(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 遠藤圭吾(33) 遠藤圭太 小室 尚美 タクシー運転手 水族館係員 仮面ヤイバー |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 遠藤歯科医院を開業する歯科医 遠藤医師の息子 誘拐犯 サングラスの女 中年のタクシー運転手 南部水族館係員 子供達に大人気の特撮ヒーロー |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 江原正士 深水由美 大滝進也 松岡恵美子 高木渉 千葉一伸 声の出演なし |
夏といえばやっぱりビール─暑い夏もこれからというある日の夜、小五郎は蘭とコナンを引き連れてスターライトホテルのテラスに設置されたビアガーデンでたくさんのつまみに囲まれながら上手そうにジョッキを傾けていました。
せっかくの外食にもかかわらずテーブルの上にあるものがビールのつまみばかりで不満そうなコナンを尻目に、小五郎は快調なペースでグラスも進みあっという間に出来上がってしまいます。
それからしばらくすると、飲みすぎのせいもあって小五郎はトイレに行きたくなります。しかしすでに酔いは足にまできているらしく…仕方なく呆れる蘭に抱えられてながらトイレへと向かっていったのでした。
そして一人で待ちぼうけとなったコナンが暇そうにしながら何気なしに横を眺めると…そこにはせっかくのビアガーデンでの食事にもかかわらずビールを一滴も飲まず、膝の上にアタッシュケースを乗せ俯いたまま深刻な表情をしている眼鏡の中年男性が座っていたのです。
それから男は急に顔を上げたかと思うと目をキョロキョロと左右に動かして周囲の様子を窺うそぶりを見せ、更には時計を気にしたり額の汗を拭ったり……
そんな男の仕草がひどく気になったコナンは席を立ち、眼鏡の男が座るテーブルの傍の茂みの陰に隠れてしばらく様子を窺っていましたが、すると突然男の携帯電話が鳴り出します。そして…
眼鏡の男は電話に出ると遠藤と名乗り、電話の主としばらくやり取りを交わします。そしてそのやりとりからコナンは誘拐事件に巻き込まれ遠藤が、犯人の要求どおりに警察には知らせずに、身代金の受け渡しのためにこのスターライトホテルのビアガーデンで一人で待っていたと推理。同じ頃トイレから戻って来た小五郎と蘭にも事情を説明し、結局三人はタクシーでホテルを出ていった遠藤の後をつけて行くことになります。
タクシーはしばらくすると遠藤歯科医院という看板の出ている家の前に到着。遠藤はこで歯科医を開業している医師のようでした。
それから小五郎たちは誘拐犯の監視の可能性も考え、コナンを患者に仕立て上げ、急患を装って遠藤の歯科医院に入る計画を立てます。そしてコナンの名演技の甲斐もあり三人は上手く医院の中に入ることができたのですが…
医院の中に通された小五郎は早速自分が名探偵の毛利小五郎であることを遠藤に知らせて安心させた上で、コナンから聞いた話を遠藤にも聞かせて協力を申し出ます。
すると遠藤はコナンが推理した通り自分の息子が誘拐されたことを話しはじめたのです…
遠藤の話によると、誘拐されたのは遠藤の息子圭太で、圭太はその日の午後自宅の前庭で一人で遊んでいたらしいのですが、しばらく経って遠藤が様子を見にいくといつの間にか姿が見えなくなり、それに代えて門の所にありきたりのコピー用紙で貼り紙がしてあったというのです。
そしてその貼り紙にはワープロ文字で「子供は預かった。警察に知らせたら殺す。連絡を待て。」と書かれていたのでした…!!
それから間もなくして誘拐犯と思われる若い男の声で電話がかかってきて、古い紙幣で3000万円を鞄に入れ夕方6時にスターライトホテルのビアガーデンに持ってくるようにという指示があり、その指示通りに遠藤は現金入りの鞄を抱えてホテルに向かいます。
そしてあとはコナンが見ていた通り、6時過ぎに再び犯人の男から電話がかかってきて、一方的に取引の中止を通告してきたという訳です。
どうやらホテルに行くように指示したのは警察と連絡を取っているかどうか、そして本当に金を支払う気があるかどうかを確かめるための犯人側のテストだったと考えるのが妥当な所でした。
そして犯人はまた次の日の午前中に連絡を取ると言い残していたらしく、小五郎たちが犯人を捕まえるとすれば、その時が最大のチャンスということになりそうでした。
次の日の午前10時過ぎ、毛利探偵事務所で連絡を待っていた小五郎の下に、遠藤から電話がかかってきます。
どうやら予告どおりに電話がかかってきたらしいのですが、犯人の男は何と2時間の猶予を与える代わりに身代金の2000万円の上乗せを要求してきたというのでした。
それから遠藤は小五郎のアドバイス通りに圭太を電話に出してもらい言葉を交わしたらしいのですが、そこで圭太が妙なことを言っていたことを伝えてきます。
遠藤の話では圭太は電話の中で「…カニがいっぱいいるよ…」「クジラだ、クジラが潮を吹いている…」という妙な言葉を残したというのです。
近くにいた犯人の男もその言葉の意味が飲み込めなかったらしく、最後に「余計な事を」と言い残して電話を切ったということでした。
その話を聞いた小五郎は、圭太がカニが一杯いて、クジラが潮を吹いている場所の近くに監禁されていると確信。その手がかりを頼りに蘭とコナンの協力も得て圭太の居所を必死に捜し始めたのですが……