(青山剛昌原作・小学館・週刊少年サンデー)
江戸川コナン 工藤新一 毛利蘭 毛利小五郎 阿笠博士 目暮警部 妃英理 工藤優作 工藤有希子 山村刑事 九十九元康 九十九七恵(42) 九十九文乃(6) 真田一三(27) 三好麻子(20) 百地裕士(25) 木之下吉郎 藪内義親 義親の妻 義親の妻の兄 藪内真知子(39) 藪内義房(64) 藪内広美(37) 藪内秀和(41) 藪内義行(32) 藪内敬子(28) カルロス(26) 弁護士 サングラスの男 警官A 警官B ヒクソン田中 |
本編の主人公、正体は工藤新一 本編の主人公、高校生探偵 本編のヒロイン、新一の幼なじみ 蘭の父親で私立探偵 新一の家の近所に住む自称天才科学者 警視庁捜査一課警部 蘭の母親、腕利きの弁護士 新一の父親で世界的に有名な推理小説家 新一の母親で元人気女優藤峰有希子 群馬県警のヘッポコ刑事 世界的に有名なマジシャン 九十九元康の妻、事件の依頼人 九十九元康の娘、帝丹小学校1年A組 マジシャン、九十九元康の弟子 マジシャン、九十九元康の弟子 マジシャン、九十九元康の弟子 九十九元康の弟子、14年前に事故死 藪内家当主、ひと月前に癌で他界 15年前井戸に落ちて他界 藪内義親の妻の兄 藪内義親の後妻 藪内義親の弟、ブラジル帰り 藪内義親の娘、有希子の同級生 藪内広美の夫、婿養子 藪内義親の息子、広美の弟 藪内義行の妻 ブラジルからやって来た藪内義房の友人 義親の遺書の発表にやって来た弁護士 サングラスをかけた謎の男 群馬県警の警察官 群馬県警の警察官 日系二世、カルロスのボディーガード |
高山みなみ 山口勝平 山崎和佳奈 神谷明 緒方賢一 声の出演なし 高島雅羅 田中秀幸 島本須美 古川登志夫 声の出演なし 久保田民絵 吉田古奈美 置鮎龍太郎 日野由利加 小森創介 声の出演なし 塚田正昭 声の出演なし ??? 藤本聖子 藤本譲 榎本智恵子 山口嘉三 清水明彦 津田正澄 声の出演なし 中博史 ??? 千葉一伸 高木渉 藤本譲 |
何が恋愛の季節だか…母親の有希子からかかってきた電話の内容も、その後事務所で小五郎が受話器を手に話していた会話の内容も、どちらも犬も喰わないような夫婦ゲンカでした。やっぱり秋は食欲に限る…コナンはそんな風に悟りながら事務所のソファの上に横になり、蘭の帰りを今かと待っていたのですが…
日も暮れかかった頃、気がつけばコナンはいつの間にか寝入ってしまっていたのです。そして事務所に戻って来た蘭はそんなコナンを起こそうとソファに歩み寄り、それからかけっ放しで眠っていたコナンの眼鏡を外そうと手をかけたのですが…蘭は眼鏡を外したコナンの顔をひと目見るなり…昔どこかで見たような、しかしその場所までは詳しくは思い出せない…そんなもどかしい気持ちにさせられたのです。
そこへ蘭の物思いを遮るように事務所に来客が現われ、蘭もその応対をしているうちにいつの間にかコナンの素顔のことは再び記憶の奥底に仕舞いかけ始められていました。ところが蘭は、依頼人の夫で有名なマジシャンのマジックショーを小さい頃家族と連れ立って見に行ったことを思い出し、その時のアルバムを取り出して写真を見てみたのですが…その写真に写っていたのは何と……
今回の依頼内容は概ね次のようなものでした。まず依頼人の名前は九十九七恵といい、彼の夫は世界的にも有名なマジシャンの九十九元康だというのですが、今回の依頼というのはその彼女の夫・九十九元康の死の真相を探って欲しいというものだったのです。
1週間前、七恵は元康を一人残して外出をし帰宅してみると彼の姿が見えなかったため、もしかしたらと新しい手品のネタを研究するためという彼専用の地下室に行ってみたというのです。すると部屋の中では、元康がトリカブトから採取される猛毒アコニチンを飲み冷たくなって横たわっていたというのでした…。
警察の調べでは家の鍵は全て内側から施錠されており外部から何者かが侵入した形跡はなく、また住み込みの三人の弟子は全員が死亡推定時刻には七恵と一緒に米花ホテルのディナーショーでマジックを披露しており、また仮にカプセルなどで毒を飲まされたとしても元康は電話をするなりドアの鍵を開けて助けを呼ぶことができるにもかかわらずそういう形跡も全くなかったため、内部犯の可能性も考えられないというのです。
そこで元康が自ら毒を飲んで自殺した、というのが警察が下した最終的な結論だったのですが…
ところが1週間後の翌日は元康と七恵の愛娘・文乃の7歳の誕生日で、元康は1ヶ月も前からプレゼントを用意してその日を心待ちにしていたというのです。
更には地下室の机の上に残されていたというスペードのAとJが貼り付けられた奇妙なトランプのカードの謎も解明されておらず…
そのため七恵は警察の結論にどうにも納得できず、小五郎に相談を持ちかけたということでした。
結局小五郎は蘭とコナンを連れ立って九十九邸に赴き、元康の地下室を詳しく調べてみることになります。そして調べていくうちに部屋の中には自殺とは考えにくいような奇妙な痕跡がいくつも見つかって……
