(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 大村淳(38) 生田義郎(20) 日下正巳(20) 清水洋一(20) 竹野浩司(20) 中村英則(20) 戸川ケイコ 鑑識課員 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 小五郎の旧友、プラモデル店経営 米花大学2年生、山岳部所属、被害者 米花大学2年生、山岳部所属 米花大学2年生、山岳部所属 米花大学2年生、山岳部所属 米花大学2年生、山岳部所属 半年前の冬山登山で亡くなった山岳部員 鑑識課員 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 高木渉 土師孝也 青羽剛 矢崎文也 坂野茂 宮本充 佐々木誠二 声の出演なし 千葉一伸 |
7月7日の夕方、小五郎と蘭、コナンの三人は牛丼チェーン〈牛野家〉右隣のイタリア料理店〈LA
CAPRICCIOSA〉で食事を終えて店から出てきた所で、小五郎の米花大学時代の同級生・大村淳と久しぶりに再会を果たします。
偶然の再会を喜び合っていた二人ですが、しばらくすると大村は小五郎に相談したいことがあると言って次のような話をし始めたのでした。
大村の話によると、1週間ほど前から彼の住むマンションで、夜になると決まって壁を外から叩くような「ゴツン」という妙な音がするというのす。
近所の悪ガキの悪戯なのではという小五郎の言葉にもかかわらず、音がした直後に窓から外を見ても誰の姿もないということで大村はひどく不気味がっている様子でした。そこで小五郎は大村のアパートへ向かい、妙な音について調べてみることになったのですが……
大村の部屋に到着した小五郎は、気がつけばもう顔は真っ赤…そしてテーブルの上には空になったビール缶が山のように積まれていました。
久しぶりに友と飲む酒が格別なのは分かるとしても、妙な音の調査はどうなってしまったのか…とコナンは呆れ顔。
結局部屋にあったビールはあっという間になくなり、コナンは蘭とともに近くのコンビニへと使いに行くことになります。そしてその帰り道…
コナンは大村のアパートの近くまで来ると、暗闇の中タバコを吹かしながら誰かと待ち合わせている髪の長い大学生風の若い男の前を通り過ぎます。そしてアパートの別の部屋では小五郎たちと同様に酒盛りでもしているのか、酒に酔ったような雰囲気で窓から体を乗り出して陽気に歌っている男の姿がありました。そんな男を仲間の一人と思われる人物が近所迷惑だから止めろと注意しているのを見て、蘭とコナンは思わず顔を見合わせて苦笑いします。
蘭たちが部屋に戻ると時刻は既に夜10時を回っていました。しかし10時などという時間は小五郎にとってはまだ宵の口。二人が買ってきたビールを受け取ると、待ちかねたように小五郎はすぐ様缶を開け、美味そうにビールを飲み始めます。
その時でした。突然ガラスが激しく割れる音がすぐ隣りの部屋から聞えてきたのです。何事が起きたのかと大村が音のした隣りの部屋へ行ってみると、部屋の窓はすっかり割れていて、床の上には粉々になった窓ガラスの破片が散乱していました。
後から来た小五郎もそれを見て怪訝な表情でしたが、その時今度はアパートの外の道路の方から若い男が大声で誰かに呼びかける声が聞えてきます。
小五郎たちが声のした方に向かい窓から様子を眺めていると、声の主は道路で横になっているもう一人の男に向かって「生田」と呼びかけているらしいのです。しかし…
声の主はしばらく声をかけていたかと思うと突然驚いた様子に変わり、「死んでいる」と叫んだのです。それを聞いた小五郎たちは、慌てて大村のアパートから外へと駆け出していったのですが…
小五郎たちが現場に到着すると、道路に横になっていた男は彼に呼びかけていた男の言葉どおり既に亡くなっていました。そしてすぐに警察が呼ばれて目暮警部が現場に到着し、捜査が開始されます。
警察の調べによると被害者は生田義郎という米花大学の大学生で、側頭部を鈍器で一撃されて即死状態でした。
そして傍で被害者を起こそうと呼びかけていた黒ぶちの眼鏡の男は日下正巳といい、同じく米花大学の大学生。生田とは大学の同級生で友人ということでした。
その日下の話によると、彼は今夜10時に被害者の生田義郎と事件現場で待ち合わせをしていたらしく、約束の時間に二人ともきちんとやって来たということでした。ところが現場に到着して生田と二言三言言葉を交わしたと思った直後…突然生田が道路上に倒れたというのです。
現場は近くにあった街灯が壊れていたため完全な暗闇で、辺りは視界も非常に悪い状態でしたが、他には人の気配はなかったといいます。日下の言うことが本当だとすると一体どうやって生田義郎は殺害されたのか皆目見当もつかない話でした。そこで小五郎は日下の話に疑問を感じ始めるのですが…
一方二人以外にも、現場近くには米花大学の同級生で友人だという学生が数人、大村と同じアパートの5階の一室で宴会をしていた事が判明。その部屋というのは、どうやら先ほど蘭とコナンが騒いでいるのを見かけた部屋のようでした。
そして目暮と小五郎はその部屋へと向かい、学生たちに詳しく事情を聞いて回ったのですが…
部屋にいた学生は三人で、そのうちの一人の竹野浩司という赤シャツに白いジャケットを着た男がその部屋の主ということでした。それから清水洋一という少し知的な感じのする細目で青緑のシャツ男と、中村英則というオレンジ色のバンダナに白いランニングシャツを着たスポーツマン風の男…。この三人が事件が起きた時刻その部屋にいたということでした。
三人と生田と日下を含めた五人は全員米花大学の山岳部のメンバーらしく、その日は日下を除く四人で夜の7時頃から10時少し前に生田が部屋を出るまでずっと、竹野の部屋に集まって皆で酒盛りをしていたというのです。
そして彼らの話を聞いていくと…それぞれが被害者の生田を殺害する有力な動機を持っていることが判ってきたのです。そこで彼らの事件当初の行動を詳細に検討していってみると……
高木刑事がレギュラー化が決まってから最初に登場したのがこの事件でした。第一声は千葉一伸氏の演じる鑑識とのやり取りで、
千葉「これ、血痕じゃないですか?」
高木「何だって?」
その後もこの話では何度となく登場しますが…危うく最初にして最後の事件となるところでした(笑) 詳しくは本編をご覧下さい。ちなみ目暮警部との最初のやり取りは
目暮「何? 高木刑事、すぐに調べるんだ」
高木「はっ!」
コナンの七夕のエピソードはこの話で最初に使われました。高木刑事の初エピソードが注目されたり、小五郎が最初から最後まで大暴走する中で(笑)、ラストはちょっぴり感傷的な素敵なお話になっています。