(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 鈴木園子 上森美智(52) 小宮山祐子(24) 矢代和枝(52) 上森薫(25) 西谷宏明(29) 上森達彦 中原 アナウンサー 鑑識課員 婦人警官 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 鈴木財閥の令嬢、蘭の同級生で親友 フランス料理研究家、料理教室を運営 上森美智の助手 ブティック経営、美智の高校の同級生 上森美智の息子・達彦の妻、元看護婦 フランス料理シェフ 上森美智の息子、エリート商社マン 逆転満塁ホームランを打たれた投手 プロ野球中継のアナウンサー 鑑識員 身体検査を担当した婦人警官 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 高木渉 声の出演なし 高橋ひろ子 落合るみ 弥永和子 篠原恵美 中原茂 声の出演なし 声の出演なし 高木渉 千葉一伸 榎本充希子 |
今度の日曜日、フランス料理の研究家として有名な上森美智の料理教室に園子と一緒に参加したい─ある日の夜のこと、リビングで夕食を肴にビールを傾けながらナイター観戦に興じていた小五郎は、夜も遅くなるため、自分とコナンが付き添うことを条件に蘭の願いを聞き入れたのでした。そして蘭たちは急に用事ができたという園子を置いて、三人で杯戸町にある上森美智の家へやって来たのですが…
ところがその料理教室で蘭たちを待っていたのは、参加者たちの間の、思わずため息が出てしまうようなギクシャクとした人間関係だったのです…。
助手の小宮山祐子は、自分が5年間助手を務めながら一生懸命作り溜めたレシピを美智に盗られてしまい、美智はその祐子から盗用したレシピが全体の3分の1を占めるという料理本を出版してベストセラーになったらしく…
フランス料理シェフの西谷宏明は美智から長い間資金援助を受けており、まったく頭が上がらない状態らしく…
美智の息子・達彦の嫁である上森薫は、仕事でハワイに行っているという夫の達彦がひどいマザコンでまったく母親の美智に頭が上がらないため、普段から嫁いびりの標的にされているらしく…
更に矢代和枝は、病気で亡くなったという美智の夫を、穏やかで本当にいい人だったと、意味深な言葉を残し…
そして上森美智はといえば、次の日に開かれるという彼女の出版した料理本のベストセラーを祝うパーティーに出席するために美容院に行っていたらしいのですが、美容院から戻ってくるなり、西谷には凝りがひどいと肩を揉ませ、元看護婦の薫には脈を診させ、和枝が直してきたブラウスを手渡されてもお礼の言葉一つなく、更には生徒たちには指導の間いつも怒鳴ってばかりらしく……まるでどこかの女王様気取りの横暴ぶりだったのです。
このような状態では、いつ誰に寝首をかかれても不思議はないと、コナンもただ呆れるばかりだったのですが…。
そしてその日園子が急用があると言って欠席したのも、上森美智に怒鳴られるのが嫌で、蘭を身代りにして自分はトンヅラしたのだと、コナンは直感したのです…。
もっともキノコのテリーヌと鴨のオレンジソース、デザートに洋梨のクラフティとその日のレシピも決まり、いざ料理を始めてみると、フランス料理には欠かせないという大きなオーブンや最新の料理器具は生徒たちには充分役に立ち、また上森美智の腕前もさすがにプロといえるものでした。そして初めて料理教室に参加した蘭に対しても、なかなかいい手つきをしていると美智は素直に褒めてくれたのです。
そんな中奥のテーブルで二人で寂しく待機していた小五郎とコナンは、シャンピニオン(フランスでキノコのこと)がバターで炒められた香ばしい匂いに胃を刺激され、料理が出来上がるのを今かと待っていました…しかしついに我慢しきれなくなり、小五郎はタバコを吸いに行くため、手持ち無沙汰のコナンを連れて裏口から外に出ようとしたのです。ところが裏口のドアは無用心にも鍵が開いており…
その時でした。突然家の中の明かりがすべて落ち、室内は辺り一面真っ暗になります。停電なのかとキッチンにいた美智たちが慌てふためいていると…
それから玄関のガラス戸を開けるガラッという音がしたかと思うと、しばらくして誰かの呻くような声が上がり、続いてドサッという人が床の上に倒れるような音が闇に包まれた室内に響き渡ったのです。そしてしばらくして室内に明かりが戻ると……
何とキッチンの中では、美智が胸が痛くて呼吸が苦しいと訴え、息も絶え絶えの状態でいたのです。そしてその症状を聞かされたコナンが美智の背中を調べてみると、どうやら美智は何か針のようなもので背中を刺され、肺に穴が開いている極めて危険な状態だったのです…!!!
そこで直ちに救急車と警察が呼ばれ、美智はそのまま病院へと搬送されていったのですが…