そして事件解決の後、コナンを待っていたのは何と…
九十九邸での事件解決の翌日、コナンは昨夜ロスから戻って来たばかりの母親・有希子の運転するバイクに乗せられて、群馬県に住む有希子の幼なじみの藪内広美に会いに行くことになります。
何でも広美の父親で藪内家の当主・藪内義親が先月癌で他界したらしいのですが、その遺産をめぐって藪内家の中ではひと騒動持ち上がっており、その相談を持ちかけられたというのでした。
藪内家というのは付近一帯の仕切る大地主で、義親の残した遺産というのも莫大なものでした。そして当主の義親の他に藪内家は、5年前に結婚したという彼の二番目の妻である真知子、義親の弟で広美の叔父にあたる義房、長女であり有希子に相談を持ちかけた幼なじみの広美、広美の夫で婿養子の秀和、長男で広美の弟の義行とその妻の敬子…以上が今も健在で遺言の対象になるであろうと目されていたのです。
ところが、そんな藪内家の人間のうち、広美の叔父で義親の弟である義房を名乗る人物がどうも胡散臭い感じがするというのです。
義房は30年も前にブラジルに渡ってしまっていて、久しぶりの帰国。そして義親も義親の先妻も既に他界しているため、昔の面影を知るのは広美と有希子ぐらいだというのでした。しかし広美も30年も前、小学校に上がる前のことだったためよく思い出せず、決め手に欠ける状態。そんな状態のため、藪内家の皆が義房を名乗る人物に疑いの目を向けているというのです。
一方その義房の方にも実はとんでもない事態が持ち上がっていたのです。何とブラジルにいた頃彼に対し次のような脅迫状が送りつけられてきたというのです。
「お前にやる遺産は無い 命が惜しくば帰ってくるな」─そう新聞や雑誌の文字の切り抜きで書かれた手紙を受け取った義房は、手紙を送りつけた人物を突き止めるため、万が一のために雇ったというブラジル人で柔術の達人の用心棒・カルロスという大男を引き連れてはるばる日本にやって来たというのです…
他にももう一つ、藪内家は火種を抱えていました。それは15年前に他界した義親の最初の妻の死をめぐってのことだったのです。
15年前の大雪の日、義親の先妻は屋敷の庭に植えられていた姫椿(サザンカ)の花を取ろうとして近くにあった古井戸の縁に乗り、誤って足を滑らせて転落して亡くなったらしいのですが、先妻の兄だという人物はそれが事故だとは信じず、藪内家の誰かが突き落としたに違いないと非難を浴びせたというのです。
そして義親はその事故をひどく気にかけていたらしく、ひょっとすると遺産の相続人に先妻の兄の名前も書き残しているかもしれないというのですが、だとするとその人物も藪内家を訪れることは間違いなく…藪内家の面々は戦々兢々としていたのでした。
更には屋敷の周囲をうろつく不気味なサングラスの人物の存在もあり…不気味な空気が流れる中、遺言執行の時が刻々と迫っていきますが、そんな中藪内家では友人の結婚式の二次会に出席すると言い残して邸を去った後妻の真知子以外は皆で大広間に集まり晩餐を楽しみます。
そして夜9時を過ぎた頃から、入れ替わりに今時珍しい五右衛門風呂の湯に浸かり一日の疲れを癒すこととなったのですが…
義房が一番風呂に入った後、敬子、義行、秀和と続き、10時過ぎには有希子が入り大広間へと戻ってきます。そして丁度その時でした、突然庭の方から広美の叫び声が上がったのです…!
驚いたコナンや有希子たちがいそいで駆けつけてみると、廊下には腰を抜かしながら驚いた表情を見せている広美の姿がありました。そして彼女が言うには、つい先ほどサングラスをかけた怪しい人物が裏木戸から外に逃げていったというのです。更にそのそばにあった古井戸の桶が何かがひっかかっているらしく上がっていて…
男たちの手でその物体は引っ張り上げられますが、引き上げてみると、そこに姿を現わしたのは何と……そしてそのそばには、15年前に転落死した義親の先妻の時と同じように姫椿の花が……
よくよく検討してみると意外と近いことが分かります。というより有希子さんも実はこれに該当しているんですよね(苦笑) ただそれはあり得ないので「?」の部分のどちらかということになります。
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祖父 兄 兄(弟)
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父 娘 子
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優作-有希子 ? ?
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新一
ちなみに伯父(伯母)というのは自分の父母の兄(姉)を指し、叔父(叔母)というのは自分の父母の弟(妹)を指します。
この点例えばアメリカの推理小説家M・D・ポーストの生み出した私の大好きな名探偵アンクル・アブナーは、語り手のマーティン少年の父・ルーファスの兄にあたりますから「伯父」になる訳です。