(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 服部平次 遠山和葉(17) 服部平蔵 遠山刑事部長 大滝警部 坂田祐介(26) 長尾英敏 西口多代 野安和人(41) 岡崎澄江(39) 郷司宗太郎 沼淵己一郎 茶店店主 秘書 ニュースキャスター 警官A 警官B 係員 稲葉徹治 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 西の高校生探偵、新一のライヴァル 平次の幼なじみ 大阪府警本部長、服部平次の父親 大阪府警刑事部長、和葉の父親 大阪府警本部 警部 大阪府警東尻署 捜査一課刑事 第一の被害者、コンビニ店長 第二の被害者、居酒屋女将 第三の被害者、タクシー運転手 西都マンション405号室の住人 大阪府議会議員 逃走中の強盗殺人犯 心斎橋のビル2階の喫茶店店主 郷司議員の秘書 心斎橋の死体落下事件を報道 大阪府警の警官 大阪府警の警官 門真運転免許試験場係員 兵庫の教習所教官 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 堀川亮 宮村優子 小山武宏 佐古正人 若本規夫 一条和矢 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 服部幸子 土師孝也 龍田直樹 名取幸政 堀本等 鈴木勝美 田中一成 金光宣明 ??? 声の出演なし |
天王寺動物園に大阪ドームに通天閣─通天閣の天辺から大阪人の人情がたっぷり詰まっているという賑やかな大阪の街を得意気に案内した後、知り合いの大阪府警東尻署の刑事・坂田祐介の運転する東尻署一の”新車”で大阪名物のうどんやたこ焼き、お好み焼きを食べ歩く…これがはるばる大阪見物にやって来た小五郎、蘭、コナンの三人をもてなすための、服部平次流のやり方でした。
ところが”新車”は三人全員から不評を買い、コナンからはわざわざ大阪に自分たちを呼び寄せたことをしつこく訊ねられ、蘭は行く先々で自分に向けられる寒気を起こさせるような鋭い視線が気になるらしく…しかし細かいことはあまり気にせず、堂々としていればいいという平次の生き方には、きっと共感する人間も数多くいるに違いありません。おそらくきっと…。
しかし大阪には平次に勝るとも劣らないほど人情味に溢れ、一方で少し(?)そそっかしい人物がいたのです。その人物は通天閣から平次と彼のそばにたたずんでいる、以前から平次に散々聞かされていたという工藤某の二人の動静を観察し始め(それ以外の人物はその時は眼中になかった模様)、うどん屋、たこ焼き屋と粘り強く追跡していき、お好み焼き屋で平次が電話をするために席を立った所を見計らって、その工藤某に一言物申さんと隣りの席に押しかけたのです…!!
ところが隠密行動だったはずがつい興奮してしまい、時間が経つのも忘れて拳を振り上げて力説していたため、敢え無く平次に見つかり…
その少し(?)そそっかしい人物の名前は遠山和葉といい、彼女の父親が大阪府警の刑事部長を務め、平次の父親である大阪府警本部長の服部平蔵と親友であることから、小さい頃からよく一緒に行動していたという、平次とはいわゆる幼なじみの関係でした。
そしてその和葉の言葉を借りれば、自分は幼少の頃から平次の面倒を見ているお姉さん役で、今回もその自分の使命を果たさんと、平次が東京の女にたぶらかさらねいように見張っていただけだというのです…。それを知らない他人の目からは、二人は息のピッタリ合った漫才コンビにしか見えないこともなかったのですが…
一方二人の父親の大阪府警本部長・服部平蔵と遠山刑事部長はというと、とある殺人事件の捜査のため、大阪府警本部の中で真剣な面持ちで話し合っていたのです。
豊中市と枚方市で起きた二つの殺人事件は一見すると現場も数十キロは離れ、被害者にも共通点は見られませんでした。
ところがただ一つ、被害者がともに上着の胸ポケットにあった財布を貫かれた状態で心臓をナイフで一突きされているという、妙な共通点があったのです…!そして警察はまだ財布の件は公表していない段階であったため、二つの事件は同一犯の可能性が高い…。
無差別の連続殺人ともなれば市民に多大な不安を与えることは必至であるだけに、くれぐれも注意して捜査するよう、平蔵は遠山に念を押し捜査は極秘裏に進められていたのです。
舞台が再び平次とコナンたちが入った心斎橋のお好み焼き屋に戻ると、一行は既に店を出て例の”新車”に乗り込み、次にどこへ向かうかと地図を見ながら思索にふけっている所でした。ところが…
突然近くのビルの上から、平次たちの乗った車めがけて一人の中年男性が落下し、車のボンネットの上に激しく叩き付けられたのです。そしてビルの屋上には一人の男性が下の様子を覗っていて…
すぐに平次とコナンが屋上まで駆け上がりその男性から事情を聞きますが、男性はビルの2階で喫茶店をやっており、何者かに電話で屋上に呼び出されてドアを開けただけだと説明。結局単純な物理的トリックを用いて、その何者かが死体を落下させたのだと判明したのです。ところがその死体をよく見てみると…
何と男性の胸には、平蔵たちが話し合っていた例の二つの殺人の時と同じように、財布を貫いて胸にナイフが突き立てられていたのです…!そして目撃者の中には、その話を聞いて顔を真っ青にしながら慌てて車に乗り込んで走り去っていく、一人の女性の姿が…
一体この事件の犯人は、どんな理由で三人の人間を殺害したのか? しばらくすると被害者の中で二人の人物が、大阪府議会議員の郷司宗太郎と関係があることが発覚し、その一方で平次とコナンは、心斎橋の死体落下現場から青い顔をして立ち去って行った岡崎澄江という女性の住む西都マンションへ事情を聞きに向かったのです。
ところが、西都マンションへ向かった平次とコナンの二人を待ち受けていたものは何と……
今回は初の大阪進出ということで初登場キャラも多いです。特に和葉はこれ以降数多く登場していますが、当時は蘭を目の敵にしていたんですよね。その後の仲良しぶりが嘘のように、蘭にはきつく当たっていました。
一方警察関係はというと、平蔵は言うに及ばず、遠山部長も大滝警部もかなりやり手の印象を受ける敏腕警察官です。東の名探偵と西の名探偵はよきライヴァル同士ですが、警察関係は大阪の圧勝?でしょうか。目暮警部たちの奮起を期待しましょう。
今回は大阪にやって来た小五郎、蘭、コナンの三人を平次が案内しています。31巻の際には今度は和葉が案内することになるのですが、この2つを比較してみるとやっぱり似た者同士だということが分かりますね(笑)