(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮警部 高木刑事 岡野利香(28) 尾崎翠(33) 白木大介(58) アナコンダ片桐(35) 今村孝太郎 青地マリカ 高畑コージ クローク ボーイ 尾崎遥 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 警視庁捜査一課警部 巡査部長、目暮の部下 前衛生け花家 岡野利香の助手 ベイフロントホテルのオーナー パーティー出席者、プロレスラー パーティー出席者、フットボール選手 パーティー出席者、女優 パーティー出席者、サッカー選手 ベイフロントホテルのクローク ベイフロントホテルのボーイ 尾崎翠の姉 |
高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 茶風林 高木渉 塩田朋子 島津冴子 仲野裕 水内清光 声の出演なし 声の出演なし 声の出演なし 千葉一伸 巻島直樹 声の出演なし |
芸能人からスポーツ選手まで、ミーハーな蘭でなくとも思わず歓声を上げたくなるほどのたくさんの有名人たちが集ったベイフロントホテルで、今夜開催されることになっているのは、前衛生け花のアーティスト・岡野利香の世界芸術大賞受賞を記念する盛大なパーティーでした。そしてそこには、名探偵として名高いはずの小五郎も姿を見せていたのですが…
招待状のない人間は中へは入れない─ホテルの玄関に構える二人の警備員は、招待状を持っていない小五郎が中に入ろうとするのを頑なに拒み続けていたのです。ところが、そこへホテルの中から一人の女性が出てきて、自分の招待客だと言って中に通すように警備員に伝えたのです。思わぬ援軍に小五郎は勢いを取り戻しますが、勢い余って今回の依頼内容についてつい口を滑らせてしまい…
「ベイフロントホテルにて死の花が咲く」…このような殺人予告とも取れる文面の脅迫状が、数日前にパーティーの主役である岡野利香に対して送られてきたため、先ほど小五郎を中に通してくれた利香の助手・尾崎翠の一存で、万が一のことも考えて名探偵の小五郎に依頼をしてみたという訳でした。
ところが狙われているはずの当の利香は非常に気の強い性格らしく、自分の受賞を妬むセコい連中のイタズラだと、翠の言うことを相手にもしていない様子だったのです。
岡野利香というのはTVにもよく登場するという前衛生け花のアーティストでした。そしてその彼女が発展させて現在の形にしたという前衛生け花というのは、生けた時はつぼみだった花が、まるで手品のようにパッと開くという派手な趣向を凝らした生け花の方法で、液化窒素を使って瞬時に凍らせた花が温度の変化に伴って開く所に秘密があるということでした。
小五郎たちが岡野利香の控え室で彼女と助手の尾崎翠の二人としばらくそのような話をしていると、そこに一人の男性が入ってきて、脅迫状の件について利香に問い質し始めます。
その男性はベイフロントホテルのオーナーの白木大介で、ホテルのオーナーを務めるだけではなく、利香の前衛生け花を白木グループの力を借りて全面的にバックアップしてきた利香にとってみればいわばパトロン的な存在で、そのため今回のパーティーの「商業的」な成功を何よりも心から願っている一人でした。
利香はそのことでパーティーを中止することはないと白木に念を押しますが、彼がそれを聞き安心したようにして部屋から出ていくと、利香は金で芸術が買えた気になっている白木をひどい口調でけなし始めます。どうやら白木も利香も、一癖も二癖もある傑物のようでした。
それから小五郎たちはパーティー会場へと戻り、小五郎はパーティーの開始を前に美味しそうなご馳走の数々に涎が止まらない様子でしたが、そんな小五郎のもとにホテルのボーイと思われる一人の男性が現われて、名探偵に相談を持ちかけてきたのです。
そのボーイの話によると、ホテルのオーナーの白木が時間になっても現われず、部屋に呼びに行きノックをしても全く応答がないということでした。そこで小五郎がそのボーイと一緒に、スペアキーを使って白木の部屋へ入ってみると…
何と部屋の中には、黄色いネクタイを首に巻きつけられ、ソファーに仰向けになって倒れた状態で息絶えている、白木オーナーの姿が…!!
すぐに警察が呼ばれ、目暮警部の指揮で捜査が開始されます。白木オーナーの死因は予想どおり絞殺で凶器は彼の身につけていたネクタイでした。
そして、目暮たちは、ネクタイの結び目の位置から白木は正面から首を絞められたと推定。そのため被害者の抵抗をものともしないで首を絞められるほどの力の強い人物が犯人であると推理したのです。
そして調べを進めていくうちに、出席者の一人のプロレスラー・アナコンダ片桐が、以前ディナーショーにゲスト出演した際にギャラのことで白木オーナーと揉めた事があることが判明して…
一方パーティーの主役の岡野利香はといえば…殺人予告の通りに殺人が行われた状況にもかかわらず、招待客がこれほどいる中でパーティーを中止すれば自らの経歴に傷がつくと頑なに主張し、強引にパーティーの続行を認めさせてしまったのです。
そして白木の死に対しても、自分にとってみれば最高の受賞祝いであり、彼の存在は自分が有名になるための踏み台に過ぎない存在だったと、カクテルを飲み笑いながら祝杯を上げていたのでした…。
あまりの自分勝手さに呆れるコナンでしたが、そんな中コナンは利香が事件の前に言っていた白木に対する言葉をふと思い出し……