二階へ上がる階段をだるそうに上がっていたのですが…
すると事務所の中では階段の方まで聞えてくるような大声で、小五郎と蘭を相手に野球帽を目深に被った肌の浅黒い関西弁の若い男が何やらわめき散らしていました。そしてコナンが階段を登り切り事務所のドアを開けてみると…
「工藤新一をはよ出さんか!!」─男の要求は何と新一を呼んで来いというものでした。そしてその男は居場所が分からないのに新一が風邪を引いていることを知っている蘭に対して鋭い推理を展開し、新一(コナン)がすぐそばで蘭を見ていることを見抜いたのです…一体この男は何者なのでしょうか?
するとその関西弁の男は野球帽を脱いで自ら名乗り出ます。男の名前は服部平次といい、関西では名の通った新一と同じ凄腕の高校生探偵。新一とは「西の服部、東の工藤」と呼ばれていつも比較されていたというのです。
その新一が最近新聞でも全然音沙汰がなく、行方不明という噂も出ていることを知った服部平次は、はるばる大阪から新一に会いにやって来たという訳でした。そして新一が自分と並び称されるような名探偵か自分の目で確かめるというのです。
そして新一に会う事ができるまで探偵事務所に厄介になると宣言し、手土産にと鞄から赤いラベルの貼られた壜を取り出して、風邪で具合の悪いコナンによく効くからと、中に入っていた液体をグラスに注いで飲ませたのです。すると…
結局コナンは風邪の具合がよりいっそうひどくなっただけでした…。一体何を飲ませたのかと蘭が壜のラベルを見てみると、何とそこには「白乾酒」という文字が…!?
それを見た蘭が呆れていた時でした。突然事務所のドアをノックする音が聞えてきて、外からコートに身を包み、顔にはサングラスをかけた中年女性が姿を見せたのです。
その女性は先ほどから何度も呼び鈴を鳴らしていたらしいのですが、服部平次の応対に苦労していた小五郎と蘭は全く気がつかなかったのです。それからその中年女性は急いでいるから早く用件を聞いて欲しいと、急き立てながら小五郎に依頼内容を話し始めたのでした。
その女性は辻村公江といい外交官の辻村勲の妻で、今回彼女が持ちかけた依頼というのは息子・辻村貴善の恋人・桂木幸子の素行調査でした。そして小五郎は公江から桂木幸子の写真と経歴書を手渡され、目を通し始めたのですが…
経歴を見てみると桂木幸子は現在24歳で三葉中学・三葉高校をトップの成績で卒業した後東都医大に入学し、女医への道を順調に歩んでいると記載されていました。
この経歴のどこに一体問題があるのか?─小五郎には皆目見当もつきませんでしたが、公江の夫の外交官・辻村勲も交えてとにかく一度詳しい話をするため、小五郎は辻村邸に向かうことになったのです。
そして親子連れの方が周囲から怪しまれないというもっともらしい理由をつけてそこに服部平次と蘭、それに服部平次のことが気がかりで放って置けないコナンも風邪で最悪の体調の中ついて行くことになったのですが…
辻村邸にやって来た小五郎たちは、召使いや屋敷の住人たちと挨拶を交わしながら公江の案内で2階の書斎にいるという外交官・辻村勲のもとへ向かいます。そして書斎の前までやって来た公江はドアをノックしながらドア越しに辻村勲に呼びかけますが、中からは全く応答がありませんでした。
中にいないのかと奇妙に思った公江が、バッグから取り出した鍵でドアを開けて中に入ってみると…
部屋の中には辻村勲がちゃんといました。しかし彼は部屋の奥の机に向かい、よほど疲れでも溜まっているのかオペラのCDをかけたステレオをつけっ放しにしたまま、頬杖をついて眠りこけている様子だったのです。
そんな夫に呆れた公江が、彼の肩を揺さぶりながら起こそうとすると……
辻村勲は公江の手の動きに全く抵抗することもなくそのままの勢いで椅子から崩れ落ち、床の上にその身を横たえたのです…!!
すぐに服部平次は辻村勲のそばに駆けつけ、彼が既に亡くなっていることを確認。直ちに目暮警部も呼ばれて捜査が開始されますが、服部平次の素早く的確な捜査の前に目暮たちは成す術もありませんでした。
服部平次の捜査で辻村は首筋に針のようなものを刺されて毒殺されたことが判明し、凶器の針も現場から発見され、死後30分も経過していないことが明らかにされます。
そして外部犯の線もあるものの、当然家にいた住人たちにまず疑いの目が向けられたのです。
そんな中服部平次は、事件が起きても姿を現さない新一に無言の挑戦状を叩き付けて更に現場を綿密に調べ上げます。そしてすぐにその成果は表れ、彼はある決定的な手がかりを発見し掌中に納めたのでした。
「この勝負、もろたで工藤!!!」─一方服部平次が勝利宣言をしかけた頃、当の新一(コナン)は風邪がますます悪化してしまい、ついにはダウンして別室のベッドの上に寝かされている状態でした。そして蘭が医者を呼びに行き、残されたコナンは一人で高熱と闘っていたのですが……
新一のライヴァルにして西の名探偵初登場です。
しかし、高校生が世話になるお土産が中国酒とは(苦笑)白乾児は実在のお酒ですが、本当にそのような成分があるかどうかは定かではありません(笑)
辻村利光の紹介テロップの記載で、コミックス初版にも同様の記載あります。辻村勲外交官は54歳、利光氏は78歳ですが、それで二人の関係が祖父と孫というのは、不可能ではありませんが常識的にいってないでしょうね…
ちなみに辻村公江は「お義父様」と呼んでいますので、上記人物紹介でも勲氏の父親ということにしてあります。