(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 吉田歩美 小嶋元太 円谷光彦 早瀬達夫(47) 早瀬君江(37) 警備員 医師 清掃員A 清掃員B |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 帝丹小学校に通うコナンのクラスメート 大手銀行役員、1年前雪崩で遭難し危難失踪 早瀬達夫の妻 米花美術館警備員 山田総合病院医師 ハウスクリーニング・オキタの清掃員 ハウスクリーニング・オキタの清掃員 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 高木渉 岩井由希子 高木渉 大谷育江 秋元羊介 藤井佳代子 千葉一伸 相沢正輝 ??? ??? |
事件解決のお礼にと依頼人からもらったタダ券でやってきてはみたものの、首を縦にして見ても横にして見ても、はたまた斜めにして見てみても、それらの絵の良さが全く理解できない小五郎とコナン…。蘭はよく分からないが何かきれいだと嬉しそうに眺めていたのですが…
小五郎と蘭、コナンの三人がやってきたのは米花美術館で開催されている〈世界具象画展〉。ともすれば子供の落書きとしか思えないその具象画の良さがよく分からず、珍しく小五郎の意見に同調して退屈そうに絵を眺めていたコナンでしたが、そんなコナンは自分の隣りで絵を興味深そうに見ていた一人の男に興味を惹かれます。
リュックを背にし汚らしいコートを身にまとい、髪はぼさぼさで髭とともに伸び放題。いかにも浮浪者然としたその男は、余程その絵が気に入ったのか、もっとよく見ようと仕切りを乗り越え、額縁に手をかけて食い入るようにして絵を見つめ始めたのです。
そこへ当然のように慌てて警備員がやって来て、その男に作品に手を触れないように厳重注意。更に男は館内が禁煙にもかかわらずタバコを吹かしていたため、これまた厳重に注意されてしまったのです。
ところが注意されたその浮浪者男はその言葉が理解できたのかできなかったのか…良く分からないといった感じでただ「ああ、すまん」とだけ言い残し、フラフラと美術館を後にしていったのです。
それをコナンとともに横で見ていた小五郎も、変な奴だと言って奇妙に見つめていたのですが…
その数日後、コナンは近くの河川敷にあるグラウンドで、探偵団の三人に付き合わされて野球をしていました。コナンは何でサッカーじゃないのか?と不満そうに外野の守備についていたのですが…
「行くぞ」という掛け声とともに元太が放った打球はとんでもない方向に飛んでいき、コナンは慌ててボールを追いかけていきます。ところがコナンが追いつく間もなく、その打球は河川敷の斜面の草むらでスケッチに勤しんでいた一人の男性を直撃…コナンは申し訳なさそうにその男性に駆け寄って行ったのですが…
するとその男性は、何と先日米花美術館で絵を食い入るように見つめていた、あの浮浪者風の男だったのです…!!
ところがその浮浪者男は前日の警備員とのやり取り同様、コナンの言葉にもなかなか返事を返して来ませんでした。しかもコナンが地面の上に落としたスケッチブックを興味深そうに見ていくと、外の景色を描いていたはずなのに絵の内容はどこかの部屋のリビングのような場所をスケッチしたものばかり…
一体この男性は何なのかと、コナンが不思議そうに思っていると…何と浮浪者男は突然、どこでスケッチしたのかはおろか、自分の名前すらも何も思い出せないと訴え、それから急に頭が痛いと言って苦しみ出したのです…!!
記憶喪失…!? それを聞いた元太は自分の打った打球が直撃したせいなのかとひどくショックを受けますが、コナンはボールが男性の腕に当たったのを見ており、それよりももっと以前にこの男性が記憶喪失になっていたと確信します。
そして探偵団たちは、その男性をすぐに病院へと連れいったのですが…
近くの山田総合病院に連れて行かれた浮浪者風の男は、そこで精密検査を受けます。医師の話によればやはり男性は記憶喪失らしいのですが、ただ頭痛は少しずつ記憶が戻り始めている兆候なのだと説明し、コナンたちを安心させるのでした。
ところが医師の言葉に安心した探偵団たちが病院を後にしようとした頃…病院のベッドで横になっていた浮浪者男は、突然はっと目を覚まし、そしてそのまま病院から行方をくらましてしまっていたのです…。ちゃんと服は着替え、荷物も全て持ち、ただコナンが持っていってしまった紫色のスケッチブックだけを後に残して……
その翌日、またもやコナンは近くの河川敷にあるグラウンドで、探偵団の三人に付き合わされて野球をしていました。コナンはその日も何でサッカーじゃないのか?と不満そうに外野の守備についていたのですが…
「えいっ」という掛け声とともに光彦が放った打球は元太の後方に飛んでいき、元太は「任せとけ」と余裕の表情でボールを追いかけていきます。ところが背走を続けていた元太は突然何かにつまずいて…元太はそのままの勢いで宙を一回転して地面に叩き付けられてしまったのです。そして痛そうに頭をさすっている元太の方へコナンたちが駆け寄って行くと…
何と元太のすぐそばに横たわっていたのは、昨日元太のボールの直撃を受けた後病院に運ばれた、あの記憶を喪失した浮浪者風の男の絞殺体だったのです…!!
すぐに警察が呼ばれて捜査が開始されますが、目暮警部と現場を訪れた小五郎の二人は、被害者の持ち物が全て失くなっていることから物取りの線で捜査を開始していきます。
しかしコナンは靴の中に残されたイチョウの黄色い葉など、死体に残った奇妙な痕跡の数々からただの物取りによる犯行ではないと直感。探偵団たちの心強い?協力も得て、男性が残していった唯一の遺留品である紫色のスケッチブックの絵を頼りに手がかりを探り始めます。
そしてついに男性が訪れたと思われる「早瀬」という表札の掲げられた一軒家を見つけ出したのですが……
今回高木刑事が登場しているのですが、何とタバコを吸うシーンがあります。他では見たこともないシーンだけにちょっと意外?な感じがしました。
失踪宣告(民法第30条)とは、行方不明で生死が分からない人間に法律上死亡したのと同じ法律効果をもたらすことを目的とする制度のことをいいます。失踪宣告には普通失踪と危難失踪の2種類があります。
まず普通失踪とは、分かり易く言えば失踪者自ら行方をくらました場合で、借金などから逃れるために蒸発したりする場合がこれに当てはまります。
この場合、行方不明の日から7年経過して初めて宣告(死亡認定)がなされ、その失踪宣告の日から相続などの権利関係の移譲が開始されます。
一方危難失踪とは船や飛行機、雪山などで事故に巻き込まれたもののついに遺体が発見されず、死亡が確認できないものの、死亡したことが明白な場合になされるもので、行方不明の日から1年経過後に宣告がなされ、その事故があった日から失踪者は死亡したものと看做されて、同じく相続などの権利関係の移譲が開始されます。